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習慣化の重要性
筑波大学名誉教授 株式会社 THF 代表 田中喜代次
メンタル面にも顕著な効果
メタボ対策が一斉に叫ばれて久しいですが、いまだに顕著な効果は出ていません。
安い値段で豊富に、かつ 24 時間飲食が可能のであること、仕事や気候のせいで運動・スポーツを実践する機会を持てないなど、日常の生活環境が強く影響しています。スポーツをしたい気持ちになっても、それにかかる経費や治安の問題が習慣化の阻害要因にもなることもあり、悩ましい限りです。
昨今、運動・スポーツを習慣化すると、血液検査値や血圧などの健康費用が改善するとの仮説に依処して、国を挙げて健康事業が展開されています。実際のところ、その効果は血液検査値や血圧などの健康指標よりも、体力や運動技能面に顕著となります。
控えめに実践する人はメンタル面により大きな効果が生まれやすいです。食欲増進や睡眠の質向上、服薬の軽減、運動技能向上による達成感・満足感の高揚、さらには家庭内の心配事や日々の仕事に伴う精神的ストレスへの対勢力増大などが期待できます。
このように、運動・スポーツは精神面や心理面、社会的側面に顕著なメリットがもたらせることを認識してほしいです。仮にメタボから脱出できなくても、心身の総合的健康は確実に高まっていることもあります。
スポーツを習慣化して、体重が半年で 3 ㌔減ったのに血液検査値が変わらないこともあります。珍しいことではなく、その人にとって一定の標準域があるからです。国や学会によって定められた血液検査値の正常/異常は、母集団から得られた膨大な数のデータから求めた一つの参考値です。身長に個人差があるように、全ての人に当てはまるわけではないのです。
運動・スポーツの意義や価値は、各自のメンタルタフネス(ストレス耐性)や社会性の向上にあることを再認識して、大いに楽しんでいただきたいです。結果的に、血液検査値も改善の方向に変化するケースが多いことを理解しましょう。
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