7月31日(金)
「矢内原忠雄(内村鑑三の弟子)の今日の言葉」(18)
(注)わたし(後藤)が、自分のために意訳等をしています。 参考:矢内原忠雄氏元東大総長
真実な生活態度
私たちは全く真実な生きた信仰の生活態度によって信仰を学んで行かなければなりません。このような真実の生活態度をもって真理の道を生きて行く人は当然孤独であるのです。この世の人は信者も求道者も混ぜ物を要求します。その要求におもねって教会も伝道者も混ぜ物のキリスト教を与えます。このごろの日本はキリスト教がだんだん世間にもててくる様子であります。この時にあって私たちが特に注意しなければならないことは、世から評判の良いキリスト教にならないことであります。世と世にあるものを愛さないで、神の国と神の義を求めて生きるその信仰に徹しなければならないと思うのです。この真実という問題について本当に大きな道しるべを私たちに残した人が 藤井武 です。藤井武は真実のためという一つの戦いを戦い抜きました。それが彼の戦いの全部でした。
(矢内原忠雄「藤井武を思う」全集 17:615 )
彼の地上の人生は 43 年に満たず、彼に許された結婚生活は 11 年に過ぎませんでした。彼の雑誌の読者は八百に足らず、彼は一銭の貯えをも残しませんでした。彼の家は彼の死後、二度の空襲 (くうしゅう) で焼かれてしまいました。彼の熱愛した祖国は彼の預言の通り亡び、青年男女は彼の警告を無視して、今なお快楽を追い求めています。彼は一本松のように丘の上に立ちます。無数の人と車が彼の前を過ぎますが、多くは彼に見向きもしません。彼は一人の弟子も残さず、死後満 30 年を迎えて、彼のために公開記念講演会を開く者もいません。世を去る直前、彼は「人間エレミヤ」を論じて、「ああこれ完全に失敗の生涯ではないか」と言いました。藤井よ、あなたの生涯もまた「完全に失敗」ではありませんか。
私たちは彼がエレミヤについて語った言葉をもって、そのまま彼の生涯の飾りとしましょう。
(藤井武「人間エレミヤ」)
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