かすみのスピリチュアル・ジャーニー

かすみのスピリチュアル・ジャーニー

9.自分の内面とつながる




つながりの回復


9.自分の内面とつながる


 絵を描いたり、文章を書いたりという自分の心を表現することも
自分を助けてくれた。



 私は、うつがきつくなったり、何か失敗すると、いらいらして
自分の頭をたたいたり、自分を傷つけるような言葉を発したりすることも
あった。

 「お前なんか死ね」「馬鹿じゃないか、こんな失敗して」
「人に迷惑かけてばかりじゃないか」

 そんな言葉が頭の中から聞こえてきたり、それが口をついて
出ることもあったのである。



 抑えきれない強い攻撃性が、ストレートに自分へと向かっていた。

 そんな時、画用紙に思いっきり、クレヨンで描きなぐったり、
ノートにたたきつけるように、自分の思いを文章にしたことは、
自分を傷つける行為を防ぐ効果があったと思っている。

 外に表現することは、自分の苦しさに風穴を開けて、
自分を守るために、大切なことである。

 外へ出すのがいいといっても、周りの人に対して
当たり散らしていいというわけではない。

 自分も、自分の周りの人も傷つけることなく、
安全な形で、自分の内面とつながり、感情を表現する方法を
見つけることが大事なのだ。

 日記を書くこと、歌うこと、詩や短歌を作ること、
踊ること、写真を撮ること、絵を描くこと、自分の気持ちや
自分らしさを表現できるものなら何でもいい。



 リストカット、過食、強迫行為などは、症状として
とらえられることが多いが、これは、無意識だとしても、
自分が死なないようにするための、大事な表現であるのだ。

 だから、自然になくなるのはいいが、無理に症状を
とってはいけないといわれる。



 また、私は、よくコラージュ(貼り絵)を作った。

 もともと、心理療法として、仕事で使うために学んだこの療法が、
自分を助けてくれた。

 これは、雑誌の中から好きな写真や言葉を切り抜いて、
画用紙に貼り付けるという簡単な貼り絵であるが、自分が心のそこで
望んでいること、ほしいもの、考えないようにしている不安な気持ちなど、
知らず知らずに表していることが多い。

 私は、人が眠っている写真ばかりを貼っていたときがあったが、
それは休養を求めていたためである。

ある時から、部屋の写真を貼ることが多くなった。
私は、しばらくして、部屋を借りて一人暮らしを始めた。

 コラージュを作り、それを見ることで、本当の自分の気持ちに
気づくことができた。



 こんな状態であっても、私は、患者さんからは「いつも笑顔だねえ。」
ろ言われていた。

 患者さんの前では、笑顔を絶やすわけにはいかない、
元気で明るくいなければ、と病棟にはいるときには、
テンションを上げて入っていくのであった。

 私は、ありのままでいるということが
どういうことが分からなかった。



 いつも自分を作っていることすら気づかないぐらい、
「ニコニコ仮面」は、私にすっかりとなじんでいた。

 仮面をつけているから息苦しいのに、自分のありのままの姿や
感情のせいだと、それを嫌い、目の敵にしていたのだ。 

 本当の気持ちに気づき始めると、今まで思っていた自分とは
全く違った自分がそこに現れ始めた。



 自分の内面と断絶し、本来の自分が望んでいることと
かけ離れた生き方をしているとき、心を病むという形で、
その問題が表に出てくるのかもしれない。

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