闘魂 サバイバル生活者のブログ

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働くとは



われわれは労働力を売って生きているが、労働力という商品はふつうの商品とは違う。生きるための最初で最後のよりどころである。

憲法が保障する自由=人間の尊厳を傷つけるような取引には制限がかけられる。当然、健康で文化的な最低限度の生活を送れるような賃金以下で取引されてはならない。つまり、元来、この商品は自由競争になじまない性質のものなのだ。

そもそもこいつはタイムラグにきわめて弱い。物価水準が一定で、賃金が下がると極端な話生命が脅かされる。いま日本で起きているのはこれだ。

おまけに買い叩きに弱い。なぜなら、日々の衣食住を確保するためには、どんな状況でも歯をくいしばって労働しなければならない。ましてや養うべき家族がいる場合にはその悲壮さは倍増する。それが労働力という商品の性質だ。

労働力という商品はそういう性質を持ち、したがって具体的な局面では自由競争にさらされると買い叩きに全く抵抗できない。非正社員の悲劇の真の原因はここにある。

繰り返すが労働力という商品は自由競争になじまない。最低賃金法さえ改正できないようなセーフティーネットのない日本で労働力の買い叩きという非人道的なことが起こっている。

解決の糸口となるキーワードはオランダだ。ワッセナー合意でググるといい。

政治家にはオランダと日本の大前提の違い、すなわち雇用環境の違いを知ることから勉強してもらいたい。ちなみに連合の高木剛会長は経営側にはオランダ並の雇用環境に耐える力はないと喝破している。

経営側に相当の覚悟がなければオランダのように非正社員が社会に定着することはなく、克服すべき社会問題で終わる。

2006年12月6日 根賀源三

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