2話

自分のバックからお菓子を出し希莉はポリポリ食べ始めた。

相変わらずイヤな雰囲気であることは確かだが

せっかくの修学旅行なのだ、それなりに楽しまなきゃ損ではないかと思い

景色を見始めていた。隣に座っていた 女子6番沢近 愛理

希莉に話かけてきた。

「ねぇせっかく隣になったんだし少しお話ししないかしら?」

………沢近愛理……去年…つまり2年の時の

12月頃に急に転校してきたお嬢様だ。

父親の仕事上この町に引越ししてきてそのまま進級という形で

今にいたっている。急な転校にその上お嬢様とくれば

友達なんてそうそうできないだろう。

バスの席が出席番号順になっているのでたまたま隣になったのだが…)

「話ってぇ~と?何?」

希莉は実際このお嬢様と話すのは初めてで

希莉にとって苦手なタイプなので話しをするなんてことは

出来ればしたくなかった…。

「いえね…いつもはあなた何にでも面倒臭そうな顔で

ぼ~っとしているからどんな事考えているのかと…少し気になったの……」

まぁさすがに無視という訳にもいかず

「あんた…そんなこと思ってたの?……別に…何も考えてないけど…」

「それじゃあどうしてそんなに難しい顔しているの?」

「いや…別に………あれ?…それって…」

愛理はハっとするとすぐさまポシェットに隠した。

「あたしが今食べてるもんとまったく同じだ…」

「わっ悪いかしら」愛理は少し顔を赤らめて言った。

「ふぅん沢近愛理が庶民(?)の安物のしかし意外とうまい

50円のお菓子をポリポリとねぇ」

愛理はさらに顔を赤くして「いいでしょ、うまいんだか…」

希莉はにやっとした。「地はこんなもんよ…わっ悪い?」

「いや~ぜ~んぜん」二人の仲は急速に深まりつつあった。

後ろの席の 女子7番菅原 美琴 がクスクス笑った。


                         【残り42名】


BACK

NEXT

オリバトTOP


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: