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December 18, 2022
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カテゴリ: 菅田将暉
みなさんこんばんは。戸田恵梨香さんが第1子妊娠を発表しました。松坂桃李くんがパパになりますね。大河ドラマ面白かったですね。

鎌倉殿の13人
The 13 Lords of the Shogun

平家隆盛の世、北条義時は伊豆の弱小豪族の次男坊に過ぎなかった。だが流罪人・源頼朝と姉・ 政子の結婚をきっかけに、運命の歯車は回り始める。1180年、頼朝は関東武士団を結集し平家に反旗を翻した。北条一門はこの無謀な大博打に乗った。 頼朝第一の側近となった義時は決死の政治工作を行い、遂には平家一門を打ち破る。幕府を開き将軍となった頼朝。だがその絶頂の時、彼は謎の死を遂げた。偉大な父を超えようともがき苦しむ二代将軍・頼家。“飾り”に徹して命をつなごうとする三代将軍・実朝。将軍の首は義時と御家人たちの間のパワーゲームの中で挿げ替えられていく。義時は、二人の将軍の叔父として懸命に幕府の舵を取る。源氏の正統が途絶えた時、北条氏は幕府の頂点にいた。都では後鳥羽上皇が義時討伐の兵を挙げる。武家政権の命運を賭け、義時は最後の決戦に挑んだ。

「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。頼朝の天下取りは十三人の家臣団が支えていた。頼朝の死後、 彼らは激しい内部抗争を繰り広げるが、その中で最後まで生き残り、遂に権力を手中に収めたのが、十三人中もっとも若かった北条義時である。

作 三谷幸喜
【制作統括】
清水拓哉 尾崎裕和
【演出】

【プロデューサー】
大越大士 吉岡和彦 川口俊介


出演
小栗 旬 市川 染五郎 矢柴 俊博 中村獅童 中川大志 小泉孝太郎 杉本哲太 山本耕史 横田 栄司 阿南 健治 鈴木 京香 小池 栄子 草笛 光子 江口 のりこ 新垣 結衣 宮沢 りえ 青木 崇高  山崎 一 秋元 才加 岡本 信人 市川 猿之助 竹財 輝之助 山口 馬木也 國村 隼 梶原 善 小林 隆 栗原 英雄 佐藤 浩市 大泉 洋 
西田 敏行 片岡 愛之助 迫田 孝也 田中 泯 八嶋 智人 佐藤 B作 菅田 将暉 
松平 健 佐藤 二朗 金子 大地 新納 慎也 浅野 和之 品川 徹 芹澤 興人
瀬戸康史 堀田真由 坂口健太郎 尾上松也 柿崎勇人 市村隼人 相島一之 三浦透子
石橋静河  平山祐介 シルビア・グラブ 山中崇 菊池凛子 関 智一 生田斗真

第1回「大いなる小競り合い」
1175年、平清盛が大権力者として君臨していた日本。伊豆の地では、北条義時が兄・宗時、姉・政子らとのんびり暮らしていた。しかし、流罪人・源頼朝が義時の幼なじみ八重と恋仲になり、男児が生まれたことで状況は一変。清盛から頼朝の監視を任されていた八重の父・伊東祐親は激怒する。頼朝が姿をくらます中、北条家にも捜索命令がくだり。

家族を含め「自分のために動いてくれるのが当たり前」と思っている人達に全方位的アプローチされる義時。助命の代わりに「弓矢も持たぬ」と約束させられた頼朝は好意も忘れないが同じくらい恨みも忘れない。平家を始祖とする田舎豪族一家に訪れた新世界はドヴォルザークと共にやってくる。



息子を殺されて激おこだった頼朝もこの後木曽義高や義経と静御前のまだ目も明かない嬰児に対して残酷な命令を下す。ひとえに我が身を顧みて源氏の男子の執念深さを知っていたからだ。

第2回「佐殿の腹」
罪人・源頼朝を処断しようと兵を率いて迫る伊東祐親。しかし、北条義時の父・時政が頼朝をかばって対立。両勢力が一触即発の状態となる中、平清盛を後ろ盾に相模の武士団を束ねる大庭景親が現れる。一方、目まぐるしい展開に振り回される義時は、姉・政子らの助けを受けて頼朝と富士の山すそにいた。だがそれもつかの間、弓矢が放たれ緊張が走る。

しーさまって誰。八重を思うと見せ嫡子もなく命を狙われる伊東を見限り政子・義時・山内と話す人とタイミングを正確に測る頼朝の説得力は挙兵の時更にパワーアップ。伊東と北条の「獲物はわたせん」子分同士の喧嘩に親分がきたぜの貫禄大庭景親。清盛に報告する重盛死後平家を率いる宗盛。

アヴァンタイトルはしゃべっちゃった時政パパのテヘペロとカッコいい啖呵。をを!と思うがその責任を取るのはパパではなく義時。押し寄せる難題を次々片付けていったら自然とついてしまったスキルが彼の今後を支える。仲良し親子が決別することになる牧の方遂に登場。


治承4年(1180)4月、源頼朝と引き離された八重は伊東祐親の家人・江間次郎(芹澤興人)の元へ嫁がされていた。対岸の江間館を見つめる北条義時。そんな折、頼朝の叔父・行家が北条館を訪ねてくる。怪しがる政子。しぶしぶ対面する頼朝だが、行家は平清盛へ反旗を翻した後白河法皇芹澤興人)の御子・以仁王の令旨を携えていた。

少なすぎる登場場面が寂しい渋い源三位頼政(品川徹 )しゃれこうべのストックどこから持ってくる文覚。八重に幸せっぷりを見せつける政子と気まずい頼朝。以仁王の乱を実は喜ぶ頼朝今回の彼を象徴する二面性。吹聴する伯父など怪しげな人しかこないガードが緩い北条家どうにかしよう。

TLを見ていて気付いたけどあっそうか鎌倉時代バージョン「ステキな金縛り 」だった。義経と頼朝の仲を裂くお騒がせ伯父行家登場。平家は一枚岩だったが源氏はそれぞれの個性が強すぎる。「浪の下にも都の候ぞ」やがて海の底に沈む安徳帝誕生し清盛絶頂期。

第4回「矢のゆくえ」
治承4年(1180)8月、ついに挙兵を決断した源頼朝の一党は、伊豆国の目代・山木兼隆を討って初戦を飾るべく戦支度いくさじたくを始める。しかし、頼朝の乳母子である山内首藤経俊に助力を断られるなど、強大な平家の威光の前に思うように兵が集まらない。強気な兄・宗時とは対照的に、自身の浅慮を後悔する北条義時。そんな中、対岸の江間館で暮らす八重が義時に声をかけ。

挙兵まで毎夜「ステキな金縛り」 に悩まされる佐殿(段々バリエーションが)。「戦初めて」今回初々しい佐々木や新田がやがて北条執権を倒す側に。一本の矢が放たれたことで奥州の片手逆立ちできる器用なあんちゃんや木曾で知られたヤンキー夫婦で終わった人達の運命が変わっていく。

第5回「兄との約束」
闇夜にまぎれ、堤館と山木館を立て続けに襲撃した源頼朝の一党。見事に首級を挙げて勝利した頼朝は、北条義時の知恵も借り、坂東での政まつりごとの第一歩として土地の分配を始める。だが、これを知った平家方が激怒。相模では、奉行を務める大庭景親が梶原景時ら三千の兵を率いて出陣。伊豆でも、頼朝討伐に燃える伊東祐親が動き出す。これに対する頼朝は全軍を率いて鎌倉を目指すが。

義経と因縁の梶原景時登場。地方の一代官を夜襲するのとは訳が違う大庭景親との石橋山合戦。煽るつもりが煽られるしー様。旗色を鮮明にしたくない三浦義村と義理堅い父義澄。洞窟にも来る ステキな金縛り ごっしー。平家滅亡まで続く?優秀な殺し屋善児は伊東家亡き後誰に仕えるのか。

時政が冗談めかして言った「頼朝の首を持っていけば」が象徴する横行していた日和見と裏切り。だからこそ承久の乱で「いざ鎌倉」と御家人がはせ参じた堅い絆が尊くそれを作り上げるまでの過程が大変だったのであり、逆に元寇で御恩奉公の関係が崩れたことが鎌倉幕府滅亡の狼煙を上げた。

第6回「悪い知らせ」
大庭景親率いる平家方の前に大敗を喫した源頼朝の一党。この合戦で、北条家を引っ張ってきた宗時ら有力な坂東武者が戦死。敵の追撃から必死に逃れる頼朝は、信頼する従者・安達盛長らとともに石橋山山中に身を潜める。一方、兄・宗時の熱い想おもいに決意を新たにした義時は、再起を図るべく父・時政とともに甲斐を治める武田信義のもとへ向かった。

どこへ行っても25里とごっしーから離れられず水かきだしまでやらされる貴公子頼朝。武士の情を見せたつもりが和田義盛の勘違いでボタンの掛け違い状態畠山重忠。愛息に家族が手を下した事を知る八重。実質北条家を託される義時。頼朝の書状を見もせずぐしゃりと潰すキーマン上総広常登場。

頼朝最大のピンチにして謎でもある「梶原景時はなぜ頼朝をはっきり確認したのに見逃したか」頼朝のオーラなど後から作った理由はあれど恨みも忘れないが恩も忘れない頼朝にとって景時の行為が彼への信頼感を絶対にした瞬間であり後の義経の運命への伏線ともなる。

頼朝・頼家と将軍家二代にわたって乳母をつとめ更に頼家の妻もいる比企家。最強カードを持つ家の頭領が野望を持たずにいられるはずもなく今後北条家最大のライバルにのし上がってゆくキーパーソン楽しみ。

第7回「敵か、あるいは」
平家に幽閉された我が身を嘆く後白河法皇。丹後局へ救出に名乗りを上げない源氏への不満をもらす中、平清盛から挙兵した源頼朝が石橋山で大敗したと知らされ悔しさで顔がゆがむ。その頃、房総半島で再起を図る頼朝は有力豪族を味方に付けようと、千葉常胤のもとへ安達盛長を、上総広常のもとへ和田義盛と北条義時を送り込む。

馬上で片手逆立ちが出来る人好きのする運動神経のいい奥州の兄ちゃんでいれば源平合戦で名を馳せる名将にはなれなくとも悲劇は避けられたのに「行って参ります」は笑顔でも戻ってくる時は寄る辺なき惨めな姿に。上総介に黄金を送り義経に軍勢を送る秀衡には中央に対する野心があったのか。

