48話


拓也は血痕を追いかけて裏路地へ回ってきた・・

右手にはサブマシンガン、左手には使いやすいグロッグ17Lが

装備されていた・・・。

しかし・・・血痕を辿るも中々真紀を発見することが出来ない・・

次第に血痕は薄れて行きポツポツとした赤い点が

道端にかすかにある程度になっていき

ついには血痕自体が見えなくなった。

拓也は絶対に遠くに逃げてはいないと思っていた・・。

普通のやつでもその程度の考えなら思いつくだろう

~手負いだからすぐに遠くへ行けない~

仕方が無くその辺を捜索することにした・・。

まずは一軒一軒民家へ出入りする

(もちろん他の生徒も潜んでいるかもしれないので慎重を要するが・・)

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

ここにもいない・・・・

あそこにもいない・・・

ついには裏路地の行き止まりの場所まで来た・・・。

この辺の民家にまるで人のいる気配がしなかった。

拓也はそこでハッとなり時計と方位磁石そして地図を広げた。

時間は4時55分、場所は・・F-5にぎりぎり入っていた。

後5分でこの首輪が爆発する・・・。

急いでもと来た道を戻ろうとした・・・。

しかし路地の角からスタンガンが飛び出る。

「バチィッ」

急いでここから出なければと言う焦りもあったためか

集中力は確実にその路地の角へ向いていなかった。

左手に持ってるグロッグを落としてしまう・・・。

が・・ここで更にもう片方の手に持ってるコルト・トルーパーで

拓也の腕に鉛弾を撃ち込んだ。(利き手ではないので頭撃ちは不可)

見事貫通しサブマシンガンまでもそこに落としてしまう。

拓也が疑問の顔でこちらを見ている・・・。

「ふーん・・何であたしが落としたはずの銃を

持っているかって?それはね・・・

あなたの拾った銃はダミーだからよ」

「?」

拓也はまたもや疑問の顔する。

「さっきサブマシンガンをこの手に持った時・・

ちゃっかり津部君のディバッグを確認させてもらったわ・・

そしたらね・・・面白いもの見つけたのよ・・

ダミーの銃・・そして手榴弾・・・バタフライナイフ・・・」

そう・・外村 博のモデルガン・・・

昨日の夕方・・麻子がダミーだと気付き捨てたモデルガンを

今度はそれを見つけた拓也が拾ったのだった。

拓也と言えども銃の種類を細かく的確に一瞬で見分けるのは

出来なかったのである。

当然手持ちには沢山銃を所持していたので

モデルガンかそうじゃないかは確認せずじまいだったのである。

そしてさっき撃たれた時落としたのは本物じゃなく

そのモデルガンだったのだ。

(同じような形なので見分けが付かなかったといえよう)

そして真紀の腕には傷ひとつついていない・・・

これはどういうことか・・・

トマトジュースである・・・

本当は当たらなかったのだ弾は・・・当たったように見えただけ・・。

ここで真紀の機転が利いて大好きなトマトジュースを

血痕に見せかけるようにブチまいたのである。

そして移動は裏路地で見つけた自転車を使い少しでも早く

このエリアに来て準備をするためであった。

「そこの線・・引っ掛けると津部君の体吹っ飛ぶから気をつけてね」

その糸につながっていた先は拓也のディバッグから抜き取った

手榴弾だった。

ならばとサブマシンガンを拾おうとするもそれはコルト・トルーパーを

装備している真紀にとって自殺行為だった。

「そろそろここ禁止エリアじゃない?」

後20秒でここが禁止エリアとなる・・・。

そう真紀のやってきた行動はすべてこのエリアに誘い出すためにあった。

勝てる条件を増やすために・・・。

真紀はコルト・トルーパーの銃口を拓也に向ける。

「どっちみちだけど・・さようなら・・」

瞬間拓也の体は動き上着をマント仕立てにしその陰に隠れ

ヘッドショットを回避しようとした。

「ドン」

残り17秒・・・

次に地面にあったサブマシンガンとグロッグを

凄まじい脚力で吹っ飛ばす・・・。

その行動に真紀は驚いたが構わず2発目を発砲する・・・。

拓也は無理に蹴ったため糸を切ってしまったのだ・・・。

「ピン」

そんな音がした・・しかしそれも拓也にとって計算のうちだった。

ベルトに装備していたブローニングを装備し

手榴弾を空中で的確に狙い撃ちする。

「ドッゴ・・・ン」

爆風で体重の軽い真紀は吹っ飛んだ。

そのおかげで2発目はかわせた。

残り12秒・・・

よろめきながらもそろそろ起き上がろうとしていたころには

拓也は勢いよくダッシュしていた・・・。

そう一刻も早く脱出しなければ・・・・。

もはや真紀に構っている場合でもなかった。

途中でサブマシンガンとグロッグも拾い

「だらららららららららら」と真紀が撃って来ない様に応戦していた。

真紀は逃がすものかと構えるもマシンガンの猛威に

立ち向かうことが出来なかった。

残り6秒・・・・

「チュンッ」

コンクリに当たって跳ね返ったマシンガンの弾が

真紀の胴体に命中していた・・・。

よろめいて後ろへ倒れる・・・。

「ぐ・・」

真紀は気付いていなかった・・・。

残り3秒・・・

ここがF-5エリアではなく・・・。

残り2秒・・・

~ただし役場のエリアは無効です~

残り1秒・・・

真紀はハッとなった・・・。もしや・・・

たぶん大丈夫なはず・・・だけどもしこのまま倒れて吹き飛んで・・。

運悪くそこが役場のエリアだったら・・・・。

残り0秒・・・

「ぴーーーーーーーーーー」

役場で真紀が耳にした児玉 優の首輪とは一方変わった低めの電子音・・。

「ドンッ」

真紀の首がへし折れ開放された爆発の力が真紀の体の中心から

搾り出すように首から・・もう首でないそこから

大量の血液をぶちまけながら銃弾で倒れたのと

F-5エリアが禁止エリアになったのは同時だった・・・。

拓也と言えば真紀に撃たれた腕を抑えながら止血できる場所を探そうと

歩き始めた・・・。

ギリギリ禁止エリアからは逃れたようだった・・。

   新たな死亡者女子2番和泉 真紀【残り14名】



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