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今日紹介する「キワモノ」はこちらっ!一見すると普通のブルー&ホワイト・マーブルなんですが、なんと頭部付近のみがヌーディカラー、つまり何の色ものっていないベージュ色なんです。マーブルには、頭部付近のみが色抜けする、いわゆるモンスター・マーブルという奴が存在しますが、これとて頭部はパステルホワイト系であるのが普通です。 個人的な推量に過ぎませんが、これは金魚におけるモザイク鱗とか透明鱗とかと同じ原理による形質なんじゃないでしょうか。うーん、実に興味深く、また絶対に一般受けしない外見が実に私好みですねぇ(笑)。 この完全な色抜けが、成長過程に何らかの理由で生じた後天的な要因による物なのか、それとも次世代に継承可能な遺伝形質なのかは今の所判りません。まぁ、単に観賞価値からだけ考えれば、ヌーディに色抜けしていない方が綺麗だと思います。それだけに、この形質を狙って次世代を取る商業ブリーダーはいないでしょう。 本来であれば、この様な商業ルートに載らない形質の維持こそがアマチュアの独壇場なんですけどね~。どなたか、「よしっ!ここは一つ私にお任せあれっ!!」って言う奇特な方はいないもんでしょうかね?
2011/09/19
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キワモノということで言えば、前回の個体に少しも引けをとらないのが今日の画像の個体です。ベースはロイヤルブルー系のマスタードガスなんでしょうが、ボディ背中部分にメタリックな光沢をもつ水色のマーブルパターンが存在していますからマーブルでもあります。しかも、頭部に至っては暗色のモヤモヤ模様!更に、尻ビレにはレッドのダルメシアンパターンと、これまた数え役満必至の物凄い個体です。もっとも、前回の個体に比べ、爽やかなイメージからは程遠く、どちらかと言えばオドロオドロしい感じもしますから、まず一般受けはしないと思います。・・・って事は、裏を返せば私の好みって事なんですけどね(笑)。 そう言えば、この個体の尻ビレも特徴的な形状をしています。最近のプラカットに有り勝ちな、ショーベタ由来と思われる幅の広い大きな尻ビレではなく、きりっと引き締まりそして尻ビレの後端部分がやや棒状に伸長すると言うものです。じつは、この尻ビレの形状は、この個体を作出したブリーダーの個体に共通する特徴で、尾ビレの完璧な開きやボディのプロポーションなどからも、このブリーダーがかなりの腕前である事は確かだと思います。そして、一般受けするか否かは別として、極力プラカットにショーベタの特徴を導入するのを排除する、妙なこだわりを持っている人間でもあるようです。 個人的には、こういったこだわりは大好きです。やっぱり、プロと呼ばれるからには、その個体を見れば「ああ、このベタはあのブリーダーの作品だな」ってすぐに判る位の際立った特徴を持った個体を世に送り出して欲しい物だと思います。もっとも、作出のプロだからと言って、商売的に上手く行くかどうかは全然別問題でしょうけどね(苦笑)
2011/09/14
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もちろんキワモノベタはショーベタばかりではありません。・・・と言うよりは、ショーベタに比べヒレの形状に制約の少ないプラカットの方が、よりゴリゴリのキワモノを作出しやすい訳ですから、それを考えるとキワモノ好きの私がやっている趣味と実益を兼ねた副業(笑)「おさかな逸品堂」が、プラカットを主力としているのも、当たり前と言えば当たり前です。 そんな中でも、今回入荷した個体の中で極め付きのキワモノ・プラカットと言えばなんと言ってもこの個体でしょう!ベースは、今年に入って急速に出回り始めたパステルマルチ系のマーブルです。ボディのブルー&ホワイト・パステル・マーブルの時点で、すでにかなりのレア物であると思われます。少なくとも、あまり他所様で見かけたことはありません。もっとも、他の人は単にキワモノなんて見向きもせずに王道を突き進んでいる方なのかもしれませんけどね(笑)。 それに加えて、ヒレの外縁がバタフライパターンに!しかもしかも、なんとバタフライバンドがイエローと言うんですから、これはもうキワモノマニアにはヨダレ物の絶品と言えるでしょう。もっとも、人生の正道を歩いておられるまっとうな方から見て、この個体が美しいか否かは別問題ですけど・・・ ただ、驚くべき事にと言うか感動すべき事に、今回この個体はいち早くお客様にお買い上げいただきましたぁ~!おそらくは、よほどのベタマニアとお見受けいたします。ただ、すでにこの様な個体に興味を持ち始めていると言う事自体は、私自身をを顧みるにかなりその方の行く末が心配です(苦笑)。すでに、人生の正道を踏み外し外道ゾーンに侵入しつつある兆候と考えますので、十分ご自愛ください。
2011/09/11
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今日のキワモノはこちらっ!まぁ、トリカラー・マーブルのダブルテールなんですけど、ここまで到達するのに一体どれほど沢山の品種の血を入れてきたんでしょう。なんだかドラゴンの血も混ざってる感じですし、バタフライも間違いなく導入されているでしょう。 このキワモノ・ダブルテールの作出ブリーダーは、とにかくダブルテールにこだわっているみたいで、手持ちの個体はほとんどダブルテールでした。ただ、どちらかと言うとシングルテール好きの私としては、「このカラーリングでシングルテールのショーベタいない?」って言う気がします。実際に、彼にはその様に尋ねてみたんですが、彼の返答は「持ってないっ!!」でした。 これほどのマーブル作るんですから、良い意味でも悪い意味でも「行っちゃってるキワモノ」の種親持ってるはずです。それに、ダブルテール自体数がそれ程多くない事を考えれば、間違いなくシングルテールの個体を保有しているか、もしくは知り合いにその手の絶品を作出している奴がいると思われます。結構、しつこい性格の私としては今後も訪タイの度に、彼のファームを訪問し、いつしかこのカラーリングのシングルテール入手するつもりです。
2011/09/09
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このシリーズもずいぶん間が開いてしまいましたが、別に終了してしまった訳ではありません(笑)。一口にトリカラー・パステル・マルチといってもその色の組み合わせでずいぶんと雰囲気が異なる物です。今日紹介するのは、通常の赤・白・青のトリカラーがオレンジ・白・青に変わったタイプの個体です。 最近バンコクではパステル・マルチに限らず、オレンジ系の個体を非常に良く見かけるようになって来ました。しばらく前までは、せいぜいソリッド系かダルメシアン位しかオレンジ系の品種はなかったのに、あっという間です。どうやらタイ人は結構オレンジ色が好きみたいで、ベタファームによっては在庫のほとんどがオレンジ系品種と言う所もあるほど、オレンジ色が蔓延してます。 ただ、日本人はそれ程オレンジ色を好まないのか、どの品種でも明らかにレッドカラーの個体に較べて、オレンジの配色のベタは売れ行きが悪いのが現状です。従って、うっかりこの様なオレンジに染まったベタファーム訪問しちゃうと、結構困った事になるんですよね~。何も仕入れないで帰るのも悪い気がしますし、そうかと言ってうっかりまとまって仕入れたりすると、後で在庫捌くのに一苦労なんて事になりますから。
2011/09/08
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今日登場する個体も、結構キワモノの部類に入ると思います。パープルブルーの地色に、バイカラーに近いほとんど白い鰭という図式はまぁ、それ程キワモノではありませんが、この時点で既に結構レアな色彩です。さらにヒレの付け根が真っ赤に熱された炭の様に見える時点でキワモノの仲間入りでしょう。どんな系統から生まれたのかはサッパリ想像が付きませんが、個人的にはかなりお気に入りのカラーリングです。・・・って事はまぁ、私の家族が言う所の「さかなおやじの好みのベタは一般受けしない」と言う法則に従えば(苦笑)、このベタも売れ残る可能性がかなり高いかと思われます。 あっ、でもねっ!この個体はこれだけじゃあありません。なんと、マーブルの血が導入されているらしく、ボディの背中部分辺りにうっすらとですがマーブルパターンが認められます。ここまでくれば、もう立派な「キワモノの殿堂入り」個体です。でも、キワモノマニアの私でさえ、なんでこの個体にマーブルの血を導入しなくてはならなかったのか、少々理解に苦しみます。まぁ、おそらくはブリーダーは何にも考えてませんね(笑)。単純に、目に付いた品種を手当たり次第に交配した結果なんでしょう。 でも、個人的にはその辺の心理理解できる気がします。ベタブリーダーだって、ソリッド系みたいに子供も孫もとにかく全部見てくれ一緒の品種ばっかり手掛けてたらやんなっちゃいますよね~。たまには、思い切り羽目をはずして欲望の赴くままと言うか本能の命ずるままと言うか、とにかくめちゃくちゃな交配してみたくなるのは間違いないと思います。私自身もベタを趣味として見た際には、自家繁殖個体の幼魚がだんだんと色づいてきて「さて、この個体はどんな成魚に仕上がるかな?」って言う辺りが一番楽しいですから。これが、ソリッド系なんかだと、稚魚が育つ前から次世代のカラーリングほぼ確定しちゃってますからワクワク感に欠けます。
2011/09/06
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今日登場のキワモノ(苦笑)は、前回の個体とおそらくは兄弟と思われます。一見すると、普通のトリカラー・バタフライの様に見えますが、頭部に赤々とマーブルパターンが入っています。普通、マーブル・バタフライの場合バタフライバンドが不規則な幅になりがちなのですが、この個体ではしっかりと明瞭なホワイトバンドが均一の太さでヒレを外縁を覆っています。 前回登場の兄弟よりはキワモノ度は低い分、一般受けはこちらの方がよろしいかと思われます。それにしても、バンコクの作出ブリーダーは一体なんだってマーブル・バタフライにもって行ったんでしょうかね~?このカラーパタンならば、普通のトリカラー・マーブルにしておいた方が、絶対に市場での評価は高かった筈。おそらくは私と同じく、重度の「マーブル偏愛症候群」に罹っちゃってるんだと思われます(苦笑)。彼のファームで前回の個体や今日の個体を他の数あるベタよりも先にチョイスした時の、ブリーダー氏の嬉しそうな顔はその証しだと思われます。「おっ、あんた判ってるジャンッ!」みたいなもんでしょう。 趣味人としては大いに尊敬するに値しますが、商売人としてはすでに終わってます(笑)。・・・とは、私の家族の「逸品堂店主としてのさかなおやじ」に対する評なのですが、これをそっくりそのままこのブリーダー氏に捧げたいと思います。
2011/09/05
