これもミッシェル・セロー追悼鑑賞。この作品、日本で劇場公開されたのかどうかは知りませんが、DVDのタイトルはなんともひどいもの。「レイプ殺人事件」がまったく間違っているとまでは言えないけれど、この副題から想像されるものではありません。連続少女暴行殺人事件の犯人として疑われた身分もある男が警察で尋問を受ける一夜の物語で、舞台は回想シーン以外はほとんど警察署の一室で、レイプなどのシーンはまったくありません。一方「検察官」という主題は誤訳ないし不適切な意訳。原題のGARDE A VUEというのはフランスの法律に定められた警察による被疑者の一種の身柄拘束ないし拘留のようなもので、検察も検察官も無関係。この映画で言うと警察に呼ばれて任意で質問にのらくら答えていた被疑者の公証人に対してガリアン刑事が「マルティノ先生、ではポケットを空にしていただけますか」と言った時点でGARDE A VUEという身柄拘束状態になったわけで、もちろん容疑が濃いからの処置であり、だからマルティノも「そんなバカな」と言うわけだ。