40話

淳が走り出してから1km程してから前方でうずくまってる愛理がいた。

どうやら肩が再び痛み出したらしい・・・。

「沢近さん!?」そのまま愛理に肩を貸そうとする。

「何よ?離しなさい!」愛理は淳から離れようとする。

「落ち着いて沢近さん・・・沢近さん一人で逃げ出して・・・

丸腰じゃないか!・・・危険すぎるよ・・・・」

そう・・・気がつけばそうだ・・・愛理は武器を一つも持ってない・・。

このまま彷徨えば確実な死が待っている・・・。

「さぁ・・・戻ろう・・・」

そういって優しく肩を持つ・・・・・。

「あなた・・・希莉を探しに行かないの?」

「まずは沢近さんを休ませるのが優先だよ・・・

小柴さんは・・・ショットガン持ってるからなんとかなるよきっと・・」

「ねぇ・・・このゲームに脱出方法なんて本気であると思ってるの?」

そう言われ淳は少し顔を曇らせた後微笑んでこう言った。

「たとえ・・ないとしても・・・そんこと関係ないよ

俺は沢近さんを守りたい・・・そんな理由で一緒にいたらダメかな?」

「え・・?」そういわれ愛理の顔がほのかに赤くなった。

「最後の最後までさ・・・沢近さんの事・・・俺は守って行きたい・・」

「・・・・・・・・・・」

「どっどうしたの?沢近さん?・・・肩痛むの!?」

「いえ・・・肩はもう平気・・・そこまで言うのだったら・・・

そうね・・・今怪我が再発するような状態で丸腰で彷徨ってたら

危険すぎるわよね・・・分かったわ・・お言葉に甘えて・・・

あなたに守ってもらおうかしら・・・」

それを聞き淳の顔が歓喜に満ちた。「うん!」

「か・・・勘違いしないでよ・・・今ここで信用出来そうなのは

あなたしかいないんだから・・・別にわたしがあなたのこと・・」

そこまで言って愛理は、はっとなり口に手を押さえた。

「え?俺のこと・・??」淳は不思議そうに愛理を見る。

「何でもないわ・・・それよりこれからどうするの?」

「うん・・・やっぱり島村君達と早く合流したいけど

それじゃあ危険だろ?・・・やっぱ安全策を取って

さっきの診療所へ戻った方がいいと思うんだ・・・

本来なら建物の中はあまりよくないと思うんだけど・・・

今の沢近さんの状態から考えてこれがやっぱりベストな選択だと思う・・」

「・・・分かったわ・・・それじゃ戻りましょう」

2人は歩き始めた。


 診療所に戻るとそこには雪村 司の姿があった。

愛理は当然警戒したが淳がそれをなだめる・・・・。

「そうか・・・当面は移動しないんだな・・お前ら・・」

司はなにやら作業をしながら話し始める。

2人はそれに黙って頷いた。

「何やってんの?・・・それ・・」淳が尋ねる。

「あぁ・・・これはとっておきだ♪」軽いノリで司は作業を進めた。

時刻は午前0時47分・・・。

ゲームスタートから24時間はとっくに過ぎていた。

                  【残り17名】



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