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前回テトラミンスーパーを滅多切り(笑)したこのコーナーですが、今回は一部アクアリストに絶大なる人気のあるおとひめをご紹介いたしましょう。日清丸紅飼料というバリバリの飼料メーカーから発売されているこの餌は、本来は海産養殖魚のための餌です。したがって、熱帯魚用フードと言うカテゴリーとしては番外編とでも言うべきでしょうか。 おとひめは顆粒タイプの餌で養殖業者向けの餌だけあって、そのサイズは実に細かく分かれています。ちなみに画像のものはおとひめB-2と言う商品で、顆粒の直径が0.36-0.62mmと孵化したてのブラインより一回り大きなサイズになっています。まぁ、小型カラシンやグッピー辺りならばこのサイズがお勧めです。ベタ成魚ならばその上のサイズのC-1かC-2辺りが最適でしょう。本来は緩やかな沈降性、つまり始めのうちは水面に浮いていますが水を含むとゆっくりと沈んでいくタイプの餌ですが、コリドラスなどの底棲魚ならばおとひめヒラメと言う沈降性のタイプもありますからそちらをどうぞ。 本来海産養殖魚用のこの餌がなぜアクアリストに支持されているかの一番の理由が、その嗜好性の高さにあります。市販の人工餌の中でも確実にトップクラスの嗜好性を誇り、この餌を食べない魚は生餌以外受け付けないんじゃないかと言うほど!人間様が食べてもいいかな?って一瞬思わせるほど(笑)、エビの香ばしい香りがします。あっ、あとクリープ(コーヒークリーム)の匂いもするんですが、この件に関しては私の友人たちはお前の鼻だけに匂うんだっ言ってますので本当のところは判りません。また、養殖魚用飼料ですから栄養価の点でもまったく心配要りません。 抜群の嗜好性と安価なことから、一部の熱帯魚ショップでこの餌を販売しているところもあるようです。もちろん、非常に優れた餌ですからぜひとも世に広めていただきたいものです。その点では諸手をあげて賛成なんですがぁ~(笑)、ショップオリジナルフードって謳うのはいかがなものかと思います(苦笑) 今のところ褒めてばかりいてまったく欠点の無い餌のようですが、実は大きな問題点が2つほどありまして・・・。一つは、元来養殖業者向けですからメーカーも一般アクアリストの事などはアウトオブ眼中です。したがって、小分けされたものなどは存在しません。ちなみに2枚目の画像が一袋、つまり最小サイズって事になります。その重量はなんと2kg!どれ位の量かって言うのは一緒に写っている私の携帯からご想像ください。 はっきり言って、絶対に一般家庭で使い切ることの出来ない量です。一度開封してしまえば、どんなに気をつけて貯蔵しても餌の劣化・酸化は進行してしまいますから、開封後せいぜい半年もすればいくら残っていても廃棄って事になるでしょうね~。その点からもショップが購入し、小分けにして販売と言う形が望ましいでしょう。 2つ目の問題点が、栄養価!えっ?さっき栄養には問題ないって書いてたじゃないかって?(笑)。実はこの餌、高タンパク質と共に高脂肪でして・・・。もちろん、元々養殖魚を少しでも早く成長させて出荷可能サイズにまで育てることを目的に作られているんですから当たり前の話です。べつにこの餌の栄養バランスが異常なのではありません。でも、アクアリストが嗜好性が高いからってバカバカこの餌与えていると・・・与えているとぉ~!・・・間違いなくあなたの愛魚はブタ一直線です。また、熱帯魚と温帯魚である金魚は必要カロリーの要求度も違いますから、金魚愛好家の方がこの餌使うときはブタにならないように細心の注意が必要です。 ですから、私の所でもベタの成魚にはこの餌与えていません。変にふくよか(笑)な個体に仕上がっちゃいますから。ただ、ベタの幼魚用フードとしてはほぼ完璧かと思われます。私のところでは、孵化直後からブラインのみで育成していたベタの稚魚が生後1ヶ月過ぎくらいの時点からこの餌に切り替えます。ブラインだけだと栄養バランス偏ってるみたいですから。この餌使い始めるとベタの幼魚たちの成長スピードがグンッとアップするのが実感できます。たぶん、グッピーやランチュウマニアの方々も同様の使い方をされているのではないでしょうか。 まぁ今のところ稚魚~幼魚期の人工餌としては嗜好性、価格の両面からベストの選択であることはほぼ間違いないおとひめですが、願わくば日清丸紅飼料さんが変なスケベ根性だして(笑)、脂肪含有率を抑えた鑑賞魚用おとひめを発売してくれないかなぁ~?100g容器くらいのサイズで。
2008/05/16
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今日のアップはクラウンキリー(Pseudoepiplatys annulatus)です。クラウンキリーは西アフリカのシエラレオーネ周辺に分布する体長3cm前後の小型の卵生メダカですが、写真を見ていただければお判りのように、非常に美しくこれぞ「小型美魚の王道」とでも言えそうな魚です。ちなみに、クラウンとは王冠(Crown)の方ではなく道化師(Clown)の意味で、おそらくは体の黒白の縞模様や、ヒレの鮮やかな模様を道化師に見立てたのでしょう。 以前は結構レアな魚でしたが、最近では養殖も盛んで比較的手に入れやすい価格に落ち着いてきているのは喜ばしい事です。水質の悪化には敏感ですが、それ以外は意外と飼育しやすい魚で、餌も口に入るサイズならば人工餌も食べてくれます。また、イトミミズを長期間にわたって与え続けると、体色もぼやけ肥満した個体になってしまうので、イトミミズは与えない方が無難でしょう。性格は温和でサイズも小さいため、同居させる魚の選択には十分配慮してください。 この魚の魅力を最大限に引き出したいのであれば、水草を繁茂させた小型水槽にクラウンキリーだけ、もしくは底モノとしてオトシンやビーシュリンプと同居させて飼育するのが良いと思います。また、単独で飼育しても十分その美しさを堪能できる魚だと思います。 上の写真はクラウンキリーのオスです。オスは尾鰭がスペード状になっていて(写真では、ちょうど折れ曲がっていてスペードの先端部分が見えない)、しかも各ヒレには鮮やかな色彩があります。