72話

「なんのことかしら?私は優勝してここにいるんじゃ無かったのですか?」

愛理が身構えながらも言葉返す。

「そうですよねぇ・・何も銃を向けることでも無いですよねぇ・・

ましてや私は沢近さんにトトカルチョで掛けてたわけですから

何も不満もない筈ですがねぇ・・」

「だったら・・」

「生きてるんでしょう?柊君に雪村君・・

この島のどこかに潜伏してるんですよね?

ならこのゲームは無効ってことにしなければならない・・

全く・・最初は馬鹿げてるなんて思ってましたよ?

しかし段々と真実を知るにつれて

脱出なんてものがされてしまうという

私にとって非常に痛い事態になるのを

阻止せねばと思ってたんですよ・・

だけど途中で証拠も無いのにプログラムをこっちの勝手で

中止してしまうのも軍機違反になりますからね・・」

愛理はこぶしを握り締めた。

「小倉君は反政府組織とプログラム中発言し高野さん達を

だましていました・・・実際のところは

不良であるがコンピュータの知識に関しては

高野さんよりすぐれていたんです・・・

高野さんは足跡を必死に残さないようにしてましたがバレバレでした・・

しかし小倉君は誰かと断定できる程足跡を残していなかった・・

ハックされたのはあなたが丁度条ヶ咲中学校に転校してきた頃でした・・

ま・・・あなた達の下手な行動のおかげで今は

安心してますがね・・」

「優勝者は・・無しってことですか?」

「えぇ・・プログラムは年に50クラスが選ばれるんです・・

1クラス程度の優勝者が決まらなかった・・

優勝者無しなんて珍しくもなんともないんですよ・・

酷いプログラム担当教官などトトカルチョで下位人気だった

か弱い女子なんかが優勝してしまった場合

上からの非難の声を恐れて殺してしまう場合もありますよ・・

まぁ滅多にいないですが・・」

いまだMP5Kは愛理を狙っている・・。

「助けて欲しいですか?柊君や雪村君に助けに来てもらいたいですか?

それは不可能ですよ・・

島には100人以上の兵士がライフルを所持して

厳戒態勢で散り散りになってますし・・

本部にも20人は待機してるんです・・

あなた達の武器は強力なものでショットガン・・

拳銃が数丁にスタンガン・・刀剣類がちょこっとでしょう?

今思えば小柴さんや小倉君に感謝しなければいけなかったかも

しれませんね・・

なんせ津部君の持ってた武器を殆ど破壊してくれたんですから・・

さ・・終わりですよ・・」

そう言ってMP5Kの銃口を愛理の額に突きつけた・・。

「あなたが防護服を来てることは会話で明らかですから・・

苦しまずに死ねるよう頭を撃ち抜いてあげますよ・・」

そう言ってMP5Kの引き金を引こうとしたが・・。

「ダアン」

どこかで銃声が聞こえた。





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