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第二五巻　癩王のテラス/LONG AFTER LOVE

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類まれな俳優の妻であり、母でもある稀有な女優さんがゲスト。

【スピリチュアルチェック】
☆　小さい頃なりたかった職業→…あ、私ですか？ええっと…女優さんです。
☆　人生で一番嬉しかったこと→子供たちが生まれたことです。
☆　人生で一番辛かったこと→家族が亡くなったことです。
☆　不思議な体験→火事になりそうなのを、亡くなった母が教えてくれたことです。
☆　いま松田優作さんに伝えたいこと→「頑張ってるよ」っていうことです。

美「ようこそ、どうぞ☆」
国「さあ☆美輪さんとはお会いになったことはあるんですか？」
松「はい、１度だけ対談で」

美「え？」

松「あ、美輪さん？美輪さんは初めてです、ごめんなさい…」
国「ちょっと緊張されてるんですか？☆」
松「すみません…」
国「さきほどスピリチュアルチェックで『私ですか？』と言っていましたけれども☆
松田さん以外、誰があそこにいるんだろうという…☆はじめましてですか、美輪さんは」
松「はじめましてです。お会いできて光栄です」
美「こちらこそ☆」

国「どうですか、美輪さんの印象というのは…」
美「恐ろしい？☆」
松「私は美輪さんとか、本当に何かね…何か懐かしい感じがするんですよ、すごく。

国「これまた深い話ですね☆どこかで本当に会っているかもしれないですよ」

美「ご主人の優作さんの想念というかね、そういうものがスーッと伝わったんじゃないですか？
他局のラジオの何かの、他の人の打ち上げのときに紹介されて、
私、失礼なことを言っちゃったのね。
『あなたの好みでしょう？』って紹介されたんですよ、ご主人を。私、はっきり言う方なので

『趣味じゃないわよ、別に』普通言われたら『何、この野郎』って思うじゃありませんか。
口もきかなくなるとか、そういう風になるでしょう？
一切、それがない方なの。それでもにこにこしていて、丁寧で優しくてね、謙虚な方だったのね。

次に名古屋駅のところで会ったら、向こうからパーッと走って来る人がいたんですよ。
『まあ、ホームを駆けてくる人がいるわ』と思ったら、ご主人だったの」
松「ああ、でも良かったですね。美輪さんが…あの…ライバルだったら負けますものね☆」

美「それで走っていらしてね、わざわざ私のところまで、挨拶にいらしたの。
『松田です。お久しぶりです』挨拶が終わって、ちょっと話したら
またパーッと自分のホームを、扉の方に走ってお帰りになったのね。

まあ、随分とにかく…私のことは、原田くんから、いろいろ聞いていらしたみたいね。
ご主人は原田芳雄さんのこと、大好きだったのね。
その想念みたいなものがズーッと入ってきてるでしょう」

江「最も喜んでいますからね。美輪さんとお会いすることをね、ここで。
原田さんのことだけじゃなくて、役者さんとしての美輪さんに対する尊敬とか
そういったことがいろいろおありになったみたいなんです、ご主人自身も。
だからそういうことでの、やっぱり喜びがあったと…」
国「今日はいろいろ見られると思いますけれども、覚悟しておいてくださいね☆」
美「見るのはこちらでございます☆あたくしじゃございません☆」

国「江原さんは、一回お会いしたことが…」
江「ええ、対談で☆」
松「すみません☆」
国「どうなんですか、スピリチュアルな、そういうもの、興味あったりしますか？」
松「あります、あります」

江「すごいですよ。今日はスピリチュアル対談だと思います☆」
松「えー？！☆」
国「蚊帳の外バージョンですね、僕は☆まあ、ちょっとは、相槌は入れますけれども☆」

松「でも本当に、江原さんと美輪さん、大好きなんですよ☆だあい好き☆」
美「何で？☆」
松「もうね、この濃さが好きですね☆もう端から見ても、濃いまくってますよね☆
もうこの濃さが…どれだけ人間的に溢れているんだと…」
国「そうですよね」
松「はい、大好きなんです☆」

国「不思議な体験の中で『お母さんが火事を教えてくれた』というようなことを
言っていましたけれども…どんなことですか、それは」
松「亡くなった母の仏壇にお花を置いていたんですね。子供たちと旅行に出かけようと思って
『さあ、用意して行くよー』と言ったら、いきなり仏壇から、お花がバンって落ちたんですよ。

