貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2020.10.20
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カテゴリ: 作家



悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。



写真はネットより借用

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悠介は、ビールを頼んだ。最近はビールを飲むのが楽しみなのである。バイトを終えて部屋に戻り、お風呂に入って、それから満腹食堂に来る。そして、冷えたビールを飲むと、もう社会人かと思えるような大人になった気がするのである。学生の仲間より、バイトの先輩たち、そして満腹食堂の常連との付き合いの方が多い。

「おー、綺麗な姉ちゃんやな! 悠介の彼女か?」
常連の一人が悠介に声をかけて来た。
「そうです。僕の彼女なんですよ。」
「へぇ~、ほんと、綺麗な姉ちゃんや、お前には勿体ないな。」
「何言ってますか! お似合いでしょう?」
「由樹枝と言います。よろしくお願いします。」
由樹枝は、酔っ払いのおっさんにも、殊勝に挨拶した。満腹食度のお客さん全員が由樹枝を見た。そして、「よろしくな!」と言った。
「由樹枝さん、悠介を頼むぜ! 真面目で良い奴なんだ。」
「そうそう、真面目だから、彼女がいるなんて思わなかったよ。」
口々に、悠介の事を話している。
由樹枝は、悠介が皆さんの中に溶け込んで楽しく暮らしている事を知って、安心した。一人寂しく部屋に籠っている事も想像したことがあるからだ。寂しい事から、新しい女性と付き合い始めないか、心配もしていたのである。そんな心配は、取り越し苦労であると分かり、安心したのであった。

始めは、声をかけて来たが、その後は気を使ってか、二人だけにしてくれた。労働者階級の人達であるが常識もあり優しい。由樹枝もビールを注いで貰ってひと口飲んだ。苦いと感じるが、冷たくて気持ち良い。悠介は、アルコールに強い。昨年、小柳社長主催の会食があり、飲まされてべろべろになり、記憶が飛んだ経験があった。それで、その後飲み過ぎに気を付けていたが、忘年会で、先輩の北村が妙に親しくして来て飲まされた。そして再び記憶が飛んでしまったのである。

従って、飲み過ぎても吐く事もせず、どんどん飲める、そして記憶が飛んでしまう事を自覚して、飲み過ぎには注意している。記憶がなくなるほど飲んだのは、2回だけであった。この飲み過ぎが、悠介を不幸にし、由樹枝との仲にも大きく影響するのであるが、この時、悠介も由樹枝も全く想像すら出来ないでいたのである。

満腹食堂で、夕食をとり、皆さんに挨拶して、部屋に戻った。少し酔って気分が良い。お腹も膨れている。由樹枝も大学に合格し、悠介も2回生になる。勉強も順調であるし、バイトも任される事も多くなって、これまた順調である。これから、由樹枝と会える回数も増える。心配な事は一つもない。悠介の人生で、これほど順調で幸せだったのは、この時かも知れない。

由樹枝と彼女が滞在時の予定について話し合った。悠介はずっと休んで由樹枝と一緒にいたいが、由樹枝から普段の生活をして欲しいと言われ、東京見物に2日間休み、それ以外の日は、バイトに出かける事にした。

寝る時間となった。布団は2組ある。しかし、由樹枝が一つで良いと言う。一緒に眠りたいと言うのである。3ヶ月振りの愛情交換である。既に由樹枝は興奮しているのか、頬が熱くなっている。くちづけをしてその興奮が伝わって来た。勿論、悠介も興奮している。時間はある。たっぷり時間をかけて、愛撫を行った。若い二人は、激しく愛し合い、疲れて深い眠りについた。そして朝方、もう一度愛し合った。

「朝食が出来たわよ。」
由樹枝がキッチンから声をかけた。悠介は、既に布団を片付け、テーブルを出していた。そこへ料理が運ばれる。朝食だから簡単である。卵焼きや納豆、味噌汁が並んだ。
「いただきます。」二人で声を揃えて言った。
「朝ご飯を一緒に食べるのは、1年ぶりかな?」
「そうね。うん? でも長野に来てくれた時もたべたわよ。」
「あぁ、そうだったか。でも、長野は慌ただしかったから、忘れてしまったよ。」
「そうそう、ゆっくりしたのは、1年前の引っ越しの時ね。」
「でもあの時は、由樹の手料理でなく、満腹食堂だった。」
「そうか、そうだね。」
そんな思い出話も楽しい。何を話しても笑みがこぼれる。仕事に行く悠介の着替えも由樹枝が手伝ってくれた。幸せそのものである。

「夕食何を食べる? 時間があるからね。しっかり準備出来るよ。」
「何でも良いよ。ビールは飲みたいな。」
「分かった。何か考えるね。私、料理するの、好きみたい。」

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Last updated  2020.10.20 11:24:14 コメント(2) | コメントを書く


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