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もう数年間にわたって、副業のベタの通販をやっていればいい加減我が国のベタ市場の動向って言うか、ユーザーの好みだって判って来そうなもんですが、これが結構難しいんです。一つだけ確実に言える事は、バンコクで個体を見た時に「ピンっ!」ってきた個体は、まず間違い無く売れません(苦笑)。家族に言わせれば「ベタを見る目が変にひねている」そうで顧客の好みと大きくかけ離れてしまっているそうですが、当たらずとも遠からずってとこでしょうか。この嫌な鉄則を逆手にとって、仕入の際に「私の心琴にピンッ!と来ない個体ばかりをチョイスする」と言う手もあるにはあるんですが、これじゃあ何のための副業か判りません。・・・って、もちろん小遣い稼ぎもしたいんですが、一番の目的は単に自分が楽しみたいからに他なりませんからね(笑)。 そんな訳で、ほぼ毎月のバンコクでのベタの仕入の際に20~30%位は完全に個人的好みと言うか趣味入りまくりの個体が含まれています。そんな、筋金入りのキワモノコレクションを幾つかご紹介しましょう。 なんと言っても、今回バンコクで仕入れた300尾以上のベタの中で一番のキワモノ・・・じゃなくて、お気に入りはコイツ!まぁ、普通の感覚で言えば「何、このオドロオドロしい模様の入り方は?」って言う事になるんでしょうか、マーブルフリークにはたまらない逸品です。以前からプラカットでは時折この手の個体を見かけましたが、今回初めてショーベタタイプで見つけたと言う訳です。この個体を作出したブリーダーの所を訪問した際に、思い切りピンッ!って来ちゃいました。 「尾びれの開きがハーフムーンじゃない」とか「どうせ場当たり的な個体で、品種としての固定度は低い」とか色々と難癖付ける人は沢山いるでしょうが、それでも「じゃあ、アンタこのレベルの個体作れるのかよっ!」って尋ねられて、胸はって「おうっ!!」って言いきれる人は世界に3人位しかいないんじゃないでしょうか?今は本業が海外との仕事だけに十分な趣味の時間が取れないのが残念ですが、いずれ仕事をリタイヤして悠々自適の生活が私に訪れた時には、こんな個体の作出狙ってブリーディングをしてみたいもんです。
2011/09/03
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さて、実に見事なスーパーレッドのプラカットを私に見繕ってくれたバンコクのクシャ爺ですが、それ以外にも彼の見立てでプラカットを厳選してくれました。あっ!ここで重要なのは、あくまでも販売側であるクシャ爺にお見立てであって、購入者である私の意見などまったく反映されておりません。 そんな彼のお眼鏡に適ったプラカットの1個体が今日の画像のソリッド・ホワイト。確かに、ここまで純白でしかもヒレの開きや体型も完璧な個体はそうそうお目にかかれるもんじゃありません。さすがは、知る人ぞ知るコンテストブリーダーだけの事はあります。 ただ、彼がこの個体を選んだ際に、私がついうっかりと「おぉ~っ、見事なオペックホワイトだねぇ!」って言っちゃったのが、彼のお怒りを買ってしまったようです(笑)。「馬鹿もん!どこに目を着けとるんじゃ!!これはシルキーホワイトだ」「えっ、でも見た目はオペック・・・」」「いいかっ!オペックと言うのは・・・」私の不用意な一言が、その後の彼のソリッド・ホワイト談義を招きよせた事は否定できません。 まぁ、私の認識だと「オペックホワイトはいわゆる純白、絵の具の白」これに対して「シルキーホワイトもしくはプラチナホワイトと言うのは、キラキラとした絹の光沢を持った白」って言う感じだったんで、この画像の個体はその定義から言うとオペックなんだけどなぁ~。それでも、これ以上クシャ爺を激怒させて更なるお説教を聞かされるよりましなので、「うんうん、そうだったのかぁ~!物凄く勉強になったよ!!」ってその場は納めておきました。 それでも、日本に帰国してしっかり「オペックホワイト」と言う品種名でおさかな逸品堂で販売してるって知ったら、クシャ爺怒るだろうなぁ~。こう見えて、私も結構意固地で頑固です!(笑)
2011/07/07
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オレンジパステル・マルチと言う品種は、まだ品種としての固定度が低いのか表現形にはかなりのバリエーションが見られます。逆に、そこがこの品種の魅力の一つとも言える訳です。今日の個体は、この品種本来の表現形にかなり近い物で、全身オレンジベースでブルーの発色はほとんど見られないタイプです。しかも、作出ブリーダーの言を信じるならば「昨日の個体と今日の個体は同じ親から生まれてきた兄弟」です。 これは完全に個人的な好みなのですが(笑)、実は私はこの個体のようなカラーリングが非常に好みです。つまり、オレンジベースでヒレ先が濃紺に縁取られている個体が好きと言う事なのですが、今回バンコクでベタを選んでいてあらためて自分の嗜好に気が付きました。まぁ、このクソ暑い時期には少々暑苦しい外見とも言えますが、水草の緑にも非常に良く映えます。 この品種本来の表現形にかなり近い個体ですが、ボディ背部に藤色が載って来ていて、それがさらにこの個体を私の好みにマッチさせています。この個体は尾鰭がスペードテールになるタイプですが、濃紺に縁取られる事によってなかなか面白いシルエットになっています。やや小ぶりながら、体型も非常に良好な逸品ではないでしょうか。
2010/08/02
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2年ほど前まで物凄い勢いで新品種が作出されていたバンコクのベタビジネス界ですが、ここに来てチョット足踏み状態のようで、あまり新しい品種が登場してきません。一番の原因は、やはりベタホビーが全体的に低調でブリーダーの収益が悪化し、その結果一種の賭けの要素が強い新品種作成よりも、確実に市場で捌ける人気品種の生産に重点が置かれている事にあるのでしょう。現に、ドラゴン系などの基本品種のクオリティは確実にレベルアップしています。そんな中で、今回のベタの仕入で少し気になったいくつかの品種を紹介してみましょう。 まずは、「オレンジパステル・マルチ」です。この品種は、少し前からバンコクの市場には出回っていたので厳密には新品種ではありませんが、今回かなりクオリティの高い個体が入手出来たので取り上げてみました。ただ、この品種で困った事が一つあります。それは品種名で、どこをどう見ても「パステル系」には見えません。これは、以前初めて?この品種を市場に流通させたブリーダーが命名した品種名をそのまま今に至るまで使っている事に起因しています。一般的に考えれば、この系統は「オレンジ・ダルメシアン・マルチ」とでも言うべきだと思います。 品種自体はオレンジ・マスタードガスをベースに作られているようで、ヒレにオレンジの発色があり、さらに各ヒレには真紅のダルメシアンスポットが散在するのが特徴です。また、ヒレの外縁が濃紺に縁取られるのも大きな特徴の一つと言えるでしょう。以前の個体はボディもオレンジ色に染まっていたのですが、今回はよりマスタードガスの特徴が強調された外見になっています。 いずれにしても、まだ完全に固定された品種ではないようでかなり表現形にバラツキがあります。しかし、それが逆にこの個体を「いじる」楽しみを増していると言えるのではないでしょうか。もちろん、観賞価値も非常に高いので飼育だけを楽しんでも十分ではありますが、本来は好みのメス個体と交配させて、次世代以降を「自分の理想形」に作っていく楽しみを持った品種だと思います。
2010/08/01
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最近のバンコクのショーベタで一番気になる問題点が今日のコレっ!画像を見てお分かりでしょうか?他のヒレに較べて尻ビレが妙に伸長していると思いません??本来は、背ビレ・尾ビレ・尻ビレが均一に伸長し全体で円形~楕円形のシルエットになるのが好ましいとされているショーベタなのに、コレじゃアンバランスでしょう。この現象がどう言った要因で増えてきたのか私には判りません。プラカットとの交配を繰り返した結果なのか、はたまた尻ビレだけが伸長する遺伝的な形質なのか・・・。いずれにしても、あまり好ましくないのは確かでだと思います。 ショーベタの成長過程でも、尾ビレの伸長は他のヒレよりもやや遅めなのは確かです。しかし、今日のような個体は成熟してもやはり尻ビレだけが突出したようになりますので、明らかに異なる物と言えるでしょう。ただ、若魚の内はなかなかはっきりと判断できない為結構うっかり仕入れちゃう事もあります(涙)。もっとも、ベタの体型や色彩の好みなんて人それぞれですから、尻ビレだけが突出した個体が良いって言う人は別にそれで構わないと思います。 私自身は、自分の人生は「正道を歩けずに、すぐにわき道にそれちゃう」男のくせに(苦笑)、変な所で形式にこだわると言うか整った美しさを好むみたいで、ショーベタの場合も「やっぱりシルエットが丸に近い長楕円形じゃなくっちゃね!」とか思ったりします。私の隠れた趣味の一つである「ガラス器コレクション」でも、切子とかカットが好きでアールヌーボーとかはチョット・・・(笑)。絵画でも、ルーベンスとかは好きですが、ピカソとかシャガールあたりになるとかなり拒否反応出ちゃいます。
2010/04/02
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バンコクのショーベタにありがちな問題点、続いては尾鰭先のフリル化?です。要するに、尾ビレの外縁がフリルが付いたかのようにギザギザと言うか襞があるタイプでの事なんですが、最近バンコクで非常にこのタイプが多くなってきました。尾鰭外縁がギザギザと言うとクラウンテールを想像してしまいますが、クラウンのようにヒレの軟条が伸びているのではありません。園芸に詳しい方ならば、最近パンジーでこのように花弁の外縁がフリル状になった品種が多く見受けられますが、ちょうどあんな感じです。 このタイプは、その由来が今の所よく判りません・・・と言うか私は知りません。クラウンテールとの関連性も不詳です。まぁ、パンジーなどでは意識して改良されている訳ですから、この表現形に関しては一概に「短所」とは言い難いのかもしれませんけど、個人的にはなんだかうるさい感じがしてあまり好きではありません。画像で紹介している様な若魚の時期には、まだ可愛らしく感じる場合もあるんですけど、老成した個体になるとなんだかバサバサした感じになってしまいます。
2010/03/29
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カラーバリエーションがとにかく豊富で価格も安いタイのショーベタですが、あらゆる面において最高かというとそうとは言い切れない部分もあります。これから数回に分けて、バンコクで生産されるショーベタの問題点に関して思いついたことを挙げていこうと思います。 まず、バンコクのショーベタで一番多い問題点は背ビレの湾曲でしょう。本来はまっすぐ天に向かって伸長すべき背ビレが写真でも御分かりのように先端がカールしちゃってます。これは、決して稀なケースではなくバンコクで見かけるショーベタの1/3位は程度の差こそあれ背ビレが左右どちらかに折れ曲がっています。まぁ、この画像の個体クラスまで背ビレが巻いちゃうとダメですが、先端部分がほんの少しどちらかに傾いているぐらいの個体の場合、是非の判断は結構微妙です。 この現象が先天性の欠陥なのかそれとも育成管理途上の後天的なものなのかは諸説あって定まりません。「水深が浅い容器で飼育していると曲がりやすい」とか「元来浮き袋の異常(一種のベリースライダー)で静止中水面に浮きやすい個体がなる」とか色々聞きますが、今の所本当の原因が何なのか私には判りません。ただ、バンコクで仕入れた時点で背ビレの湾曲がない個体が、私の温室で管理中に湾曲したと言うケースには当たった事がないので、ある程度の若魚にまで成長した時点で背ビレが巻いていない個体は、その後も大丈夫なのかもしれません。 それと、これはヒレの長いタイプに固有なのか、少なくとも私はプラカットやメスベタで背ビレが湾曲した個体を目にした事はありません。脊椎骨グチャグチャの完全な奇形個体は論外としてですけど。 もちろん、バンコクでもこの点に気が付いた個体は仕入れないよう心がけています。ただ、あの猛暑・多湿の中マラリアを媒介する蚊に付きまとわれながら薄暗いファームで個体を選別していると、結構見落としちゃうんですよね~。市場内のショップはまだしも、ファームでは円筒状のガラス瓶とかで管理しているので、中のベタが細部まで観察できない事も見落とす原因の一つです。飼育水もマジックリーフでまっ茶色の事がありますしね。帰国後自分の温室で飼育容器に移した時点でその事が判明しがっかりする割合も決して少なくはありません。
