I歯科医院の高楊枝通信。

I歯科医院の高楊枝通信。

2022/04/15
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これまでの根管治療法のシリーズと言っても、根管治療というのは歯髄を取るという処置なのだが、そんなことはそもそも必要がない、生きている歯髄は完全に保存出来ることが分かったと思う。もちろん生きていなくてもだ。

今回も同じ対応で臨む。

40代男性、右下7、自発痛+、咬合性外傷

突然痛くなって、割れたかも!来てもいいですか!?、、再植覚悟でいらっしゃった。

以前から、咬合性外傷で歯根破折したり、クラックがあり破折しないように補強冠を装着したりしていた。






この歯は他院でのCRが施されており、そのCRを除去するところから始めた。
内部にはクラックが見えるが、あまり痛みを感じない。もちろん麻酔は使っていない。知覚は歯髄が生きているか否かの重要な情報だからだ。






生きているのどうか確認するために露髄させてみた。出血しているので生きてはいる。しかし、知覚が弱いので、失活寸前なのかもしれない。

クラックに矢印を書き込んだ。













遠心のクラックは開拡してCRで塞いだ












これだけでは咬合性外傷力に耐えられないので、補強冠を装着した。もったいないというか、見てくれは悪いが仕方がない。引っ張り応力に耐える素材は金属に勝るものはない。

今後どうなるかは経過観察することにする。
痛みが出ても、神経が出ても、いきなり神経を取る必要性など全くないことが分かると思う。

最終的には破折というか離断してしまうかもしれない。その時は抜歯・再植となる。それでも抜いてインプラントにするよりはまだマシだ。インプラントには歯根膜がなくクッション性がないので、対合歯に2倍のダメージを与えてしまう。特に咬合性外傷がある人には致命的だ。対合歯が割れるか抜けるか、散々歯科医師に貢いだ挙句、入れ歯になる。 歯医者は入れ歯でさらに儲ける w














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Last updated  2022/04/16 02:16:16 PM
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Re:近未来の根管治療法シリーズ9(04/15)  
若手歯科医 さん
先生がやられてる根管治療や深い虫歯の予後がどうなのかが気になります。

抜歯になったりはしていないのでしょうか?

このような症例でもラバーダムやズーは使用されないのでしょうか?
症例を見せていただいていますが、ラバーダムを使用しているのを見たことがないのですが、どのようなお考えでしょうか?

現代の歯科で根管治療をラバーダムを使用しないでやるというのは考えられないのですが、これも常識を疑うといったところなのでしょうか? (2022/10/03 09:09:39 PM)

Re[1]:近未来の根管治療法シリーズ9(04/15)  
若手歯科医さんへ

いや、嬉しいね。君のような若手からコメントいただけるとはね。業界の未来は明るい(患者にとって)w

近未来の根管治療法シリーズは全部読んでいただけたと思うが、ここにも書いていますね。

https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202204130000/

根管治療は全く不必要な処置というか、抗生物質のなかった100年以上前の西洋歯科医学の古い概念なのよね。
僕には根管治療という概念は実は無いの。なぜなら神経は取らないから。炎症は冠部歯髄(抹消)から始まるのでそこから失活し始め、中枢(根尖口)に向かう。どんな歯髄炎でも失活しているところを3WAYシリンジで飛ばすか、根管の奥の方は#20のエンドチップで洗浄するだけでOK。あとは3MI◯+α-TCPセメントで直覆するだけ。
これはね。どこまで神経が生きているか?単に露髄しているだけなのか、冠部歯髄の途中までなのか、根管口までなのか、根管の途中までなのか、根尖口までなのか、なんでも基本的な処置は同じということ。根尖口より外は治療の必要はない。免疫系が勝手にやってくれる。根尖口を塞げば勝手に治るということ。α-TCPを使えば勝手にカルシフィケーションで塞がる。

ラバーダムが不要なのは、実際の手技は超音波スケーラーのエンドチップで根管内の生きているところまで、チップ先端が届くところまでを洗浄するだけでなので、3分もかからないから。30分も1時間も絶望的な気分になりながら根治をする必要がない。

そもそもラバーダムがかかるような症例は直覆して終わりだから、する必要がない。ウチではラバーダムがかからない残根症例がほとんどだし、例えばここのクラックが入っている歯にラバーダムクランプをかけたらさらに割れそうだし、ラバーダムをする時間があったらとっくに処置は終わっているということ。

予後不良で抜歯に至った経験はない。こんな処置では治らないPer、パフォ、破折歯は抜歯・再植するから抜歯して捨ててしまうこともない。次の手、次の手、、と新たに出現した事態に対処すればいい。

失敗症例をアップしたいのだけれど、ないのよね。。

またコメントしてくださいね。ここを読む方がよく分かるという人が多いから。 (2022/10/04 07:40:46 PM)

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