私が中学生の頃、歴史教科書の「日本軍の侵略」
という記述を、文部省が「進出」と修正させた
という報道がされたことがあります。
実はまったくの誤報だったのですが、
後日、国際問題にまでに発展し、
教科用図書検定基準には
「隣接諸国との友好親善に配慮する」
という条項が追記されました。
歴史を諸外国に配慮して書き換えるのは
一種の政治的プロパガンダなのですが、
自ら相手国の都合のよい歴史にしますよ、と
宣言しているのは面白い。
歴史工作としては最大の成果を出した
事例ではないでしょうか。
この本では日本の中学校の歴史教科書を
引用しながら、いかに隣接諸国との
友好に配慮した歴史の歪曲が書かれて
あるのか解説する内容となっています。
・共同体破壊のためのプロパガンダ・・・共同体の「根っこ」を攻撃する手口
■まずアイヌについては、教科書ではアメリカの
インディアンと同等の記載となっており、
国会でも「アイヌ民族を先住民族とすることを
求める決議」が採択されています。
しかし、インディアンのように保護区という
収容所にアイヌを強制移住させたわけでもなく
アイヌを虐殺したわけでもないのです。
・「アイヌの人々に農業を強制し、アイヌの文化を否定するもの」と断罪する記述には、驚かされます。・・・多くのアイヌは与えらえた土地を和人の入植者に貸して小作料をとっていました。「アイヌの文化を否定する」については、・・・近代化政策も同化政策も一緒くたにした議論です(p57)
■島原のキリシタン弾圧では、
重税に苦しむ農民がキリスト教徒となり、
善良なキリスト教が弾圧された。
そう信じている人も多いでしょう。
しかし、現在のキリスト教とは異なり
当時のキリスト教は他国を植民地とし
異教徒は奴隷にしていい。
同じキリスト教でも宗派が違うだけで
殺し合うような排他的で狂信的な
恐ろしい宗教だったのです。
・『中学歴史』の記述では・・・当時のキリスト教を「学校、病院、孤児院などを建設し、人々を救済した」善き存在として描いています。不思議なのは、欧州では新教徒と数百万人規模の壮絶な殺し合いをし、アメリカ大陸の古代文明を滅ぼし、フィリピンやマカオを植民地化したスペイン・ポルトガルがどうして日本でだけ善き存在になるのか・・(p118)
■沖縄でも沖縄の独立を目指す勢力が、
沖縄戦では集団自決を迫られた、
沖縄は見捨てられたという
プロパガンダが行われています。
しかし、沖縄戦は米軍から日本軍が
沖縄を守ったのであり、住民の疎開、
食糧調達に努力した記録があります。
・昭和19(1944)年7月7日夜、政府は沖縄県民の60歳以上と15歳未満の老婦女子を本土と台湾へ集団疎開させることを閣議決定しました・・・(p184)
■歴史教科書については、
日本という同胞感を持った共同体の根っこを
破壊しようとする共産主義勢力の
工作活動が浸透してしまっているようです。
相手はプロですので対応は難しく、
できることといえば自ら学ぶこと、
こうした本を読むことしかないのでしょう。
伊勢さん、
良い本をありがとうございました。
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