2010/03/28
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バンコクのショーベタ事情を御紹介するに当たっては、やはりマーブル系は欠かす事が出来ません。事「ショーベタのマーブル」と言う事になれば、ショーベタの本場アメリカをはじめとして世界中のどの国もバンコクのブリーダー達には敵わないと思います。とにかく、模様が固定せず、同一個体でさえ成長に伴い大きくマーブルパターンが変化するこの系統は、生産個体数がとにかく膨大なブリーダーが絶対に有利です。 裏読みすれば、それだけバンコクのブリーダー達が「下手な鉄砲も数打てば当たる」方式だって事の証でもあるんですけどね(笑)。とにかく、「ショーベタは累代繁殖させて系統の固定化を・・・」なんて考えている人にマーブル系は絶対に向きません。「なぁ~に、メンドクサイ事言ってるんだか。ベタなんぞは思いつくまま自由奔放に交配しちゃって、その中から見た目のいい奴だけ残せばいいじゃん!」と言う、実にタイ人向きのリベラルな(ちょっと違うか?)発想がマーブル系の作出には必要です。 現に私の知っているバンコクのマーブルブリーダーは「固定率?そんな物全然必要なしだよ。親と同じ個体が10%しか出ないなら、子供を1000でも2000でもとにかく数採ればいいじゃん!」って自信満々に言い切ってます。まぁ、人件費が物凄く安くて生き餌も豊富、しかも保温の必要なしというベタの管理にはもってこいの環境が揃っているタイならではの考え方ですね~。 そんな訳で、事マーブル系に関してはエンドユーザーもあまり固定率を追い求めない方がよろしいかと思われます。今日の画像の個体レベルになると、どうしても次世代に繋ぎたくなっちゃいますけど非常に困難です。植物で言えば庭で丹精込めて育成したバラと、その瞬間を楽しむ切花のバラの違いみたいなもんです。まぁ、刹那的にって事ですな。
2010/03/27
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最近バンコクで意外と簡単に目にする事が出来るようになってきたのが、今日紹介するような個体です。まぁ、バタフライ系な訳です。ただ、通常のバタフライはヒレの基部とボディは同じカラーで、ヒレ先だけが別の色(基本はホワイト)に縁取られているのですが、こちらのタイプではヒレの基部はヒレ先と同じ色調になっている為、リング状にバタフライがあるように見えます。以前は、このようなタイプを作出者の名前から「タットワイラー」と呼んでいました。この系統は要所などで写真だけはあるのですが、実物を見ることはまったくできない「幻の品種」と言う事で、ショーベタのオールドマニアの間では結構有名(無実)な品種だったんです。 今から20年以上前に、この系統に取り付かれてひたすら交配を繰り返した時期がありましたね~。他の同好の士がコンテスト目指してショーベタを繁殖させている時に、温室の中は「ブラックとタットワイラーもどき」ばっかりだった訳ですから、コンテストでは悲惨な物でした(苦笑)。当時は色々な組み合わせを試しても、まったくタットワイラーパターンの子供は出現せず、挫折しました。その時、「この系統は本来のバタフライではなく、マーブル由来の個体で偶然の産物」と結論付けてしまいましたが、最近の個体を見るとそういう訳でもなさそうです。 おそらく、大元のタットワイラーはレッド&ホワイトなんでしょう。・・・と言うのは、私の知っているタットワイラーの写真は、モノクロの奴1枚だけなもんですから実際のカラーリングが判明しないのです。でも個人的にはブラックベースでメタリックブルーのリングがあるタットワイラー見てみたいです。なんだか、この色の組み合わせ好きなんです(笑)。卵生メダカのコスタイみたいな感じです・まぁ、現実問題としてブラック&ブルーというバタフライ自体見た事ありませんから、現時点では作出不可能なんでしょうけど。 「思い立ったらすぐ行動するっ!」がモットーの尻軽男ですから、先日早速この幻の品種を作るスタートとすべく、手持ちの個体の中から適当なペアを作り3腹ほど繁殖させました。ただ、すぐに行動するのは私の数少ない長所の一つだとは思うんですが、持続力と言うか根気がなくてね~(苦笑)。
2010/03/25
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最近のバンコクのベタ市場でもっとも勢いのある品種と言えばレッド・ドラゴン系と言うことになるでしょう。プラカットではかなり古典的な品種ですが、ショーベタとしては結構最近になって出回るようになったにもかかわらず、最近バンコクでよく見かけるようになりました。レッド・ドラゴンと言っても、以前のタイプのようにボディの基調色がレッドなタイプではなく、ボディはほぼ銀色一色に染まるメタルドラゴンタイプが主流のようです。 我が国でも人気の高い品種なのですが、仕入れるにあたってやや困った点が幾つかあります。まず、第一は輸送が難しい事。何故かは良く判りませんが、このレッド・ドラゴンタイプのショーベタはバンコクから持ち帰る際に往々にしてヒレが溶けちゃいます。これが品種的な問題なのか、それともこの系統を仕入れているブリーダーのパッキングの際の問題なのかは今の所定かではありません。ただ、以前国内の他のベタ専門店のオーナーさんと話をしていた際に、その人の所でも「レッド・ドラゴン系はヒレが傷みやすくて困る」とおっしゃってましたから、品種的な問題の可能性が高そうです。ちなみに同様の傾向はイエロー系にも見られます。 もう一つの問題点は、バンコクでレッド・ドラゴン系を主力に生産しているブリーダーの所が我が国の某ショップの主たる仕入先であると言う事です。おさかな逸品堂をスタートするにあたって「国内の同業者の方々とトラブルを起こさない」事をポリシーにしてまして、その観点から言うと、そのブリーダーから積極的にベタを仕入れる訳にも行かず・・・(苦笑)。もちろん、ショップの方から何らかの申し入れが有った訳でもありませんし、ブリーダーが「うちは××さんの専属だから」と言った訳でもありません。単なる自主規制にすぎませんが、ポリシーはポリシーですからね~。そのバンコクのブリーダーは、なぜ私が彼の友人のところでは魚を仕入れるのに、彼の所ではほとんど購入しないのか不思議みたいで、訪問するたびに「一体私の魚のどこが気に入らないんだっ?」ってぼやいてます。御免なっ(笑)。 ショーベタタイプのレッド・ドラゴンに関しては質・量ともに私の知っているバンコクのベタブリーダーの中ではNo1の彼から魚を仕入れないと言う事は、どうしても逸品堂のレッド・ドラゴン系は貧弱なラインナップにならざるを得ない訳でして(涙)、色々困った物です。一応、対策として親しくしているブリーダーにレッド・ドラゴン系の生産を依頼してますが、今の所まだまだ満足できるレベルではありません。
2010/03/20
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一応、改良ベタの世界でバタフライ系と言えば「ヒレの外縁が白く縁取られている」訳ですから。今日紹介する系統は厳密にはバタフライとは言わないのでしょう。でも、一般的には「バタフライ」もしくは「~バンド」と言う呼び方をされているので、逸品堂でもこの系統に限らず「ヒレ先がヒレの中心部分とは異なるカラーで縁取られている個体=バタフライ(の一種)」と言う事にしちゃってます。 バンコクでは、今日の個体のようにヒレの外縁が黒く縁取られている個体はかなりポピュラーです。まぁ、我が国では「黒く縁取られる」って言う事は社会的な常識ではあまり良い意味ではない訳ですけど、それは抜きにすればかなり魅力的なカラーリングだと思います。ボディやヒレの黒の発色が鮮やかで、ほぼ漆黒になるのがこの系統の最大の魅力と言えるんじゃないでしょうか。個人的にも好きな品種の一つで、よさげな個体を見かけたときは躊躇なく仕入れる事にしています。 ソリッドのブラックの品質は見る影もなく凋落しているバンコクですが、事ブラック系ということになると、結構次から次へと魅力的な新品種が市場に出回っています。ただ、この手の個体から再度ソリッド・ブラック作るのは至難の業でしょうね~。おそらく、何世代にも渡って、ヒレの付け根に他の色が発色しちゃうと思われます。まぁ、この系統は変に手を加えず、このまま系統維持していった方が正解と言う事でしょう。
2010/03/17
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ショーベタのバタフライ系としては最もポピュラーなのが、今日紹介するブルー&ホワイト・バタフライでしょう。基調色のブルーに関しては、ロイヤル・ターコイズ・スチール・マットなどバリエーションが豊富ですが、いずれにせよブルーとヒレ先の純白のバタフライバンドの組み合わせは爽やかなイメージがあり、我が国でも人気があります。 もちろん、バンコクでも一番良く見かけるバタフライなのですが、最近は少しクオリティが低下しつつあるような気がします。大部分の個体では、バタフライバンドが均質な太さの綺麗な縁取りになっていません。これが、作出の難しい品種ならば一々目くじらを立てる必要もないのですが、ポピュラーな品種だけに少々気になります。 また、マーブル系との交配も盛んなようで、こちらは更にバタフライバンドの乱れは顕著になっています。そして、マーブル系の血が混ざった系統では、頭部などにマーブルパターンが出現してしてしまう事も多く、純粋にバタフライとしてみた場合の価値は低くなります。 個人的な好みを言わせて頂くと、ロイヤルブルーの基調色にやや細めながらくっきりとした純白のバタフライバンドって言うのがいいんですけど、そう言う個体はとんと見かけなくなりました。また、良質のメスが入手しにくいのも、バンコクにおけるこの系統の難点の一つです。
2010/03/16