今まで肩を抱き「そなたをこそ頼りにしている」のワンパターン台詞で皆を煙に巻いてきた頼朝が唯一「遅参するとは何事」と咎め「一戦交えても良い」と強気に出た事が功を奏するとことん運の良い男。女と見ると口説かずにいられない弱みは今回は良い方に出たが後妻打ちヒロイン亀の前登場。

「新選組! 」では隊士達を一皮むけさせる通過儀礼として 芹沢鴨 だった佐藤浩市 さん 今回も頼朝&義時を一歩前に向かわせる一里塚になるか。頼朝の浮気にも動じず浮気相手の亀の前に行きがけの駄賃のように夫殺しを依頼されてもビジネスライクな三浦義村の優秀さよ。

タイトル「敵か、あるいは」メインのこう疑う相手は上総広常だが考えてみれば梶原景時、和田義盛、そして最愛の弟義経でさえも、一度は味方になるものの…というわけで頼朝を巡る全ての相手を指すともいえる。流人暮らしの頼朝は相手を「敵か、あるいは」と厳しくチェックしてたわけで

第8回「いざ、鎌倉」
挙兵した源頼朝を討つため、追討軍を送る平清盛。後白河法皇は地図を広げ、丹後局らと戦況を占う。一方、奥州をたった源義経は、兄・頼朝との対面を夢見て歩みを進めていた。そのころ坂東では、上総広常らを加え勢いを増す頼朝が、鎌倉を目指して進軍。頼朝の命を受けた北条義時は、武田信義を味方に引き入れるため、再び甲斐へと向かう。

兄の待つ鎌倉に急ぎたい気持ちがあれどふと香る潮の香りに惹かれて海に行ったり目の前の富士山向かって駆けだしたりフリーダム義経。決断力もぴかいちで天才武将なのに選べる王道ではなく覇道派であることは冒頭エピソードでもわかる。

味方につくなり選挙の顔ならぬ先陣の顔扱いされる畠山重忠(美男だったらしい&のちに義時の義弟)。誰でもよかったお使いにだされすねる時政パパ。「親子の縁うすく主人が早く亡くなる」と全成に予言されたのに自身の性欲のため政子の鎌倉入りを一日遅らせてしまう頼朝の自業自得。

虚勢を張るが学はなく頼りがいがある上総広常、いつまでも少年漫画みたいな事を言っている和田義盛、義時の懐刀的存在となっていく年下の三浦義村、序列は重んじる土肥実平、三浦義澄ら年配層と見事に寄せ集めの佐殿の軍の調整役が10代の若者義時。

武田信義が「京へ上って平家を倒す」と言っていたがこの後平家を倒して京に上った木曽義仲も義経も大天狗ごっしー&丹後局に手もなく転がされ京の魔に捉われてしまうわけでぎりぎりまで上洛を粘って京に留まらず征夷大将軍のみを望んだ頼朝の作戦勝ち。

第9回「決戦前夜」
ついに鎌倉入りを果たした源頼朝の一党。敵対した平家方を捕らえるため、頼朝は競わせるように和田義盛と畠山重忠を派遣。これを知った北条義時と三浦義村は、祖父・伊東祐親と八重を救うため急ぎ伊東へと向かう。そのころ、都を出た平家の追討軍が東海道を進軍。甲斐では、出陣を約束した武田信義が義時の父・時政に。

武田信義と源頼朝のパワーゲームの駒に使われる平家期待の御曹司維盛率いる追討軍。戦ボケしている平家が水鳥に驚き逃走し坂東武者達の鎧は蔵から出してきたようなボロボロ。長年の平和が垣間見える両者の光景。これより形勢逆転しやがて波間に浮かぶことになる平家の赤旗。

源氏の棟梁と持ち上げてくれていても所詮所領と家が大事な坂東武者に西進を阻まれ改めて孤独をかみしめる頼朝。そこへ平清盛打倒という同じ志を持つ(顔は似ていない)弟が現れる。美しき兄弟再会の名場面。しかし強すぎる愛情はまた反対に振り切れれば同じだけの憎悪にもなりうる。

頼朝が北条邸に隠れていることも石橋山への加勢も常に形成有利な方ばかりを選んできた三浦義村13歳が血を分けた祖父のために坂東武者の前に立ちはだかるこちらも名場面。八重に手をさしのべて無視されてもへこまない 新選組! 土方歳三からの転生組。

平和ボケして水鳥の羽音に怖じて真っ先に戦場を逃げ出す情けない御曹司には描かれていない維盛。さすが重盛の嫡男。しかし一代の英雄清盛を越える人物は平家一門に現れず求心力を失った平家の落日「偉大な父の跡を継げない息子」という呪いは頼家・実朝にブーメランとなって降りかかる

第10回「根拠なき自信」
平家の追討軍を見事に退けた源頼朝。これを聞いた後白河法皇はほくそ笑み、平家の総帥・清盛は都を京へ戻すことを決断。奥州の覇者・藤原秀衡は義経の文を一読し、静かに源平の様子をうかがう。そんな中、鎌倉では八重が侍女として頼朝のそばで働き始めるが、北条義時の気づかいに亀が疑念を抱くなどそれぞれの思惑が入り乱れていた。

「こちらとは比べ物にならないくらい美しい所」奥州攻めの遠因となる義経の平泉自慢。自分が頼めば3000の兵を送ってくれるくらい御館に愛されているのだと自慢する義経。当の御館は清盛と義経の両方に色よい返事を送り言質を取らせず証拠書簡も抹消と満点の回答をするフィクサー。

大庭景親の決め台詞「あの時頼朝を殺しておけばとお前もそう思う時がくるかもしれぬの上総介」鎌倉幕府でこの後何度も発揮される乳母縁故により助命された山内首藤経俊とは異なり恐れも泣きもせず自分とかつての同僚の行く末を見据える大庭景親。

ヒヨドリがツグミであったように若武者姿も麗しい義経の幻に終わった佐竹の逆落とし。彼の提案した作戦は鵯越の逆落としとして背後を全く用心していなかった平家を壊滅状態に陥らせる。「九郎ほどの才があれば己一人で大願を成し遂げよう」御館の予言がやがて現実に。

「戦は一人でするもんじゃねえんだよ」「しなくてもいい戦もある」と国際平和に通じる名言を義経に吐きながらも自分に対する暴言「老けた」であっさり戦を始めてしまう上総介&坂東武者。出兵してくれた見返りに坂東武者の争いに関わることを受け入れた頼朝と納得のいかない御曹司義経。

平家物語 では維盛のトラウマとなってしまう富士川の戦いの結果を聞き大喜びのごっしー。清盛に助力を申し出る裏で文覚に清盛呪詛をリクエスト。義経の膝枕カウンセリングでひと財産つくれそうな政子。あんなに薄気味悪いのに法皇とのネットワークがある文覚恐るべし。

北条姉妹に厳しく都作法をレクチャーしている行為がブーメランとなりこの後後妻打ちで頼朝から酷い目にあう牧宗親登場。自分の分身・亀を育てながらわかりやすく前妻に嫌がらせをする亀の前も同様で因果は巡る。

第11回「許されざる嘘」
鎌倉では、源頼朝の新たな御所が完成。坂東武者に平家の旧領を恩賞として与えるなど着々と体制が整えられ、北条義時も慌ただしい日々を送っていた。だが、りくは、頼朝の舅しゅうとである夫・時政の処遇の低さに不満を募らせる。一方、都では平清盛が敵対勢力の掃討に乗り出し、その苛烈さに人々が恐れおののく。そんな中、平家討伐を焦る義経は集った兄たちの前で。

親は異なる思いで名付けたろうに名前とは裏腹の悪事ばかりに手を染める善児。梶原善 さんの無表情がまたなんとも。タイトルは義経が義円についた嘘と頼朝が義時についた嘘。前者はただでさえ少ない源氏を自ら減らすことになり後者は実は許していなかった頼朝の恨みが機を得て晴らされた。

源氏中心のドラマでは勇猛果敢な知盛以外大体凡庸扱いされる平家だが富士川の戦いで取り乱さない維盛を描いたように本編の宗盛も父から託された遺言を必死で果たそうとする孝行息子。予測を越えた人生を送ってきた清盛の予測すら越えたところで生き延び続ける頼朝が相手なので手ごわい。

主が命じたことを特に何の屈託もなくそつなくこなせるのは確かに「善」き「児」ですよねぇ。「平清盛」 で平家全盛の頃平家に盾突く者を問答無用で斬っていた禿の無表情と通じるものがある。

第12回「亀の前事件」
北条義時から父・伊東祐親と兄・祐清の死を告げられ、憤る八重。義時は八重をいさめ、源頼朝から与えられた江間へと八重を送る。政子が懐妊し頼朝の嫡男誕生への期待が高まる中、比企能員が比企尼を伴い鎌倉に出仕。さらに、三善康信から推挙された官僚・大江広元らが都から下向し、新たな関係が動き出す。

後妻打ちは後に尼将軍となる政子の気性の激しさを表すエピソードとして通常使われるが今回は頼朝が義時の技量を見極め時政が一旦頼朝を見限るに至る楔の回。御台所としての品格が備わる政子とまだ頼朝に拘る八重の対比。部外者だからこそ現在の鎌倉殿の問題点を指摘する大江広元。

兄の愛を独占したいが働きどころを得ず鬱屈が溜まっている義経の罪を見逃さないのがいつも景時(今回の景時は讒言バージョンではない)。御家人への手前弟でも不問にできずさりとて愛情を振り捨てることもできない頼朝のとばっちりが牧宗親にふりかかる。

八重の次は亀の前にアプローチする義村は女を手に入れることでマウンティング?見栄えキャラであることを受け入れる重忠。二代続けての乳人で御家人中の地位を一層高めて野心の片鱗は見せない比企。乳飲み子千寿が早々に政子から引き離されていたことが比企家接近のきっかけをつくる。

当然政子の父時政に行くと思っていた乳母人の座が比企能員に行ったのは鎌倉殿と呼ばれても平家ほど結束の固い一族を持たなかった頼朝の御家人権力分散を図るバランス感覚。後に後白河法皇も同様のバランス感覚で頼朝を立てつつも京に上ってきた義経や義仲を厚遇する。

第13回「幼なじみの絆」
政子(小池栄子)が男児を出産し源頼朝の嫡男誕生に沸く鎌倉であったが、頼朝の浮気が大騒動に発展。激怒した北条時政は伊豆へと戻り、これを比企家の好機と捉えた能員は源義経らに近づく。そんな中、義時は八重のことを一途いちずに思い、鎌倉と江間を往復する日々を送っていた。一方、平家に敗北し再起を図る源行家は木曽義仲を頼り。

比企家の企みに呆気なく乗せられ木曾行きが不意になった兄譲りの女好き義経となぜか行く所行く所女難の頼朝。“港港に女あり”を地で行きそうな年齢制限なしで出会う度口説いている従兄義村に比べ13話にしてやっと初恋が実る主人公義時の純情さよ。