下の写真はメスの個体ですが、写真を見ていただければお判りのように、尾ビレや他のヒレが透明なのでオスメスは容易に判別できるはずです。ただ、若魚の内はオスも各ヒレが無色なので、ペアが欲しい時は十分に観察してください。なぜか、ショップで販売されている時はオスの比率が多いような気がします。別に、生産者が他でブリーディングされるのを防ぐためメスの放出をガードしているとは思えないので、単なる性比の偏りだと思われます。 1ペア以上のクラウンキリーを水草の繁茂した水槽で単独飼育していれば、繁殖も十分可能です。産卵はメダカに近いものがあって、水草の茂みなどにペアで卵を産み付けて行きます。産卵された卵は、水温にもよりますが10日から1週間くらいで孵化します。この魚、産卵までは簡単なのですがなにぶんサイズがサイズなため、稚魚の育成には苦労します。稚魚に与える最初の餌として孵化したてのブラインなんてとんでもないと言った大きさなのです。イメージとしては、人間の赤ん坊の目の前に仔ブタの丸焼きを丸々1頭ドーンと放り投げたようなものでしょうか(笑) しかし、この時期ならではの簡単な繁殖方法があるのです。それは、家の屋外で直射日光の当たらない(水温の上昇しない)場所に小型水槽やチョット大き目のバケツを設置し、その中でクラウンキリーのペアを飼育するのです。水面には稚魚の隠れ家として、ホテイアオイやボタンウキクサを浮かべておきます。1ペアか2ペアであれば、水もほとんど汚さないのでフィルターやエアレーションもなくても大丈夫です。水換えもシーズン中必要ないはずです。餌も成魚、稚魚ともに水槽内に自然発生したプランクトンやボウフラを「食べるので、いちいちあげなくても大丈夫!こんな状況で、秋風が吹き始めた頃設置した水槽の中をよ~く調べると・・・。結構稚魚がいるもんです。それでも、うまく行けば10~20尾くらいの稚魚は得る事が出来ます。 さかなおやじの所では、毎年この方式で夏から秋までに稚魚を得て、その稚魚を来年の夏の種親として・・・。と言うやり方で、ここ3年ほどクラウンキリーを維持しています。ほ~ら、この記事を読んでいるそこのあなたっ!今から屋外に水槽かバケツセットすれば、今年の冬頃には室内にセットされた美しい水草レイアウト水槽の中で道化師達の華麗なショーを存分に楽しむ事が出来ますゾ!
2005/07/19
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このシリーズも随分間が開いたので、古くからの読者の方は「また、企画倒れかぁ~ッ?」って思ってたでしょ?ねっ、そこのア・ナ・タ!(笑)。でも、もううっとおしいイギリス人も帰ったしコレでだいじょぶです。今日なんて、ほんとは成田空港から温泉直行の予定をこのブログのために帰宅したんですからね! さて、前回良い餌の決め手はやはりバランスの取れた栄養価にあると書きました。でも、市販の餌ってほとんどが似たような栄養価なんですよね~(笑)。例えば、今日の画像の後ろに写っているスタンドパックの餌は、かの有名な100均ショップ「ダイソー」で購入しました。後ろにある栄養組成によれば粗タンパク47%、粗脂肪7%となかなかの水準です。「じゃあ、別に数百円も出してテトラミン買わなくたっていいじゃんッ!」って事になっちゃいますね(苦笑)。 そこで登場してくるのが、栄養価以外の決め手となる要因です。その一番手が何と言っても嗜好性でしょう。やっぱり、せっかく餌をあげたのに愛魚達が見向きもしないんじゃ、飼育者としては淋しい限りってもんです。魚の嗜好性をアップするには、原料にある種のアミノ酸やヌクレオチド、ベタインなどの物質が効果的なのは判っています。ただ、1種類のアミノ酸がすべての魚種の摂餌を促進する訳ではない所に難しさがあります。また、製造コストの問題から良いと判っていても使えないものもあるでしょうし。まぁ、大概のメーカーは食いつきの良いエビやオキアミ辺りを増量する事で魚の食欲増進を謳っているようです。でも、コレじゃ釣りの撒き餌と変わりないじゃん(笑)。 また、嗜好性の高い餌が必ずしも魚の健康維持に良い保証はどこにもない訳です。本来、餌の良し悪しは、一つの餌をある程度長期間与え続けた事により魚が健康で美しく維持できるかどうかで判断すべきなんですけどね~。少なくとも我が国では、一に喰い付き二に喰い付き、三四がなくて五に価格(笑)って感じです。別にこの傾向はアクアリストに限った事ではなく、本来観賞魚管理のプロである筈のショップのオーナーでさえ同じです。 以前、ドイツに本社のある某メーカーで働いていた時、嫌ってほど経験しました。「この餌、物凄く高品質の原料使ってますから魚の仕上がりが違うんですよ~」「ふーん、でもテトラミンの方が食いがいいじゃん」「いや、長期間使い続ければ違いは歴然ですから」「でも、テトラミンの方が安いじゃん」「・・・もういいです」 ってな会話をどれだけ繰り返したことか(苦笑)。その典型と言うべきなのがデュプラ社(日本ではデュプラジャパンが取り扱い)の熱帯魚フード「デュプラリン」でしょう。この餌は、顆粒(サイズは各種あり)タイプの餌で何だか薬みたいな妙な臭いがします。少なくとも、他の餌にありがちな香ばしいエビの香りなんて微塵もありません。そして、最悪な事に魚が慣れるまで抜群に(笑)嗜好性低いんですよね~。大概の方は、1・2回使ってみて「なんだよ、この餌全然食べなじゃん!高かったのによ~!」って事でお蔵入り決定でしょう。でも、でもでも頑張って2ヶ月くらい与え続けると、あ~ら不思議、魚達は抜群の仕上がりを見せてくれるようになります。 当然の事ながら、我が国での評価はかなり低いですね~。このブログでは、そのような不遇な境遇にあえぐ良品からネームバリューに胡坐をかいているだけで実際には「鼻くそ丸めて万金丹(笑)」程度の有名品まで徹底的にバッサリやってやりますからね! ということで、次回からは待望の「観賞魚用フード各論」に入ろうと思ってます。さぁ~っ、メーカー関係者諸君ドンドン掛かってきなさいっ!(笑)。滅多切りにしてやるからね。あっ、でも褒めるべき所品はちゃんと褒めますのでその辺はご心配なく。また、メーカーに対する個人的な感情は一切排除してますので、個人的にあまり好きでないメーカーでも良い商品は良いとちゃんと言いますので、その点もご安心を!