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今ひとつパットしないバンコクのラベンダー・バタフライとは対照的に、ボディがブルー系のサラマンダー・バタフライは見事な個体がコンスタントに生産されています。鮮やかな発色、ヒレの開き、体型、明瞭なバタフライバンドなどショーベタに要求されるあらゆる要素が合格点レベルです。しいて、問題点を挙げるとすればバタフライバンドの太さが均一ではない所でしょうか。それと、この個体では胸ビレにバタフライバンドが見られません。コンテストでは「バタフライ系では胸ビレにもバタフライバンドがある事が好ましい」のですが、個人的な好みを言わせていただくと、胸ビレがバタフライになっていない方がすっきりとしていると思います。そんな訳で、バンコクでベタを仕入れる際にどちらかと言うと胸ビレのすっきりした個体を多く仕入れてきちゃう癖が私にはあります。実際にはバンコクで見かけるバタフライのかなりの数は、きちんと胸ビレにもバタフライバンドが存在すると言う事を、ブリーダー達の名誉の為に付け加えておきますね。 もっとも、一見絶好調に見えるサラマンダーですが、不安要素がない訳ではありません。実は、良質のサラマンダーを作出しているブリーダーが私の知っている人間の中ではたった一人だけなのです。他のブリーダーの作るサラマンダーは、ラベンダーと同じく今ひとつパットしない感じです。現時点では、良質のサラマンダーを作出しているブリーダーがコンスタントに市場に出してますから問題ないとしても、何らかの事情で彼が生産をストップしてしまうと、少なくとも逸品堂に入荷するサラマンダーのレベルはガクンとダウンする事必至です。まぁ、もちろん、バンコクにはベタブリーダーが沢山いますから、私が知らないブリーダーの中にも良質のサラマンダーを作っているブリーダーは複数存在しているでしょうけどね。 それと、このブリーダーは頑として自家繁殖系統のメスを販売しないのも困った物です(苦笑)。コンテストでも入賞常連者らしい彼の信念なんでしょうけど、個人的には「日本のアクアリストに販売しても、あなたの商売が脅かされるとは思えない」と確信してます。まぁ、飼育設備の規模の事もあり、私個人はショーベタの繁殖までは手を出すつもりがまったくないのですが、逸品堂のお客様から「ペアで欲しい」と言う要望が結構寄せられてます。
2010/03/15
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マスタードガスと並ぶポピュラーかつ人気品種であるラベンダー・バタフライの方はなんだかあまり芳しくない状況のようです。もちろん、人気品種だけにバンコクでも大量に生産されていますが、品質的に劣化の一途を辿っている気がします。 本来は非常に鮮やかなローズピンクがベースで、ヒレの外縁だけが純白のバタフライバンドで縁取られる品種だった筈なんですが、最近の個体はピンクの発色があまり綺麗ではありません。元々、似たような品種にボディがブルー系のサラマンダー・バタフライというのがいますが、こちらとの交配が無差別に進んだ結果、ラベンダーともサラマンダーともつかない個体ばかりになってしまったようです。もはや、鮮やかな濁りのないローズピンクの個体は天然記念物並みの希少価値となりました。今日の個体でも、ピンクの発色に深みがないというか、やや白が混ざったような感じがします。それでも、最近のバンコクのラベンダーの中では間違いなく綺麗な個体の一つですけどね。 とにかく思いつくままに品種交配するのが得意なバンコクのブリーダー達は、今まで見た事がないようなカラーリングを作出する事に関しては間違いなく世界一なんですが、事純系を維持するって言う話になると、完全に不向きって事のようですね~(苦笑)。ソリッド系もそうですが、表現形がビシッと決まっている品種に関しては、他の品種との交配結果は悪い方向にしか進んでいきません。また、一度崩してしまうとそこから以前のタイプを復元するのは至難の業です。ラベンダー・バタフライに関してはショーベタ、プラカット共に複数のお客様から逸品個体の仕入希望を頂戴しているのですが、胸を張ってお勧めできる個体にはまったくと言って良いほど出会えないのが現状です。
2010/03/13
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もののついでって言う事で(笑)、この際だからオレンジ・マスタードガスも紹介しときましょう。まぁ、一応定義づけしておけば「ブルー系のボディにブルー&オレンジのヒレを持った品種」って言う事になります。もっとも、あくまでもブルーボディにブルー&イエローのヒレを持つ本家本元のマスタードガス由来の品種と言うだけで、この品種自体に「マスタード」な所はありません。 ちなみに、語源になった「マスタードガス」は、毒兵器の一種で、本来は無色・無臭なのが不純物を含むとからし色になる事(もしくはからしに似た臭気が名の由来と言う説もあり)から付けられた物で、なんでまたベタの品種名にこんな物騒で不愉快な名前付けたのか理解に苦しみます。ヒレのからし色を意味するなら、単純に「マスタード」にすればいいものを。実際にこの毒兵器で苦しんだ方が世の中に存在する事を考えると、できれば今からでも品種名の変更をすべきではないかと思います。ベタマニアの中には「マスタードガス」と「マスタード」と言う品種は別物と言う人がいますが、実際にはこの両者を明確に分ける境界線は存在しない為、厳密な区分は不可能です。その事を考え合わせれば、この手の品種全体を「マスタード」って言う呼び名に変えてしまっても構わない気もしています。 また、「マスタードガス」と言う品種は、同じ親から生まれてきた子供でも表現形は非常にバラエティに富んでいます。例えば、画像の個体の同腹の兄弟をブリーダーの所で見ていますが、ほとんどソリッド・ブルーのものからボディはブルーでヒレはほとんどオレンジ一色のバイカラー的な個体まで様々でした。そうなると販売する側としては困った物で、あくまでも両親の系統を考慮してすべての個体を「マスタードガス」として扱うのか、それとも見た目を重視して、ソリッド・ブルー、オレンジ・マスタードガス、ブルー&オレンジ・バイカラーって細分化して販売するのか悩ましい所です。私の所では、めんどくさいので(苦笑)基本的に全部マスタードガスで統一しちゃってますけど。一番簡単でなおかつ間違いないのは、すべての個体を「ブルー&オレンジ・マルチ」って言う名称にしちゃう事なんですけどね。「マルチ=多色」って事で、すべてをカバーしてくれます。
2010/03/12
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昨日、マスタードガスのバリエーションがもはや収拾がつかない所まできているって書きましたが、それを思い切り証明しているかのような個体が今日の画像のベタです。一つのベタの中に一体いくつの品種の血を導入してるんでしょう。ベースはマスタードガスですが、ヒレ先を見るとバタフライ、さらにボディを見ると・・・なんとこれはマーブルです。麻雀で言えば「数えのダブル役満」みたいなもんです(笑)。 さすがに、ここまでカラーリングにこだわっちゃうと体型やヒレの開きは二の次になってしまうようで、ショーベタとしてのクオリティは決して高いとはいえません。しかし、ここまでに作り上げる努力が、オーバーハーフムーンの個体を作出する労力に劣るとは少しも思いません。むしろ、難易度で言えばこちらの方が遥かに上を行くでしょう。 こう言った、筆舌に尽くしがたい逸品があるからバンコクでのベタ行脚はいつまでたってもあきがこないんだと思います。なんだか、バンコクは非常にきな臭い状況になりつつあるようで、諸外国の中には渡航自粛を決定した国も出始めたようです。なんとか平和裏に解決していただいて、来月もまた暖かく私を迎えて欲しいものです。
2010/03/11
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海外出張で間が開いてしまいましたが、シリーズを再開しましょう。今日紹介するのはマスタードガスです。ブルー系の基調色とヒレのイエローの対比が実に爽やかで、我が国でも非常に高い人気を誇るポピュラーな品種の一つです。まぁ、ブルーと一口に言ってもその色調はロイヤル、ターコイズ、スチール、マット、メタルグリーンとバラエティに富んでいる訳ですから、当然のごとくマスタードガスと言う品種も、その表現は千差万別です。更に、最近ではヒレにイエローの代わりにオレンジ系のカラーが入るタイプや、真紅のダルメシアンスポットを持つものまで登場しましたから、はっきり言ってもう収拾がつかない状態になっています。 まぁ、単純に観賞を楽しむのであればカラーバリエーションが豊富なのは大歓迎です。それこそ、自分の好みにピッタリの個体を探す楽しみがありますから。ただ、その系統の表現形をキープしながら累代飼育していくのはかなり苦労しそうです。元々ソリッド(単色)系と違い、見た目がそっくりのペアで繁殖させたからと言って、子供世代に金太郎飴状態で両親と同じ表現形の個体が出てくれるとは限らないマルチカラー系で、しかもバンコクではおそらく無差別に交配がなされていると考えて間違いないと思います。 バンコクのブリーダー達の多くは「系統維持よりも、見た目が美しくすぐに売り捌ける個体を量産したい」と言う考えですから、彼らの作った個体に固定度を求めるのは愚かって言う物でしょう。もっとも、私自身彼らに非常に近い考え方なのであまり違和感ないんですけどね(笑)。バンコク産やシンガポール産のベタの固定度を問題視するアクアリストは、それこそ自分で数年かけて系統確立すれば良いだけの話だと思います。 カラーバリエーションが豊富なマスタードガスですが、やはりバンコクでも流行廃りはあるようで、最近ではロイヤルブルー系の系統は本当に見掛けなくなってしまいました。その代わりに、鱗がキラキラとメタリックグリーンに光り輝くタイプが急増しているように感じます。また、まだ完全なパターンを持ってはいませんがヒレ先がバタフライバンドになっている個体も結構良く見掛けます。ただどうした事か、マスタードガス・バタフライってボディのブルーの発色が薄い気がします。
2010/03/10
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心配されたサーバー移転に伴う空白も予定より1日少なく済み、逸品堂は無事復活いたしました。何で1日早く新規レンタルサーバーが稼動したのかはよく判りませんが、まぁ、結果オーライって事で、まずはめでたしめでたし。そう言えば、プラカット図鑑もずいぶんと間が空いてしまいましたね~。前回「物凄いダルメシアン系の個体を次回はご紹介」とか言っておきながら、我ながらひどいもんです。それでもって、散々引っ張ってきたその件の「物凄いダルメシアン」が今日の個体! 品種的にはブルー&ホワイト・マーブルなんですが、ヒレにピンクとイエローのダルメシアンスポットが散在しています。特にピンクは画像の色表現の問題ではなく、本当に見事なローズピンクでした。ダルメシアンスポットの色の見事さもさることながら、通常は絞り模様や絣模様になる事がほとんどのスポットも、結構見事な水玉模様になってます。 本当に見事な個体でしたね~。更に、驚くべき事に「この個体をバンコクで仕入れたのは今から3年位前の事」だと言う点にあります。まだ、世の中にダルメシアンと言う系統が出回る前の話です。個人的には、この個体がダルメシアンの走りだってと言うよりは、全然別系統だったんだと思います。 上手く系統維持できていれば、現在のダルメシアン以上に人気の高い系統であったことは間違いないと思いますが、残念ながらその後系統は維持されていないようでその姿はまったく見当たりません。うーん、逸品堂で販売しちゃって後悔している個体の一つですね~(笑)
2010/02/17