身内でごたごたしている源氏嫡流に比べて乳母子の今井兼平、その妹巴御前、兼平の妹との間にもうけた息子義高とミニマムゆえにまとまっている木曽源氏。厄介者の伯父行家を受け入れる懐の広さを見せ源氏同士で争わないと決めていた義仲がこの先変わってしまうのは都の魔力によるものか。

僧侶二人の呪詛ならさぞや霊験あらたかに思われるがなぜかお互いの効果を消し合っているように見える。スター武将義経の陰に隠れた凡才ではなく理性的な判断ができるが間の悪いキャラクターとして描かれている蒲冠者範頼。曾我兄弟の仇討ちの時のあの一言もついうっかり言ってしまうのだ。

アバンから時政がいないがその場所に違和感なくすっと入り込み会話にも無理なく混じっている比企能員の自然さがすごいなと思った。時政のように直情的ではなく世慣れていてこれは強力なライバルだ。

第14回「都の義仲」
嫡男・義高を鎌倉へと送った木曽義仲は、平家の追討軍を撃退して上洛。敗れた平宗盛(小泉孝太郎)は、三種の神器とともに都を落ち延びる。義仲の活躍に焦る源頼朝であったが、義仲と後白河法皇との関係が悪化すると、弟・義経を大将とし派兵することを決断。しかし、利益のない戦に御家人たちが不満を募らせる。八重も気にかける中、義時は。

木曾にいて地の利を生かしたからこそ多勢の平家にも勝てた義仲も気取った都風では身動きも取れず精彩を失っていく。義仲に三種の神器の重みがわからないように義仲の自らの武の証である刀を献上しても都人にはそのありがたさはわからない。

まさかの昆虫博士だった義高のためにセミの抜け殻を渡しながらお互いにもう会うことはないだろうと思っている義高と義経。その予想は当たっているが義経が兄頼朝と夜を徹して語り合う機会もまた来ない。誰にも予測できない未来。

丹後局とは不倶戴天の敵のはずだが今はまだそこまで溝はない九条兼実。鎌倉にいながら進言によって第一の褒美を得る頼朝。しかしもう一人の源氏清水冠者が現れ旗頭を得た御家人が反頼朝に立ち上がる。新選組! 歳三を前に彼の台詞「待たせたな」を言う上総介広常。

理想的なごっしーシナリオは木曽義仲が都の平家を追い払い譲位が可能な三種の神器を平家から奪った後自分の領地に戻ることだったがいずれもかなわず膨れ上がった烏合の衆が暴徒化してえらいことに。大人の都合でもっと良い所へ連れていかれる安徳天皇と一生ひきずる縁を結ばれる大姫義高。

第15回「足固めの儀式」
源義経率いる一軍が迫っていると知った木曽義仲は、後白河法皇を捕らえて京に籠もる。一方、鎌倉では御家人たちが謀反を計画。上総広常も加わり、義仲の嫡男・義高を旗頭とし、都ばかりに目を向ける源頼朝の失脚をたくらむ。義時は御家人たちの計画を潰すため大江広元らと連携し。

鎌倉殿と崇めながら所詮は我々が担いだ神輿にすぎずすげ替え可能と皆が見ていたことを百も承知の上で自分を脅かす者はこうなると皆の前で敢えて影響力の大きい上総介を成敗する作戦を立てた冷徹な頼朝。フェーズが違う作戦しか知らされていなかった(今はまだ)義時。逃げる姿に芹沢鴨み。

今回の制裁は神輿に乗らなかったが間違いなくなり得る義高へのアピール。畠山重忠のいう事には何でも反対する義盛とそれを読んだ重忠のナイスパス。反乱軍が成功した場合も考えていた比企。今回は胸に一物あり本心を出さないキャラが多い。鎌倉殿とは別ルートの御家人ヘルプデスク政子。

従来は義経への讒言で嫌われる景時だが今回はFBI長官フーヴァー&スパイみたいな役回りをやらされているが故に嫌われそう。これまでは「嫌だ」という権利が御家人にあったがこれからは嫌だといえばこうなると目の前で見本を見せられ言えなくなってしまう。今回で鎌倉の権力が逆転した。

第16話「伝説の幕開け」
御家人たちをまとめ上げた源頼朝は、弟・範頼を総大将、梶原景時を軍奉行とした本軍を派兵。八重に見送られた義時も従軍し、先発した義経と合流する。後白河法皇を捕らえ京に籠もる木曽義仲、福原を拠点に復権を伺う平宗盛に対し、鎌倉方は義経の天才的な軍略に導かれて奮戦。畠山重忠らが華々しく駆け。

留守居部隊で赤ペン先生と化す大江広元。お手本梶原景時、細かすぎてわからない義時、勢いだけがある土肥などそれぞれ個性が出る中でなぜか絵手紙和田義盛。

平家を倒す義のある戦であり法皇からのお墨付きを頂き最後まで頼朝と争うつもりがない。人柄的にも申し分ないにも関わらず滅びてゆく木曽義仲。この時代正しさは人を救わない。兔のような妻とは正反対の猛女巴と運命の出会いを果たす和田義盛。

武運つたなく果てる木曽義仲。気配を感じたかのように立ち上がる義高は、敗軍の将の息子がどういうものかを知り尽くしている頼朝のもとに残される。何も知らない大姫の求めに応じながらも表情が今までと明らかに違う清水冠者。

本作では奥州藤原氏の動きを頼朝がかなり警戒していた設定。水を得た魚の如く名だたる武将たちを従えていく義経とかなり的確に彼の計画を読む都でも人気者の畠山重忠。これだけ戦好きな義経だが戦がなくなった時彼の居場所は。狡兎死して走狗煮らるのことわざが頭を過る。

スタッフは絶対 「終わりよければすべてよし」 パローレス役の 横田栄司 さんを見て史上最も可愛らしい 和田義盛 を作り上げようとしているに違いない。しかし最後に来るのが和田合戦という。

武衛泣きbabyもとい金剛 俺たちの泰時 が大きくなる頃には安寧な世になることを願う義時だが承久の乱ではこの泰時が総大将となり戦を指揮する身に。義村がいきなり預けに来た未来の妻とご対面とこちらも人生のメインイベントが地味に起こっている。

第17話「助命と宿命」
源義経の軍略がさえわたり連勝に沸く鎌倉方。しかし、木曽義仲の討伐により鎌倉に再び暗雲が立ち込める。義仲の嫡男・義高を危険視する源頼朝は、戦勝報告のため範頼とともに鎌倉へ戻っていた義時に義高の処断を命令。大姫を思う政子は憤り、義高を救うため奔走する。一方、頼朝に試された義時は八重ら家族を思い。

まるで 歴史探偵 を見ていたかのようにアヴァンタイトルで思いっきりフェイクニュースを肯定する義経。

工藤祐経を親の仇と付け狙うちび曽我兄弟。彼等もまた親の仇を忘れない息子達であり親を討った男が子供に仇討される輪廻は鎌倉将軍家まで延々続く。女装してますます麗しい義高。義時を信じなかったが故に敵の真っただ中に飛び込み敢え無く最期を遂げる。大姫の傷は一生消えることなく。

戦がない世では為政者は腕を振るえるが天才武将には居場所がなく常に闘争本能を抱えるかえって危険な相手。奥州藤原氏という有力なパトロン&法皇も味方につけた義経が頼朝にロックオンされる日はすぐそこに。かつて義仲の必死の訴えを破った義経の手紙が着てはもらえぬセーター扱いに。

誰もが鎌倉殿の意向を気にする一種恐怖政治のような状態になってしまった鎌倉。政子の何気ない一言さえも御家人の生死を決する。目指していた坂東武者の世とはこんなものだったのか。巴にでれでれの和田義盛が癒し枠。

実際は「捕まえたのに大姫に一言も断らずに何で勝手に殺したのか」と政子が頼朝を押す形で処刑された。私情優先御台所こわい。本当に女房姿で逃れたのか。いやお綺麗でした~。

このドラマは初回から子供が戦の犠牲になる様を描いてきたけれど大姫もその一人。生き残ったにも関わらず7歳の初恋が13年も心身を蝕んでしまう。男は武家の頂点女は公家の頂点という頼朝の抜けない貴族発想の犠牲にさせられそうになりほぼ自殺のような形の病死。

第18回「壇ノ浦で舞った男」
苛烈さを増す源平合戦。必死の抵抗をみせる平宗盛率いる平家軍に対し、源頼朝は義経に四国、範頼に九州を攻めさせ、逃げ道をふさぎにかかる。しかし、範頼軍は周防で足止めをくらい、義時・三浦義村らが状況の打開に奔走。一方の義経軍も、後白河法皇の命により摂津から動けずにいた。そんな中、梶原景時の献策を一蹴した義経が。

代筆恩人宗盛と息子を会わせたり腰越の芋の約束を覚えていたり義経が単に情のない人間ではなく“戦のためには情を捨てる”男であることをかっちり見せる。同様に“政のためには情を捨てる”兄頼朝と非常に良く似ている。そして義経の最大の理解者であるからこそその危険もわかっている景時。

父と法皇の狭間で苦労した重盛に対して頼りないと評価が低い宗盛だが、今回比較される碇知盛も登場しないまま全て悟ったような表情が印象に残る。戦いが終われば義経にの相談に乗ったり頼りになる人格者描写。頼朝が「宗盛にいざ会っても恨みよりも有難さが先に立つ」と述べるのも自然。

暴走気味の義経と頼朝、義経と御家人のパイプ役として今回株が爆上がり蒲殿。御家人からはくそ真面目と言われても基本に忠実な姿勢が義経よりほんの少し長生きさせる。そして範頼と頼朝の仲を裂くのも起請文の“ある一語”で今回ドラマでは悉く手紙が人の仲を裂いていく。直接会ってれば。

「平清盛 」は壇ノ浦と奥州征伐が駆け足で語られたため 神木隆之介 版義経は確か「自分が兄上の成していくことの人柱になるならば」と偉く達観して滅んでいったのですが今回の #鎌倉殿の13人 ではどうなっていくのか。

第19回「果たせぬ凱旋」
鎌倉入りを許されず京で悲嘆にくれる義経。義時は大江広元に知恵を借り、源頼朝と義経との関係修復を模索するが、後白河法皇はそれを許さない。愚痴をもらす頼朝に対し苦言を呈す八重。この状況を政子が憂う中、京では義経をめぐって里と静が対立。さらに源行家が義経に近づいて頼朝への疑心をあおり。