2008/01/24
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今日のアップはレモンテトラ(Hyphessobrycon pulchripinnis)です。非常にポピュラーなテトラなので皆さん御存知でしょう。本来はアマゾン河に生息していますが、最近ショップで見かけるものは、ほぼ100%東南アジアで養殖されたものです。個人的には、ブラックネオンと並び「さかなおやじの大好きな小型カラシンベスト3~!」に入る程お気に入りの魚です。 東南アジアで大量に養殖されている魚の例に漏れず、レモンテトラも非常に丈夫で飼育は容易です。しかも、性質も温和ですからもう少し人気があってもいいと思うんですけどね~(涙) 所で、みなさんはレモンテトラの名前の由来はどうしてだと思います?以前、某雑誌のカラシン特集で「レモンテトラは、尻ビレのエッジが鮮やかなレモンイエローに染まる事からその名前が付けられた・・・」と言う記事を読んだ事がありますが、確かに冒頭の写真を見る限り正しい説のように感じます。しか~し!!実際には大違いです。正解は「全身がレモンイエローに染まるから!」です。 レモンテトラ大好き人間だけあって、さかなおやじの温室からここ十年以上、レモンテトラの姿が消えた事はありません。上の写真の真ん中辺りに写っている一段と黄色みの強い個体は、長年我が家で飼育しているレモンテトラです。私が、今のところに家を購入して引っ越してきた時に一緒に持ってきた個体ですから、少なくとも7年以上は生きている事になります。さすがに、7年も経過するとボディラインがやや崩れますが(笑)、まだまだ現役の美しさでしょ? ちなみに周りに写っている、やや小型で色見に乏しい個体は最近購入した若魚達です。通常ショップで見かけるのは、このレベルのレモンテトラだと思います。実は、我が家の主的な存在のレモンテトラもさすがによる年波には勝てないのか、夏場辺りからポツポツと☆になりはじめました。そこで、レモンテトラの伝統を絶やさぬため?新たな個体を追加したと言うわけです。 所で、レモンテトラは他のテトラに良く見られるようにオスのほうが美しい体色をしています。背ビレの縁が黒く縁取られているのがオス(冒頭の写真は2尾ともオスの若魚)というところでもオスメスの見分けは付きますが、成熟した個体ではそんな判別方法などまったく必要ないほど、オスは圧倒的に美しくなります。それこそ、全身レモンイエローに染まって、周囲の水にもその色が溶け出して来そうなほどです。 どれほど成熟したオスが美しいかは、今回写っている我が家の古株達はすべてメスの個体!という事からご想像ください。メスでさえ、このレベルなんですからオスの美しさは結構感動もんですよ。 えっ?なんでそれなら成熟したオスの個体を紹介しないのかって??それが不思議なんですが、我が家に来て7年以上経過したレモンテトラが夏過ぎからポツポツ☆になったって言いましたが、なぜかそれがオスばかりなんです。とうとう、成熟したオスの個体は皆無になってしまったと言うわけです。夏前まではオスメス共に10尾弱ずついたはずですから、単なる偶然とは思えません。 やはり人間同様、オスはメスにこき使われて早死にする運命なんでしょうか?うーん、我が家の縮図を見ているようでなんだか物悲しくなってきました(苦笑)。ねっ!奥様??
2005/10/27
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今日のアップはプンティウスの一種(Puntius sp.)です。ショップではプンティウス・ティクト(Puntius ticto)として売られていました。確かにティクトにすごく良く似てますけど、やっぱり別種だと思うのでここではsp.扱いしておきます。ちなみにsp.=species(種)の略で、動植物の種類がわからない時に使う記号です。なんだか一部マニアの間では、「種類がわからない=希少種」みたいな感覚があるのかやたらと「◎×△エスピー!」と表現する事が多いのですが、種類が判らないと言うのはその人間の知識のなさを露呈しているわけですから決して格好いいものではありません(苦笑) 本来はここまで地味な魚紹介すると、今までのパターンからすると酷評されるか無視されるんですよね(笑)。確かに、地味な魚だって自分でも判ってるけど。好きなんですよね~♪プンティウス属って! プンティウス属(Puntius)ってスマトラやチェリーバルブなんかが属するコイ科の1グループなんですけど、ほとんどの魚が我が国のフナ体形で親しみが持てるもののインパクトにかけるんですよね。だから、世界中から様々な色彩・体形・習性の魚が輸入されてくるようになった今では、完全にレトロな魚になってます(苦笑) そんなプンティウスがなぜ大好きなのかは自分でも判りません。でも、ショップで今まで飼った事のないプンティウス見つけたらどんな状況でも、どんなに状態悪くてもゲットしちゃうんです。これはまぁ、一種の病気ですな(笑) おかげで、我が家の温室には驚くほどたくさんの種類のプンティウスが泳いでいます。でもほとんどは本当に地味~な魚で、家族によれば「キレイのキの字もない」そうです。私も同感です・・・そう言った意味では、今日紹介したプンティウスなんてまだまだましな方!と言うより、はっきり言って我が家のプンティウスの中では極美とさえ言えるのではないでしょうか(笑) ところで、さかなおやじの温室のようにプンテイゥスsp.が何種類もいる場合、どうやってそれらを呼び分ければよいと思います?もちろん「プンティウス1号、2号・・・」でもかまわないですけどね(笑)。そんな時はaff.と言う略号を使います。例えば今日の魚ならPuntius sp.aff.ticto と・・・これは要するに「この魚はプンティウス属なのは、博識なオレには判っちゃってるんだけど、種類までは判んないんだよね~、チクショウ、悔しいぜっ!でもでも、この魚ってティクトっていう種類に似てるもんね~♪」と言う意味です。 これは特に、私のような分類マニア(単なるオタクですけど)が好んで使う、キザで嫌味な表現です(笑)この手の発言する人間は、私を含めほぼ人生の裏街道歩いている奴ばかりですから、決して近づかない方が良いでしょう。もちろん、餌なんて絶対に与えてはいけません!
