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2006.12.31
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カテゴリ: ヨーロッパ映画
CALVAIRE
Fabrice de Welz



映画の一つの評価のし方として、見始めた映画を最後まで見させてくれる何らかの牽引力、再び見たい(or 見てもいい)と思わせるもの、絶対必要条件ではありませんが、少なくもこのどちらかがあれば映画として最低限の評価を与えていいのではないでしょうか。この『変態村』には両方がありました。8月に近くの映画館でやったときに見そびれて、気になってたのですが、今回レンタルDVDでの鑑賞です。忙しいときに「最初だけちょっと」と思って見始めたのですが、そのまま用事もそっちのけで最後まで一気に見てしまいました。牽引力があります。

01.jpg

原題は『Calvaire』=カルヴァリオの丘=ゴルゴタの丘⇒キリスト受難の十字架像⇒長い苦難なんて意味で、上のDVDジャケットの図の通りです。ホラーであり、サスペンスでもあるのでネタバレは禁物だからどう書いたものでしょうね。まあ主人公マルクの脱出サスペンス。マルクは売れない歌手で、施設の慰問などキャンピングカーで回っている。ある老人ホームでの出演が終わって、数日後クリスマスの出演のために自らキャンピングカーを運転して南フランスに向かうんですが、途中で道に迷い、雨の中、森の中で車が故障してしまう。そこに突然現れた犬を探すボリス。彼の案内でバルテル旅籠に泊まることにする。親切なんですが自己本位的に事を進める主人のバルテル。翌朝マルクが散歩に行こうとするとバルテルは「村には下りて行かないように」と謎のようなことを言う。そしてマルクが目撃した村の人々とは。マルクには思わぬ運命が待っていた。

02.jpg

このマルクの歌はみんなを喜ばせる。ホームの老婆も、主任介護士の女性も、それぞれ自分の苦悩の解決を彼に求めるとでも言うか。これはバルテルにとっても村人にとっても同じ。つまり十字架像に象徴されるように、マルクはキリストのような存在とでも言えばいいのでしょうか。でも物語は決してマルクの物語ではなくって、バルテルや村民の苦悩を理解するように見る方が面白いのだと思います。

04.jpg

近くの映画館で見そびれたと書きましたが、ひとつにはこの作品の正体がわからなかったからでもあります。監督はホラー映画好きなのでホラー仕立てにはなっていますが、人間の孤独と愛を描いたドラマだと思います。そのためにホラーを求める観客には不満が多く、逆にドラマを期待する観客にはホラーである点が気に入らないし、この共存についていける観客には面白い作品なのでしょう。監督の第一回監督作品ということで、流れにやや不整合なところも感じられますが、なかなか面白い映画でした。



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Last updated  2007.01.01 03:48:50
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