アントレプレナー塾長 「大人の探検隊日誌」 夢のソーシャル・アントレプレナー            

アントレプレナー塾長 「大人の探検隊日誌」 夢のソーシャル・アントレプレナー            

玉ちゃん


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                第16号
               ★★★★★★★★ 
       「見方が変わる!『超』マーケティング発想法」
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  ●発行責任者:アントレプレナー塾 塾長 三丘 大詩
 読者数:924名
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 このメルマガは、21世紀型コスモ・マーケター、三丘 大詩(みつおか
ひろし)が毎週書き下ろす、忙しい人のための知的ブラッシュ・アップ・メッ
セージです。楽しく読んで自然にマーケティングセンスを身につけましょう!
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 フィールド探検、読書、ビジネス誌・新聞記事、TV、セミナー、映画など
から見つけたマーケティング、経営、ベンチャー起業、キャリアアップ、読書
、グルメ等の旬の素材を厳選し、みつおか流に味付けして毎週お届けします。
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【はじめに】☆★☆★☆★☆★☆★―――――――――――――――――――
こんにちは、みつおかです。ヤフーBB470万人分の加入者情報の流出。いや
ー、驚きましね。便利なIT社会の思わぬ落とし穴です。それから、カネボウ
の大甘再建案!花王が四千億で買うのが決まっていたのに・・。組合の反発―
大甘再建案―産業再建機構の支援。さすがに世間の厳しい批判に役員総退陣に
なりましたが。外国勢に押されがちな化粧品業界、抜本改革が必要ですよね。
産業再生機構と言えば、鬼怒川温泉がまるごと救済されることになりました。
前回特集した元気な温泉ビジネスがある一方、鬼怒川は没落です。原因は時代
の読み間違えです。団体客誘致の大型設備投資競争で大赤字になったのです。
そこにメインバンクの足利銀行破綻のダブルショック。それにしても腹が立つ
のは安易な再生機構の丸抱え救済です。根本原因を治療せずにお金だけを肩代
わりするのは再建に百害あって一利なしです。どう考えても再生機構の組織を
維持するための役人根性が見え隠れします。それって私達の税金ですよー。
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◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇ タマちゃんを知ってますか? ◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆ 
            50歳から始まる人生
          不死身のどてらい男、玉ちゃん! 
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆
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●世の中、何かと暗いニュースばかり。袋に詰められる鶏たち。袋から鶏冠を
だしてじっと見つめるニワトリちゃん。「僕たち、ちょっと風邪ひいただけじ
ゃん」とでも言いたげです。では、そんな暗さをぶっ飛ばす、日本一の幸運男
。はぁーい、玉ちゃんの登場です。では、どでかい人生ドラマのはじまり。
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▼本名、玉村静一郎。この人ほど、波乱万丈という言葉がぴったりな人はいな
い。現在の肩書きは青春大学学長、健康医学研究学院院長、日本物理医学研究
会理事長。今の本業は演歌歌手。72歳。真面目に紅白出場を目指している。
玉ちゃんは今の低迷日本を憂えているのだ。中高年がもっと元気を出さなきゃ
!ならば俺が紅白に出て手本を示してやる。玉ちゃんは本気である。

▼玉ちゃんを一言で語るならば、「26回死に損ねた男」である。昭和7年、
下町・深川に生まれる。父からは自分のことより他人のことばかりを考えてし
まう性格を、母からは岩をも通す強烈な精神力を受け継ぐ。小学生6年の時、
大空襲を受け、自宅周辺が火の海の地獄絵と化す。命さながら親子五人がよう
やく落ち延びたのが隅田川。船に乗りこもうとする直前、船は無情にも出航。
するとその船が炎上する。まさに間一髪のところで一命をとり止めたのだ。