2005/10/18
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形状による区分 シングルテールとダブルテール 尾ビレの形状でベタを分けると、大きくシングルテール(ST)とダブルテール(DT)に区分する事が出来ます。シングルテールの方は、所謂ノーマルな形状で、尾ビレが1枚の団扇状に広がるタイプです。これに対してダブルテールと言うのは、尾ビレが上下2枚に分かれ、ハート型になっている個体の事です。 このダブルテールと言うのは、本来尻ビレであったものが背ビレ部分もくっ付いてしまっている構造をしている突然変異個体を固定したものである事が、研究者によって確認されています。同様の現象は、日本のメダカのヒカリメダカにも見られます。人間に例えてみれば、両腕の部分から足が生えてしまっているような感じとでも言えばよいでしょうか?・・・って違うか。 本来尻ビレであるものが背ビレ部分から生えてきちゃっているものですから、ノーマルな個体の背ビレに比べて一段と幅の広い背ビレになっているのがダブルテールのもう一つの大きな特徴です。結果、全体的なフォルムがショーベタの理想型と言われている円型により近くなっています。 以前はダブルテールの尾ビレは2枚の葉が貧弱であったり、上下葉の分岐が十分ではなくハート型になった個体が多く、尾ビレの観賞価値という点ではシングルテールに劣るものでしたが、最近のダブルテールは尾ビレ上下葉が共によく発達し、ほぼシングルテールに見える個体が作出されています。 ・・・って、ここまで読んでくると「おおっ、ダブルテールってシングルテールより素晴らしいんだね!」ってなってしまいそうですが、長所ばかりではありません。ダブルテールは、その特異な体構造のせいで脊椎骨に異常が認められます・・・って言うか、基本的に100%異常です。市場に出回る個体は一見すると何の異常も認められませんが、その兄弟達の脊椎骨はグニャグニャに折れ曲がっているんです。鑑賞に堪えうる個体の出現率が低いと言う事から、ブリーダーとしては生産効率の悪い品種と言う事が出来ると思います。 遺伝的にダブルテールはシングルテールに対して劣性遺伝です。シングルテールの遺伝子をS、ダブルテールの遺伝子をsとすると、SSもしくはSsと言う遺伝子型の個体はシングルテール、ssの個体のみがダブルテールになる訳です。したがって、外見はシングルテールであってもSs型のヘテロタイプの両親であれば、子供に理論上は25%の割合でダブルテールが出現すると言う事になります。またダブルテール同士の交配では劣性ホモ同士の交配ですから100%ダブルテールの子供が生まれてきます。 ただ、ダブルテール同士の交配では、脊椎骨がそれこそクルクルに捻じ曲がった個体が多数出現してしまう事から、ブリーダー達はダブルテール同士の交配を好みません。また、脊椎骨異常の為ボディが通常よりも短めな個体が多く、特にオスは繁殖の際にうまくメスに体を巻きつける事が出来ない個体もいますので、繁殖の際はメスにダブルテールを用いた方が無難です。 その場合、繁殖に用いるオスがホモタイプ(SS)ならばF1世代はすべてへテロタイプ(Ss)のシングルテール。そしてF1同士の交配で得られるF2世代で25%のダブルテールが出現すると言う事になります。また、オスがヘテロタイプ(Ss)のシングルテールであった場合は、F1世代から50%の割合でダブルテールが出現する事になります。 えっ?どうやって繁殖に用いるシングルテールのオスがホモかヘテロか見分けるかですって??・・・外見からは判りません(笑)。自家産のダブルテール作出したいのなら、初めからF2世代まで行く覚悟でどうぞ。ただ、ヘテロタイプ(Ss)のシングルテールのオスは、ホモタイプのオスに比べて背ビレの幅が広めである事が多いので、繁殖に用いる事が出来るオス個体を多数保有しているのならば、出来るだけ背ビレの幅が太いオスをチョイスすれば、それだけヘテロタイプ(Ss)に当たる確率は高まります。
2012/01/28
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今日からベタの品種名解説は「ドラゴン系」に進む事にしましょう。「ドラゴン」とは今日の画像の個体のように、鱗の大部分を白銀色の金属光沢のある大きな輝点が覆っており、その有様が我々の想像する所の「龍の鱗」みたいな感じだから、と言う事で付けられたネーミングです。まぁ、なかなかナイスなネーミングセンスと言えるのではないでしょうか。 品種としての登場はずいぶん前になりますが、当初はレッド系つまりは「レッド・ドラゴン」のみでしたが、次々とドラゴン系品種の作出がなされ、「地色+ドラゴン」と言う品種名で親しまれています。チョット思いつく限りでも「ブラック・ドラゴン」「イエロー・ドラゴン」「オレンジ・ドラゴン」辺りが上げられます。 この系統の特徴はボディは地色一色に染まっており、その上にベカベカに輝くドラゴンスポットが並ぶといったものです。その証拠に何らかの拍子でドラゴンスポットのある鱗が剥離すると、ちゃんと地色が顔を覗かせます。 どちらかと言えばドラゴンスポットの存在は優美と言うよりは精悍なイメージなのか、ブラック・レッド辺りの方が、淡い配色のイエロー・オレンジよりも人気が高いようです。
2015/03/15
