わたしのこだわりブログ(仮)

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2014年11月26日
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一部修正
しょんぼり
被害の大きい割に人的被害は少なくすんで何よりです。

あくまで私感ですが、東北の大震災で歪みねじれた地層を修復するかのように列島が少しずつよじれを戻しているかのように思います。
それにともなって若干の火山活動が起きているのか?
日本を東西に分断するフォッサマグナ内の山が微妙に活動を始めているのも気になります。

今回被害の大きかった白馬はフォッサマグナの西側線にある飛騨山脈の北。
今年9月に爆発した御嶽山も飛騨山脈の南の末梢。
そしてフォッサマグナの東側線にある草津白根山も今年に入り噴火警戒レベルが引き上げられています。
これ以上の災害はゴメンなのですが、油断できないフォッサマグナの地域。そして今後アルプス越えて歪みの修正は西日本にも起こるのか?


さて、三種の神器と言うと日本では天照大神よりもたらされた鏡、玉、剣。
天皇家により代々継承される三つの宝物をさす語ですが、今回は神聖ローマ帝国の王冠とハプスブルグ家が継承する三種の神器を紹介スマイル

ハプスブルグ家の三種の神器

神聖ローマ帝国の王冠(オットーの帝冠)
フリードリヒ2世のマント
オーストリア帝国の三種の神 器(ルドルフ2世の帝冠とマティアス帝の宝珠と王笏)

ウイーンの王宮(ホーフブルグ・Hofburg)の中でも13世紀に建てられたと言う古いスイス宮(Schweizerhof)にハプスブルグ家のお宝を集めて展示している王宮宝物館(Kaiserliche Schatzkammer Wien)があります。
pict-宝物館入り口.jpg
宝物館はそれ自体が巨大な金庫びっくり

歴代の皇帝の戴冠式には冠(かんむり)以外に笏(しゃく)、宝珠(ほうじゅ)など権力を象徴する2点が加えられている。(後々マントなども加えられている。)


この帝国の皇帝の持つ神器の意味と力は特別なもので、後々ヒトラーがそれらを持ち出しニュルンベルクに運んだと言う。(ヒトラーが本当に第四帝国再興のために必要としたのかは定かでないが・・。)
1946年大戦の終結後に宝物は発見回収されウイーンに戻された。

神聖ローマ帝国の王冠(オットーの帝冠)
pict-宝冠 4.jpg
製作年代10世紀後半。頭部十字架とアーチは11世紀に追加。
この冠は神聖ローマ帝国の初代皇帝在位中に製作されたものと推測 される。

神聖ローマ帝国の初代皇帝 オットー大帝(Otto I)(912年~973年)(在位:962年~973年)962年戴冠。
共同統治者として967年に息子のオットー2世(Otto II)(955年~983年)(在位:973年~983年)も戴
冠。
王冠は 967年の戴冠式には存在していたらしい
pict-宝冠 5.jpg
皇帝を表す8より八角形のプレートでつなげられ、正面のプレートには12使徒とイスラエルの12の部族を示す12の貴石がはめられている
貴石以外のプレートは六翼の天使セラフィム(seraphim)がキリスト、ダヴィデ王、ソロモン王、ヒゼキヤ王を挟むかたちで描かれている。神の慈悲、正義、知恵、長寿をそれぞれ表す4人だそうだ。

正面の十字架とアーチは5代目? 皇帝コンラート2世(Konrad II)(990年?~1039年)が加えたらしい。(名前が入っているから・・)

十字架には勝利を象徴する貴石が組み込まれ、裏にはキリスト磔刑の図が描かれている。
皇帝はキリストの代理人として統治し、キリストから権力を与えられ、キリストに対して責務を負う。
「我により、王は統治す」と表記してあるそうだ。
少なくともこの帝冠はコンラート2世の時代までは使われていた事がわかる。


フリードリヒ2世のマント
戴冠式のマント
pict-戴冠式のマント.jpg
1133年頃、イスラムのパレルモの宮廷で製作されたマントにはラクダを踏みつけるライオンが刺繍されているようだ。(これはあきらきかにキリスト教圏以外の国の技法と意匠)
このマントは1194年にホーウェンシュタウン家のものとなり1220年のフリードリヒ2世の戴冠の時には着用され、以降帝国の宝物に加わっているそうだ。

フリードリヒ2世(Friedrich II)(1194年~1250年)
神聖ローマ帝国ホーウェンシュタウン朝(在位:1220年~1250年)
シチリア王(在位:1197年~1250年)

