アントレプレナー塾長 「大人の探検隊日誌」 夢のソーシャル・アントレプレナー            

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西麻布「表邸」



 お店の名前は「表邸」。

  京都の名料亭「俵亭」を模した名前だ。



  7時待ち合わせであったが、仕事が長引き早、7時。

  慌てて虎ノ門からタクシーを拾う。



  「どちらまで・・・」

  「えーと、そうだな。とりあえず霞町」

  「お客さん懐かしい響きですね。久々に聞きます」

  「ああそうか。今では西麻布」



  味気ない。

  私は昔の町名が好きだ。



  十分で着く。

  ここからが勝負。裏通りにあるので皆目見当がつかない。



  あったあった。

  怪しげな店が・・・・。



  入り口へのエントランスがまたいい。

  石畳。脇には足元を照らす灯篭。

  この風情、まさに京都。



  重い木と鉄の扉を開く。

  そこは別世界。

  三階の個室へ。





   おお、お忍びに相応しい部屋だ。

   男三人ではもったいない空間。



  話が弾む。

  酒が進む。



  昔、もうかれこれ14,5年前まで一緒にCMを作った仕事仲間だ。

  今は仕事はまったく関係ないが、以後13年間必ず、夏の暑気払いと

  忘年会または新年会に呼んでいただける。



  ありがたい話だ。

  そこではお互い本当に気を許して楽しい酒を飲む。



  急に凄い話が切り出された。



  三丘さん、覚えてますか。

  十年前、飲んだ時三丘さんが言った言葉。「55歳定年説・・・」

  「あれがいまだに私の心に残っていて、ついにその歳になりましたので、

  1月一杯で仕事をやめることにしました」



  「ええ、本当ですか」

  いっぺんで酔いが覚めた。



  それから11時過ぎまでお互い深い話を語り合った。

  いつの間にか焼酎を二本空ける。



  ああ、いい酒だった、

  Tさんの第二の人生の門出に、もう一軒私の知ってるBarで

  じっくり話合おう。



  そこからまた別のドラマがはじまった・・・・・








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