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前2回の記事で述べてきた様に、現在のメラノブラックの系統からは永久に「真のソリッド・ブラック」は作出去れないと思います。メスに他品種を使わざるをえない遺伝的問題がある限りどうにもなりますまい。・・・じゃあ、ソリッド・ブラックは絶対にこの世に登場しないのか?と言うと、可能性が無い訳じゃありません。 そのヒントとなるのが、今日紹介した個体です。頭部がベージュホワイトに色抜けしていますが、ボディ&ヒレはほぼ完璧なブラックです。実はこの個体はマーブル系の品種で、頭部のみが体のほかの部分と異なる発色になる「モンスター・マーブル」と呼ばれる系統です。 このモンスターマーブルの「ブラック」は、同系統同士で繁殖可能です。つまり劣性致死遺伝の影響を受けません。と言う事は、繁殖に際して他の色合いのモンスターを使う必要が無い訳です。従って、両親に「限りなく頭部の色抜けの少ないブラック・モンスター」を使い交配をすれば、ほとんどの個体は両親似のモンスターになるでしょうが、極稀に「全身漆黒」の個体が出てくる可能性は十分にあると思います。 もちろん、この様な両親から「ほぼ完璧なソリッド・ブラック」の個体が得られたとしても、それは所詮モンスター・マーブルの系統な訳ですから、次世代以降でもほとんどすべての個体はモンスター表現になると思われ、品種として「ソリッド・ブラック」が確立する訳ではありませんけどね。
2014/07/08
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今日のアップはパンギオ・アンギラリス(Pangio anguillaris)と言う、東南アジアに生息するドジョウの仲間です。パンギオなんて言うと、知らないって言われそうですが要するにクーリーローチの仲間なんです(笑)。実は私、自他共に認める「クーリーローチマニア」でして以前はほんとに気合入れてコレクションしてました。 皆さんはクーリーローチって言えば、茶色とベージュのバンドの小さなドジョウ程度に考えておられると思います(その通りなんですが・・・)が、これでなかなか奥が深いのです(笑)。現時点でも10種以上の種類が知られていて、コレクションに熱中していた頃はあと2種類でコレクション完成まで行きました。どのくらい熱中していたかというと、コレクションの魚は基本的に自家採集!って言うところでお判りだと思います。このせいぜい体長7~8cm位のドジョウを求めて東南アジアのジャングル彷徨ってたんだから、完全にアッチの世界に行っちゃってますね(笑) 一度は某問屋にインドネシア便でクーリーローチが入荷するって情報を得て、その時入荷したクーリー全部買い占めた事もありました。だって、インドネシアってクーリーローチの仲間の本場で、珍種の宝庫なんですもん。えっ?一体何匹買い占めたのかって?おそらく400尾をはるかに超えていたと思います(苦笑)。インドネシアから空輸されてきた袋のままの状態で、当時実家にあった私の温室まで運ばれてきました。 その時、珍種ゲットしまくり状態で完全にはまりました!そして、どうしても自分の手で採集したくてジャングルに出向くようになったという訳です。 自分で採集したクーリーローチの仲間の運搬にはフィルムケースを使います。容器問屋で大量に仕入れたフィルムケースをトランクに詰められるだけ詰めて日本を出発します。もちろん、服やその他の日用品など詰めるスペースなんてありません。文字通り、空のフィルムケースと採集用の網だけです。そして、各採集ポイントを2週間くらい掛けてひたすら捜し求めてゲットしたクーリーを1尾ずつフィルムケースに入れて運ぶわけです。 一度は、ボルネオ島のクチンの空港で日本に帰る時に税関で引っかかりましたが、係員は何とか難癖つけようと意気込んで私のトランク開けさせたのはいいのですが、その後30秒くらい絶句(笑)。何しろ、約200位のフィルムケースがぎっしりと収められていて、その中身はすべてドジョウなんですから・・・。結局、係官も笑い出してしまい事なきを得ましたが、その代わり彼が同僚を呼び集めてマレー語?で何か話しながらゲラゲラ笑うのに20分くらい付きあわされました(苦笑)。ついには、私が乗る予定の飛行機のスチュワーデスまで見物に来ると言うちょっとした騒ぎになってしまいましたが、今となってはこれもいい思い出です。 ジャングルに行かなくなってかれこれ7~8年経ちますが、最近になってある所から「ジャングルを彷徨って、その紀行文を書いてくれないか?」と言う妙な話が舞い込んでます。だいたい、普通のサラリーマンにそんな話持ち込むかぁ~?とか言いながら、結構心が動いてます(笑)。別にジャングル放浪するったって、せいぜい2週間位だし3ヶ月くらい真面目に働いて、その後に有給使って行けばいいんだし・・・って、これはもう40男の考える事じゃないですけどね。でも、また、クーリーローチ採集に行きたいなぁ~。
2006/01/17
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今日は久々にベタの稚魚の画像をアップします。写真の稚魚達が産まれたのが6月26日で、写真撮影したのが7月20日だから、孵化後24日目の稚魚達と言う事になります。一応、ブログでも紹介したソリッドレッドSTのショーベタのペアから採った子供達なので、みなさん白っぽい体色です。 以前のブログで紹介した様に、さかなおやじの所では一つの水槽に2ペア分の卵を集めちゃいますので、今あるベタ稚魚育成用水槽(36cm水槽×12本)はすべて写真のようにベタ稚魚でワラワラです(笑)。おそらく、一つの水槽あたり300尾以上の稚魚が収容されているはずで、たとえフィルター(スドーのブリーディングフィルターM)を稼動させていたとしても、毎週1/2程度の水換えはサボれません。