▼昭和24年、キティ台風が東京を直撃。16万軒が倒壊する。玉ちゃんも幼
い妹と弟を抱きかかえたまま、濁流に飲み込まれる。意識が朦朧としていく中
、奇跡的に地元の青年に助けだされる。姉が19歳で結核で病死。その病魔が
高校生の玉ちゃんを襲った。皆が匙を投げるが、「俺が自力で治してみせる」
と宣言。毎朝5時から流れていたNHKラジオ治療講座を聞き始める。なんと
6ヶ月で医者も匙を投げた結核が完治してしまったのである。

▼当時のラジオはサラリ-マンの給料の十倍した。近所の壊れたラジオを借り
て来て家族にラジオを聞かせたい一心で見事ラジオを直してしまう。マスコミ
から取材が来て「天才ラジオ少年現る」と報道される。近所からラジオの修理
依頼が殺到する。これがきっかけになり家電修理のタマムラ中央を設立する。
従業員400人の家電販売業に成長する。ポケベル採用第1号の会社になり、
カラーテレビの売出しなど、家電販売日本一の座を13年間続ける。またもや
マスコミの寵児となり、中小企業の星と全国からの講演依頼が殺到する。

▼絶頂期は長くは続かない。昭和51年、43歳で末期の大腸癌を宣告される
。経営に情熱を失い、会社が倒産する。癌などとは言ってられない。再起を期
して奔走するが、失敗と苦難の連続。妻がパートに出て生活費を稼ぐ有様であ
った。そんなある日、パートに出た最愛の妻が交通事故で即死する。享年、50
歳。「この世に神はいないのか!」玉ちゃんは天をも呪った。大腸癌に倒産。
「でも、いや待てよ。俺のように自分の体を考えたことのない経営者は沢山い
るだろう。これから大切なのは予防医学に違いない。それを伝えるのが俺の使
命だ。もし命を永らえさせてくれたら、あとは人のために働きます」。こう神
に玉ちゃんは誓う。50歳から新しい人生がはじまった。

▼自分の命を懸けながら、必死に予防医学を学んだ。そして東大医学部坂田先
生の脊髄活性法と出会う。妻の生命保険の掛け金数千万円をすべて研究につぎ
込む。家庭内でこの活性法を会得できる治療システムを独自に開発する。ホー
ムドクターを百万人作ろうと青春大学をはじめる。しかし最初の1年は入学生
は1人もいなかった。最初に鍼灸師の先生が入学した。彼は驚いた。「これだ
けの効果を鍼灸で出そうと思ったら、資格をとってから15年はかかる」次第
に口コミで評判を呼ぶようになる。今では卒業生が下は11から上は90過ぎの
お年寄りまで2万人になる。研究に没頭して60歳を過ぎて病院に行くと末期
の大腸癌は消えていた。脊髄活性法はとんでもない副産物を生むことになる。

▼青春大学で1人の女性と知り合った。そして63歳になったある日、23歳
年下の彼女から衝撃の告白を受ける。「赤ちゃんができた・・」驚天動地ので
きごとである。玉ちゃんは癌だけではなく、40過ぎから糖尿病と高血圧を患
っていた。この歳ならもう現役引退である。「まさか・・」天命に従い、めで
たく結婚、出産する。このとき先妻との長女も同じタイミングで出産。1日違
いで娘と孫が誕生する快挙をやってのける。これも脊髄活性法のおかげである
。ただ、この時玉ちゃんには心配があった。娘が成人する時に自分は83歳!

▼そして今まで財産を蓄える事を毛嫌いしてきた玉ちゃんが、俄然仕事に励み
出す。しかもとてつもない目標を掲げた。娘が成人になった時、自分ももう1
度子供を作るぞ!」その時点で妻は63歳。ちょっと子作りは難しい。新聞広
告で見事出産してくれたら1億円、さらにその子を養子縁組させてくれたら4
億円をお礼に差し上げるという内容だ。しかも朝日信用金庫にお願いして83
歳満期代理妻定期預金を作ってしまったのだ。そして、今、70歳にしてはじ
めて、日本クラウンから長年の夢の演歌歌手デビューを果たしたのだ。さあ、
幸運万来男・玉ちゃん、紅白に出場したら、次なる夢はなんであろう?