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海外出張の為にずいぶん間が開いてしまいましたが、ダルメシアン系プラカットの紹介を再開します。今日登場の個体はあえて名前を付けるとすれば「オレンジ・ダルメシアン」って言う事になるんだと思います。一見すると、「ああっ、オレンジ系のダルメシアンなんだね・・・」って片付けてしまいがちですが、実は結構インパクトのある個体なんです。皆さんはどこが凄いのかお判りでしょうか? 実はこの個体のダルメシアンパターンは真紅ではなくイエローなのです。つまり、従来真紅しかないと考えられがちだったダルメシアンパターンがイエローでもあり得るって言う事がはっきり判る個体なんです。まぁ、単なる観賞面から言えばそれ程見栄えのする個体じゃありませんが、今後様々なダルメシアンのカラーバリエーションに理論上はイエローのダルメシアンパターンが加わった訳で、これでバンコクのダルメシアン改良は一段と進む・・・と言うか尚一層収拾がつかなくなるんだと思われます(苦笑)。 しかし、イエローのダルメシアンパターンくらいで驚いてちゃあ「なんちゃって改良品種天国」であるタイのベタブリーダーを訪問できません(笑)。次回には、このダルメシアン系で最高峰と言うか、いまだにアンビリーバブルな個体をご紹介いたしましょう。
2010/02/07
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今日紹介するのはバタフライ系のダルメシアンです。ベースはパステル・サラマンダー・バタフライだと思われます。この個体自体は物凄くキレイと言う訳ではありませんが、バタフライパターンとダルメシアンスポットが共存可能と言うのが判ったという点では、記念すべき個体と言えるのではないでしょうか。 こうして見てくると、ダルメシアンと言う形質は非常に多くの品種に取り入れる事が可能なようです。今現在では、ブルー系のヒレ以外のカラーでは真紅のダルメシアンスポットの存在が確認できています。何故かは判りませんが、ブルー地にダルメシアンスポットと言うのだけは見た事がありません。マスタードガスの場合は、ヒレのイエローの部分にスポットが存在するのでブルーの部分にある訳ではありません。 想像するに、ブルーの発色を構成する色素胞(青色色素胞と言うのはベタにはありませんので、他の色素胞の組み合わせでブルーを表現しています)が、真紅のダルメシアンスポットの色素胞よりも上層に存在するのではないかと思います。・・・って事は、見た目はブルー一色のヒレであっても、その下層にダルメシアンスポットが存在するって言う事もあるんでしょうかね?それとも、ブルーとダルメシアンの組み合わせは元々ありえないということなんでしょうか?・・・今の所、この点に関してはまったく情報がなく今後に期待です。 そうそう、本題とはまったく関係ありませんが、明日より極寒のヨーロッパ出張に出かけますのでしばらくブログの更新はお休みです。出張帰路にはバンコクに立ち寄り、またまた新しいベタを捜してこようかなぁって計画してます。
2010/01/26
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どんどんダルメシアン系のニューフェイスの紹介を続けていきましょう。今日の個体はカッパー&ゴールド・マルチにダルメシアンを導入した物です。まだ、改良途上の段階なのでダルメシアンパターンも少ないですし、なにより体型や尾開きなどまだまだなのは確かです。しかし、このまま改良が進めば、かなり人気の出る品種となるのではないでしょうか。近似のカラーパターンとしては、「イエロー・ドラゴンのダルメシアン」とか「ソリッド・イエローのダルメシアン」なども少しづつバンコクでは見かけるようになってきています。現時点ではどの系統も体型・尾開きにやや難ありと言う段階です。 あくまでも個人的には、今日紹介したカッパー&ゴールドのダルメシアンが一番好きですね~。なんだかやや燻されたような金色の上に散らばる真紅のダルメシアンは、我が国の蒔絵みたいな感じで、「大人の趣味」って言う感じがします。話が少々飛躍しますが、おなじ金を使った工芸品でも我が国のものは諸外国の物と較べて決してキンキラキンではなく、抑えた美しさが際立っている気がします。ヨーロッパの王冠とか酒盃とかの金製品は、それこそ「これは金です!恐れ入ったかっ!!」って言う感じで、間違いなく金が主役になってます。でも、日本の工芸品では、例え金を使っていても決して金が主役になっていない所が好きです。漆黒の地に金の蒔絵のお重なんて本当に素晴らしいと思います。 仕事柄、外国の仕事先の人間になにか日本のお土産を持参する事が多いのですが、今までの経験で一番相手に喜ばれるのが「漆黒地に金の蒔絵の漆器類」です。外人にしてみると「これぞ東洋の神秘」って言う感じなんでしょうか。まぁ、ベタの品種としては華やかさと言う点では、この中ではイエロー・ドラゴンの系統が一番なのは確かなんですけどね。 それと個人的に少々興味があるのが、このイエロー系ダルメシアンに対して華僑の方々がどの様な評価を下すのかと言う事です。以前から何度かこのブログでも紹介しているように、イエロー系のベタは「風水的に金運を招く」と言う事で、華僑の方々に絶大なる人気を誇っています。要するに「イエロー=金、金塊」って言う連想なんだと思いますが(笑)、その観点からするとヒレに真紅のダルメシアンパターンが入るのは凶なのか吉なのか?おそらく、ダメなんだと勝手に想像してます。
2010/01/24
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ベタに限らず、改良品種と言う奴は一度ある系統のベーシックな品種が固定されると、その後は簡単にと言う訳でもないのでしょうが次々と新品種が派生してきます。ダルメシアン系も同じ事で、例えば今日の画像の個体はカッパー&レッド・マルチのヒレを黒地に真紅のダルメシアンスポットに作り上げたものです。元々は精悍なイメージの強い品種でしたが、ヒレに真紅の斑紋が血飛沫のように散在していると、なぜかより一層凄みを増した表現になっている気がします。 今後も間違いなく、様々な品種に真紅のダルメシアンスポットが導入されていく事でしょう。もっとも、ヒレに真紅の小斑紋が散っていた方が美しい品種と、なんだか反って見栄えがしなくなると言うか、うるさい感じになってしまう品種が存在するのは事実ですから、ブリーダーの方々がむやみやたらにダルメシアンの血を自分の系統に混ぜないでいただきたい物だと、個人的には思います。
2010/01/23
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ベタブリーダー達の改良意欲は留まる所を知らないというか、ダルメシアンを使った新品種の作出は物凄い勢いで行われています。毎月バンコクに出向くと確実に3,4系統の今まで見た事がないようなダルメシアン系の個体をを見かけます。もっとも、これらすべてがちゃんと品種として固定される訳ではなく、市場で人気のなかった系統は1回限りで世の中から姿を消す事になるんですけどね(苦笑)。 今日紹介する個体も、そんなダルメシアン系の新品種の一つです。ベースはマスタードガスと思われますが、ボディにはベッタリとメタリックブルーが覆いかぶさっています。ダルメシアン系に限らずこのところ、この「ボディにベッタリとメタリックカラーが乗る」タイプが増えています。まぁ、普通に考えるとメタルドラゴンとの交配な筈なんですが、なんとなく見た目がドラゴン系ではない気もします。ブリーダー達も「ドラゴンの血は入れていない」って言いますし、ドラゴン系ならば同腹の子供世代にボディが完全なメタルドラゴンになっていない個体がいそうな物ですが、なぜか見かける個体はすべてほぼ見事にメタリック一色のボディになっています。今の所正確な系統はよく判りません。 なかなか見事な品種なのですが少々心配な点が一つ。今の所この系統を作出しているブリーダーがは私の知る限りでは1人だけなのですが、へたくそなのか貧乏で餌をちゃんと与える事が出来ないのかよく判りませんが(苦笑)、どうも個体がやせ気味で尾開きや体型も今一な事です。これは、この品種に限らずブリーダーが手掛けるすべての品種に共通してますから、品種の持つ遺伝的な欠陥ではないと思われます。 正直このブリーダーが今後も商売を継続できる確率はあまり高くないと思います。その辺りにゴロゴロとベタブリーダーがころがっている?競争の非常に厳しいバンコクで、わざわざこのブリーダーからやせた個体を購入しようって言う奇特な人間はそうはいないでしょうからね~。おそらくは、私が数少ない「奇特な人」だと思われます。個体の仕上技術はダメダメですが、結構面白い着眼点で新品種作出するので、駄目元で仕入れてくる事が多いんです。 まぁ、そうなれば彼だけが手掛けるこの系統は世の中から姿を消すって言う運命にあります。もっとも、この系統に目を付けたほかのベタブリーダーがこの系統を手掛けるようになれば別に問題はないんですけどね。
2010/01/20
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オレンジ・マスタードガスのダルメシアンが出来ちゃったら、当然マスタードガスにだって・・・って言う事ですぐに後を追うように登場したのが、マスタードガス・ダルメシアンです。こちらは、ヒレの基調色がオレンジではなくイエローになっています。なんだかオレンジベースよりもより一層ダルメシアンの特徴が際立つような気がします。まだバンコクで見かける数はオレンジ系より少ないのですが、確実にその数を増やしていますので、あっという間に定番商品になるのではないでしょうか。 ただ、未だ改良途上の為かそれとも遺伝的な問題なのかボディがソリッドブルーに染まったマスタードガス・ダルメシアンという奴にはお目にかかった事がありません。どうしても今日の個体のように褐色ベースでその上にブルーの発色が乗る個体ばかりです。個人的にはその方が美しい気がしますが、何しろバンコクブリーダーの改良の鉄則「ボディはよりソリッドに」って言う奴がありますから(苦笑)、いずれソリッド・ブルーのボディに代わっていく物と思われます。 それと、これまた不思議な事ですが何故かジャイアントプラカットにこのタイプの個体が多く見られます。元々ジャイアントプラカットで最初に作出されたのかそれともたまたまジャイアントのブリーダーがダルメシアンパターンを好む傾向にあるのか判りませんが不思議な傾向です。今の所ショーベタへの移植は完成していない感じで、見事なヒレの形状のマスタードガス・ダルメシアンと言うのはほとんど見かけません。まぁ、登場するのも時間の問題だとは思いますが・・・(笑)。
2010/01/18
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面白いもので、ベタのカラーリングは無尽蔵にあるみたいですが、確実に相性のよい組み合わせと言う奴が存在します。例えばヒレのオレンジの発色とブルーのボディと言うのはどうやら作りやすいみたいです。典型的な例がオレンジ・マスタードガスって事になるでしょうか。そんな相性のよいカラーリングな訳ですから、オレンジ系でほぼ品種として確立されたダルメシアンが、オレンジ・マスタードガスに移植されるのは、自明の理って奴でした。 それでもって、期待通りに登場したのがオレンジ・マスタードガスのダルメシアンバージョンです。今日の個体はボディがややパステル系になっているので、この品種の典型的な表現形からは少し離れてますが、要するにボディはブルー系でヒレの基部がオレンジ、そして各ヒレには真紅のダルメシアンパターンと言う事です。 もちろん、華やかで美しい品種なのですが、バンコクではベタブリーダーたちがいっせいにオレンジ・マスタードガスにダルメシアンの血を混ぜた物ですから、ダルメシアンでないオレンジ・マスタード自体は逆に見かけなくなって来てる気がします。 このダルメシアンと言う形質が、遺伝的にどのくらい強いか・・・つまり、一度混入したダルメシアン形質が何世代くらいで排除できるのか判りませんが、個人的には結構しぶとい(笑)形質のような気がします。まぁ、ダルメシアン入っていた方がよりゴージャスな気がしますから別に構わないと思いますが、出来れば非ダルメシアン系もキープしてもらいたいなぁって密かに願ったりします。
