マイペース70代

マイペース70代

本 「カンボジア 運命の門」


著者のフランソワ・ビゾは、フランスの民族学者で、
カンボジア内戦前にアンコールワット等の遺跡や遺物の研究に従事していたのだが、
クメール・ルージュに捉えられ、スパイ容疑で収容所に送られた。
そこで、死の恐怖と向き合いながら生き延び、
プノンペン陥落後は通訳としてクメール・ルージュやフランス大使館との間で
様々な悲劇と向き合うことになったようである。

4月にカンボジアに行って以来、
私の心は以前よりも強く人間の本性について考えてしまう。
どのような人間も、状況如何で悪魔にも天使にもなりうる。
しかし、そこには共通するプロセスがあるはずだ。

日本全体を震撼させている少年の事件も、
必ずしも「特異な事件」とだけ言い切れるものではないだろう。
忘れてはならないのは、私達人間は例外なく「闇」を抱え、
状況によってその闇から
本人の想像もつかない悪魔の手が伸びてくる存在だということだ。
他人の闇を詮索するよりも、自分自身の闇を見詰め、
それを制御することを身につけ、
誰かの闇に気付いたならば、
親切な行動でサポートする方法を考えなくてはならないだろう。
とにかく、早いことこの本を読み終えて、期限までに返却しなくては。

2005年01月06日

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