OSは、Windows Mobile 6.5 Professional(日本語版)を搭載する。マイクロソフトのサービス「Windows Live Marketplace」「My Phone」も利用できる。テンキー部には、Windows Liveキーが用意されており、ワンタッチでメールやメッセンジャーのランチャー画面にアクセスできる。メールを初めて利用する際には、IDやパスワードなどの複雑な設定を行うことなく、アカウントを指定するだけで利用できる仕組みとなっている。
ユーザーインターフェイスは、独自デザインのものが用意されており、一般的な携帯電話らしい使い方に近づくよう、アドレス帳や発着信履歴、設定メニューなどで工夫されている。通常のWindows Mobile 6.5のメニュー画面も利用できる。ブラウザはFlash Lite 3.1をサポートする。
開発を担当するウィルコムデータ通信企画室室長の須永康弘氏は、開発の経緯について「Androidなども候補にあったが、マイクロソフトからWindows Mobile 6.5の話があり、新サービスも提供されるとのことで、そちらを使いやすくする端末を目指すことにした」と語る。そのため、HYBRID W-ZERO3では、アプリケーション市場のMarketplaceや、同期サービスのMy Phoneがそのまま利用できる。
ただ、他キャリアからもWindows Mobile 6.5搭載端末が登場することが確実な中で、ウィルコムとしてどういった手を打つべきか。今回は、携帯電話に慣れたユーザーでもスムーズにスマートフォンを使えるようなユーザーインターフェイス、機能を取り入れることになった。その1つが、Windows Liveメールのアカウントを取得する際、ID/パスワードなどをメーラーに設定することなく、アカウントを指定するだけで済むという流れにしたこと。そしてもう1つが、オリジナルのメニューデザインとなる。
スマートフォンに興味を持つという基本的な層での利用拡大を目指す「HYBRID W-ZERO3」だが、11月11日の発表時点では、まだまだ開発途上とあって、ユーザーインターフェイスの操作性がややもたつく面もあったが、今後調整を進めるという。周辺機器を充実させる方針も示されており、ウィルコムにとって1年半ぶりのスマートフォンとなるが、iPhoneが話題となり、Android端末の広がり、他のWindows Mobile 6.5端末の登場など、競争相手には事欠かない中で、どのように市場へ受けいれられるのだろうか。