彼がロックオンした源氏は全て亡びる人間デスノート行家。まがい物の髑髏にまですがろうとした頼朝の願いも空しく兄弟決裂。義経を戴き挙兵する事に積極的な国衡とずっと押し黙る秀衡の後継者泰衡。義経が辿る運命はこの時定まっており次回帰って来る九郎はおそらく完全な姿ではなく。

義経追討にかこつけ地頭配備で西国統治も目論んだ頼朝だが地頭の評判が悪く大江広元VS丹後局会談であらかた却下される。平家の占有状態を長らく見て来たごっしーならではのバランス感覚だが猜疑心の強い頼朝には日和見主義に映り大天狗呼ばわりされる。

義経が静に「兄上に舞を披露」と告げた言葉は皮肉な理由として二人に跳ね返り助命嘆願するなら決して舞ってはいけない舞を舞う静御前。怒った頼朝を政子が止めて御家人の気持ちがあちこちゆれる名場面が次回やってくる。

ごっしー倒れる!シーンの3人の阿吽の呼吸がたまらない。まさか高貴なお方が自分に嘘をつくとは思っていない義経はあっけなく騙される。義経により奥州でも再び起こる兄弟不和。結束の固い(そして運の良い)一族だけが鎌倉時代を生き延びる。

第20回帰ってきた義経
京を離れ、奥州へ逃れた源義経。しかし、温かく迎え入れてくれた奥州の覇者・藤原秀衡が程なく死去。これを知った義時は、状況を探るため平泉行きを志願するが、義経の才を恐れる源頼朝(大泉洋)は、藤原国衡・泰衡兄弟の仲の悪さにつけ込み義経を討つように冷たく命じる。八重(新垣結衣)に見送られ、平泉へと発たつ義時。一方、捕らわれた静御前は鎌倉で。

義経や義時から生きるために勧められても我が身を偽ることを良しとしなかった静御前。「昔を今になすよしもがな」で激怒した頼朝を政子が宥めて静に寄せられた同情を鎌倉殿夫妻への称賛に変えた逸話。女の意地を眼前で見せられた大姫が入内を拒むのも納得。

「平家を亡ぼしたのはお前だ よくやった 
大将軍だ 」兄がくれなかった最大級の賛辞を送り兄が聞く事のなかった戦話を喜んで聞いてくれた御館。若葉の中で送り出した若者に奥州を託し血のように赤い紅葉の中で斃れてゆく秀衡。奥州藤原氏の没落が始まる。

わざと静御前とその子の行く末を自分に聞かせた事もわかった上で自分を信じてくれた秀衡への恩から首を差し出し奥州安堵を願い出る義経。対立しても最大の理解者だった梶原景時に託した鎌倉攻略の策。鎌倉幕府は義経の策通り新田義貞のまさかの海からの攻め稲村ケ崎攻略によって滅びる。

この扮装でやり過ごしたであろう涙の勧進帳もなく弁慶の立ち往生もない。「こんなもんでどうでしょう?」と義経の前でコスプレする弁慶(最終形態は皆知っているのに!)と「世話になった」「よしてください」と少年漫画のような爽やかなやりとりをする義経の言葉にならない絆が描かれた。

頼朝の子というだけで千鶴丸が殺されてからずっと続く「誰々の子(特に息子)」というだけで殺されてゆく幼子。そしてどんなに命脈を絶とうとしても生き残って仇を討とうとする男子もずっと続く。

第21回「仏の眼差(まなざ)し」
源義経を失った奥州に攻め込み、藤原泰衡を討ち取る源頼朝。義時・畠山重忠らが在りし日の義経をしのぶ中、頼朝は毅然と上洛に向けて動き出す。一方、京の後白河法皇は丹後局と今後の動静を憂慮し、きたるべき日に備えていた。そんな中、鎌倉では八重が子どもたちの世話に奔走。八重の明るい表情に、政子も目を細めるが。

「悪であれば天が罰を下す」なら今回の事故は罰?鶴丸という名を聞き何かを思い出した表情を浮かべた冒頭から最後は決まっていた八重は水に沈んだ我が子の後を辿るように死ぬ。「御家人が争わぬ限りは戦は起こらない」フラグを立てる義村。比企と北条のマウント合戦(比企が食い気味)。

泰衡に義経を裏切らせ部下に泰衡を裏切らせて尚「これから大事なのは忠義」と言い放つ頼朝。ごっしーの八つ当たりで不憫な知康。現代ならばこっくりさんが好きなJKになっていそうな大姫。“今は”にこやか畠山夫妻と北条夫妻。妻をだしにしてうまくごっしーを振った年の功時政。

新選組! 新見錦から三谷作品に戻ってきた相島一之。武家に好まれそうなはっきりした彫刻の運慶役。現妻と現夫の前で延々と元カノとの昔話をする鎌倉殿。

この時生まれたのが時政・牧の方鍾愛の子であり、唯一の男子であった政範。だが彼は16歳で亡くなり彼の死が、畠山重忠の乱、牧氏事件と続く北条氏一族内紛のきっかけに。仲の良い北条ファミリーを見られるのも今のうち。

第22回「義時の生きる道」
源頼朝の上洛が決まり、命に従い随行する義時。大軍を率いて念願であった京へと上った頼朝は、後白河法皇、九条兼実と会談。今後の世のあり方を思い描く。そんな中、自分たちには利益のない上洛に、三浦義澄、岡崎義実、千葉常胤らが不満を募らせていた。一方、比企能員は比企家の地位を盤石にするため、一族の比奈を。

息子は武士の頂点、娘は天皇家の頂点という頼朝の貴族的発想により勧められる大姫入内プロジェクト。天皇の後継者レース、頼朝は参戦すらできず、九条兼実は娘を嫁がせるが後継ぎを生んだのは丹後局の後援する源在子で土御門天皇の国母となる。

夢枕その他で会い続けた腹に一物抱える傑者同士の対面で宣戦布告し孫に朝廷の権威を守り抜くよう遺言するごっしー。清盛、頼朝と時代のスターを見続けてきた法皇逝く。戦のない世を目指した頼朝が戦大好き坂東武者を抑えるために得た征夷大将軍位を巡りこの後翻弄される源氏一族。

厳めしい顔で政子に近づいて次第に征夷大将軍位になった悦びを顔いっぱいに表現する所は大泉洋 ならでは。久々の心からの笑顔だったのでは。​

ヘッドロックをかけた過去を懐かしく思い出す北条姉弟。妻不在で大変な事になっている江間こども園。衣装の下に鎧を纏うなどどちらに転んでも良いように図る策士比企氏と鎌倉殿一点賭けの時政。義経の「どこで戦えばよいのか」という問いが今度は坂東武者に突き付けられる。

朝廷の権威を守る事を託すのと同時に「楽しまれよ」が遺言とは 平清盛「遊びをせんとや生まれけむ」からのロングパスか。

芝居では頼朝にマウント取りながらも裏ではスープカレーの美味しさを教えて貰った礼を言う九条兼実。

第23回「狩りと獲物」
嫡男・万寿の披露目の場とするため、御家人を集めて富士の裾野で巻狩りを行うことを決めた源頼朝。工藤祐経が賞賛する中、頼朝を憎む曽我十郎・五郎兄弟らが謀反を計画。梶原景時から企みを知らされた義時は、急ぎ五郎の烏帽子親である父・北条時政のもとへと向かう。不穏な気配が漂う巻狩りには、義時の愛息・金剛も。

「成長著しい金剛」テロップでも優遇される俺たちの泰時 王道より覇道を伝授された真っ黒景時の必勝法は「毒餌を撒く」(万寿から却下される)万寿の放った矢が能員の足をとどめるのは彼の病気が比企一族の反映を押しとどめる比喩か。

「浮気心が身を助ける」起こったシチュエーションは7話と同じ。危うく曽我兄弟の襲撃を逃れた頼朝だが声が聞こえなかったと義時にだけ語る頼朝。天運が尽きかけていると感じた時に知らされるまさかの温厚な弟蒲殿の不穏な動きが猜疑心に火をつける。

第24回「変わらぬ人」
源頼朝と万寿が巻狩りを終えて無事に戻り、喜ぶ政子。しかし、頼朝は自身に代わって鎌倉殿の座に就こうとした弟・範頼を許さず、余波が鎌倉を揺るがしていた。比奈(を傍らに、三浦義村、金剛と思いを巡らせる義時。そんな中、亡き許嫁いいなずけ・源義高を慕い続ける大姫(南沙良)は、頼朝が用意した縁談話を歯牙にもかけず。

第25回「天が望んだ男」
身に降りかかる不幸が続き、不安にさいなまれる源頼朝。政子が心配する中、過剰に助言を求められる全成は困惑し、実衣と思案する。一方、源頼家に長男・一幡が誕生。比企能員は鎌倉殿の継承に心を躍らせ、比企の台頭を危惧するりくは北条時政をたきつける。頼家から呼び止められた義時は、三浦義村から。

後継誕生で悦びに湧く比企一族。これで鎌倉殿後継者の座は比企に転がってきたと喜んでいるが頼家が望む正妻は源氏縁の女性。出任せを言われて満足に抱きもしない祖父とご対面の悲劇の子一幡誕生。

あれほど生きることに執着し「周り全ての者が自分を害さんと企んでいる」と疑ってかかっていた頼朝が神仏を含めた何者への恐れも執着も失くした途端に鈴の音と共にやってくる死の影。よりによってとっておきの和田義盛と巴のラブシーンを邪魔したのが惜しい鈴。

結局の所思いっきり後ろを振り返った頼朝が皆に別れを告げるように残してゆく鈴の音。「どこぞの入道のように貿易をして」という台詞は 平清盛 で清盛に憧れていた頼朝を彷彿とさせる。「朝廷を支える」という意識を持っていた最後の武士頼朝が亡くなったことで後の承久の乱が。

第26話「悲しむ前に」
安達盛長が涙に暮れる中、義時は先を見据え、大江広元らと頼朝の嫡男・頼家を次の鎌倉殿とする新体制作りを始める。しかし、比企能員の力が増すことを嫌うりくが、夫・北条時政をたきつけてこの流れに対抗。鎌倉に不穏な空気が流れる中、狩りから戻った頼家は。

「頼朝が北条館に匿われている」という秘密が瞬く間に広まった第1回の如く頼朝危篤の報が御家人たちに広まる。「これで坂東武者の世が戻って来る」「馬から振り落とされるとはみっともない」今まで出てこなかった御家人の本音。三谷作品では水垢離をすると必ず祈願した相手が助からない。

第1回と同じ問の頼朝に在原業平の「白玉か、何ぞと人の問ひし時、露と答えて、消えなましものを」を思い出す。業平もあの時答えていればよかったと悔やみ政子も人を呼ぶ前に頼朝に答えていればと悔やんだに違いない。