異国の意匠にちょっと驚くが、 もともとフリードリヒ2世の宮廷があるシチリア島パレルモはイスラム文化とビザンティン文化、ラテン文化が融合していた土地。(1198年母方よりシチリア王位を継承。)
肉体も頭脳も明晰でラテン語含む6つの言語に精通していたと言う博識の王は信仰に対しても寛容であったし、イスラム教の事もよく理解していた。
しかし、 フリードリヒ2世の知性からくる進歩的な考え方はまだこの時代には通用しなかったようだ
何度か教皇より破門を受けていて、当時イスラムの支配下にあった聖地エルサレムを1239年、無血(交渉のみ)で休戦協定・・と言う偉業を成しても
を教皇庁は彼を破門したままだった。
なかなかドラマチックな人みたいスマイル

神聖ローマ皇帝フランツ2世(Franz II)初代オーストリア皇帝の肖像画
pict-フランツ 2世.jpg
神聖ローマ皇帝(在位:1792年~1806年)
オーストリア皇帝としてはフランツ1世(Franz I)(在位:1804年~1835年)として即位
※ オーストリア帝国は1867年にオーストリア・ハンガリー帝国へ

回カプツィーナ・グルフト(Kapuzinergruft)では彼の柩を紹介したが、神聖ローマ帝国最後の皇帝が彼である。
帝国解体にともないオーストリア帝国を建国して初代皇帝となり戴冠。
その オーストリア皇帝として正装した肖像画が上であり、下はその時身に付けた表章 である。


オーストリア帝国の三種の神器(ルドルフ2世の帝冠とマティアス帝の宝珠と王笏)
pict-宝冠 1.jpg
ルドルフ2世の帝冠とマティアス帝が付け加えた宝珠と王笏(おうじゃく)全てプラハで製作。

ルドルフ2世の帝冠
pict-宝冠 2.jpg
もともと皇帝の司教冠としてあった古代の宝冠をルドルフ2世の時代(1602年頃)にヤン・ヴェルエメンにより手直しされたものらしい。

ルドルフ2世(Rudolf II)(1552年~1612年)
神聖ローマ皇帝(在位:1576年~1612年)、ハンガリー王、ローマ王、ボヘミア王
ルドルフ2世は政治の方は無能だったらしいが芸術家を保護、プラハは彼により文化的な繁栄を遂げている。
その彼が選んだ工芸家が作り上げた見事な宝冠は1804年よりオーストリア帝国の正式な帝冠になった。
pict-宝冠 6.jpg
中央ユリの紋章をかたどった真珠の中央には聖霊降臨祭を示す 赤い色のルビーが配され王の叡智を示し、冠のアーチ部分に施されたダイヤモンドは王の統治を保証するキリストを表 しているそうだ。
冠トップの 青いサファイアは天国 を示しているらしい。
これ自体が当時の技術を結集した立派な工芸品である。

だいぶ研磨技術が上がってきたようだが、それでも中央のルビーは石の破片を磨いたたげの物。
pict-宝冠 3.jpg

宝珠
pict-宝珠 1.jpg
球体の 宝珠は世界を象徴し、キリスト教世界が確立してからは上の十字架は宇宙の支配者キリストを象徴 。そしてそれらは皇帝の普遍的な統治権を表す。

王笏(おうじゃく)の頭の部分
pict-しゃく 1.jpg
枝の部分はユニコーンの角と言う事になっているが、実際は存在しないので海にいるイッカクの牙であろう。
ユニコーンの角はキリスト、神の力の象徴となり、キリストから王権を与えられた世俗の支配者の印 になるらしい。

星関連のBack numberラストにいれました。


マティアス帝が付け加えたこれらは帝冠に合わせて製作。
宝珠と王笏(おうじゃく)共にアンドレアス・オセンブルック1615年頃製作。
1619 年よりこれらはフェルディナント2世の新しい表章となりフランツ2 世はオーストリア皇帝としてこれを使用。

皇帝の戴冠式にはどうやら正式な装束と備品(帝冠、宝珠、王笏)が必要不可欠だったらしい スマイル


「ハプスブルグ家」関連Back number
リンク ​ バロック(baroque)のサルコファガス(sarcophagus)
リンク ​ カプツィーナ・グルフト(Kapuzinergruft) 1 ハプスブルグ家納骨堂
リンク ​ カプツィーナ・グルフト(Kapuzinergruft) 2 マリアテレジアの柩
    カプツィーナ・グルフト(Kapu zinergruft) 3  マリア・テレジア以降

リンク ​ ウィーン国立歌劇場とハプスブルグ家の落日 ​​
リンク ​ 金羊毛騎士団と金羊毛勲章​(Toison d'or)​
リンク ​ 聖槍(Heilige Lanze)(Holy Lance)
リンク ​ ハプスブルグ家の​分割埋葬 心臓の容器と心臓の墓
リンク ​ 西洋の甲冑 4 ハプスブルグ家の甲冑

リンク ​ マリー・アントワネットの居城 1 (ウイーン王宮)








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Last updated  2023年11月12日 03時11分52秒
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