2010/01/17
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昨日からの続きになりますが、鱗に暗色の縁取りが有るオレンジ・ダルメシアンはバンコクのブリーダー達によって、こちらの予想通りに?改良が進み(笑)、今では今日の個体のように、ボディには暗色斑がまったく存在しないタイプにシフトしつつあります。おそらく、今後はソリッド・オレンジでヒレに真紅のダルメシアンパターンと言うのがゴールっていう事になるんでしょう。まぁ、今日の個体は更にボディやヒレにゴールドの輝きを取り入れた最新品種なのですが、いずれにしても改良ベタの進む方向と言うのはどうもワンパターンの気がします。ボディはよりソリッド(単色)に、そしてドラゴンパターンはボディ全体を覆いつくす(メタルドラゴン)様に・・・ 品種改良が進むと言う事は、それだけその系統の純度が高まるという事ですからそれ自体は実に素晴らしい事です。ただ、趣味で楽しむ者にとっては意外性がなくなるって言う問題点もあるんですよね。つまり、系統維持が進んだ品種はブリーディングした際のブレ、つまり仔魚達の表現形にバラツキが少なくなる訳です。初めの内は、自家繁殖個体が親と同じ表現形ばかり出現すると単純にうれしいのですが、それじゃあその系統を何世代も系統維持するのが楽しいかって言うと・・・かなり微妙です。やっぱり、少なくとも趣味でベタを楽しむんだったら「うわぁっ!なんでこのペアからこんな表現形の子どもが生まれて来るんだよぉ!!」って言う、いい意味での曖昧さがないとイカンと爺は思うんですじゃ。 オレンジ・ダルメシアンに関しては個人の好みの問題ではありますが、私としては昨日のつまりは旧バージョンの方が好みなんですけどね~。改良がどんどん進むということは喜ばしい事なのですが、如何せん彼らも伊達や酔狂でベタブリーダーやってる訳ではなく、こちらの想像以上に思い切り生活がかかってますから何パターンものバリエーションを同時に系統維持していく余裕なんてありません。結果的に、旧バージョンはあっという間に世の中から姿を消してしまうと言う訳で、寂しいもんです。 もっとも、そんなこと言ってる私だって碌に自家繁殖できてませんから彼らの事とやかく言う資格なんてありませんけども。
2010/01/16
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ヒレにかすり模様や小さなスポットが散在する「ダルメシアン」は以前からそれらしき模様は存在していました。しかし、品種として確立されたのはショーベタのオレンジ・ダルメシアンだった気がします。なぜ、数ある改良ベタのカラーバリエーションからそれ程個体数が多くはないオレンジだったのかはよく判りませんが、とにかく数年前から国内でもダルメシアンのショーベタがちらほら見かけられるようになっていました。 バンコクのプラカットにダルメシアンタイプが見られるようになったのは、それよりも遅くここ2,3年と言った所ではないでしょうか。おそらくは、ショーベタから移入された物と思われます。その為か、プラカットのダルメシアンはオレンジ系が非常に大きな割合を占めます。特に初期の段階ではほぼ100%オレンジマルチ系でした。 画像の個体は、そんなバンコクのダルメシアン作出初期に出回ったタイプで全身が明るいオレンジで鱗は暗色に縁取られ、各ヒレには血のように濃い赤い斑紋がかすり模様の様に散在しています。なぜか、バンコクの作出ブリーダーはその当時「オレンジパステル・マルチ」ってこの系統を呼んでました。これまた何故か(笑)、今ではその名称が「オレンジ・ダルメシアン」に変わってますけどね。 我が国ではイエロー系やオレンジ系は今ひとつの人気と言う事で、この品種もそれほど売れ筋と言う訳ではありません。でも、個人的にはかなり好みのカラーバリエーションです。鱗の暗色の縁取りも、有った方が見た目が引き締まるような気がして特にプラカットには似合っていると思います。ただ、作出ブリーダーはボディはピュアオレンジの方向に持って行きたいようで、残念な事にこの系統はバンコクでもあまり見かけなくなってきてしまいました。
2010/01/15
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ずいぶんと間が空いてしまいました。どうも正月明けから、体がだるくそして物凄く寒い感じがして絶不調だったもので、ブログの更新とかもあまりヤル気がおきませんでした。まぁ、どう考えてもインフルエンザだったとしか思えませんけど、医者にも行かず無理やり治しました。学生時代に、サッカーやる前からなんとなくけだるかったのですが構わずプレーに熱中し、後で体温計ったら38度越えだったり、40過ぎにもなって子供に「水疱瘡」うつされ39度を越える熱があるにもかかわらず、まったく平常と変わらない生活を行っていたりと、どうも昔から発熱にはやたらと強い体質のようです(苦笑)。今回も、おそらくはかなりの高熱だったのでしょうが、特に体温計る事もなく終わったようです。 一応、体調も回復したと思われるのでそろそろ遅まきながら2010年の「さかなおやじのひとりごと」をスタートさせましょうかねっ!・・・って訳で、今日からテーマは「ダルメシアン」に移ります。このダルメシアンと言う品種は、ヒレに細かいかすり模様やスポットが散在するタイプを指し、比較的最近になって作出された系統です。カラーリングには特に明確な決まりはないため、理論上はあらゆるカラーバリエーションでこの「ダルメシアン」は存在すると言う事になります。 名前の由来は、誰が考えても御分かりのように、犬の「ダルメシアン」から来ています。そう、あの有名なディズニーの「101匹わんちゃん」のやつです。もっとも、犬の場合はホワイト地にブラックのスポットですけどね。 ところで、今日紹介した個体は本来の意味での「ダルメシアン」ではありません。ただ、ボディに散在する小さなスポットが「犬のダルメシアン」そっくりと言う事で、ダルメシアン・マーブルと呼ばれています。これからご紹介する予定の「ダルメシアン系」とは由来も見た目も全然違うのですが、個人的には今日の個体の方が正しい意味でのダルメシアンな気がしますね~。まぁ、次回から紹介するのは今日のようなダルメシアンスポットの個体ではなく、ベタホビー界で「ダルメシアン」と呼ばれている個体たちということになります。
2010/01/14
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色彩面での決まり事がないパステル系は、今まで紹介した比較的特長のはっきりしている系統以外にも・・・と言うよりは、以上に物凄いカラーバリエーションが存在します。例えば、今日の個体は、一見するとパステルホワイト系のマルチカラーに見えますが、実はこの撮影の数週間前まではボディに見事なマーブル模様が存在していました。 つまり、バンコクで仕入れた時点ではトリカラー・パステル・マーブルだった訳です。これなんて、自分で入手してキープしているうちに見る見る外見が変貌したのでその由来が判りますが、いきなり今日の画像の状態で入手したら、これがマーブル系だと言うことは想像する事すら困難でしょう。それにもかかわらず、おそらくこの個体を元親に繁殖をすれば、次世代にはほぼ確実にトリカラー・パステル・マーブルが出現すると思われます。そして、子供はかなりの確率で親と同じ様な模様の変化をしますから、この場合の子供世代は若い個体の内はボデイにダークブルーの見事なマーブルパターンがあり、成長と共に白抜けしていく事が予想されます。 この例で判るように、自分の所で繁殖させた際に次世代の表現形が一番予測し難いのがこのパステル系と言えるでしょう。現在目の前にいる個体の真の姿と言うか、系統は自家繁殖個体でもない限りは判別が困難ですから。私の所でも、「あれっ?なんでこんな子供が出現してんだろう??」って言う奴が生まれてくるのは、このパステル系である事が多いようです。まぁ、そんな現象を楽しめるか、それとも系統維持に邪魔として忌み嫌うかによって、このパステル系に対する評価は分かれてくるんでしょうね~。
2010/01/05
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新年明けましておめでとうございます。旧年中は、このブログに沢山の皆様がお越しいただきまして、本当に感謝感謝でございます。皆様はどの様な年末年始をお過ごしでしたでしょうか?私は、例年同様「何にもしないで、ただひたすらダラ~ッと過ごしておりました」(笑)。去年は、本業に加えて副業の逸品堂の多忙にかまけてブログの内容も大部分がベタ関係と、本来のこのブログの趣旨からはかなり遠い所で続けてしまいました。今年は、少しだけでもベタ以外の魚についてブログに登場させる事が出来ればいいなと思っております。・・・って、思うだけなら簡単なんですけどねぇ。 少し間隔が開いてしまいましたが、パステル系のバタフライと言えば本来の意味で言えば今日紹介する個体などは「真のパステル・バタフライ」と言って良いのではないでしょうか。典型的なトリカラー・パステル・バタフライでありながらヒレの外縁が白くバタフライバンドで縁取られています。まだ、バタフライバンドが細いのが残念ですが、現時点ではプラカットとしては間違いなく最高レベルのトリカラー・パステル・バタフライと言えるでしょう。 この個体は以前登場した、パステル・マルチを狙って作出している私が知る限りのただ一人のブリーダーの手によるものです。特筆すべきはヒレのローズレッドの鮮やかさで、なかなか通常のパステルではここまでの発色は見られません。奴の事ですから、バタフライバンドも今後、より明瞭で太いものに改良されていく事でしょうから、将来楽しみです。もっとも、品種としての人気はあまり高いとはいえないところが実に不安ですが・・・
2010/01/04
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今までバンコクで物凄い数のプラカットを毎月の様に目にしてきた訳ですが、前回のマスタードガス系と並び、印象に残っているのが今日のパステル・サラマンダー・バタフライです。まぁ、無理やり取ってつけたようなネーミングですが(苦笑)、その名の通りボディがブルー系でヒレの付け根がローズピンク、ヒレの先端部分はホワイトバンドと言うサラマンダー・バタフライとパステルホワイトとの交配だと思われます。 確かに、ブリーダーの狙い通り?ヒレのホワイトバンドの部分は幅広くそしてパステルホワイトに染まり幻想的な雰囲気は確実にアップしています。ただ、本来はブルー系のまま維持したかったボディまでがパステル・マルチ調になっちゃったのが誤算でしたね~。ただ、個人的には結構好みのカラーリングでして、バンコクで見かけた際は必ず仕入れるようにしていました。しかし、最近ではほぼ完全に市場から姿を消してしまった様です。まぁ、あんまり人気が無かったのもあるでしょうが(苦笑)、それより何より系統的にアバウトなパステル系の血を混ぜてしまった事で、得られる子供世代の表現形が清々しい位に多種多様になってしまった事で、品種としてまとめるのが無理になっちゃった事が最大の原因なのだと思います。 最初の内は「パステル・サラマンダー」とか自慢げに言っていた彼らが、お終いの方では「あっ、ああ・・・それはファンシーだよっ」ってなんだか面目なさげにボソボソ話すようになってましたから(笑)。確かに、改良ベタの系統の純度と言う点では、神経質なほどのこだわりを見せる日本人とは正反対のマイペンライなタイのベタブリーダーでも、この系統ほどカラーバリエーションが際限なく広がっちゃうと、ブリーダーとしてのプライドが傷つくみたいでした。 個人的には、可愛らしい品種なんだからそんなこだわりなんて捨てちゃえばいいのにって思いますけど・・・って、完全に私自身が「マイペンライ」なタイ人気質に染まっちゃってる気もします。
