33話

女子9番高野 晶は政府から得た“情報”を生徒手帳にメモした後、

麻衣を連れてある人物を捜索していた。「ねぇ・・一体誰を探してるの?」

それを聞いた晶は何やら生徒手帳に何かを書きそれを麻衣に見せた。

“いい?私達の会話は全て政府に筒抜けなのよ・・

だからこれからは重要な会話は全て筆談よ”

それを見た麻衣は驚きすぐに自分の首輪に手を掛け、

そしてこくりと傾いた。

「誰って・・・決まってるじゃない?

この場でやる気になっていなさそうな人物は柊かまどかだけよ・・

だから合流するに決まってるじゃない・・」

その台詞は麻衣が言った台詞に対する完璧なフォローであった。

実際この二人は乗り気では無いのは分かり切っている事だ・・・

しかし晶は別に探すべき人物がいたのだ。

“いい?私達が探しているのは柊でもまどかでもないのよ・・

私が合流したいのは小倉よ・・・”それを聞き麻衣は仰天した。

“な?何で小倉君なの?”誰もが予想外だと思う答えに麻衣は焦った。

そこで晶は順を追って説明しだした。

“まず最初に児玉が首輪を外そうとした時

あいつは首輪の構造を説明前に知っていて児玉を止めようとした。

さらに確信的なのは小倉の家系はどうも反政府組織の子であることも

ハッキングで分かってる・・・つまり脱出のための計画を立ててる

可能性も無くも無いってことなの・・・

残念ながら首輪の情報は盗聴されているぐらいしか分からなかった・・

構造の情報なんてサーバの奥の奥のそのまた奥にあって

盗聴のことが分かっただけでも有力な情報なのよ・・・

だから後は小倉に首輪について

もっとちゃんとした情報を聞き出すしかないの・・・”

そこまで聞いた麻衣はへぇーっと感心した。

“小倉君って不良っぽいとこあるからもしかしたら

ゲームに乗ってるのかもしれないって

思ってたのにそうだったんだ・・・晶すごい!”

しかし晶は今度は深刻そうな顔で今度はこう生徒手帳に書き記した。

“だけどね・・・残念だけど殺さなければいけない人物も

同時に出てきたのよ・・・まずゲームに乗っている津部弟と関内に和泉、

外村と微妙に今井・・そして・・小柴と沢近よ・・

特にね・・和泉は危険よ・・支給武器が支給武器だもの・・

あの特殊首輪は脱出の際必ず妨げになるものなのよ・・”

特殊首輪は晶達がはめられている首輪と構造が全く違うものであった・・・

首輪の構造を理解し首輪を直接外して脱出を試みようとしている晶にとって

それはつまり真紀には脱出と言う概念が無くなったことになる・・・。

“なんか・・・良く分からないけど・・・

確かに残りは半分で現に津部君や関内さんとか

確信犯的な人もいるって分かった・・・だからって・・・・

殺してしまうってのは・・・”

晶はそれでも麻衣の意見に首を横に振る・・・。

“私はこいつらに出会ったら容赦無いわよ・・・

もしこいつらを殺さなかったら脱出のチャンスを

棒に振ってしまうどころか私も麻衣も

死んでしまうかもしれないのよ・・・分かってね・・・”

それを聞き観念したのか渋々麻衣は首を縦に振った。

「ん?」そこで晶は地面に何か落ちているのを発見した。

「ねぇ・・・これって何?」麻衣が聞く。

麻衣が手に取った物は昼間で電池切れになり

その場に放置されてたガダルカナル探知機だった。

「電池が切れてるみたいね・・・あれ?でもこれって・・・」

晶は正確探知モードから簡易探知モードへ切り替える

隠しスイッチを発見したのだ。このモードは電池がいらない物であった。

晶は政府も随分使いづらいものを支給させたものだと思った。

その簡易モードとは正確探知とは違い半径20M以内に誰かいることは

分かるがそれが誰なのかは分からないと言う機能を持った

正に簡易なものだった。「あれ?」中心に2つの点が表示されてる・・・

しかしそのすぐそばにもう一つの点があったのだ・・・。
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