もっとも、この頃になると稚魚達も丈夫なので塩素中和した水道水でダバダバ水交換しても大丈夫です。 この時期の稚魚達にはまだ孵化したてのブラインシュリンプしか与えていませんが、生後45日位からはブラインシュリンプと併用して自家製ベタ用ハンバーグを使います。これは、ビーフハート・淡水エビの剥き身・ビール酵母などを適量混ぜ合わせてミンチし冷蔵しておくもので、稚魚達に与える直前に、おろし金で凍ったままのハンバーグをすりおろして与えます。 何故、このような事をするかと言えば「長期にわたってブラインのみを与え続けた稚魚は、ベリースライダー(水底を這い回るようにしか泳げない)になりやすい」と言われているからです。ブラインシュリンプには不飽和脂肪酸がほとんど含有されていないため、海水魚などではブラインの長期使用が奇形の発生率を高める事は確認されていますが、淡水魚であるベタではどうなのかはっきりとは判っていません。ただ、どちらにせよ長期間にわたって同じ餌だけを与え続ける事は、栄養の偏りを招く事だけは確かだと思います。 ハンバーグを食べ始めた稚魚の成長は驚くほど早く、生後3ヶ月ほどでオスは隔離飼育を始められます。この時点で、ハンバーグの使用はやめ冷凍アカムシ主体のメニューに切り替えます。そして、生後4~5ヶ月でコンテストレベルのヒレまで育て上げる事が可能です。 のはずなんですが「うーん、今回は成長が遅い!」。原因は判っているのです。仕事から帰ってくるのが結構遅くなったり、土日も出勤したりで稚魚達に十分な餌を与える事が出来ていないのです。本来であれば、朝夜2回与えるはずのブラインも、朝1回だけと言う事が頻繁です。このままだと、ベタ用ハンバーグ与えはじめるのは生後60日位からにずれ込みそうですな。 社長をはじめ、わが社の連中はこのブログ見るようになったんでしょうか?(笑)。もし見てるなら、もう少し私の所に持ち込む仕事の量減らして欲しいものです。本来の部署や担当すべき仕事にはお構いなく、会社で発生したイレギュラーな出来事(つまり、予期せぬトラブルですな)をすべてさかなおやじのところに持ち込むのはやめましょう。 確かに、外見上はトラブルバスターっぽい、タフな感じがするかもしれませんが、これで結構デリケートなんだぞ(笑)「ベタ稚魚の成長遅れてるのはすべて君たちのせいなんだよっ!」少しは反省しろよな。
2005/07/23
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自家製カラ剥ブラインを作ろう! 稚魚用フードvol.08 さて、予告どおり今回は自宅で作る美味しい(笑)カラ剥ブラインの作り方を紹介しましょう!まず、用意するものは孵化率の良いブラインシュリンプエッグ少々、そして強酸を適量です。・・・ッて言ってもなかなか個人で塩酸や硫酸入手するのも大変ですし、取り扱いに注意しないと非常に危険ですからまったくお薦めできません。そこで、衣服の漂白剤を買ってきましょう。別に、銘柄なんてどうでもいいのですが塩素系の物を選びます。塩素系の漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムが主成分なので、希塩酸と同じような役割をしてくれます。これで、ブラインシュリンプの休眠卵の硬い外殻を溶かしてしまおうっ!て言う訳です。 ちなみに、なぜか私は必ずブリーチを使う事に決めています(笑)。別にハイターでも大丈夫ですけどね。価格は非常安いもので1.5リットル入りで200円しませんでした。これだけあれば当分の間、自家製カラ剥ブライン作り続けることが出来るでしょう。 先ず、始めにブラインシュリンプを必要量だけ小型のガラス容器(コップなど)に移し、水を注いでおきます。こうして、休眠卵にある程度水を含ませた方がその後均等に外殻の溶解ができる様です。時間は30分から1時間くらい漬けておけば十分でしょう。そんな時間も惜しいって言う方は、水に付けなくたってなんとかなります。 その後、観賞魚用のネットなどで軽く水気を切ったブラインシュリンエッグを容器に移し、そこに適当にドボドボとブリーチを注ぎます。そして待つ事10分もすれば、あ~ら不思議!(笑)。カラ剥ブラインの完成です!!・・・って滅茶苦茶簡単でしょう?ちなみに、トップの画像がブリーチに漬ける前、そして下が10分後のブラインエッグの状態です。 後は、外殻が溶けてオレンジ色に見えるようになったブラインエッグをまたまたネットなどに移し、流水でよく注げば終わりです。この時、よく洗い流さないとブリーチは観賞魚にだってあまり良い影響与えないでしょうから気をつけてくださいね。どうしても不安ならば、コントラコロラインなどの塩素中和剤を適量入れた水で最後に洗えば、塩素は完全に中和されますから安心です。 このままカラ剥ブラインとして用いるのであれば、ブリーチに漬けておく時間は結構アバウトで大丈夫。もしかして、すでにミイラ化していた休眠卵を使っている可能性が否定できない市販品よりも、数段クオリティの高いカラ剥ブラインがお手軽に出来ちゃいます。 ただ、この後通常の孵化手段でブラインシュリンプを孵化させて用いると言う方法もあります。なぜこんな事をするかと言うと、外殻を除去した休眠卵を孵化させると孵化後に稚エビと外殻を分離させる必要がなくなるからです。ベタや卵生メダカなど稚魚の初餌料として、動き回る生きたブライン幼生が必要な場合には非常に有効な手段です。めんどくさいけど・・・(笑)。 ただ、このように孵化させるつもりであれば、ブリーチに漬ける時間は10分前後としっかりと決めておくべきです。さもないと、外殻だけでなく内側の透明な薄い膜までブリーチが溶かしてしまい、休眠卵の中の稚エビに大ダメージを与えてしまい、孵化しなくなっちゃいますよ。 それと、確かにこの方法で簡単に良質のカラ剥ブライン作る事は出来ますが、これを乾燥させて保存すると言うのは我々趣味人にはちょいと無理な話です。フリーズドライ加工できる機械がないと、急速に乾燥させられないため、かえってブラインが変質しとんでもない事になりかねませんから、あきらめましょう。 いかがでしたでしょうか?カラ剥ブラインなんて簡単なものでしょう??この程度の行程で製品化できるんですから、メーカーは我々シロウトではとても出来ないような高品質の製品を世に送り出す義務があるってもんでしょう!ねっ?××さん??(お好きなメーカー名入れてください。ご想像にお任せします)
