47話

第二十五章  勝てる条件




女子2番和泉 真紀・・・彼女もまたこのゲームに

乗ってしまった生徒の一人である・・・。

どうやらF-6・・・住宅地帯にて休息をとっているようだ。

「でも・・そろそろ移動しないとね・・・

昼間の住宅地帯はかなり目立つし・・」

時間は午前4時48分・・・もうそろそろ隣のエリア・・・

F-5エリアが禁止エリアになるころだった・・・。

首輪・・・・この首輪がある限り普通の生徒は禁止エリアに

立ち寄った瞬間に爆発してしまう・・・。

しかし真紀に支給された特殊首輪だけは

他の生徒の首輪とは違っていた・・・。

禁止エリアに立ち寄っても5分は爆発するまでの猶予が持てるのだ。

もちろん5分以内に普通のエリアに戻れば爆発はしない・・。

自分の両手にはそれぞれコルト・トルーパーとスタンガン・・・。

十分に優勝のチャンスはあった・・。

真紀は今明るくなってきた空を見上げながらドアを閉め

森林地帯のエリアへと移動を開始しようとしていた・・。

路地へ足を踏み入れようとした・・・・次の瞬間・・・

真紀から見て丁度北西側の民家から出てきたのは

男子13番津部 拓也だった・・・。

一瞬にして真紀に緊張感が高まる・・・。

この時間帯は妙に静かなもので夜明けを迎えようとしているのに

鳥の声も風の音も聞こえてこない・・・。

その中でいっそう際立って聞こえたドアを閉める

2回目の音(一回目は自分が閉めたのだが・・)

反射的にコルト・トルーパーを構えていた。

「パアン」

初めて銃を撃ったのだが意外と反動が大きい・・・

もちろんまともに狙いを定めることが出来なく

津部に当たることは無く家の一角に「ボスッ」という音を立てて外した。

これでこっちに気づかないわけが無い・・。

見ると津部はマシンガンを持っている

こちらは不利この上ない。

「チャキ」と構え引き金に指を掛けている。

一刻も早く逃げなければ殺されてしまう。

「あ・・・関内?」

真紀は驚きながら津部の後ろに視線をやる・・・。

一旦はマシンガンのトリガーに手を掛け真紀を狙っていたが

真紀の言葉に敏感に反応し、つい後ろを向いてしまった。

しかし関内どころか他の生徒は見当たらない。

つまりはまんまと真紀の口車に乗せられてしまったようだ。

「ドパン」

もちろんその隙を真紀が逃すわけも無く

今度はよく狙って撃った・・・。

津部に見事命中し津部はその場に倒れこんだ・・・。

そのまま津部は動かない・・・。

「よし・・マシンガンゲット・・・と・・」

そのまま津部の手からマシンガンを奪う。

真紀が後ろを向いたその時「チャッ」銃を構える音がかすかに聞こえた。

(それは周りの・・・ここの空間で耳で聞こえるものが

まるで無かったからかもしれない)

その音のおかげですばやく反応することが出来た。

「な?まだ死んでなかったの?」

そう言いながら伏せる。「パアン」・・・

接近戦用の銃・・トカレフである。

津部はピンピンしながらそこに立っていた。

そしてよく津部を見ると胴体に受けてるはずの傷からは

血が出てなく、代わりに金属っぽいジャケットの

一部分があらわになっていた・・・。

「ぼ・・・防弾チョッキ?」

そう・・・拓也は外村 博から防弾チョッキを奪っていたのだった。

しかしこっちにはマシンガンがある・・・。

だらら・・・「パアン」

1発だけ胴体部分に当たったがそれ以降は当たらなかった。

何故なら津部はトカレフを使ってマシンガンを弾いたからだ。

ならばと真紀はスタンガンで津部に攻撃する・・・。

「バチィッ」

そのショックでトカレフを手から落としてしまう。

そしてコルトトルーパーを構えて今度は頭を撃ち抜こうとした。

しかしその時にはもう右手にグロッグ17L、左手にデザートイーグルを

構えていた津部の姿があった。

たぶんこれはコンマ~のレベルの殺し合いと言えよう。

今回はやはり真紀より津部のほうが出すのは早かった。

「パンッ」瞬間真紀の体が反応して動き

路地から裏手に走った。

何故ならグロッグ17Lの弾が真紀の腕を撃ち抜き

コルト・トルーパーさえ落としてしまったからだ。

そうなればもう走るしかない。

「パン」と2発目を撃ったが裏路地に回られてしまった。

弾は家の門に当たっただけだった。

一旦”禁止エリア”に逃げる以外方法は無かった。

津部は手負いなのでそれほどすぐに遠くへいけないと思ったのか

落ち着いてトカレフとコルト・トルーパーとサブマシンガンを

回収し血痕を追いかけた。

               【残り15名】




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