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2020.10.11
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カテゴリ: 作家



悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。



写真はネットより借用

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1972年3月28日、火曜日、由樹枝は東京にやって来た。悠介19歳、由樹枝、18歳の春である。桜の蕾が大きく膨らみ始めたポカポカ陽気の良い天気である。悠介は、御茶ノ水駅まで迎えに行った。東京駅着の時間は聞いていた。東京駅まで出迎えても良いのであるが、東京は広い。もし出会えなかったら困るので、御茶ノ水駅にしたのである。由樹枝も1年前に一度来ているから、どのように来るか知っている。

改札から由樹枝が出て来た。小さく手を振っている。白いブラウスにライトブラウンのスカート、そしてレデッシュブラウンのカーディガンを羽織っている。いつにも増して清楚な感じがして抱きしめたくなった。
「よく来たな。」
「久しぶり、会いたかったよ。」
「S大学、合格おめでとう! 頑張ったなー。」
「ほんと、合格して良かったー。悠介のお陰よ。教えて貰ったのが、役立った。」
「そうだとすれば、嬉しいけど、受験は本人の努力さ。由樹の頑張りだよ。」
由樹枝の大きなボストンバッグを悠介は持って歩きだした。

悠介は、綺麗好きとは言えないまでも、いつも部屋は乱雑ではない。しかも、由樹枝が来るので、念入りに部屋の隅々まで掃除をした。それで、片付いているし、綺麗である。
「へぇ~、綺麗にしているねー、男性の部屋じゃない見たい。」
「そうかい?」
「まさか、誰か掃除に来てくれる人がいるんじゃーないよね?」
「いる訳ないよ。由樹以外、女性としゃべった事もない。」
「そう? 怪しいなー?」
由樹枝が笑顔で、悠介を突いて来た。その手を掴み、由樹枝を抱きしめた。久しぶりの由樹枝の感触である。受験があったので、正月の里帰り以来会っていない。3ヶ月ぶりである。

「これから、1週間一緒にいられるのだね?」
「うん、もっと長くいたいけど・・・。」
悠介は左手で背中を、右手でお尻を掴み、由樹枝にくちづけした。由樹枝も答える。愛し合う若者の行いである。際限なく、飽きることなく二人は抱き合った
「コーヒーでも飲む?」
悠介が、由樹枝の身体を離して言った。
「私が淹れるよ。お勝手、使うわよ。」
「遠慮なく、使ってくれ。ここは、俺と由樹の部屋だ。」

コーヒーを飲みながら、由樹枝の受験の経緯などをじっくりと聞いた。彼女の友人の進路なども聞いたが、悠介には、誰が誰なのか良く分からない。もう2年程前になるであろうか? 由樹枝の編んだ毛糸の手袋を持って来てくれた由樹枝の同級生がいた。その娘は東京の大学に合格したとの事である。由樹枝は大層羨ましそうに彼女の話しをしている。今でも、由樹枝は東京で悠介と暮らしたいと思っているようだ。

悠介も大学の授業の話しもしたが、多く話すこともなかった。授業に出て帰るだけで、話すこともなかったのである。それよりもバイトの話しに熱が入った。面白いのは、家庭のブロック仕事である。10時に3時と、お茶を出してくれる家が多い。その時、先輩達と奥さんの会話を聞いている。おしゃべりな奥さんが多く、子供の学校の話しや、旦那さんの話、近所の奥さんなどの身近な話題から、芸能界のゴシップまで休憩時間一杯、話している。それが、悠介には面白く聞けるのであった。そんな話に、由樹枝が興味があるとも思えないが、頷き、相槌を打ちながら聞いている。由樹枝は聞き上手である。

二人は近所へ買物に出かけた。八百屋に肉屋に魚屋などを廻り食事の買い物である。悠介は、そんな買物などした事はなかったが、楽しそうに品物を選ぶ由樹枝を見て、自分まで楽しい気持ちになって来る。新婚生活みたいだなー、と経験はないがそう思った。食材は揃ったが、夕食を作り始めるには時間が遅すぎた。それで、昨年も行った、悠介の行き付けの満腹食堂へ出かけた。

「いらっしゃい!」
「こんばんわ!」
「あら? 以前、一度、見えたわよね?」
「はい、去年、来ました。」
「そう、又、一段と綺麗になったみたい。」
お店のお姉さんとの会話である。悠介は、由樹枝を誉められて嬉しくなった。東京にいても、由樹枝のような美人には、出会わない。大学にも沢山の女子大生がいるが、由樹枝に匹敵する女性はいない。この1年で、由樹枝は益々、綺麗になったと悠介も思う。つくづく、恋人で良かったと感じるのであった。

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Last updated  2020.10.11 08:41:16 コメントを書く


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