27話

第十三章  駆け引き




男子9番外村 博はエリアで言えばI-6・・・

崖の近くを点々とし移動していた・・・・。

その手には恐らく彼の支給武器であろうミリタリーが

握られていた・・・・。「俺は・・・」博はあの光景を目にしていた・・・

仲間の谷川があの関内に一瞬にして殺されるとこを・・・

博はあの時茂みに隠れていたのだがあの光景を見て何も出来なかった・・・

体も動かなかった・・・。「俺は・・・・・あの時から・・・・」

そもそも博がなぜ危険を承知で移動をしているのか・・・。

関内を探して殺そうとでもいうのだろうか・・・。

しかし今の博の心の中は完全な恐怖で覆われつつあった。

そんな矢先博は向こうのエリアにてある3人組みを発見したのだった。

「・・・・あいつら・・・」

その3人組は女子12番西野 由希、女子13番端羽 亜沙美、

女子14番辺見 紗希だった・・・。「あっ・・・外村君?」

端羽 亜沙美がいち早く気づいた。博は3人の武器を検討する・・・

亜沙美の支給武器は レイピア だった。

さらに西野 由希はハズレ武器だろうか・・・ メガホン だった。

そしてこの中で一番小柄な辺見 紗希の支給武器は ボウガン だった。

正直3人が団結して攻撃してきたらいくら博でも銃一丁で

なんとかなるのかは危ういところだった。

(特に紗希のボウガンは要注意だろう・・・)「お前ら3人でいるのか?」

見れば分かるようなことを聞く・・・

「出席番号が近かったから津部君達をやり過ごして合流したのよ」

そう西野が言った。

「・・・・お前ら・・・この状況が分かってるのかよ・・・

一人しか生き残れないんだぞ!」そう博が叫ぶ・・・。

それを聞いた亜沙美はこう博に言った。

「それじゃあ博君はこのゲームに乗ったの?」

・・・・それを聞き博は・・・・

「いや・・・今はその瀬戸際だ・・・迷ってるんだよ・・・

このゲームに乗ろうか乗らないか・・・・いやしかし・・・

生き残りたいのであれば・・・素直に乗るべきなのかもな・・・・」

博の心の中から恐怖心がどんどん込み上げてくる。

「博君・・・」紗希が哀しそうに呟く・・・・そしてしばらくの沈黙・・・

突如博が提案を吹っ掛けて来た。

「決めたよ・・・・お前ら・・・死にたくなかったら

戦うしかないんだぞ・・・俺はいくら反則無しな殺人ゲームに

乗ったからと言え・・・一方的に女子に危害を加えたくない・・・・

それに俺の武器は銃だ・・・そっちが一方的に不利だろ?

だったらこの銃とそのレイピアを交換しないか?

それだったら戦力的に俺が少し不利になるだろ?」

突如とんでもない取引を迫られて3人は動揺した。

しかし気の強い亜沙美はこう答えた。

「いいわよ・・・外村君・・・もうゲームに乗ってしまった人だから・・・

私達を殺すって言うのなら・・・・戦うしかないじゃない?」

そう言うと自分の持ってるレイピアを博の前に差し出した。

それを見た二人は驚き声出す。「亜沙美・・・本気なの?」

博も銃を前に出してお互い武器を交換する。

「大丈夫よ・・こっちには既に銃があるのよ・・こんなやつ楽勝よ・・・

それに紗希・・・あんたのボウガンもあるしね・・」

亜沙美の中で何かが変化した・・・確実に・・・

今や銃を見つめてる亜沙美はどこか気味の悪い衝動に駆られる。

「じゃあ3つ数えたらそれぞれ攻撃開始ね?」

もはや亜沙美はさっきから説得してる二人の声さえ

聞こえてなかった・・・。3・・・ゲームに乗ったのだ亜沙美は・・・・。

2・・・・1・・・・。瞬間亜沙美は狙いを付けていた。

その銃弾が放たれる・・・・・。「パン・・・」・・・・

博には何のダメージも無かった。それもそうだった。

その銃は本物では無かったからだ・・・そう・・・

モデルガンだったのだ・・・。「そ・・・ん・・な?」

もうこの瞬間には博はレイピアを振りかざしていた。

次の瞬間レイピアの先端から亜沙美の胸部を突き刺し

そのまま博は力を込めてズブリと体を貫かせた。恐らく即死だっただろう。

「ああ・・・あ・・亜・・・沙・・・美ちゃん?」

紗希は博がレイピアを抜き取りそこから血が大量に吹き出してる

それを見ていた。しかし西野 由希は別の場所を見ていた・・・・。

そう・・・・博の背後でコルト・ガバメントを

装備している女子8番関内 麻子の姿だった。

由希にはこの理解しづらい状況を把握出来なく頭がおかしくなりそうだった。

      新たな死亡者女子13番端羽 亜沙美【残り23名】



BACK

NEXT

オリバトTOP


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: