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Dec 1, 2006
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カテゴリ: 映画
約半年ぶりに映画を見に行ってきました。

行きたいなぁと思いながらも、どうしても見たいと思う作品もなくて・・・。

今回久しぶりに見た映画は、「地下鉄に乗って」。



すでにあちこちで上映されていて、もう終わってしまったところも多い中、
よい作品とのことでまだちらほら上映されているとのこと。
すでに一度見ている友人が、もう一度観たいと私を誘ってくださったのです。

あらすじは・・・(すでにご存知の方も多いと思いますが・・)

日本の、とある小さな衣料品店で働く真次(堤真一)。

しかし、父親(大沢たかお)は母親に暴力を振るい、子供達はそんな母を心配し、
お互いに支えあっていました。

しかし、そんなある日、彼の兄が交通事故にあい、亡くなってしまうのです。
霊安室で母と子供達が兄の亡骸を囲んで泣き悲しんでいるときに
父親がガラッと大きな音を立てて戸をあけて入って来ます。

父親は死んだ息子の姿をじろじろと見回し、
家族が固唾を呑んで見守るなか一言吐き捨てるように言うのです。

「なんてザマだ」

その姿にとうとう今までの我慢の緒がぶち切れてしまった真次。
それを機に、彼は家を出、戸籍を抜いて母方の姓を名乗って生きてきたようです。
今は結婚をし、一児にも恵まれている。しかし、彼には若い恋人もいます。


今回だけはせめて見舞いに行ってほしい。との弟の懇願にも真次は耳を貸しません。

「父親は自分勝手でひどい親」・・・平然と言う真次に向かって、
弟は言います。「兄さんは父親そっくりだ」

そんなある日、真次は地下鉄のホームでかつての学校の担任の先生に再会します。
すると急に真次のまわりの世界が変わり始めたのです。


世の中は東京オリンピックが開催されていた年になっていて・・・
実はそれは真次の兄が亡くなったあの日だった・・・

え~と、簡単に言えば、タイムスリップのお話、でした。

地下鉄を軸に、真次はいろんな年代に行ったり、現代に帰ったりをくりかえします。
特に、彼の父親の重要な節目節目の時にタイムスリップしていたように思います。

戦後、父が必死に生き抜いている姿を目の当たりにしたり、
父が出兵していく時に居合わせたり・・・
空襲の中、人々をかばって命を張る父親の姿・・・。
そして共に逃げ惑ったり、巻き込まれたり・・・

そしてなぜか、彼の浮気相手の恋人も一緒にタイムスリップしていきます。
警官に捕まったり、爆弾に撃たれたりと悲惨な目に・・・
なぜ彼女も?と思ったらそれは最後にあっと驚く真実が明かされましたが・・・

やがて真次たちは、またもや兄の亡くなったあの日に戻ってきます。
そこには衝撃の事実が隠されていました。
兄は何故あの日、雨の降る道路をふらふらと横切ってしまったのか・・・
死んだ息子に向かって「なんてザマだ」と言い放った父親の真の姿とは・・・

映画を見て思いました。
親と子の間に隔たる大きな壁。

子供は親の若いときを見ることはできない。
親は実際に若いときに何を思い、どんな苦労をしてきたのだろうか。
そして、自分が生まれるときに親はどんな思いでいたのだろうか。
どんな子に育ってほしいと思っていたのだろうか。

でも親子だけになかなかそれが分かり合えないことが多い。
それを今回の映画では、タイムスリップと言う形で実現してくれたように
思います。

厳しい親、分かってくれない親、愛してくれない、何故・・・?
と子供の頃には分からなかった疑問や怒りが
実際に親の若いときの姿を知ることによって理解していく。
そして今の自分の抱える悩みや問題にしっかり向き合っていく。

もちろん現実ではタイムスリップできないので親の若いときの姿を見ることは
できないけれど・・・
それぞれ必死に生きてきた、がんばってきた・・・
相手を思う気持ちがただうまく伝えられなかっただけ・・・

お互い理解しあうことの大切さになんだか気づかされたように思いました。

ちなみに、大沢たかおが父親役で初々しい青年時代から、こわ~い父親役まで
こなしていて、その変化ぶりを観れたのが楽しかったです。

2回目の鑑賞になる友人は、
初回では気づかなかった伏線や、感情を読み取れる動きなどを発見し、
さらに興奮していました。

見れば見るほど、新たな発見。新たな感動・・・。
わたしも映画「オペラ座の怪人」にはまり、何度も見に映画館に足を運んだ日々を
思い出しました☆

来月からは「敬愛なるベートーベン」など、少し気になる映画が封切りの予定。
うーん、また映画がマイブームになりそうな予感です。





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Last updated  Dec 1, 2006 11:51:18 PM


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