まだ息のあるうちから半ば亡き者として死後の政権が話し合われ生前出家が行われて烏帽子が外されていく。葬儀場所の建設が進む中でただ一人助かる事を願う政子の献身と逝く主君を嘆く盛長。梶原景時畠山重忠に止められなければ医師を絶対斬る気だった。

義弟より息子を取ったことで時政と政子・義時の間に亀裂が。牧の方がどんどんマクベス夫人になって来る。時政がマクベスになるには人が好過ぎる。マクベスに相応しいのは何気に態度が大きくなってきた鎌倉殿の舅比企能員。頼家の鎌倉殿就任で一歩先を行き三浦義村が御家人レースに復活

第27回「鎌倉殿と十三人」
土御門通親から源頼朝の死を知らされ、思案する後鳥羽上皇。鎌倉では宿老たちが居並ぶ中、新たに鎌倉殿となった源頼家が自身の方針を表明。これに北条時政と比企能員は共に困惑し、梶原景時は賛辞を贈る。その様子を政子に報告した義時は、弟・北条時連と愛息・頼時(坂口健太郎)を頼家のもとへ送り出し。

ずっと蹴鞠をしながら話している後鳥羽上皇。アヴァンタイトルが名探偵後鳥羽上皇みたいになっており伝えられない頼朝の死因を一発で当てて見せる利発さを見せる。一方偽の髑髏を渡される頼家。

院の近習から鎌倉の蹴鞠教師にとらばーゆした平知康。「わしはそんなに頼りにならぬか」ぽろぽろ夜に涙を流す鎌倉殿の美しさよ。13人の誘いを断りひとまず北条VS比企の闘争から逃げた重忠。「金は貰うがどっちにつくかは俺次第」一人だけクリント・イーストウッドみ八田知家。

気が強くて怒りっぽく自身に実績も自信がないのもわかっているが故にもどかしくだからといって宿老に頭を押さえつけられているのに我慢がならない誇り高き鎌倉殿が見事。13人に対抗して6名の親衛隊設立を宣言し「鎌倉殿」と「13人」の対立構造を作ってしまう。

「初代の息子だから二代目になっただけのことだ」と御家人も当然そう見ているしひしひしと感じるのもわかるが「俺はお前たちを信用しない。先代も信用なんかしていなかった」と宣言するのは若気の至りでそれを聞いた宿老達がどう思っているか。会社なら確実二代目でつぶれるパターン。

第28回「名刀の主」
北条時政と比企能員との争いにより、義時と梶原景時の構想から大きく逸脱し、13人まで膨れ上がった訴訟の取次を行う宿老たち。鎌倉殿となり気負う源頼家はこれを自身の力を侮っている結果だと捉えて憤慨し、北条時連・頼時ら若い御家人をそばに置いてけん制する。そんな中、13人の宿老たちが集まり常陸の御家人の土地争いについて評議を。

 アヴァンタイトル今回はイケボ名探偵八田知家。サリエリだから他の御家人がバカに見えてしょうがない梶原景時。合議制はそれぞれが優秀であればこそ成り立つ。いきり立つと「表に出ろ!」の坂東武者には合わなかった。

 安達藤九郎の嫁を無理やり奪おうとした件では母と伯父に怒られるみっともなさでミソをつけたが梶原対結城朝光の争いについては御家人の顔を立てた裁きを見せる頼家。頼家を名刀でないと見限った梶原が鎌倉を去る決意をする。あっという間に13人が11人になりパワーバランスが揺らぐ。

13人の外から暗躍し始める義村。自分のアピールポイント=見栄えに納得する重忠。昼顔 が始まってしまう結城朝光&阿波局。呪詛しているのか嫉妬しているのか微妙な全成。張り合う比企VS北条に遂に運命の子が頼家の正室に宿る。

文武に優れ朝廷からも一目おかれ策略家で手を汚す事も厭わずそれ故に御家人の恨みを一手に買う大河史上最高の梶原景時をありがとう。引き際までかっこいい。伊東→梶原→北条と譲渡されるアサシン善児。

第29回「ままならぬ玉」
御家人たちのバランスが崩れ始めた鎌倉。義時は北条と比企との争いの激化を懸念し、頼時と比奈を前に決意を新たにする。そんな中、つつじが源頼家の次男・善哉を出産。三浦義村が乳母夫となるが、比企能員は長男・一幡こそが嫡男であるとけん制。一方、北条時政はりくから政子の次男・千幡を頼家の跡継ぎにと。

盟友義澄が逝くのは悲しいが「一緒に逝こう」と言われると思わず手を振り払う時政(酷い)指示した証拠も巧妙に残さず口頭命令で全成に鎌倉殿呪詛を命じる時政&牧の方。最後に残された人形を拾った手は誰。国司となっても欲望が止まない鎌倉版マクベス夫妻。

親子揃って「女子は茸好き」と信じている勘違い義時&頼時。未だ達成感が感じられないまま型破りな方法で問題を解決してきた頼時への嫉妬から頼朝縁の名前を奪う頼家。鎌倉殿のためと言いながら御家人同志が己の欲に暴走している様も冷静に見極めている決して暗君ではない頼家。

梶原景時に続き安達、三浦と比較的良識派&穏健派の宿老が去り意図的にどんどん悪い顔が増えていく比企能員。頼家将軍就任の時の下を向いた時の笑みときたら。親の思惑を越えて自分と向き合って欲しいと訴えたせつにようやく心を向けて嫡男を決める頼家。

「いつまで比企の好きにさせておくつもりだ」次第に自分の思いを口にするようになる義村。義時の嫡男と縁組しいよいよ中枢へ。ラッキーカラーの赤を身にまとわなくなり夫婦の間に隠し事も増えてしまった阿野夫妻だが甥を救ったことで改心した全成によって関係修復に向かう。だがその先は。

第30回「全成の確率」
源頼家に対して呪詛じゅそを行った疑いにより、詮議を受ける阿野全成。比企能員はその背後に北条家の暗躍があると確信し、対決姿勢をさらに強める。そのころ北条家では、夫・全成を巻き込まれて激怒した実衣が父・時政を追及。名乗り出ようとする時政だが、りくに止められる。義時は北条家を守るために一案を講じ、畠山重忠の助力を得て。

鎌倉一露出が多い八田知家を嵐の中で阿野全成を斬らせる立場に回す鎌倉版水も滴るいい男。伯父の首桶を見たり若くして裁断を下す心労が強く遂に倒れる頼家。領地を多く持つ御家人が少ない御家人に分け与えるという案は決して悪くなかった。このまま彼の治世がつまずきつつも続いていれば

北条と比企の確執の犠牲になる阿野全成と実衣。彼等で終わりではなくこれは始まり。絶対呪詛が当たらない全成。もはやその名前(全て成す)さえ皮肉に見えた男が死に際で見せた大嵐を伝え聞き微笑む実衣。

「全て比企に任せておけばいい」を素直に聞いてくれない孫頼家を抹殺し頼朝が立ったように武家の頂点に立つことを愚かな夢と言いつつ信じ切っている比企能員。あの圧を跳ね返して若き二代目鎌倉殿として命令を下す頼家。金子大地佐藤二朗 二人が創り出したひりひりする場面。

幻のように瞬時に消えた13人宿老。毎回いろんな人から「何とかしなさい」と言われ眉間の皺が深まる義時。尼姿ケアで妹と会話のきっかけをつかむ政子。揉め事が起これば起こるほど楽しそうな義村。義時に頼られている重忠。頼朝弟についてあまりにも知らなすぎる義盛。

平知康
義仲・義経・頼家と全て源氏絡みのイベントで解官されるいかにも平家らしい人物。しかしこんな血なまぐさい時代を得意の蹴鞠でよく生き抜いた奇跡のような人物。

第31回「諦めの悪い男」
源頼家の後継者をめぐり、激しさを増す北条と比企の争い。比企能員はせつが産んだ頼家の長男・一幡を推し、早々に朝廷の許しを得ようと躍起になるが、大江広元らは取り合わない。一方、義時は比奈に頼んで比企の動向を探り、三浦義村にも相談を持ち掛ける。そんな中、政子のもとに北条時政、りくらが集まり。

「侮って平服で向かい討たれた」史実ではなく第15回御家人達の反乱を聞き前もって鎧を着こんでいたエピを繰り返しもう一人の諦めの悪い男比企能員を焙り出す。時政を信じきれずさりとて坂東武者の矜持も捨てられなかった比企能員滅ぶ。

悪い顔の源仲章さりげなく初登場で源氏嫡流を絶やしていく。「坂東武者のてっぺんに北条が立つ」と言った時宗時は他の御家人を滅ぼす事まで想定していたのか。結果的にてっぺんに立つためにはかつての仲間と数限りない抗争を経なければならなくい宿命を背負う北条家。

平家を滅ぼすために戦った仲間を倒すことに躊躇する義盛に対して世の流れに逆らわぬ事を決めた重忠。そうやってかつての感覚が薄れてゆき生き残るためにやむを得ぬ選択をしていく御家人達。重忠もまさか北条家縁戚の自分が次の標的になろうとは思ってもいない。

眠り姫は目覚めた時には王子様はいるわ両親は喜ぶわその先には幸せしか待っていなかったのに頼家は眠っている間に出家させられてるわ妻側の一族は息子も含め母親と伯父祖父らに滅ぼされているわまるで悪夢。眠っている方が幸せだった鎌倉版スリーピングビューティ。

第32回「災いの種」
奇跡的に息を吹き返した源頼家。しかし後鳥羽上皇のもとには頼家危篤の報が届き、後鳥羽は考えを巡らせる。鎌倉では、政子のもとに義時、泰時らが集まり、新たな体制について話し合っていた。そんな中、一人で思いにふける比奈。一方、先を見据えるりくは時政に京との関係をより深めるように説き、愛息・政範も胸を高鳴らせる。そして、三浦義村は。

あの舅が鎌倉殿が死にそうだと悲観して自害しそうには見えない程度には賢い頼家「わからないのか?次は三浦だぞ 和田だぞ」頼家の言葉がまるきりの嘘ではない事がわかるだけにもしここで御家人の誰かが頼家に加担していればと思えなくもない。絶望の淵に立たされた頼家の瞳が辛い。

歴史にIFはあり得ないがもしこの時仁田の相談に義時がのっていれば。鎌倉ではいい人は生き残れない仁田忠常自身を追い詰めて死ぬ。史実では比企討伐の褒賞を受け取りに行き謀反を疑われて討伐されたことになっている。

