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昭和30~40年代にクリスマスの主役を張った、子供たちの憧れ、バタークリームデコレーションケーキ
こういうの・・・純白のバター(断じて本物のバターではない)クリームのレースのような飾り、ピンクに着色されたバラの花、真っ赤なチェリーに緑のアンジェリカ・・・サンタのろうそくにチョコの家・・・どれを貰おうか、人生最大の悩み・・・
意地汚い子供吉祥天の夢・・・大きくなったらあのケーキまるまるひとつ、一人で食べるんだ・・・
大きくなった頃には日本も豊かになり、バタークリームは生クリームになり、さらに上京して00のケーキ**のパイと食べ歩く学生吉祥天でしたが
この年齢になっても子供の頃のバタークリームケーキへの思いは消えず
今もバタークリームのクリスマスケーキを作っている店を見つけて、小さなのを買い、胃にもたれる、だの、脂がきつすぎる、と誰も付き合ってくれないので、ひとりでぼそぼそと食べるのが恒例になっています・・・名付けて裏ケーキ・・・表はシャンパンたっぷりの生クリームのブッシュドノエル・・・ちゃんと食べてます
この裏ケーキを売っている店では、12月25日の夕方になるとクリスマスケーキが半額になりますので、夕方に買いに出かけます・・・一度出遅れて売り切れになっていました、どうも同好の士がいるらしい・・・
12月25日午後4時半、冬の夕暮れ近い店先に立った吉祥天
「クリスマスケーキ半額」の張り紙・・・よしよし、あるある
店内に入って「ごめんくださ~い」と声を掛けるも誰もいない、いつもはおばあちゃんが店番しているんだけど・・・
2,3度声をかけても応答が無い・・・留守か、何とのんきな
しかし「半額」の張り紙の横で何度も声をかけるのもなんだか気恥かしく
今年はもうよそうかな・・・表ケーキも食べたし、そのうえに新しいのも買ったし、00さんから頂いたのもあるし・・・と帰りかけたら
「あ、あるある、ここや、ここ」
「これやこれ、ほら半額になってる」
と年配の女性と、自転車押した若い女性が入ってきました
・・・同好の士らしい・・・
「あれ、どしたん、いつも店番のおばあちゃんが居るのに」とこちらを見たので
「ええ、さっきから声かけてるんですけど・・・」
「おらんはずないわ、こんな日に・・・聞こえんかったのと違う?」
「おばあちゃ~ん、おばあちゃ~んおらんの~」と叫ぶ若い女性
「ばあちゃ~んお客さんやで~」年配の女性も大音声
「おかしいな・・・もういっぺん、ばあちゃ~ん」
「あの、私また出直して・・・」諦めた吉祥天に
「なに言うてんの、居るはずや、ほら、奥ののれんが動いてる」
「あれは風で動いてるんやわ」
「あれま、それでも居るはずやわ・・・ばあちゃ~ん」
「ばあちゃ~ん、ばあちゃ~ん」・・・これはヤケクソの吉祥天も参加して三人の大合唱
するとこんどは本当に暖簾が動いて
「おりまへんか・・・おかしいな」と言いながら息子さん登場
「おった~」と三人
「このバタークリームのケーキ、私この3000円の・・・これが半額になるんやろ? 」と年配の女性
「私はこっちの・・・自転車にうまいこと乗るかしらん」と若い女性
一番小さいのを買った吉祥天・・・半額で1100円
「お先に・・・」と帰ってきました
昨日から食べています、キショットは小さいひときれで「もういい」
・・・後2,3日かかりそうです・・・
・・・恒例の裏ケーキでした・・・