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【 みつおか流料理のツボ 】☆★☆★☆★☆★☆★―――――――――――
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●どうでしたか? 七転び八起きの凄まじい人生です。でも今も、元気印まっ
しぐらの玉ちゃんでした。玉ちゃん光線で元気のない日本にカツをいれようと
しています。我々も不用意に「もう歳!」なんぞほざいていられませんゾ。


▼失敗は成功の母と言う。しかし、日本では経営者の失敗は多く語られなかっ
た。敗軍の将は語らずと言ったところであろうか。アメリカは反って失敗を重
ねた経営者を重宝がる。二度と同じ過ちを犯さないだろうと。日本では、失敗
者をなかなか認めない風土がある。だが、ここのところ変わってきた。ハイパ
ーネット元社長の板倉雄一郎氏あたりがその先駆者である。彼の書いた『社長
失格』は、今なおロングセラーを続けている。失敗学も盛んになってきた。

▼板倉氏は浪人して上智の理工学部に合格するが、父親と喧嘩して家出し、ゲ
ームソフトの制作会社に就職する。20歳の時、独立して会社を設立。ゲーム
ソフトが大当たりして数千万円を稼ぐがすぐに飽きる。そんな折、偶然遭遇し
たのが電話混線事件である。もしもしと言うと数人の声が聞える。黙って聞い
ていた。その興奮が忘れられず、3人以上でも同時に会話できる電話会議サー
ビスの会社国際ボイスリンクを出資してもらって設立する。目論みは外れたが
テレクラ的利用客で結構当る。出資者と意見が合わず、自分の会社を退社。ア
スキーの役員と一緒に自前で株式会社ハイパーネットを設立し社長となる。

▼音声電話会議に、伝言機能とファックス、それに伝言メール機能を付加する
。広告機能など次々に新しい機能を思いつき、ハイパーネットは飛躍的に拡大
していった。1995年インターネットのブームに目をつけた。HPをみるブ
ラウザーと独立分離して広告を載せられるハイパーシステムを開発する。これ
は凄い技術革新であった。あのビルゲイツが興味を持った。アスキーと共同し
インターネット無料サービスを展開する。アメリカにも進出した。しかし、巨
額の投資額とスピードが勝負であった。1997年末、ついに資金繰りがつかず巨
額の負債で倒産する。負債総額37億円。自己破産で12月4日、東京地方裁
判所に出頭する。そして自分の失敗を他の起業家のために残そうと執筆を決意
する。そんなことをしたら二度とビジネス界の表舞台に立てなくなるぞという
忠告を無視しての執筆決意。今では、彼への講演要請はひっきりなしである。

▼東大名誉教授・畑中洋太郎が研究する『失敗学』も引く手あまただ。本屋の
棚を覗くと失敗学関係の本がずらりと並ぶ。畑中氏は社長の失敗を集めてその
原因を分類した。大きく分けると10に分類できる。1)無知、2)不注意、
3)手順の不順守、4)誤判断、5)調査・検討の不足、6)制約条件の変化
、7)企画不良、8)価値観不良、9)組織運営不良、10)未知。しかも失
敗には軽重がある。社長は常に外から見る視点が必要だと言う。
 板倉氏は自分の失敗をこう分析している。「そもそも、ぼくは日本の企業社
会において経営者を務めるうえで、致命的な欠陥を有していた。『組織』に対
する理解がまったくなかったのである」。(『社長失格』日経BP社刊)

▼先週、巣鴨の大戸屋に入った。女性客で一杯であった。しかも若い女性の一
人客も多い。あまり知られていないが、ここも失敗から学んで成功した。三森
は15の時に伯父の所に養子に入った。義父は若い頃の放蕩がたたり勘当され
る。心を入れ替え働いたのが池袋にある食堂である。その店を買い取り「大戸
屋食堂」とする。三森は高校を卒業後、レストラン修行に出るが義父の急死で
食堂を継ぐ。その後も繁盛し2店の新店を出して成功。さらに若者を意識した
大皿料理の新業態店を吉祥寺に出すが、大失敗。しかも火災で焼けてしまう。
経営理念も何も無く気取った店を出してしまったと反省する。多くの人から話
を聞き女性も気軽に入れる定食屋を思いつく。そして現在の大成功をつかむ。

