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コメント新着
あれはまだ僕が、4,5歳の頃の話です。今日みたいな暑い夏の日でした。
幼稚園の遠足で行った阪神パーク。
楽しいはずの遠足なのに、覚えているのは、ただその一瞬だけです。
子供の僕にとっては、それ程に恐ろしく悲しい出来事だったのです・・・
その一瞬は、僕たちが象の柵の前で休憩している時に訪れました。
なんの前触れもなく。
時計の針はもうすぐ正午になろとしています。
そこには、ばらばらに動物を見ていた園児達が、一緒にお弁当を食べる為に集まり始めていました。
いち早く集合場所に到着した僕は、歩き疲れたのと空腹の為、柵の下に座り込んでいました。
お弁当の入ったカバンを横に置いて。
暫くすると、辺りに微かなどよめきが。
顔をあげると、皆が一方向を凝視しています。
私もその方向を見ようと振り返ると、そこには一頭の象が。
その象は、一心不乱に何かを踏み潰している最中。
そして、納得がいったのか、やおら長い鼻でそれを掴むと口の中へ。
食べてしまいました。
疲れと空腹で朦朧とする中、今しがた象が踏んでいた物が頭に張り付いて消えません。
僕は、あれを知っている・・・
身体中の感覚が警報を鳴らし始めました。
急いで左手を伸ばします。指先に触れるはずのカバンを探して。
しかし、そこにあるのはただの空間。
カバンが無い・・・
僕は振り返り、象のお腹を眺めました。
夏の強烈な陽射しを浴びて陽炎が立つ中、そのお腹は微かに膨らんでいるように見えました。
もしかしたら、それは僕の涙のせいだったのかもしれません。
今日もいい天気!弁当を盗られない様に一日頑張りましょう!