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2020年07月01日
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おはようございます、ひなこです。


8月30日
キャロルは、今日、ママについてありとあらゆる悪口を言いだした。だから、もうあの女とは仲良くしない。
あいつは、嫌な女だ。
自分の父親は、ママを思いのままどうにでもできる、だってあなたのママは年食ってるし、他には誰もやってくれないからって言いだした。
それから、僕が何が起こってるかの半分のことも知らないとか、ママが彼女のフラットに前遊びに行ってた頃、父親と二人でやってたことと言えば、午後の間中、ずっとベッドに入ってただけだとか言いだした。
僕はあいつに、止めろって言ったけど、僕の耳の近くで話し続けた。ずっと変な笑顔を顔に浮かべて。
僕は、そんなの全部大嘘だって言った。でもあいつは笑って、あんただって全部本当だって分かってるに違いないって言う。
それからあいつ又続けて、前に彼女のフラットでの沢山の怒鳴り合いがあったことや、ママが服を何も着ないでベッドルームから締め出されたこととか言い続けた。

僕は立ち上がって、家の中に入った。キャロルは笑ってた。それよりもっと酷い事をもっと教えてあげるって言って。
あいつは、嫌な女だ。

9月2日
今日は、ママとジョンは(ケント州)マーゲイトに出かけていてずっと留守だった。
てことは、キャロルと僕は午後の間ずっとゲームをして遊べたってことだ。
僕達は1時間位遊んたでたかな、僕があいつのおっぱいの片方を触った時には。
そんなことしたらあいつは起き上がって遊ぶのを止めると思ったんだけど、なんとそのまま寝転がったままで、僕にしっかり楽しませてくれた。
僕のTシャツに手を伸ばして、その手は僕の身体中を撫ぜ回した。
だから僕はあいつのパンティーに手を伸ばそうとしたんだけど、突然僕のお腹に爪を立てやがった。
すごく痛くて、僕は叫んで転げまわった。
僕のおへその周りには、小さな跡が一杯あった。

あいつはその時にはもう起き上がっていて、僕を見ていた。そして「お行儀悪かったわ。お家に戻りなさい」と言った。
「お家に戻りなさい」って言ったんだぞ。
僕はあいつを見ていた。太陽があいつの背後で沈んでいっていた。そして眼鏡がきらきら反射してた。だからあいつの目は見えなかった。ただ丸い光の平らな板みたいで、僕に微笑みながら「お家に戻りなさい」って言い続けてた。

続く。





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最終更新日  2020年07月01日 07時00分09秒
[サー・カズオ・イシグロ作品の翻訳] カテゴリの最新記事


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