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「あの頃、確かに僕は有頂天になっていたんだよ。」
名もない花の2度目の植え替えをしながら語りかける。
その植木鉢はピョルが約2年ぶりに登り窯で焼いたものだった。
他にも何点か焼いた・・・。
燃えるような赤の大きな飾り皿
赤に赤を何度も何度も重ねて・・・
メファへの愛情をそこに封印したかのようだった。
ピョルが家のどこにいても目に付くように飾られている。
もうひとつはあの老木を思わせるように、
重厚なずっしりとりた花飾りの器だった。
花の咲く季節も
新芽まばゆい季節も
枝だけの時も
そこに生けられるのは、梅だった。
窯から最初に取り出したもの・・・・
それは、およそ同じ作家の作品とは思えない、
淡い春の陽だまりを感じる
やさしい風合いの子供用の器だった。
その器の主、ミレはスヤスヤと寝息を立てて昼寝をしている。
ピョルの表情に苦悩は見えない。
苦悩も絶望も、赤い皿に封印したのだ。
植え替えを終えたピョルは、
名もない花を家の中に入れる。
もうじき霜が降りるかもしれない・・・。
そんな気がした。
ミレと二人で暮らしだして2度目の秋がやってくる。
創作話 第5章 選択 March 2, 2010 コメント(10)
創作話・・・続き・・・^^; March 2, 2010
創作話 第4章 (3) February 23, 2010 コメント(6)