愛蔵版 英雄コナン全集2 征服篇 Complete Conan Collector’s Edition 2 The Conqueror of Worlds ロバート・E・ハワード 新紀元社
第二巻は、コナンと女性の絡みが多め。そして相変わらず肌露出多し。
『ザムボウラの影Shadows in Zamboula』 ザムボウラの刀剣師市場の一角で「アダム・バクシュの家は危険だ」という噂が囁かれる。ちょっと前まで美女を目で追いかけていたコナンが興味を持ち、更に詳しく話を聞くと、どうやら泊まった者が二度と戻ってこないという。なんだか日本の山姥伝説みたいだ。大胆不敵なコナンを気に入ったズアギル族の男が「くれぐれもアダム・バクシュの家に泊まるんじゃないぞ」と念を押したのに、泊まってしまうのがコナンのコナンたるところだ。真相も山姥伝説と似ている。しかし黙ってやられていないコナンが大暴れしていると、美女で踊り子のザビビ(すごい名前)が現れ愛する人を救って欲しいと頼み込む。代価は自分自身(こればっかりだな。で、自分に自信がある美女でないと成立しない)。危機一髪に陥った彼女が大蛇を巧みにステップでよけるシーンがある。後に明らかになる彼女の身元を考えると、どこでそんな官能的なダンステクを習った?と大いに疑問である。
『黒い予言者The People of the Black Circle』 ヴェンドゥヤ国王が瀕死の状態となり、妹ヤスミナ姫が今わの際に聞き取った憎き敵の正体は、イムシャの山中に潜む黒い預言者だった。しかし強敵なので、国境を越えた地域に住む男達を束ねるコナンと協定を結ぼうとする。ところが交渉相手が王妹と知ったコナンが、彼女を軽々と抱え上げてさらってしまう。予言者陣営でもこの知らせがもたらされ大騒ぎ。本編、結構本気でコナンが王妹に惚れてしまったようだが、二人の住む世界が違う問題が浮上。いやあ、でもこの二人のすぱっとした別れっぷりはいい。大軍を連れてではなく、控えめな伴を連れてコナンとの交渉に赴いたり、恋に溺れ切らない勇ましい王族キャラは珍しい。
『黒魔の泉The Pool of the Black One』 悪名高いならず物号船長ザポラヴォは、泳いで船まで来たコナンを気に入り雇い入れる。船長の恋人で元はコルダヴァ大公の娘サンチャもコナンに釘付け。密かに性格の良さと豪快さで船員を味方につけたコナンは、とある島で船長を殺してしまう。しかしその島には怪物がいた。いやーこの怪物のやり口が嫌らしいったら。笛を吹いて怪しい気持ちにさせた後に人を化石にするですよ。