2009/12/28
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パステル系はその性質上、どうしてもマルチカラーが多くなってしまいますが、その他のカラーパターンが存在しない訳ではありません。その数は非常に少ないですが、パステル・バタフライと言う系統もちゃんと存在します。例えば、今日の個体はあえて名前を付けるとすればパステルマスタードガス・バタフライと言う事になるでしょうか。ボディが黄褐色の地の上にパステル調のパープルブルーが載るマスタードガスをベースに、ヒレ先にホワイトのバタフライバンドを持たせた品種です。 現在、バンコクでも私の知る範囲で2人のブリーダーがこの系統を手がけています。一人の個体は、色彩・ヒレの形状などコンスタントに優れているのですが、唯一つ欠点が・・・。どうも、奴の所のベタは口先が妙に尖っているのです。中には「お前は、デルモゲニーかぁっ!」って言いたくなるような個体も。別に奇形とまでは感じませんが、個人的にはあまり好みではない頭部の形状と言えます。これが、先天的なものなのか、もしくは育成過程の餌の種類など後天的なものなのかは定かではありませんが、彼の手掛ける違う品種も総じて口先が細いので、おそらくは後天的なものかと・・・。 もう一方のブリーダーの個体は、表現にバラツキがあり品質のレベル的にはやや劣りますが中には物凄い逸品も混ざっています。ちなみに、今日の画像の個体はこちらのブリーダーの作出したベタです。もっとも、こちらのブリーダーにも問題が無い訳ではなく、とにかくサイズ的に小さいのです。別にそう言う系統と言う訳ではなくまだ若魚のうちに販売してしまうのが原因なのですが、仕入れる側にしてみるとバンコクから持ち帰りすぐに販売できず、1ヶ月近く日本国内で育成してから販売せざるを得ない為、結構面倒です。しかも、仕入れ価格は他所のブリーダーと変わらないんですから困った物です(苦笑) 画像の個体は色彩・体型・ヒレの形状などどこをとっても一級品ですが、このレベルの個体を探すのは並大抵の事ではできません。特に、ヒレ先のホワイトバンドが太く明瞭な個体は非常に希少です。また、地色のイエローがなかなかキレイに発色してくれないで黄土色になってしまっている個体も非常に多く見受けられます。 この品種自体は非常に美しい系統ですが、個人的に欲を言えばもう少しボディのパープルブルーが色濃く発色してくれるとうれしいんですが・・・。もっとも、ボンヤリした発色が持ち味のパステル系品種にそれを求めるのはチョット無理がありますけどね(笑)。
2009/12/26
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ずいぶんと見た目が異なりますが、一応今日の個体もカテゴリー区分では前回の個体同様パステルオレンジ・マルチと言う事になります。前出の個体がオレンジとパステルホワイトが均質に交じり合った感じなのに対して、今日のタイプではオレンジの地色の上にパステルグリーンを上塗りしたような見た目をしています。 バンコクで見かける頻度で言えば今日のタイプの方が圧倒的に多いようです。反面、この系統はあまりきちんと系統維持されていないのか、前出の個体のように体型やヒレの開きが素晴らしいと言う個体を見かけることはなかなかありません。 ぱっと見では、オレンジ・ドラゴンによく似ていますが、ドラゴンの方は各鱗にパールホワイトの輝点があるのに対して、パステル・マルチの方はボディ全体にベッタリとパステルグリーンが乗っている感じなので、慣れてくると区別できます。もっとも、ドラゴン系の改良パターンを考えると、この先オレンジ・ドラゴンのボディがメタルドラゴン化する事はほぼ確実でしょうから、そうなると両者の区別はかなり困難になって来るでしょうね~。更に、オレンジ・ドラゴン×パステルオレンジ・マルチなんて交配やられた日には、完全にお手上げ状態になる事必至です。
2009/12/25
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非常にカラーバリエーションが豊富なパステル・マルチの中では、今の所一番安定した表現形を見せるのが今日のパステルオレンジ・マルチなのではないでしょうか。幼少の頃あった「オレンジ牛乳」や、今でも見かける「ヤクルトジョア オレンジ味」みたいなカラーリングの品種で、バンコクでも数人のブリーダーが系統維持しているようです。しかも、プラカットだけではなくショーベタやジャイアントでも、同じカラーリングの系統が確立していますから、タイ人の好きな色なんでしょうか?なんだか見ているこちらの方もホンワリした気分になってくる、暖かな色調なのでこれからの寒い時期にはお勧めかも(笑)。 話は変わりますが、先日ブログで愚痴ったイギリス出張の話ですが、結局来週のバンコク行きの帰路にロンドンに入る日程で決まりました。まぁ、前にも述べたように一度バンコクから帰国してから改めてロンドンに出張するよりはずっとましですが、バンコクで仕入れた逸品堂向けのベタ達の処遇に困ります。まさか、バンコクから極寒のロンドンにベタ持ち込む訳にも行きませんしね~(苦笑)。 仕方が無いので、バンコク入りして仕入れるベタをチョイスしたら現地の知人にそのベタ達を預けて、ちょうど私がイギリスから帰国する日に合わせて、バンコクから空輸してもらおうと思います。本当は、バンコクに出向く費用とベタの空輸代がダブルで必要となっちゃいますから経費的には非常にもったいないのですが、安全面から言えばこれが一番でしょう。 もっとも、空輸の場合ある程度までは荷物の重量にかかわらず料金が一律です。だから、せっかく空輸するのならいつもより大量に仕入れちゃおうかなぁ~って思ってます。ただ、そうなると輸入後の国内での収容設備の問題が・・・。そんな訳で、あわててYahoo!オークションに手持ちのプラカットを多数出品しましたが、ショーベタならばともかく認知度の低いプラカットがどこまで捌けるかは少々疑問です(苦笑)。たまたま手持ちの水槽に空きがあって、ちょうどプラカットでも始めてみようかなぁ~なんて思っている、タイミングのよい(私にとって)方は、ぜひオークションもご覧いただければ幸いです(笑)
2009/12/13
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パステルホワイトとレッドと言う組み合わせもパステル・マルチとしては非常にポピュラーなカラーリングです。もっとも、観賞価値が高い個体はほとんど見当たりません。多くの個体は、本来はボディがクリームホワイトで各ヒレが朱赤のカンボジアタイプでボディがパステルホワイトに変わっただけの物です。別に色彩の好みは人好き好きですから、カンボジア系がダメだとは思いませんが、なぜかパステルを交配するとボディだけではなくヒレの朱赤の部分にも白く膜がかかったようにパステルが入る事が多く、これは誰がどう見てもあまり美しくない個体になってしまうようです。 そんなホワイト&レッドのパステル・マルチも、根気よく捜していると今日の画像の様な、可愛らしい個体にめぐり合える事もあります。幻想的なパステルホワイトと濃いローズピンクの組み合わせは本当にキレイです。この画像を見た娘が「グリコのドロリッチ ベリーミックスゼリー みたいっ!」って言ってました(苦笑)。いい年こいて、その程度の発想しか出来ないんでしょうか??・・・って、思いましたが、よくよく考えてみると非常に的確なコメントだったりします。まぁ、この個体はカンボジアではなさそうですから、親の時点で十分キレイだったのかもしれません。系統維持とか言う事をまったく考えずに純粋に観賞して楽しむと言う事であればお勧めの逸品です。 まぁ、しいて個人的に更なる要求と言うか希望を言わせていただけるならば、頭部をもう少しすっきりとした物にしていただいた方が更によろしいかと思われます。パステル系の宿命みたいな物ですが、どうしても頭部はパステルホワイトではなく、その他のカラーに染まる事が多いようです。その際、キレイに一色で染まるのではなくこの個体のようにその色とパステルホワイトがダンダラ模様になってしまうケースがほとんどです。もう少しキレイに染め分けるか、ちゃんと混ざり合ってイチゴミルクみたいな色彩になってくれれば、より好感度アップなんですけどね~。
2009/12/12
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今日の個体は、パステル・マルチとしてもあまり見かけないカラーリングですが、パステル・マルチと言う品種を最も良く表現した物という見方も出来ます。このベタのような微妙で曖昧な色調こそがパステル・マルチの真骨頂な訳ですから。 前述のように、こんな感じの個体になるともう親魚はどんなペアリングだったのか想像するのも困難です。おそらくは、作出ブリーダーも良く憶えてないんじゃないでしょうか(笑)。どちらか一方の親にパステル系使えば、かなりの確率で子供世代はパステル・マルチになりますから、我々が自分の頭の中で想像したカラーリングに最も近い組み合わせで繁殖させれば、案外簡単にイメージに近い子供が採れちゃうのが、パステル系の長所です。 ただ、一度目標とするカラーリングに近い個体が得られたからと言って、すぐに系統として固定できるかと言うとそれは全然別問題です。品種固定と言う観点から言えば、実はマーブル系と並び一番難しいカテゴリーなのかもしれません。その点、ソリッド辺りなら混じりけの無い単一色にするまでは何世代も累代繁殖させる必要があるかもしれませんが、一度その様な個体さえ得られれば、その後は金太郎飴状態で系統維持も楽なもんです。・・・まぁ、殖やしても殖やしても同じソリッドばかり得られる事に飽きさえ来なければの話ですけどね(笑)
2009/12/11
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いかにもお手軽って言う感じのするパステル・マルチでも今日の個体ぐらいになると、さすがに狙って作りましたぁ!って言う作出者の信念と言うか方向性を感じます。元々が、薄めのカラーが特色のパステル系でここまで色鮮やかに仕上げるのには、作出ブリーダーの苦労も並大抵ではなかったと思います。 後の方でご紹介する予定ですが、本来彼はこのカラーリングでバタフライパターンと言うのを、改良の目標に据えて改良を重ねてきました。まずは、色鮮やかなトリカラー・パステル・マルチの系統を確立し、その後でバタフライパターンをプラスしようと言う考えです。従って、今日の品種自体はしばらく前から彼のファームで見かける事が出来ました。それが、2ヶ月くらい前にバタフライパターンを加えた個体もついに市場デビューを果たしました。 これまで紹介したパステル・マルチ系の3個体はどれもバンコクの同一ブリーダーの作となります。おそらく彼は、現在世界最高レベルのプラカットのパステル・マルチ ブリーダーなんではないでしょうか。・・・ただ。惜しむらくは今の所パステル・マルチと言う品種自体の評価があまり高くないからなぁ~(涙)。可哀想に、彼のところもあまり儲かってないみたいで、経営はかなりきつそうです。
