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わたしは丼物、なかでも卵でとじたものが好きですが、いちばんシンプルなのが卵丼(「玉子丼」=ギョクドンとも)、これに少し具が入ったのが、木の葉(このは)丼です。具は、かまぼこの薄切りと、長ねぎの青い部分を薄く斜めに切ったもの。ねぎは太めの斜め切りを縦に切って、ひし形にしても綺麗ですが、ともかくこれらを木の葉に見立てたのでしょう。子どもの頃によく作ってもらいました。細切りの薄揚げを煮て卵でとじた信太(しのだ)丼とともに、材料は豪華ではないけれど、充分に満足感を感じていたように記憶しています。1人前は、卵のサイズにもよりますが、だいたい水60~80ccでしょうか。ここに少し濃いめの醤油味と砂糖、みりんを加え、紙のように薄く切ったかまぼこと青いねぎを強火で煮きます。卵はお椀などに割ったら、まず黄身を崩さないように黄身の周りのぷるぷるした白身をよくほぐし、最後に黄身を6つか8つかぐらいに分かれる程度に崩します。ねぎに火の通る加減を見て、溶いた卵を、できるだけ小鍋の水面に近い高さから静かに一気に入れ、周りが沸いてきたら1~2回かき混ぜて、弱火にします。半熟でも、よく火の通ったのでも、お好みで加減してください。くれぐれもかき回しすぎず、煮きすぎないように。黄身と白身とを完全に混ぜ合わさずに作るほうが、味も滑らかで、見た目も華やかになります。具のかまぼこやねぎは、決して多すぎてはいけません。卵が鍋底にこびり付くのを防ぐために入れているんだ、ぐらいのつもりで、控えめにしてください。あくまで主役は卵ですから。卵とじができあがれば、大きめの丼に適量盛った熱々のごはんにふわりと乗せて、いただきましょう。勿論、そのままで結構ですが、刻み海苔や三ツ葉を飾れば、さらに風味が増します。
2006年02月26日
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松山土産に「さつま」を買って帰りました。正確に言えば「伊予さつまの素」ですが、愛媛特有の甘めの麦味噌に、鯛、砂糖、ごま、昆布各少量を混ぜたものです。1人前40gを60ccのお湯か水で溶き、刻んだねぎ、みかんの皮のみじん切り、ごま、こんにゃく、きゅうり、油で炒めたごぼうなどのお好みの薬味を入れて、温かいごはんか麦めしにかけて食べる、というものです。鯛や他の具が入るというものの、つまりは味噌汁かけごはん、ということですね。実際には夕食時に2袋80gを120ccのお湯で溶き、刻みねぎ、きんかんの皮を刻んだもの、黒ごまを混ぜて、4人分としていただきました。申し訳程度に魚の身が入っていましたが、わずか1個分ながら、きんかんの味がとても効いていました。4人で分けたため、汁かけごはんにはならず、「緩めた味噌を乗せたごはん」になりましたが、わたしはそのほうが良かったですね(^_^;)。これなら鯵か何かを焼いてほぐし、追加トッピングしてもよかったと思います。「さつま汁」は、鶏肉やにんじんなどが入るいわゆる薩摩汁と、このぶっかけ飯の伊予さつまの2種類あるようです。伊予のさつまは、冷たいままかければ宮崎の冷や汁のようなものだと書いてあるものもあります。九州から愛媛に伝わったので「さつま」。夫が妻を佐(たす)ける料理という「佐妻」は、いかにも後付けのように思います。そういえば愛媛のもう一つの鯛めし、鯛の刺身をごはんに乗せて食べるものは、炊き込みの鯛めしに対して日向飯(ひゅうがめし)とも呼ばれます。どうも、よその地名を付けるのがお好きなようで……。
2006年02月23日