2006/10/12
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今日のアップはゲリウスバルブ(Puntius gelius)です。インドに棲息する体長3cm程度の小型コイ科魚類で、どちらかと言えばあまり見かけない魚かもしれません。 この魚、見ての通り黄色地に黒の不規則な斑紋が入り、これぞまさに「タイガースカラー」(笑)です!今シーズン絶好調の阪神タイガースファンならば見逃せない一品と言えるのではないでしょうか?群れで泳がせると、かなりタイガースな気分?を満喫できますよ。もちろんBGMは「六甲下ろし」でしょう! ゲリウスバルブは非常に温和で丈夫な魚なので、飼育に際しては特別な注意点はほとんどありません。ただ、若干痩せやすいので、餌をこまめに与えるとよいと思われます。水質、水温共に普通の熱帯魚の飼育可能な環境ならば問題ないでしょう。 性質が温和すぎる点は「猛虎会」の面々には少々物足りないかもしれません。はっきり言って、「バース・掛布・岡田」のような暴力的な破壊力はまったく期待できません。覇気の無さだけ考えると、楽天イーグルス並かも(涙)。個人的に選手時代から田尾監督のファンなので、楽天には頑張ってもらいたいんですけどね~。一体何敗することやら・・・ 繁殖も不可能ではなく、ペアはコイ科の魚には珍しく幅の広い水草の裏側に卵を産み付けます。孵化した稚魚も育てやすく、一回の産卵数が100以下と少ない点を除けば繁殖も容易と言えるでしょう。ちなみに、婚姻色の出たオスは体がオレンジ色に近い褐色に変わるため、繁殖期のオスメスの判別は容易です。 なんだか、ここまで読んでいた人はさかなおやじが阪神ファンだと考えてるのでは?残念でしたぁ~(笑)。私、根っからのドラゴンズ贔屓でして、今を遡る事20年以上前に購入した球団応援歌「燃えよドラゴンズ!」はいまだに大切に保管してあります。仕事で名古屋とかいった時にカラオケでこの歌歌うと、一発で仕事決まります(爆笑)。この応援歌って、その時点での主力選手がひたすら活躍するんですけど、何しろ一番バッター「高木守道」ですし、キャッチャーは「木俣さん」、ピッチャーだってもちろん「星野仙一」ですから、名古屋のドラ狂に受けないはずがありません! そんな私にしてみると今シーズンの阪神の躍進はちょっと影響ありすぎるんですけど(笑)。でも、星野さんが阪神の監督になってからは阪神も決して嫌いな球団ではなくなりましたけどね。えっ一番嫌いな球団ですか?えーと、球団と言うよりはナベツネが大嫌いです(笑)
2005/08/30
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今日のアップはミドリフグ(Tetraodon nigroviridis)です。本当は本種に良く似たフグが何種類かいるのですが、分布域が限られているため我が国で見かける物はほとんどコイツだと思っていいと思います。東南アジアからインド、スリランカに至るまで非常に広く分布している淡水フグですが、実際のところ純淡水では長期にわたって上手く飼育する事は難しいような気がします。理想的には、海水の半分くらいの濃度の汽水で飼育するのが好ましいと思われますが、そこまで行くと管理が大変なので我が家では1/4濃度の汽水で飼育しています。 小さいうちは美しいライトグリーンに小さな黒い水玉模様と非常に愛らしい姿ですが、大きくなってくるとだんだん体が黒ずんできてお世辞にも可愛いと言えない姿になったりします(苦笑)。飼育水さえ用意できれば飼育は難しくないのですが、いくつか問題を抱える魚でもあります。 その第一が餌!基本的にフグの仲間は人工餌を好みません。アベニーパファーでもそうですが、個体によっては巻貝しか食べないとか偏食でワガママ(笑)なものもいます。ミドリフグの場合は、冷凍アカムシか乾燥クリルを食べてくれる事が多いのでこの辺りを主食にしましょう。 次に、これが一番の問題なのですが性格がきつすぎです。こんな愛らしい姿なのに、とにかくキツイのなんのって・・・。同居の魚のヒレはまずカジカジされちゃいます。フグ自体の動きがさほど敏捷ではないので普通は殺されるまでは行きませんが、エビやコリドラス辺りは要注意です。基本的には、この種だけで飼育するのが正しい道ってもんだと思います(笑) それにしても、さかなおやじのイメージにあまりそぐわない魚種でしょう?(笑)実はこれ、我が家に大量に棲息するなんちゃらカワニナ撲滅キャンペーンの一環として連れてこられました。何しろ無類の貝好きですから、水槽に入れたとたん眼の色変えて巻貝を貪り食います。巻貝があわてて殻の中に引っ込んでもお構いなし!その丈夫な歯でバリバリと殻を砕いて食べちゃいます。水槽に導入して2、3日もすれば、水槽内の巻貝は見事に一掃されちゃいます。 これはもう、巻貝駆除の最終兵器と言っても過言ではありません(笑)。ただ、いくつか問題点も抱えてます。一つは、あまりに急激に巻貝を食い散らかすので水質が一気に悪化する事。二つ目は、元々その水槽で飼育したいる魚をカジカジする事。三つ目は純淡水での長期飼育が無理なので、一つの水槽の巻貝駆除が済んだらしばらくは汽水水槽で休養を取らせてやらねばならぬ事。まぁ、なにしろ最終兵器ですからそれくらいの副作用?が出てもやむを得ないかと・・・。良薬口に苦しって言いますからね。