▼規模の大きさから言うと国際流通グループ・ヤオハン元代表、和田一夫氏に
触れざるをえない。一時は世界16ヶ国、従業員数2万8千人、売り上げ5千
億の国際企業を倒産させたのである。和田氏は自著『大失敗からのビジネス学
』で起業家の必要条件として次の三つを掲げている。1)失敗を恐れない2)
若者と経営者との融合3)時流を捉え、やるべきことを見定める。
 失敗の最大の原因は、偽りのない実態が常にトップに上がるような仕組みが
機能してなかったことだと言う。自分の驕り、社員の驕りが取引先との信頼関
係を壊し、客や社員とともに店は栄えるというヤオハンの社是を忘れたことだ
と分析する。今、和田氏は福岡でITベンチャーを起業した。世界初のインタ
ーネットによる国際コンサルティング事業を開始したのである。76歳だ。

▼和田氏は人生を3度失脚した中国の「不倒王」?小平氏に学んだ。?小平氏
が三度目の再起で副総理になったのが74歳の時である。3度のリセットの後
、自由競争の市場原理を中国に導入していくのである。では、この人は誰?

 ・22歳で事業に失敗する     ・34歳から3回、下院議員に落選    
 ・25歳で再度事業に失敗     ・46歳で上院議員に落選
 ・26歳で恋人の死に直面する   ・47歳で副大統領に挑戦するが失敗
 ・27歳で神経の病を患う     ・49歳で上院議員に落選する


 そうです。51歳でアメリカ大統領になった、この人物こそ、あの
 アブラハム・リンカーンである。やはり「失敗は成功の母」なのだ。
 いくつになっても、ゆめゆめ諦めちゃいけませんぞ!!!
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【今週のみつおかひろしの薀蓄】☆★☆★☆★☆★☆★――――――――― 
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●【マーケティング公理2】「頭だけで考えるな! マーケティングは実践
                              あるのみ」 

●【今週の一言】
 「青春に終りなし」 演歌歌手・玉村 清一郎

 「失敗はすべて社長のせいである」 畑村洋太郎『社長の失敗学』

 「何事にも失敗は付き物だ」 ユダヤ人の教え

 「一度や二度の失敗によって、負け組みの烙印を押されてしまったと考えて
  はいけない。負け組というのは、勝ち組みに転身するのにもっとも近い位
  置にいる人間といえるのだ」 和田 一夫 『大失敗からのビジネス学』

 「すべては必要・必然である」 船井 幸雄『ビジネスを成功させる新しい
                               発想法』

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★☆☆☆☆☆  <<みつおかひろし の編集後記>>  ☆☆☆☆☆★
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■■■■編集後記□□□□
■■■ どうでしたか? 70歳デビュー。紅白を目指す、高齢化日本のアイ
■■ ドル「玉ちゃん」でした。玉ちゃん歌う演歌「男富士」は昨年のオリコ
■ ンチャートで20位に入りました。快挙です。来年こそ紅白!応援して。

 話は変わりますが、先週、落語を聞きに行きました。立川志輔独演会です。
時事ネタのつかみは最高。話芸は芸術でした。これって、プレゼンテーション
の最高のお手本ですね。日本の伝統芸能を守らねば。落語に行きませんか?


  ■【次回予告】
 次回は、迷ってます。どてらい男列伝にするか? あるいは、凄い女列伝に
しましょうか。さて、あなたはどちらがいいですか? それともフィールドネ
タでいきましょうか? 親父が喜ぶ居酒屋学なんてどうですか?  


●アントレプレナー塾 塾長 三丘 大詩(みつおか ひろし)
  http://plaza.rakuten.co.jp/hiroshi777
  http://www.h6.dion.ne.jp/~hiroshi3/index.html 





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