キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

PR

×

Profile

キータン.

キータン.

Category

■CONTENT■

(776)

昭和の懐かしいお話

(36)

ガキの頃

(28)

学生の頃

(4)

社会人の頃

(0)

流されゆく日々

(4)

旅の日々

(0)
2008.02.10
XML


三角乗り.jpg

アジアの子供の写真を見ていて、
私は自転車の「三角乗り」というものを思い出した。
昔、ほとんどの子供は子供用の自転車など買ってもらえなかった。
そう、単純な三輪車かスケーターだった。

それらはいくら早く走ってもスピードの制限があった。
もっと早く走りたい。子供なら誰でも思った。
そのスピードに憧れている目に、大人の自転車が入ってきた



しかし、子供が大人の自転車のサドルに座ると足がペダルに届かない。
そこで、「三角乗り」ということになる。
フレームの三角部分に片足を突っ込みペダルを漕ぐ。

そう、片方から、片足を入れて漕ぐ。
うん、自転車が手前に倒れるとまあいい。
問題は向こう側に倒れた場合、なすすべもなく倒れる。

悲惨……ああ。それでも何度でも繰り返す。

昔の子供は勇気があったというか無鉄砲だったのかもしれない。

臆病な私の場合、六歳上の兄に背後を持ってもらって練習をしたものだ。
「兄ちゃん、離さないでよ。絶対に離さないでよ」
私は真剣に叫んでペダルを漕いだ。


「うん、兄ちゃん、信じるから離さないでよ」
「ああ、離さないよ」

何度かの練習を繰り返して、もう一度、最初からやり直す。
「兄ちゃん、離さないでよ。絶対にだよ」
私は兄に何度も念を押して片足を突っ込みペダルを漕ぎ始める。


「うん、離さないよ」
おっと、兄の声が遠くに聞こえる。

私は背後を振り返る。兄の姿が遠くに見える。
「ああ、手を離した、ああ怖いよ、怖いよ」
ペダルを漕ぐのをやめると倒れるから、私は漕ぎ続ける。

自転車は颯爽と走る。私のおののきに関係なく走り続ける。
それは、「三角乗り」ながら、私が少し大人の世界を感じた瞬間だった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.02.10 20:26:11
コメント(14) | コメントを書く
[昭和の懐かしいお話] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: