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2006.11.27
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カテゴリ: 邦書

 田中芳樹が大人気作家の地位を気付くきっかけとなったスペースオペラの外伝第四巻。


粗筋

ヤン・ウェンリーはエル・ファシルで数百万の民間人を救い、「エル・ファシルの英雄」となった功績を称えられて、中尉から一気に少佐に昇進した。
 が、昇進したとはいえ赴任先は決まっていなかった。そこで、先輩のキャゼルヌ中佐から特別任務が与えられる。
 同盟にとって伝説の英雄となっているブルース・アッシュビー大将は、四十数年前に第二次ティアマト会戦で大勝利を収めながらも、本人は戦死してしまった。アッシュビー大将戦死から四十数年後、投書が送られてきた。アッシュビー大将は謀殺されたと。
 キャゼルヌは、ヤンに対し、これについて調査しろと命じたのだ。
 ヤンは他にやることがなく、歴史にも興味を持っていたこともあり、命令を受け入れる。
 アッシュビー大将は、宇宙暦730年に士官学校を卒業した級友数名と共に「730年マフィア」を非公式的に結成し、帝国と戦争を繰り広げていた。アッシュビー大将率いる「730年マフィア」の同盟軍艦隊は、連戦連勝を記録する。アッシュビーは勝利が不可能と思われていた状況でも完勝していたのである。
 しかし、アッシュビーは第二次ティアマト会戦で死亡し、「730年マフィア」は事実上崩壊してしまった。残った者はアッシュビーがいた時ほどの成功は収められなかったのである。
 ヤンは「730年マフィア」のただ一人の生き残りと出会い、話を聞くが、大したことは聞けなかった。その直後、ヤンの赴任先が決まる。惑星エコニアの捕虜収容所の参事官である。
 ヤンはどこからか圧力がかかって飛ばされたのだと悟るが、抵抗もできず、エコニアへ向かう。そこの捕虜収容所では、半世紀近く捕虜となっていたある帝国軍兵士が「主」となっていた。ケーフェンヒラー老人である。ヤンは、彼こそが投書を送った者だと知る。
 ケーフェンヒラーによると、帝国から同盟に亡命したある軍人が、帝国内にスパイ網を築いていた。その情報をアッシュビーに提供していたというのだ。アッシュビーは、その不完全な情報を最大限に活用して連勝を重ねてきたのである。ただ、アッシュビー戦死後は情報網が使えなくなってしまい、「730年マフィア」も精彩を欠くようになってしまった。
 エコニアの捕虜収容所では暴動が発生した。収容所の幹部が加担していた。その幹部は、不正を働いていたのである。そんなところに「英雄」のヤンが赴任してきたので、幹部は慌てた。ヤンは偶々飛ばされただけだったが、その幹部は何か目的あって送り込まれたのではと勝手に想像し、行動に出たのだ。
 ヤンはケーフェンヒラーや収容所で勤務していたパトリチェフと共に暴動を鎮圧する。
 ヤンは赴任から二週間でエコニアから離れることになる。同時にケーフェンヒラーも自由の身となり、ヤンと共にハイネセンに戻ることになるが、途中で亡くなる。


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解説

パトリチェフや、ジェシカ・エドワーズや、アッテンボローや、ムライなど、本伝でレギュラーとなるキャラが勢揃い。本巻は、ヤンが第八艦隊への赴任が決まるまでの数ヶ月(実質的には数週間)を描いている。たったそれだけの期間で将来ヤン艦隊の参謀となる者と出会ってしまうところはちょっと出来過ぎでは、と思ってしまう。
 他の外伝の例に漏れず、リアリティよりファンサービスを重視した感がある。
 相変わらず分からないのが、この時代の医療技術。本巻では多数の人の死が告げられているが、天寿を全うしたのが一人もいない。30代で戦死したアッシュビーと、40代で戦死した「730年マフィア」の一員は別として、他は最高齢でも70代。若いので50代くらいで病死している。
 西暦で言えば3000年になっているのに、医療技術は現在とさほど変わらない感じがするのはなぜか。それとも、この時代の「1才」は、地球での「1才」と異なるのか。地球年が他の惑星の一年と一致する訳がないので、そう考えると合理的だが、日付は一年365日となっているようだから、それもない。
 作品そのものは「まあ、こんなもんかね」と言った内容で、真新しいことはなかった。
 ヤンの周りに「いい人」が集まるのは相変わらず。
 本伝第十巻のあとがきで、著者は外伝を六冊出す、と宣言しているが、本巻が今のところ最後。二冊分の短編や中編は発表している筈なので、そろそろ外伝第五巻と第六巻が出てもいいのだが、未だに出ていない。本シリーズはライトノベルでの文庫化が進んでいるので、そちらで出す予定か。それだったらちょっと残念。



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Last updated  2006.11.27 13:32:32
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