山中崇 さん初の京の雅な男。りくに花束を差しだす鎌倉マダムキラー。彼もまたこの後鎌倉に吹き荒れる嵐の起因となる。後鳥羽上皇の命名により三代目鎌倉殿源実朝爆誕の裏で少年善哉の前に現れた比企尼が「北条を許してはなりませぬ」呪いを吹き込み源氏三代滅びのゴングが鳴る。

めっちゃイケボの九条兼実の弟慈円登場。この後丹後局と兼実の権力闘争の末ごっしーの第八皇子に天台座主を奪われる。しかし一代目は落馬二代目は病死三代目は暗殺とくれば鎌倉幕府は危ないと都も思うだろう。

「狩りと獲物」富士の巻狩りで頼家が放った矢が比企能員の足に刺さる。今から思えば自身の病気が舅の息の根を止める暗示だったのかも。

第33回「修善寺」
鎌倉では政子の次男・源実朝を鎌倉殿とする新体制が始まり、北条時政が執権別当に就任。時政を裏で支えるりくは実朝の正室を京から迎えることを進言し、娘婿である平賀朝雅を通じて後鳥羽上皇に願い出る。しかし、御家人たちは派手に権力をふるう北条を敬遠。三浦義村の忠告に義時も苦笑する。一方、失意の源頼家は。

子供の頃に百科事典のコラムでこの先頼家にふりかかる運命はサイドストーリー扱いの 修善寺物語 を読んで、自分の娘が亡くなっていくのに悲しさをみじんも見せず生涯最高の面を作る夜叉王に何だこの狂気の人はと驚いた。今なら究極の美を目指す芸術家の狂気と理解できるが。

三代目鎌倉殿として身に余る鎧をつけて廊下を通る実朝と酒浸りになり「鎌倉殿はこの儂」と叫ぶ頼家。アヴァンタイトルから不穏な空気が漂う。文官達が頼家について相談するなかずばっと「鎌倉殿は二人要らない」と発言する不良番長八田知家。

兄の仇を知るが自分に善児は責められないと呟く義時。一幡の墓に目をやりながら次の指令=殺人を受ける善児だが現場で見た一幡の文字に心乱れ頼家が図らずも息子の仇を取る。善児もまた育てたトウに親の仇討ちをされる。親と子の仇討二題。アサシンの代替わり完了す。

拾った仏像でお宝鑑定団を運慶に頼む和田義盛は義時が何も考えず酒を飲みたい相手に選ばれる。「いい顔だが悪い顔。迷いがある」と運慶に人物鑑定される義時。マクベス夫人牧の方の描く未来図を着々と実現する一代目執権時政。

朝廷を敬う心を幼い頃から植え付けるべく上皇の意を受けて都から送り込まれた知能派スパイ源仲章。さっそく実朝の乳母実衣の心をつかむ見栄えの良さと自信溢れる振る舞いは、見るからに善人の 三善康信が巻物を抱えて逃げるぶざまさと好対照。

そもそもの始まりである富士の巻狩りから、偽者の獲物を見せられ褒められ周囲の望むように振る舞うことを期待された頼家。父の成した通り御家人達を従え鎌倉殿として立ちたい自我を周囲に翻弄され続け、迫り来る死に抗い力を尽くして舞台から去っていく頼家。

第34回「理想の結婚」
源実朝と後鳥羽上皇のいとことの婚姻が決まり、政子の心配をよそに喜ぶりく。一方、京では後鳥羽上皇が源仲章、慈円らと鎌倉の行く末について思いを馳はせていた。そんな中、北条時政から代々受け継ぐ惣検校職のお役目を返上するように求められた畠山重忠が、疑念を抱いて義時に相談。その義時ものえを。

鎌倉殿英才教育開始。1限目武術(教師八田知家):2限目弓(教師和田義盛)。鎌倉殿だからといって一切手抜きをしない教師に鍛えられ3限目政治(教師大江広元)はおねむモードの鎌倉殿。課外授業の処世術(教師三浦義村)は女性を知らない鎌倉殿にはまるで訳がわからない。最後に届く政子の歌

「自分を頼ってきた者を無碍にはできない」伊豆の小豪族の性根そのままに鎌倉幕府の裁きを進める頂点に立った時政の賄賂優先腐敗政治。前話にも伏線はあったが、比企の乱の時「食らいついていくだけ」と北条に従った畠山重忠も領土と地位を侵されてついに立ち上がる。畠山重忠の乱の序章。

3度目の正直で茸好きの女性が義時の前に現れた!と思ったらそんな甘い訳はなく再婚に反発していた泰時だけが、八田知家にも見抜けなかった、のえの本性を知る。当然話しても信じては貰えない。義時毒殺の噂もある継室登場。オスカー・ワイルド「理想の結婚」でも相方に秘密ありの設定。

「時政の実子政範がいる限りお前は決して権力を握れない」と同じ源氏出身平賀朝雅に毒を吹き込む源仲章。最初こそ「とんでもない」という顔をしていたものの次第に笑いに複雑な感情が混じる。 雅だけではない都のミッション鎌倉リモートコントロールに利用されていく朝雅。

第35回「苦い盃(さかずき)」
源実朝の妻になる後鳥羽上皇のいとこ・千世が鎌倉へ到着。政子らが出迎えるが、愛息・北条政範の凱旋を心待ちにしていたりくは失意に沈んでいた。そんな中、娘婿・平賀朝雅が畠山重忠の嫡男・重保への疑惑をりくに告げる。一方、朝雅の振る舞いについて重保から相談された義時は、父・時政に。

気に入った歌の作者が父と知って驚くと共に思いを歌にする思い付きを母に勧められ素直に頷く純真14歳の鎌倉殿。

実朝が初めて出会った相手と交わす婚儀の杯、重忠と義時が別れを予感しつつ交わす杯のダブルミーニングタイトル。子離れして後妻巴とラブラブの和田家、かかあ天下の泰時を見て自分はこれでいいのか悩む若き鎌倉殿「お前一人の悩みではない」歩き巫女のアドバイスに救われる。

「根拠なき裏表なき女子説」を唱えた八田殿と違い、さすが女性処世術講師だけのことはある三浦義村はのえの裏を一瞬で見抜くが「惚れているならいい」と達観。誰からも程よい距離感を保つ義村の処世術が三浦家を生き残らせる。

義時と話しながら次第に目に涙をにじませる重忠。部屋の後ろには戦支度が。牧の方の理不尽な怒りによる討伐命令に比べ理に適った反論を繰り出し「あなたが戦うべき相手は」「あなたはわかっている」戦う相手が相手だけに躊躇う義時の背中を押して散ってゆく武蔵の雄畠山重忠。

「将を射んとすればまず馬を射よ」原則に従い時政ではなく牧の方に愛息の死に絡めた畠山への疑惑を吹き込む平賀朝雅(いかがわしさ全開山中崇 さん素晴らしい)。踊らされる父を阻止しようとする北条家子供達。一言言われて大江と政子の間に何やら微妙な空気が(らぶ?)。

「一か月風呂に入ってない奴がいる」ギャグから始まり「雪の日は出歩くな」桜田門外の変で斃れる井伊直弼のような事を言われる実朝。折角の予言も「雪の日は転ぶからでは?」和田義盛の呑気な発言で台無しに。もはや癒しの最後の砦とは言え和田~!

たった一人の愛息を亡くした牧の方に「皿が亡くなっても皿で食べた料理は忘れない」と慰めて(言いたい事はわかるが確かに皿の例えはちょっと)「我が子を皿に例えるのか」と火に油を注ぐ執権時政。“いい人だがそれは違う”感を醸し出す執権&父親の演じ方が素晴らしい。

第36回「武士の鑑」
深まる北条時政と畠山重忠との対立。りくを信じる時政は、源実朝の下文を得て御家人を招集。三浦義村、和田義盛(、稲毛重成らが集い、対応を協議する。一方、手勢を率いて鎌倉を目指す重忠。板挟みとなった義時は、政子、時房らと事態の収拾を図る。そんな中、父・義時を心配する泰時は。

アヴァンタイトル今を盛りと鳴く蝉をバックに出陣を告げる重忠。蝉のBGMと言えば大河ドラマで何度も儚き命の比喩として用いられてきた。二度と会えない&戻らない事を察した二人の言葉少なき美しき別れだった。

義時の便利な手札として使われ始める義村(そして本人も察している)と信条がどこにあるのかわからぬまま稲毛黒幕説を流布する八田知家。御家人達の心を執権から離すため暗躍する二人と筋書きを描く大江広元。いなくなっても寂しがられず重要視もされていないと知り寂しがる足立遠元。

「皆の喜ぶ顔を見るのが好き」で他人の便宜を図っていた親分体質が自分でも気づかぬうちに利益誘導を図り御家人全てから背かれる権力者になっていた。自分を巧みに騙して窮地に追いやった息子を前に驚き→怒り→半ば息子誉め&半ば悔しさと表情をくるくる変える時政。

今回どう描こうと悲劇にしかならないのに和田義盛を使って「畠山は俺と同じ臭いがする(今は精一杯否定するが後は)」と言わせたり説得で話がつかない時は腕相撲勝負を挑んだり側面作戦が重忠にあっさり【バカの一つ覚え】で見抜かれていたり喜劇にひっぱる三谷脚本。

第37回「オンベレブンビンバ」
政子、大江広元らと新体制を始動させた義時は、泰時を自身のそばに置き、強い覚悟で父・北条時政と向き合う。一方、時政を蚊帳の外に置かれ憤慨するりくは、娘婿・平賀朝雅を担いで対抗することを画策。三浦義村を誘い、反撃ののろしを上げる。北条家内の対立が激化する中、源実朝は和田義盛のもとへ。

すっかり和田ゲストハウスがお気に入りの鎌倉殿。泰時の不在を寂しく思い御台の手をぱっとはねのけてしまうのはやはり。上総広常の話をわがものとして話盛りまくりの和田義盛と頬をつねられて取っ組み合いする巴御前を微笑んでみている実朝。理想の夫婦兼両親として見ているのでは。

永の別れを胸に秘め妻を伴わずやってきて家族と水入らずの時を過ごす時政の宴はトンでも擬音合戦に。本人に嫌がられ&怖がられているのをよそにりくのなりふり構わぬ平賀朝雅鎌倉殿擁立作戦は走り出してしまう。畠山重忠の妻で時政の娘さえ北条家へのひいきを拒む強さを持っていたのに。

鎌倉の様子を逐一報告させている情報通にして名絵描きの後鳥羽上皇の動きをよそに北条家内紛が続く。夫と息子娘を失い実父が息子を拉致するという骨肉の争いの渦中にいながら強く美しくなっていく政子。平仮名しかかけないのと京に詳しくないのが泣き所。大江殿との仲に期待!