2009/12/10
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今日の個体の色彩もパステル・マルチとしては典型的なものの一つです。特に、クラウンテールでは、このブルー&パステルホワイトのマルチカラーはかなりポピュラーです。もっとも、実際にはイエローやレッドなど他の色がどこかしらに混ざっているのが普通で、その辺りがソリッドやバタフライなどと異なり、良くも悪くもアバウトな系統たる所以です。 この個体も画像では少々判りにくいのですが、実物はヒレなどにかなりイエローの部分が存在します。作出ブリーダーもそんな細かい事は気にしてないでしょうし、色々な色が微妙に混ざり合ってる所こそが、パステル・マルチの醍醐味なんですから仕方ありません。「その辺りがきちんとしてなきゃ嫌だっ!」って言う人は、基本的にパステル・マルチには向いていません(笑)。 それと、このパステル・マルチ系に共通して言える事ですがマーブルとの区別が難しい個体が多々存在します。今日の個体だって、ヒレのブルーの入りかた見ると「マーブル?」って言いたくなりますよね。一応、マーブルの方は地色とマーブルパターンの境界線が明瞭であるのに対し、パステル・マルチの方は境界がぼんやりしているって言う事になってますが、実際にはなかなか判断は難しいものです。特に、パステル・マルチとマーブルを交配した系統になると、これはもう作出ブリーダー以外では判断不可能です。
2009/12/09
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今日から「カラー別プラカット図鑑」も新カテゴリーに移ります。今回はパステル系の品種について紹介して行こうと思います。パステル系とはその名の通り、パステル画の様なやや乳白色の混ざった色調の品種の事を指し、非常にバリエーションが豊富です。幻想的な雰囲気が最大の売りなのですが、反面他の品種のように「明確な定義」が無くあまりにも守備範囲が広すぎる為、「パステルってえのはコイツの事でぇっ!」と言い切れない所が難しいですね。 明確な定義が無いだけに作出ブリーダーもあまり考えずにお気楽に種親をチョイスする事が多い為か、とんでもない駄物も少なくありません。また、そのお手軽さが何事にも規則と法則を求める日本人の感性に合わないのか、ショーベタの世界ではソリッドやバタフライなどの明確に品種の定義がなされている系統に較べて一段低く見られる事も多いようです。また、「パステル系は固定されてないから」と言って軽視する方もいらっしゃいますが、これなどは思い切り日本人の思考の典型ですね。 確かにブリーダーやコンテストを目指すハイレベルの愛好家にとっては、系統の固定度も重要なのでしょうが、ただ飼育して楽しむと言うレベルの人にとってはそんな堅苦しい事は無視して構わないと思ってます。特に逸品堂のように自家生産ではなくバンコクで仕入れてきている店にとっては「品種の固定度」なんて語る資格もありませんからね~。逆に「もっとお気楽に、肩肘張らずに楽しむべき。本人が気に入ったならそれが一番!」と言うのが逸品堂のポリシーですから、そんな我が店にはパステル系はぴったりの品種と言えるかも(笑) もっとも、トラディショナルやクラウンテールでは最もポピュラーな品種であるパステル系ですが、なぜかプラカットではかなり希少な存在だったりします。もちろん、「こんなバッチイ個体はタダでもいらないっ!」って言う奴はいっぱいいますが、色彩・ヒレの形状・体型など満足できるレベルの個体となると本当に捜すのに苦労します。ちなみに、合格点レベルの個体をバンコクで捜すのが一番楽な品種は、プラカットならばレッド・ドラゴンじゃないでしょうか。 今日の個体は、そんなパステル系マルチカラーの最も典型的な色彩表現と言える個体です。あえて品種名で呼ぶならば「トリカラー・パステル・マルチ」って言う事になります。この個体は、バンコクではおそらく唯一真正面からパステル・マルチ系のプラカットの生産に取り組んでいるブリーダーのファームの作出です。
2009/12/08
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マスタードガス系からの派生品種には、オレンジ・マスタードガスと言う品種もあります。まぁ、オレンジ&ブルーなので、今回のカテゴリーではありませんが、マスタードガスつながりと言う事でここで紹介しておきます。 まだイエロー&ブルーのマスタードガスに較べて個体数は少ないですが、一応今まで登場したイエロー系のマスタードガスとほぼ同じバリエーションがあります。華やかさと言う点ではイエロー系に一歩譲りますが、オレンジの発色が安定していると言う長所があります。また、どう言う訳かサイズが大きめで体型やヒレの開きなどが良好な個体が多く、まずハズレがありません。 それと、このオレンジ・マスタードガスはジャイアント・プラカットに非常に多く見られるのも特徴の一つです。逆にイエロー系のマスタードガスはジャイアントではかなり希少な存在なので、不思議と言えば不思議な事です。まぁ、この辺りは単に作出ブリーダーがオレンジ・マスタードガスが大好きなだけかもしれませんけどね。ジャイアントに関しては、プラカットやショーベタほど沢山のブリーダーが手掛けている訳ではないので、バンコクで入手できる個体も数人のジャイアントのブリーダーの個体に限定されているようなので、なおさらその傾向が強いのかもしれません。
2009/12/08
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マーブル以外の品種でもマスタードガス系の物と言えば、バタフライがあります。最近ショーベタではかなりポピュラーな感じになってきたマスタードガス・バタフライですが、ヒレの短いプラカットでは未だ非常に希少な存在です。まぁ、マスタードガス系に限らずプラカットのバタフライは珍しいんですけどね。 バンコクでこの品種を手掛けているブリーダーによると「生まれてくる子供のほとんどは、ヒレの外縁にほんの少しだけホワイトエッジが見られるだけなので、そいつらはとてもバタフライとは呼べない代物」だそうです。もっとも、バタフライパターンが見られなくても、マスタードガスと言う品種自体人気がありますから、そんな個体でも売りさばくのに苦労はしないと思います。 今日の個体なんぞは、そんな中非常に珍しい事にかなり明瞭にバタフライバンドが見られます。しかも、胸ビレにもホワイトのイヤリング(バンコクのブリーダー達はそう表現してます)がくっきりとしています。ただ、ここまでの個体はおそらく1腹で数尾がやっとだと思います。 それと、このマスタードガス・バタフライの品種固定を妨げている最大の原因は、繁殖に用いたいレベルのメスがオスに輪をかけて希少だと言う所にあります。オス以上にヒレの短いプラカットのメス個体では、ヒレ先に明瞭なバタフライバンドのある個体を得ることは至難のわざと言う位大変です。唯一、まぁ、入手できるかなって言うのはラベンダー&サラマンダー・バタフライ位です。
2009/12/05
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マスタードガス系のマーブルは別にブラックボディベースの物に限りません。今日紹介する個体は、ノーマルのマスタードガス・マーブルです。最近ではバンコクでも結構よく見かけますので、あちらでは複数のブリーダーがこの品種を手掛けているようです。ただ、マスタードガス・マーブルと言っても、ブルー&イエローの組み合わせは今の所ヒレの部分に限定されているようです。何故か、ボディに入るマーブルパターンはブルー&ホワイトになります。つまり、逸品堂での販売名は青・白・黄色の「トリカラー・マーブル」って言う事です。 爽やかな色調でそれなりに美しい品種なのですが、今の所イエローの発色が薄めの個体がほとんどなのが残念です。これで、レモンイエローや山吹色の個体が出来ればかなりの人気品種になると思うんですが、なかなか現実は厳しいようです。また、ボディのマーブルパターンも今の所あまり複雑な物は出来ないようで、ほとんど白がちのボディになるか、逆にほとんどブルー一色で頭部付近がモンスターではありませんが白くマーブルになるかのどちらかの表現の物ばかりです。 それと、この品種のつらい点は私の撮影技術ではイエローの発色を上手く画像で再現できないと言うところにあります。今日の画像の個体も、本当はもう少し色鮮やかなイエローの発色だったのですが、どうも色薄く白っぽい感じに写ってしまっているようです。おそらくは、背景が鮮やかなライトグリーンなのがいけないのでしょう。バックをブラックなど暗色系のものに変更すれば、もう少しキレイに撮れるんでしょうけど。いつもそう言いながらこの品種だけ撮影水槽の背景を変更するのめんどくさくて(苦笑)、そのまま撮影しちゃってます。
2009/12/04
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なんと言っても、ブラックボディのマスタードガス系品種の究極は今日の個体だと思います。ヒレの部分はメタリックブルー系のマスタードガスのそれですが、ボディはほぼ完璧な漆黒にメタリックブルーのマーブルパターンと言う、この世に存在するとは思えないほどの物凄い表現形です。特に、自分でマーブル系の繁殖を手掛けた事のある方ならば、このマーブルの異様な難易度の高さはきっと理解できる事でしょう。 カラーリングに対して、ボディバランスやヒレの形状にはまだまだ改良の余地はありますが、この表現形を作出するだけでおそらくは精一杯だと思います。この系統で、完璧なフォームを求めると、おそらくは数千分の一とか下手すれば数万分の一とか言う確率でしか得る事が出来ないでしょうね。 私が生涯で見たマーブル系の中でも、カラーリングに関してはまず5本の指には入る個体だと思います。残念ながら、この系統が出回ったのは2年前の事でしたしメス個体は入手できませんでした。この系統はブリーダーから仕入れたのではなく、バンコクの市場で専門店から購入しました。明らかに同系統と思われる個体3尾(すべてオス)をその時仕入れましたが、店主に尋ねても作出ブリーダーに関して何の情報も得る事が出来ませんでした。まぁ、別にこのベタ屋の親父がケチだとかセコイって言う事じゃなく、彼は片言の英語しか解さないため会話が成立しなかったからなんですけどね。 個体を仕入れてから3ヵ月後くらいに、再び彼の店に行きこの系統の事を今度は少しは英語がわかるほかの店のおばちゃんえお無理やり引き連れて(笑)通訳させ尋ねてみましたが、彼はこの系統の存在さえ憶えてませんでした。しかも、その後バンコクではまったくこの系統と思われる個体にめぐり合えませんから、おそらくは系統維持できず消滅してしまったのでしょう。うーん、あまりにも惜しい系統です。
2009/12/01
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