漢字教育・バイオリン演歌

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2014.06.02

個人宅でのバイオリン演歌演奏

カテゴリ：カテゴリ未分類

　Ａさんは七年前、あるイベントで私の演奏を聞いて気にいってくださり、私がそのとき名刺を差し上げました。私はこういうことがよくあるので、Ａさんのことは忘れていました。そのうちお願いすると言われても、七、八割はそれきり何の連絡もありません。連絡があるときは一年以内に実現するもので、七年後の今になって依頼を受けるのも始めてですし、個人宅に招かれたのも初めてです。

　Ａさん宅の９６歳になるおばあさまの母の日と誕生日を兼ねた祝いでの演奏でした。高齢者施設では３０分くらいが普通で、Ａさん宅で一時間も持つのかと少し不安でしたが、その場で何とでも対応できます。おばあさまは介護用のベッド（椅子か？）の上で、上半身を起こしていました。

　Ａさん宅には９６歳のおばあさまを中心に、６０歳くらいの家族親類が八人集まりました。２４曲の選曲はほとんど明治大正の歌にしました。

　私が一番驚いたのは、一曲ごとにおばあさまが歌っていたことと、歌ったいる様子を一曲ごとに毎回、周りの人が覗き込んで無遠慮に見ていたことです。おばあさまの普段の様子を私は知りませんが、おばあさまが私の歌う歌をすべてご存じでした。家族の無遠慮なふるまいは、家族の気安さからできることで、高齢者施設の職員は、年寄りに配慮して、遠くから盗み見るように見ます。終わってから職員に、〇〇さんが歌ったのは久しぶりで驚きました、と感謝されます。

　いつも歌いなれた曲でも２４曲も歌うと、一曲くらいは歌詞を度忘れしがちですが、この日歌詞についてはノーミスでした。バイオリンも大きなミスはなく、中小のミスはいつもどおりかなりしましたが、音楽を止めることはなく、ほとんど気付かれなかったと思います。歌詞の度忘れは、とっさに別のことぱて゜切り抜けることもありますが、こどばに詰まって音楽を止めることがあるので、歌詞の度忘れの方がこわいです。

　全体として満足してくださったようで、わたしも嬉しかったです。初体験の個人宅での演奏が終わって、いつになくほっとすると急に気が抜けてしまい、アンコールを受けた昭和の名曲は、「青い山脈」・「リンゴの歌」はボロボロで、特に「旅の夜風」は調性を度忘れして、弾けませんでした。「旅の夜風」は人前で何度も弾いているのにこのていたらく、恥ずかしいかぎりです。昭和の歌はメロディーもリズムも複雑で難しく、しかも最近レパートリーに入れた歌が多くて慣れていません。アンコールでおのれの未熟さを痛感しました。

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