第38回「時を継ぐ者」
激しさを増す北条親子による主導権争い。北条時政とりくは、三浦義村に命じて源実朝を屋敷へと連れ込み、鎌倉殿の座を娘婿・平賀朝雅へ譲るように迫る。対する義時は、泰時、時房、八田知家らを引き連れ、時政の屋敷を包囲。攻め込む機会を慎重に見定めていた。張り詰めた空気が鎌倉を覆う中、政子は。

鎌倉殿を執権時政が監禁という重要な場に居合わせながら父の必死の伝言も忘れ(こんな時にもギャグ要員なのか)三浦義村の複雑な立場も理解できずただ思いだけで部屋に突っ込んでしまう和田義盛。彼がもう少し目端が利いていればこの先の悲劇はなかったという示唆。

時政から義時へ時の字が受け継がれ執権の座も。当然謀反人の子が執権の座を?という不満が出てくることは織り込み済みで展開される義村と義時の田舎芝居に騙される御家人(八田知家を除いて)。知家が優れているのは肉体だけでないことを見せつけた回でもある。

「父の最期をみとることもできない。あなたがそれを奪った」時政と二人だけの場で初めて息子としての心情を吐露する義時とそれを受け止める父親の顔になる時政。平賀朝雅に度重なる恨みをぶつけたことで後鳥羽上皇の怒りを買い初めて都で注目される北条家の次男坊。

監禁されているのに和田義盛と武衛武林話で盛り上げる典雅な貴公子実朝。心配した妻を抱きしめるのにも躊躇するが祖父への情愛があり厳罰を処するつもりの義時には「私が乞うておるのだ」と鎌倉殿の顔を見せる前途有望な三代目。

本作の平賀朝雅はどちらかというと巻き込まれ事故パターン。源仲章のささやきにのって政範を毒殺したがために時政夫妻からなりたくもない鎌倉殿候補にかつがれいかにも鎧が似合わない源姓の武将として殺される。

第39回「穏やかな一日」
いまだ源実朝と千世との間に世継ぎの誕生がなく、気にかける政子と実衣。義時は、御家人たちが謀反を起こさぬように政まつりごとの仕組みを改める。しかし、傲慢なやり方に三浦義村、和田義盛らが不満を募らせていた。一方、泰時は慣れない和歌に悪戦苦闘し、源仲章に相談を持ち掛ける。そんな中、成長した公暁が。

表面穏やかながら後に起きる事件の伏線が顔を出すタイトル通りの回。ナレーター長澤まさみさん侍女で登場。北条家の専横が目立ち最後の坂東武者こと和田義盛が上総介を要求。キャスティングボートを握る三浦義村は義時に協力を約束しつつもいまいましさを募らせる。

恋文を送るも相手にわかってもらえず勝利を喜びたいのに幼馴染とスキンシップする姿を見せられ繊細なメンタルがぼろぼろの実朝。妻にカミングアウトして抱きしめられても心の空洞は埋まらない。少年の時はわだかまりこそあったようだが青年となった公暁ははっきりと決意を秘めているよう。

太平記 では フランキー堺 が演じていた長崎円喜に繋がる平盛綱爆誕。後期は北条家をしのぐ権勢を見せるが始まりは家人から。りくが去り謀を巡らす立場に立つのは実衣。立派に政ができそうな息子に実権を渡さない弟に戸惑う政子。「私は不要のようだ」わかりやすく実朝を脅迫する義時。

ヘンリー4世では散々つるんだフォルスタッフを最後王となった元ハル王子が自覚的に捨てる。フォルスタッフは昔からの縁から昇進も夢ではないと思っているが有名な「お前など知らぬ」で切り捨てられる。さて 鎌倉殿の13人 版フォルスタッフ&ハル王子コンビの切ない別れはどう描かれる?

第40回「罠と罠」
閑院内裏の修復を計画する後鳥羽上皇は、鎌倉に引き受けさせるという藤原兼子の進言に心を躍らせ、慈円と共に笑みを浮かべる。一方、京から知らせが届いた鎌倉では、重い負担に御家人たちが反発。源実朝からも慕われる和田義盛が旗頭となり、八田知家らが集う状況を、義時が苦々しく思っていた。そんな中、信濃で一つの事件が起こり。

これだけの髭面が由比ガ浜に並んだら壮観と言っていいのか迷う和田ズ。情に厚く武に長け信頼が厚いかつての上総介のポジションのついた和田義盛-最後の坂東武者を滅ぼすことで兄宗時が義時に託した坂東武者の世が完結する皮肉。北条がてっぺんに立つ世は坂東武者の利となるのか。

我が家に伝わる秘策で義盛と鎌倉殿が和解しても義時が皆に諫められ常に計画を止めても運命はそれとは逆方向に舵を切る。自分の死後を考え始め用意周到が過ぎたか義時。木曽義高の時も和田義盛の時も。「和田殿を嫌いな人なんていない」鎌倉で始まる圧倒的不利な状況で始まる和田合戦。

「起請文なんてちゃっちゃっと書いちゃえばいい」なんて言ってた義盛に対して書いて飲んでしまったら破れない覚悟満々の義村&知家(でも破る)。皆に母親呼ばわりされる巴御前。しかしあんなに予言的中したら殺されそうで心配な歩き巫女。

「義時が鎌倉殿になったら」後の伊賀氏の変の伏線のような台詞を口にする伊賀の方。実朝の秘密を知って自分が原因だと名乗り出る千世。普段は喧嘩していても義盛を守るために起請文を迫る巴。風雲急を告げる鎌倉のそれぞれの妻たち。

皆に謀反をたきつけながらいつの間にか姿を消す泉親平。まるでフランス革命のサンジェルマン伯爵みたいと思ったら映像でははっきりとあの人の顔が。鎌倉にちょっかいを出し始める西方。

第41回「義盛、お前に罪はない」
鎌倉を守るために大江広元とも共謀し、反北条の旗頭となった和田義盛の転落をもくろむ義時。戦を回避するべく源実朝と政子が奔走する中、三浦義村、八田知家ら有力御家人は、義盛の陣営に集い情勢を見定めていた。そんな中、父・義盛の安否を心配する朝比奈義秀らが打倒北条を目指して決起。一方、失意に暮れる泰時は。

起請文を是非にも出したい4人組のコントめいた一幕から始まり最後は一番言われたかった台詞を一番言われたかった相手に言われた和田義盛(中の人が好過ぎて生命保険CMの話が来そうとの声)の壮絶な最期で終わる濃厚な2日間鎌倉攻防戦。内部の敵を全て滅ぼしたかに見えたが義時最大の敵誕生

頼朝との歴史を知る最後の宿老(北条を除き)にして義時にとっては眼の上の瘤であった義盛も重忠同様「やりたくなかった戦」で命を落とす。ヘンリー6世に無視されたフォルスタッフと異なり自分のために慣れない鎧を着て戦場まで足を運んだ鎌倉殿にほだされた心の弱さがつけいる隙を与える。

忠臣を目の前で討たれ自分が誘いだす罠扱いで形だけの鎌倉殿であることを見せつけられた実時が義時に対抗できる相手として西に目を向け北条氏悲願の坂東武者の世とは真っ向から対立する源氏の世を目指す。待ってましたの朝廷&実時抹殺の名分もここに立つ。

男顔負けの武将でありながら二人の夫を戦で亡くした武士の世の犠牲者でもあった巴御前。義盛との幸せな日々を最後に仏門に入り俗世の戦乱に背を向けたのはやりきった感があったから。危険だとわかればすぐに実家を選んだのえと好対照で常に夫と共にありたかった妻であった。

第42回「夢のゆくえ」
決意を新たにした源実朝は、後鳥羽上皇を手本として人任せにせず自ら裁定を下すことを決意。泰時をそばに置き、自身の政を進める。一方、鎌倉内での地位を盤石なものとした義時は、のえに勧められて執権を名乗ることを決断。未熟な実朝らをけん制する。実朝と義時との関係がうまくいっていないことに政子が気をもむ中、源仲章が京から戻り。

実朝の夢に生霊として現れるウキウキ後鳥羽上皇。頼朝の夢に生霊として現れ「早く救ってくれ」と訴えたごっしー。生霊として夢に出る体質の天皇家と天皇家の生霊だけ夢に見てしまう余有難くない体質の源氏。

「船を作って中国と貿易を行う」などと言い出したら #平清盛 から海の民がざっぱーん!義時と時房の悪企みも知らずみるみる赤い目になっていく実朝にオトナ代表として謝りたくなってしまう。「ごめんね大人ってキタナイんだよ」母の助言に再び光を取り戻す鎌倉殿。

「まだ甘えた事を言っているのですか!」政子に喝を入れた丹後局だがこちらは亡き夫の所領はごっそり前夫との間に生まれた夫は貴族の養子になり院との間に生まれた娘は宣陽門院になりこちらも日本有数の財産持ちに。政子の平凡願望はわかり得なかったかも。

鎌倉の土木全般を統べる八田知家の「三善殿とそう年は変わらない」発言にえええ!と驚いた視聴者多数。それで無理して船を引っ張って心臓発作とか?と心配したがそういう退場ではなかった。何事も見通せた知的官僚の大江広元の目が見えなくなりますます混沌とする鎌倉。

八田殿の諸肌脱ぎは予測できたものの観覧席ポジションだった義村がなぜ脱いでいる?と疑問だったシーン。単に視聴者サービスか。

ウラ話トークでいっていた号泣シーンですね。権力の頂点にいた人が一旦落ちて妻にも捨てられて、それでもまたかかあ天下の女性に寄ってこられて日向ぼっこしながら伊豆の小豪族なら至るであろう平穏な最後に向かってゆく。まさに政子が願っていた日々なのだがそこに至るまでには修羅が

第43回「資格と死角」
源実朝に嫡男が誕生せず、後継者問題がくすぶっていた鎌倉。そこに修行を終えた公暁が帰還。その胸には鎌倉殿となることへの強い意志を宿しており、乳母夫めのとである三浦義村と共謀する。一方、義時と実衣も実朝の言動に不満を抱き、思案を巡らせていた。そんな中、実朝の相談に対して後鳥羽上皇から返事が届く。これに政子や泰時は。

大姫入内準備の時とは見違えるほど都と渡り合える度胸と交渉力を身に着けた政子。従三位を鎌倉殿と言い合う場面は頼朝と征夷大将軍を言い合う場面のオマージュ。法皇の子を産んだ丹後局は従二位でこれが皇族ではない女性の最高位に当たる。

