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私が「卒業式」で思い出すのは、小麦粉である。
高校の卒業式が終わり、いよいよ卒業生を校門の外へ送り出すために作る花道で、卒業生に向けて、「花吹雪」ではなく、その白い粉を思い切り投げつけることが、当時我が県内で大流行していた。
だから当然、髪の毛から制服全て全身白い粉まみれの卒業生が、手には花束を抱え、町中を闊歩していたものだ。
しかし、その白い小麦粉まみれの洗礼を受けられるのは、「人気者」のみであった。
「部活をしていて、後輩に知り合いが多い人」や、「明朗快活で、生徒会活動をしていた人」等は、花道の最後の校門近くまで来ると真っ白になって、粉煙が舞うほどであった。
部活も途中で止め、特に目立つこともないどころか、「さえない女子高校生」「その他大勢」の一人であった私は、花道を何のハプニングもなく、制服に白い粉の一粒さえ降りかかることもなく、無事に校門までたどりつくことができた。
何と寂しく切ない事だったか・・・
それから時は流れ、その後「小麦粉かけ禁止令」が、各学校で出されたらしく、最近では、白い粉まみれの卒業生が誇らしげに街を歩く姿も見かけなくなった。

本当に、今の卒業式は華やかで、涙あり笑いありで、誰一人として昔の私のような寂しげな子は見あたらなかった。それはそれで感動的ではあるが・・・
我が家の小さな花壇に、春三月に唯一咲く花、「ツツジ」。
まるで、「私を見て!」と言わんばかりに、ひと月ほど競って咲き誇る。
私は、「野に咲く花のように・・・」でいい。
ひっそりと、3月31日の仕事の「卒業」の日を待ちわびている。
マクロビ料理教室(2) 2009年04月21日