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2010.02.03
短歌鑑賞(斎藤茂吉) のど赤き玄鳥(つばくらめ)…
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短歌鑑賞
斎藤茂吉
のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳(たらち)ねの母は死にたま
ふなり
中学の教科書にも載っています、あまりにも有名な歌で解説する必要もないような歌です。
以下はわたしの自由な解釈です、ご参考までに…。
(われと同じように)悲しみでのどを赤くしているのかつばめたちよ、(いつもは飛び回って
いるのに、)二羽そろって(喪服のような羽をしていましずかに)梁にとまっている。そう
だ、(東京のお母さまでなく、)私を乳から育ててくれた「おっかさま」がいま「死になさる
んだ」…。(「おっかさーん」…。)
「玄」は黒の意味があります。「足乳(たらちね)」は、母にかかる枕詞ですが、文字通り乳
でもって育ててくれたという感じがします。「母は」の「は」に強いひびきをわたしは感じま
くて、「足乳(たらちねの)母は」の「は」だと思うのです。
鳥の数え方は「一羽二羽」ですが、「ひとつふたつ」は幼い感じ、幼児に返った感じもあった
のでしょうか。この場合、「二羽」より「ふたつ」の一音多いほうがつばめの存在感が強まる
効果はあると思います。
実家に帰った茂吉は、幼い頃の記憶が蘇ったのではないでしょうか。純粋な心になって死に近
い母を詠んだ感動的な一首です。
のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳(たらち)ねの母は死にたま
ふなり
参考:斎藤茂吉
歌集「赤光」
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最終更新日 2010.02.03 13:25:54
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