いろんな毎日

いろんな毎日

喜んでいいんだよね




くま(ミニ) 喜んでいいんだよね くま(ミニ)




5ヶ月に入って、戌の日のお祓いをしてもらいに近くの神社に行きました。

安産祈願で来ているのだから妊婦に間違いないのに、申し込む私は気恥ずかしいような気持ちでした。

本当に往生際が悪いのだけれど、ここまできてもまだ自分のことを信じられなかったんです。


お祓いの前には腹帯を買いに行くのに、初めてマタニティコーナーへ入りました。

ここでも気恥ずかしいような、でも試着をしてみれば大きくなってきたお腹が

フィッティングルームの鏡に映って、腹帯をした姿は本当にすっかり妊婦さん。

私の中で何かが少しずつ変わり始めたような気がしていました。


自分の中で、お腹の赤ちゃんを認めたい、喜びたいと思い始める一方で

旦那さんとはこの話題に触れることができない自分が情けなくもありました。

次の検診で先生に義両親に話したか聞かれ、胸にしまいこんでいた気持ちを正直に話しました。

心配で心配で仕方ないこと、喜んで足元をすくわれるのが怖いこと。

2人でいてもこの話題には必要以上に触れないこと、旦那さんともこの話をしたいのにできないこと。

診察室で泣きながら話をすると、先生は「そんなに心配してたなんて知らなかった」と

なぜか謝ってくれました。そしてもう安定期なんだから大丈夫だと言ってくれました。


同じ頃、女性限定のネット掲示板で思いを打ち明けました。

認めるのが怖い自分がいながら、でも誰かに背中を押してもらいたかったのかもしれません。

「もう5ヶ月になるのに受け入れることができない。両手ばなしで喜べない」と書き込みました。

たくさん届いたお返事の中に今でも忘れられない言葉があります。



『今あなたのお腹にいる赤ちゃんは、前の赤ちゃんの生まれかわりではないよ。

そこにいる子はあなた達を選んでやってきた別の子なんだから認めてあげて。』



そうなんだ。この子はこの子なんだ。

私は生まれ変わりのようなつもりでいたけど、この子はこの子なんだ。

いつまでも認めてあげないなんて、私はなんてかわいそうなことをしていたんだろう。


6ヶ月に入って義両親にも報告をしました。マタニティの洋服も通販で注文しました。

季節はちょうど春になっていて、新しい気持ちが私の中で芽生えました。





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