言語類型論と日本語系統論


 日本語系統論に関する論文や研究数も一時期ほど多くはない。

 しかしもちろんこのテーマに魅せられた人々は依然として少なくない。
 近年の言語普遍性を強く志向する経験論的・演繹法的な理論の知見を援用した試みが行われている。
 例えば1960年代以降の語順類型論的に関する諸研究は、アルタイ諸語的な語順をもつ言語は世界的に見て大多数を形成することを明らかにした。このことはこれまでの日本語系統・起源論に対して、次のような問題を提起する。
 すなわち、これまでの日本語の起源を朝鮮語、アルタイ諸語に求める見解の多くは、日本語と朝鮮語・アルタイ諸語の文法的類似性にその根拠をおいていた。しかし、これらの言語のSOVや動詞・助動詞の語順などが一般的である以上、これらの主張は相対的に弱められることになる。

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