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サインを見逃さないよう注意
産業医・精神科医 井上 智介
心の不調に気付く
「メンタル不調」と聞くと、どのような症状をイメージするのでしょうか。
全然元気がなくて、無表情でボソボソと小声で会話する様子だったり、すごく落ち込んで、なにごとにも意欲も出てこない様子を想像するかもしれませんね。
もちろん、これらの心の症状も出てきますが、メンタル不調の最初の段階では、心の症状より体の症状が出てくることを知ってください。例えば、頭痛や腹痛、胃痛などの「痛み」は典型的なメンタル不調の症状です。このような症状に悩まされると。ほとんどの人が、最初は近くの内科クリニックを受診します。そこで、いろいろと検査しても、特に原因となる異常は見つからず、ストレスによるものが原因と分かり、心療内科を紹介される流れになります。ほかにも、原因不明の微熱やのどが詰まった感覚が続くという体の症状もよくあります。
忘れてはいけないのは、メンタルが不調のとき、睡眠に大きな影響を与えます。例えば日中にたくさんスポーツをして疲れているとき、夜はぐっすり眠れますね。しかし、心が疲れているときは、良い睡眠が取れません。寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりします。この様子が 2 週間以上も続くようなら、早めに心療内科を受診してください。
「体の症状が出ているから自分はメンタル不調ではない」と決めつけるのではなく、今は心が疲れているかもなぁと、サインを見逃さないように注意してください。
【若者のメンタルヘルス②】公明新聞 2023.9.26
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