びっくりして、風もないのに。割れた花瓶を片付けていたら、アイロンがバタンと
そこのところに置いてあって。アイロンをパッと持ち上げたら、真っ黒に三角に
床が焼けていたんですよ。床ですよ。それでもう、涙がボロボロ出ちゃって…
『お母さんが教えたー！』と思って…」

美「それは電気コードが繋いでて…付けっぱなしだったんですか？」
松「そうです、付けっぱなしだったんです」
美「あらまあ…怖い…」
国「『行くよ』ってそのまま出ていたら、もう火事になった可能性があるわけですよね」

松「それだから本当にびっくりして…それも、ガラス、花瓶が割れたんですね。
それでその花瓶のカケラを片付けていたら、パッとみたら
『あ、何でこんなところにアイロン？』という感じで…」

美「どなたが付けっぱなしにして置いておいたんですか？こちら様ですか☆」
国「今までの話だと…違う方が…☆『あれ、何でこんなところにアイロン？』というと…
娘さんか息子さんがやったのかな？と思いきや…」

松「…それ…私な感じですね☆」
国「本当に天然なところがあるんですね☆」
美「そうそう☆」

江「多分、ＴＶをご覧になっている方もたくさんいると思うんですよ、
そういうことを経験した方が。でも、その粋な計らいといっても、
個性が出るんですよね、不思議と。

あの…例えばその人が、非常にロマンチックな方だと音楽を鳴らしてみたり、
お母さまみたいにね、もともとテンヤワンヤのガシャガシャした…☆
ごめんなさい、そういう方は、バシャーンっとこう…倒してみたり、割るとかね、
そういうような行為だったり。

それはアイロンを教えるでもね、他の仕方もあると思うんですよ。
煙を上げるとかね、いろいろあると思うんだけれど、結構強い…
『何やってんのよ！』っていうね☆」

松「その通りなんですよ、また☆そういう母だったんですよ☆」
江「そこにも個性が出るんですよ。『お母さんらしいなあ』とか」
国「お母さんは花瓶まで割って知らせるわけですものね☆」
松「まったくそういう母だったんですよ」

ねじめ正一さんの小説「熊谷突撃商店」の主人公のモデルは、面倒見が良く、
明るい性格だったというお母さまの清子さん。
画面にはとても美しく明るい印象の写真が映し出されました。
美由紀さんのお姉さま・熊谷真実さんはひとり芝居でお母さまを演じられたのだそうです。

国「お母さんは結構早くに…」
松「はい、５７歳で」
国「お父さんは？」
松「８４で」
国「８４歳で亡くなられたんですか。それは最近の話ですか？」

松「はい、そうです。父親というのは、すごく面白い人で…」
美「肝心なことをね、言葉は少ないけれど、ポツ、ポツっと重要なことをおっしゃるでしょう？」
松「ほんっ…とうにそう。そうなんですよ☆すごい…」
美「グジャグジャ無駄なことはおっしゃらないのね。
一番肝心なことを、グサッと端的におっしゃるでしょう？」

松「そぉーなんですよ☆それで、メモしたくなる位のことを言うんです。
それでね、いつか父が病気になったときに、遊びに行くと
『美由紀に会いたくて会いたくてしょうがない。美由紀が可愛くて会いたいんだけど、
会うと凄く嫌な気持ちになる』って言うんです。

『何で？』と言ったら
『また生きたくなるじゃないか。生きていたくなるじゃないか』
『もう自分は８０いくつで、もう時間がないのに、まだ生きたいと思ってしまうのが悲しい』
とか言ったりするんですよ。『…お父さん、格好いい☆』みたいな☆」
美「名文句ね☆」

松「そうなんですよねえ☆何か父がね、母が亡くなった時に、母の観音さまを建てたんですよ。
１０メートルの☆観音さまを…庭の…山のてっぺんに建ってるんです☆」
国「すごい…☆１０メートルって、でかいですよね☆」
松「でしょ？☆」

美「そんなに大きな庭なんですか？」
松「田舎の庭ですから、山があるんですよ。庭全体が山になっているんですよ。
それのてっぺんにですね☆１０メートルですよ☆」
国「山の上に１０メートル…でかいなあ、それは…」

松「それで亡くなった日には、それをどうすればいいのか☆本当に困って…」
国「今もあるわけですよね☆」
松「ありますよ☆」

美「それは結局、愛の証なのね☆」
松「それで『これ何？』って言ったんですよ。そうしたら『愛の形』とか言うんですよ」
美「やはりね」
松「いや…愛の形、でっか過ぎる☆」
美「それだけ愛が大きいということね☆」
国「すごいですね、お父さんは」

続きます。

「オーラの泉の日記」

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