比企・阿野と乳人が常に殲滅されてきた運命を持つ源氏嫡流。公暁の乳人義村が義時との友情も捨てて最後に出た賭けは自らがイアーゴ―となってハムレット公暁に伯父ポローニアスこと実朝への敵意を燃え上がらせること。直衣始の時には死角にいた公暁が半年後雪の中で現れる運命の時迫る。

歌舞伎でいうところの“やつし”(そんなにみすぼらしくない)でトキューサの前に現れ蹴鞠勝負を楽しむ後鳥羽上皇。肩ポンする物おじしないトキューサを気に入ったらしく親王鎌倉殿計画がとんとん拍子に進む。喜びの中鎌倉殿の資格を持つ公暁の悔しさや決意のかたさが皆の死角になっている。

直衣始の図面にはあの大銀杏が(まだ有名ではない)。上る途中で靴に入った小石に気づく実朝。後方からじっと見る公暁。全てを見ているのは紙視点の視聴者だけというたまらん構図。

あら「大江様見えないと思って言葉が大胆に」と思っていたらあっさり推し当人から重いと言われてしまった(笑)鎌倉きっての知性派で都事情にも詳しい大江の眼病は源仲章の台頭に繋がっていくのか。

第44回「審判の日」
後鳥羽上皇の計らいにより、右大臣に叙されることとなった源実朝。政子が愛息の栄達を喜ぶ中、鎌倉殿への野心に燃える公暁は三浦義村のもとを訪れ、鶴岡八幡宮で執り行われる拝賀式について密談を交わす。三浦館の動きに胸騒ぎを覚える泰時。一方、義時の周りでは、朝廷と鎌倉の橋渡し役として存在感を高める源仲章がのえを。

北条家一門が右大臣が出る!と無邪気に十二神ごっこで喜ぶ一方で公暁が実朝暗殺計画を三浦義村と図るシリアスな場面の対比。髭も髪ものばしとても千日参篭が出来る状態ではなく俗世の欲望にまみれた最終形態になった公暁。北条一族とは一線を引いてきた彼の孤独な半生が垣間見える。

ただ一人残った息子実朝に理解してもらえず頽れる尼御台。もし実朝が鎌倉幕府六波羅転居を言うのと頼家殺害の真相を知るのが逆だったら暗殺は回避されたのか。権力の頂点に立ったものの家族の絆がずたずたになっていく北条家。

「あまり悪い顔の時は気の毒で言えない」と運慶に評された義時の悪い顔。「自分のしてきたことは正しかった」自分を鎌倉に引き止めた姉の前で覚悟を決めろと迫る弟はその裏で鎌倉を捨てる決意をした甥を排除する計画を着々と進めていた。

過分な官位を授けたのも実朝のためというよりは鎌倉幕府を取り込んでしまうための上皇の策だが人の良い実朝にはそこまで読めない。芯の実力者たらんとマダムキラーにいそしみつつ義時の敵として立ちはだかるが太刀持ち役を最後に変わったことは慶事ではなく誤算だったことを仲章は知らず。

真相を知るなり公暁の所に出向き謝罪し「共に鎌倉を源氏の手に」と手を握り合うのは実朝の本心なのだが「お前の気持ちはわかる」と言われた後の公暁の表情が明らかに変わった事には気づけない。世故に長けていればこういいつつも義時はだめだが泰時などに裏工作をしておくものだが。

第45回「八幡宮の階段」
京から大納言ら公卿を招き、鶴岡八幡宮で盛大に執り行われる源実朝の右大臣拝賀式。泰時が警固をする中、公暁は門弟と共に木の陰に潜んでいた。御家人たちに交じり、状況を静観する三浦義村。今後の鎌倉と自身の命運を賭し、儀式を見守る義時と時房。式を終えて楼門から出てきた実朝を公卿と源仲章が迎えて整列すると、牡丹ぼたん雪が降り積もる中。

二人の舞台を見ているような対峙。一旦短刀を手にするもゆっくり落とし抵抗しない姿勢を見せる実朝。苦しい生を手放ししがらみのない世界へ旅立つことを寿ぐような笑みの実朝。いつか二人のもっと年を取った時の芝居が見たい。言葉をかけるタイミングをずっと待っていた舞台袖の義時。

「ラストワードがあれ?」と驚いていた 生田斗真 演じる源仲章。血が流れ体が急速になっていく死にゆく者の自然な言葉だった。太刀持ち役を引き受けあっという間に晴れの舞台から滑り落ちて一気に死に向かった仲章。院お気に入りの実朝と院の臣下を殺した事がこの後朝廷との火種に。

義時でなく仲章を討ったと知った時に止めれば公暁の運命は変わっていたか。源氏の中で武将としての名を貰えなかった公暁が縋ったいわくつきの髑髏。鎌倉殿を討って滔々と語るつもりの口上が血がにじみ読めなくなり再起が出来ると信じ三浦を頼った事と言い全てが甘すぎた幻の源氏四代目。

姿も歌も心根も志も全てがあまりにも美しすぎた鎌倉殿散る。「天命に逆らうな」はぼけてしまったおばばの世迷い事だが心に期すところのある実朝はまともに受け止めてしまう。このあたりもシェイクスピア的。一連の流れが絵のように美しかったが実質は残虐な鎌倉でのトップを狙ったテロ。

実時の「源氏の手に政を取り戻す」という台詞を聞いて人を見る目が甘いと感じた公暁が「騙されるものか」と思うが本当にそう思うべきだったのは乳人だったが御家人が次々滅ぼされる中で生き残る道をとことん選ぶ嗅覚を持つ三浦義村。

第46回「将軍になった女」
新たな鎌倉殿を迎えようと朝廷に伺いを立てる北条義時、大江広元たち。実衣が野心を燃やし、三浦義村が暗躍する中、京では鎌倉への不信感をさらに高めた後鳥羽上皇が、藤原兼子、慈円と共に今後を見据え、鎌倉への圧力を強めていく。一方北条家では、思い悩む泰時をよそに、のえが愛息・政村を。

W杯に負けぬ熱戦を戦い抜いた後鳥羽院とトキューサ。負けて勝つを成し遂げ得た新鎌倉殿三寅はまだ2歳。出自を問われて2度目も淀みなく言い切った慈円僧正の中の人お見事。りくと時政の間で繰り広げられた北条家後継者問題が義時の代で再び持ち上がる。

トレードマークの赤い衣を脱ぎ捨てた後は憑き物が落ちたような表情になる実衣。あどけない少女が権力者の弟に嫁ぎ源氏嫡流の息子を持ったが故に見た夢は実の兄につぶされる。最後に残ったシスターフッドに比べ時房と義時の間には年齢差故の遠慮がありブラザーフッドと呼べる親密度はない

施餓鬼をして励ますつもりが逆に励まされる政子。それはともかく「妻に5度逃げられ」と言い出した不幸続きの民は何かに呪われているのでは。大切なものを守るため変わってしまった弟に対抗するため自ら尼将軍宣言する政子。三浦義村の不敵な笑みが意味深。ちなみに今夜は脱ぎなし(笑)

第47回「ある朝敵、ある演説」
幕府の後継者争いが発端となり、乱れる京。朝廷の象徴である内裏が焼け落ちると、後鳥羽上皇は再建費用を日本中の武士から取り立てることを決める。しかし、北条義時は政子と大江広元の支持を得て、要求を先送りにすることを決断。泰時をはじめ御家人たちが後鳥羽上皇との関係悪化を心配する中、三浦義村は京で大番役を務める弟・胤義に。

予告された義村脱ぎ回。自分だけに院宣が来たと得意げだったが他の御家人にも送られていると知りすぐさま義時に知らせる世渡り上手の嗅覚は今回も衰えていない。京にいる弟と共にどちらにつくかわからない無気味なキャラだが義時にはその無気味さは見えていない。

伊賀の方にしてみれば後継者は泰時のままで兄は京都守護に行くなり殺され承久の乱の生贄とされ人柱にされたとしか思えない(これは誤解だが、上皇は明らかに義時の義兄だから殺したのだろう)。恨みつらみが積み重なり三度目の妻には優しい言葉で繕う事もしない義時に訪れる報いの時とは。

三寅が将軍に選ばれたことで将軍になる芽が摘まれた源頼茂が内裏を焼くのは朝廷の完全なとばっちり。残り少ない源氏も無駄な事やってないで辛い時代を生き延びれば歴史に源氏の芽もあったのに。公武協調を説いた慈円が宮中を去りイケイケの藤原秀康が残る。

「ある朝敵」=義時、「ある演説」=政子が言いかけてやめた「故右大将(頼朝)の恩は山よりも高く、海よりも深い」妹を守ったように弟を守る姉・政子。愛嬌しかないトキューサと真面目さしかない泰時の結束堅い残された北条ファミリーの面々。

「ある朝敵」=義時、「ある演説」=政子が言いかけてやめた「故右大将(頼朝)の恩は山よりも高く、海よりも深い」妹を守ったように弟を守る姉・政子。愛嬌しかないトキューサと真面目さしかない泰時の結束堅い残された北条ファミリーの面々。

第48回「ある朝敵、ある演説」最終回
反目する北条義時を討ち取るため、義時追討の宣旨を出し、兵を挙げた後鳥羽上皇。これに対し、政子の言葉で奮起し、徹底抗戦を選んだ幕府は、大江広元や三善康信の忠言を聞き入れて速やかに京へ派兵することを決断。泰時、平盛綱らが先発隊として向かい、時房らが続く。そんな中、三浦義村は弟・胤義と。

全く夫に関心なしモードののえだが毒殺計画をばれたと知るやあっさり白状。これで安らかな最期を迎えるかと思いきや義時ののたうちまわる姿と声で幕。直前のあの発言があったため息子を殺された復讐なのか取り憑かれ暴走する弟を止めるためだったのか敢えて曖昧に。

上皇様のため&都を守るために立ち上がったのに負けるとあっさり捨てられる不憫ズ。ごっしーの頃から朝廷の性格は変わらず 「麒麟がくる 」正親町天皇まで続く。特別出演ですらない吾妻鏡の承久の乱に読みふける 「どうする家康」 のいささか慌て者で落ち着きのない主役。

頼家を支えるために生まれた13人の宿老ではなく鎌倉幕府が確立するまでに亡くなっていったもう1ペアの13人もまた歴史を作った人だった。冒頭OPに剃髪姿の像もあった大江殿がすっかり「やっちまいましょう」の武闘派に。

義時の息の根を止めるのは誰?の一種ミステリーだった最終回。クリスティのオマージュは「鏡は横にひび割れて」御家人同志の争いを見て来た泰時が御成敗式目を定め争いのない世を作り息子のためを思い穢れを全て我が身に纏おうとした父は奇しくもかつて目の前で死んだ上総広常と同じ姿に。


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最終更新日  December 19, 2022 06:02:54 AM
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