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ご飯を炊くときに、米の上に鯛を丸ごと1匹乗せて豪快に炊きあげる鯛めし。伊予の名物として知られていますが、さてさて実際に作るとなると、うろこは完全に取っておかないといけないわ、小骨も気になるわで、難しいものです。で、はなだんな流を紹介します。参考になったのは、市販の(いとよりを使った (;_;))「鯛めしの素」です。鯛といえば、やっぱり真鯛。ちゃんと真鯛を使いますが、切り身やあらでもOKとします。尾頭付きとはいきませんが……。材料:米n合。鯛の切り身n切れ。醤油(あれば薄口)、酒、長ねぎ各適量。手順:1)米は洗って炊飯器に入れておく。2)鍋に水(n×400cc)を入れ て沸かし、醤油と酒でお吸い物よりも薄めに味付けする。3)鯛の切り身 は焼いたあと、鍋に入れてしばらく煮る。4)煮汁を少しさまし、一部を 炊飯器に(目盛りまで)移して、スイッチを入れる。少々熱い煮汁でもよ い。このとき、うろこ、小骨、余分な油分が入らないよう、玉じゃくしと 網で、丼鉢などに漉してから炊飯器に移せばよい。5)ご飯が炊けたら、 うろこや小骨を取った身を混ぜ込む。6)余った煮汁は、ご飯を炊いてい る間に、ぶつ切りの長ねぎを入れたお吸い物にする。長ねぎはしばらく煮 る。必要なら人数分になるように、水、濃い口醤油などを加えればよい。骨などは仕方がありませんが、だしも含めて余さず使うというのが方針です。出来上がりに針しょうがや木の芽などの薬味を添えることもできますが、まずは鯛そのものの味をいただいてみてはいかがでしょうか。あらを使う場合は、頭などの身の少ない所はだしが多く出ますが、食べ足りないかもしれませんので、胴骨のあたりを使うほうがいいかもしれません。……でも、せっかくの鯛めしですから、やはりある程度は上品な白身が欲しいと思いますね (^_^)。
2006年02月18日
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岡山県倉敷の銘菓です。小麦粉と卵、砂糖、重曹を溶き、鉄板で焼いた生地で小豆あんを包んだもの……こう書くと、何の特徴もないようですが、一見して違うのは、鉄板で焼いて茶色く、平らになった面を表にしてあるのではなく、「ひっくり返す前のホットケーキ」というか、表面がぶつぶつに穴の開いた面を表にして、あんを包んである点です。焼いた面は内側で、黄色いぶつぶつの半円形が表側。逆転の発想というか、まことに見事な仕立て方だと思います。むらすずめ(群ら雀)というのは、よく実った稲穂をついばもうと、黄金色の田んぼに降り立って群れているすずめのこと。のどかな田園ならではの光景で、くだんの菓子の由来によると、黄色が田んぼ、表面のぶつぶつが実った稲穂、あんを包んだ半円形が羽を広げたすずめ、という見立てだそうです。一般的に和菓子は見立てで命名するものでしょうから、その点は良しとしましょうか。このお菓子自体は甘すぎず、上品な味わいですが、原材料や見立てが素朴ですから、あまり高級感は感じられません。本当は、ごく普通のありふれたお菓子だと思うのですが、元・倉敷市民の身びいきというか、ついつい人に奨めてしまうのですね(^_^;)。すずめのような形にするために、あんこが少なめにしてあるのか、という冷静な分析もできますが、お土産品ですから、それも仕方がないかな、と。実質本位の方は、倉敷では「焼きままかりの酢漬け」や「たこの姿干し」や「地酒」をお買い求めください。倉敷名産はいっぱいあります。
2006年02月16日
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食用の菜の花は、学校で栽培したアブラナより、もっと葉がちりちりしていて軟らかい品種だそうですが、たいていはつぼみができた状態のものを、葉も茎も一緒に食べます。あくが少ないので、さっと湯がいてお浸しとかマヨネーズあえとかで食べてもいいのですが、さらにあっさりした食べ方は、塩で漬ける一夜漬けでしょう。友人に以前、京都の土産としてもらって食べてから、春を感じる食材に菜の花が加わりました。少しほろ苦さを感じるのがいいですね。塩漬けの基本は「塩分3%」。全体が100gで塩3g、200gで塩6g……という感じです。肝心なのは「全体」で、菜の花漬けの場合は、洗った菜の花の水分ごと量ってたとえば170gなら、だいたい200g(うち塩6gが必要)と見なし、その170gに塩6gを振りかけて、さらに水24ccを加えれば、ちょうど200gになりますね (^_^)。