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2005.12.09
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カテゴリ: 音楽


佐久間順平さんのCD『最初の花』
「さるまたの唄」から「酒飲みの唄」「ありがとう いのち」への流れがとても好きだ。
さるまたや酔っ払いの反吐を歌っても、下品にならないところがよろしいです。

「さるまたの唄」は林亭で知っていたのだが、なんとも人を食った金子光晴さんの詩が素敵だ。
もちろんさるまたは象徴でもあるが、でも、さるまたはさるまたなのだ。

 ♪ 父と子が二人で一枚の
 ♪ さるまたしか持ってないので
 ♪ かわりばんこにはいて外に出る
 ♪ この貧乏は東洋風だ

父が死んでさるまたを独占できるようになった子は少しの間だけ豊かになる。
でも、カニがさるまたを引いて行ってしまったので、子は無一物となりはてる。

 ♪ 子は知ったさるまたなしでは
 ♪ 泥棒や乞食にもなれないと
 ♪ さるまたなしでは人前に
 ♪ 自分の死様もさらせないと

健康のためにパンツ履かないといった話ではなく、唯一の持ち物がさるまただったのだから、子はいつも川に浸かっているのだ。
岸づたいに行く女の子を、子は水から首だけ出して見送る子

 ♪ かまわず丸裸で追いかけろ
 ♪ 丸裸で追いかけろ
 ♪ それが君のそれが君の
 ♪ 革命なのだよ

子は革命を起こせるか。
東洋風ですらなくなったこの貧乏から、生を謳い上げることができるのか。

しかし、さるまた、死語なのである。
若者に通じるだろうか。

亡き親父様は、確かに「さるまた」と言っていた。
それは女物の「ズロース」と対をなすものだった。
「ズロース」は外来語だ。
つまり「drawers」なので、引き出しや箪笥と同じ語だ。

おなじみ広辞苑を引いてみる。



ズロース【drawers】
女性用の下ばき。股間部をおおい、太もも丈のゆったりとしたもの

さる‐また【猿股】
男子が用いる腰や股をおおう短いももひき。さるももひき。西洋褌。「―をはく」



「西洋褌」や「さるももひき」ではもう何のことかわからない説明だ。
江戸時代の庶民の下半身は、股引き姿だったのだろう。

すると、私の世代がおなじみの『男おいどん』の、あのトランクスは、本当はさるまたではないのかもしれない。
ちなみにトランクスはもちろん外来語で、「trunks」だ。
つまり、鞄や自動車の「トランク」や、「幹」と同じ語だ。

ある知人が高校生だった頃の話。
世界史の授業で指されて「バブーフ」を答えなければならなかった生徒が、ついうっかり「ブリーフ」と答えてしまった。
彼が高校時代を通じて「パンツ君」と呼ばれるようになったのは、言うまでもない。

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Last updated  2005.12.09 20:16:37
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