ま、そこまで厳密でなくてもいいですが、それにちょっと重しをかけて、ひと晩冷蔵庫に置いておけば、一夜漬けのできあがりです。漬物よりもサラダ感覚かもしれませんが、箸休めに春の味覚をいただきましょう。すべての塩漬けに共通しますが、塩の一部を昆布茶で代用することができます。また、風味付けに醤油をほんの数滴たらすのもいいでしょう。季節感がなくなったと言われて久しいですが、菜の花はまだ季節感を感じられる食材かもしれません。尤も、スーパーには「なばな」という葉物野菜もあり、こちらは春以外でも見かけることがあります。ま、美味しければいいですが(^_^;)。
2006年02月12日
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「きんかん皮食て実ぃやろか」と言うように、実は小さくて酸っぱいので食べませんが、よく熟れた皮と、皮の下のわたの部分を食べる柑橘類です。子どもの頃、友達の家に遊びに行ったときに、庭になっていたのをよく食べました。今ではいちご狩りなど以外には、なった果物を木から直接もいで食べるということはなかなかしませんが、きんかんにはそういう野趣がまだ残っています。皮を食べるものとしては、みかん類の皮を干した中国の陳皮、西洋のマーマレード、長崎のざぼん漬けなどがありますが、生で食べるというのがきんかんの特徴でもありますね。直接かじってもいいのですが、家では包丁でわたと実のぎりぎりのところまで分厚く皮をむいて食べています。柑橘類の皮に含まれる苦みなどの刺激成分が適度にあって、食後のデザートに食べると口がすっきりします。勿論、生で食べる以外にも砂糖漬けやシロップ煮、きんかん酒などにできますが、それはよほど量があるときに作ればいいのではないでしょうか。家族の好き嫌いは分かれています。家内はもともとマーマレードなどの皮類が嫌いらしく、きんかんも食べません。上の子は小さい頃は好んで食べていましたが、小学校へ上がる頃になって刺激がいやになったのか、食べなくなりました。下の子はまだ幼稚園ですが、大きな球をむいたのを幾つも食べています。先日買ってきたものに、黄色からオレンジ色がかって熟れていたものがあり、「めっちゃ甘い」と喜んでいました。わたしは、庭に木がほしいぐらいです。
2006年02月05日
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春にえんどう(グリンピース)が出始めたときに塩味で炊く豆ごはんは、季節を感じる一品となるでしょう。でも今回のは違います。節分で撒いたり食べたりした炒り大豆の残りを、ごはんと一緒に炊き込むものです。昨今の、軟らかく炒って売られている豆だけでなく、生の大豆を気長に炒ったやや硬めのものでも、余ってしまえば炊飯器に入れて、お米と一緒に炊いてしまいましょう。普通の水加減でお米を仕掛け、豆を混ぜたら、少しだけ水を加えて炊きます。よく炒った豆は、炊き上がると黒くなってしまいますが、やや香ばしい程度で味が落ちるわけではありません。麦茶の麦やコーヒー豆ほどではないにしろ、焙煎した大豆なわけですから、煮れば多少は黒くなるでしょう。また、豆の皮が炊けたごはんのあちこちに浮遊するかもしれません。これもよく混ぜ込んで食べてしまってください。最近、五穀米とか十穀米とかいって、あわやきびを混ぜたごはんもあるようですが、大豆ごはんも栄養の点では申し分ありません。節分は立春の前日の「年越し」。鬼などの悪い物がうろつく日と言われます。豆は、熱く炒ったのを撒いて、鬼を払うものです。霊力があると思われていたのでしょうか。栄養満点な大豆ですが、摂りすぎは良くないなどと最近の報道にありました。でも、年の数(数え年+1コ)の豆を食べ、同じ数の豆を神社にお供えして立春からの1年の各自の無事を願い、残りは家族で撒く。さらに余れば……手を変え品を変えして、勿体なくないようにするべきでしょうね。
2006年02月03日
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