2006/01/30
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今日のアップはグラスブラッドフィン(Prionobrama filigera)です。アマゾン河流域に生息する、体長4cm程度のテトラの仲間です。外見上は、尾ビレが透明感のある赤に染まる以外は、ほとんど透明といった感じの魚で、決して派手な魚ではないのですが水草の緑と良くマッチするカラーリングのせいでしょうか、ショップでは準レギュラークラスの扱いを受ける人気者です。 性質は温和で、飼育も容易です。大抵は水槽の中~上層付近を徘徊しています。ほとんどのテトラ(カラシン)同様、人工餌も大好きなので飼育に際して困るような事はほとんどありません。 準レギュラークラスだけあって、東南アジアでの養殖も盛んで、最近販売されている魚は、ほぼ100%養殖ものでしょう。当然、繁殖も容易でペアをウィローモスなどの茂みを作った産卵水槽に導入すれば、簡単に産卵してくれます。ちなみに、オスメスの区別は尻ビレの先端部分が白く長く伸長して、カギ状に湾曲していればオスです。体色はオスメスともにほとんど変わりありません。 ところで、グラスブラッドフィンの販売水槽を覗くと、普段は限りなく透明な体が真っ白になっている事があります。これは、改良品種や突然変異などではなく、体長の異常から生じるものです。原因はよく判っていないのですが、なぜか夏場の高水温時にだけ見られる症状のような気がします。従って、さかなおやじは「体の肉が生きながらにして煮えてしまった状態」と呼んでおります。 もっとも、科学的根拠はまったくと言ってよいほどありませんのであしからず・・・。ただ、水温を適温付近まで下げてやると、体の透明感が元に戻る事からあながち出鱈目とも言えないかもしれません。「ヒラメみたいな白身の魚も火を通せば真っ白になるじゃないですか」って、これが魚類学専攻した人間の発言だろうか・・・我ながら情けない。 同様の症状は、グローライトテトラにも良く見られます。いずれにせよ、決して魚の調子が良い訳ではない事が確かなので、ショップで「生煮え」のグラスブラッドフィンを購入してはなりません。また、すでに飼育している個体が白く濁ってきたら、可及的速やかに水温を下げてやらないと、死に至る事も珍しくありません。と言っても、急激に水温を低下させる事も魚にとっては大ダメージですから、その辺は程々にお願いいたします(笑)
2005/07/22
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アカヒレ その4 ベトナムアカヒレ 長年に渡りアカヒレは一属一種、つまり近縁種は存在しないとされてきましたが、最近ではアカヒレ属は3種記載されているようです。今日の画像の個体はそのうちの1種でミカゲンマエ種(Tanichthys micagemmae Freyhof&Herder,2001)で、我が国では生息国にちなんでベトナム・アカヒレという名前で流通している様です。 本家アカヒレに比べると一回り小さ目のサイズで、せいぜい全長3cm程度と、これまた小型水槽のタンクメイトにもってこいのサイズです。アカヒレに比べれば、通常の熱帯魚並みの保温が必要と言う点で少々手間がかかりますが、それでも温和で丈夫なすばらしい観賞魚です。外見はアカヒレに良く似ていますが、体側部のブラックラインが太く明瞭な点でアカヒレと区別する事が出来ます。 撮影時にはまだ未成魚で色彩的にも地味ですが、以前ドイツのショップで見かけた個体は体がパープルに鈍く輝き、尾柄部のレッドスポットも燃えるような鮮やかな真紅でかなりの美麗魚でした。ちなみに、我が家では撮影後これらの個体は、友人たちが不要になった魚を勝手に入れに来る(苦笑)3本の120cm水槽(通称「タコ部屋水槽」)の中に収容され、まもなく姿が見えなくなってしまいました(涙)。副業のせいで、一般熱帯魚用小型水槽の確保がままならず、多くの小型魚はこれら大型水槽で混泳って事になっちゃうんですが、一応全長5cm前後の魚だけが収容してある120cm水槽に入れたんですけどね~。日常の水質管理などは手抜きなくやってましたし、丈夫な魚だけに簡単に死ぬとも思えません。気の荒い同居魚もいませんでしたから、むやみやたらに繁茂したミクロソリウムの間で人目につかないようひっそりと生きながらえ天寿をまっとうした、。・・・とここでは無理やり考えたいところではあります。 そして、アカヒレ第三の魚 Tanichthys thacbaensis Nguyen&Ngo,2001 に関してですが、この種もベトナムに生息しているようですが、実物を見たことがないのでどんな魚か判りません。ただ、最近我が国にラオス・アカヒレと言うアカヒレの一種が入荷しているようなので、これがこの種なのかもしれません。生息地はラオスじゃないけど、もともとラオスの魚なんて我が国にダイレクトに入ってきませんから、大方バンコク辺りのシッパーから輸出されたんでしょう。タイ人の気質から言って「ああ、この魚はベトナム産だけど、既にベトナム・アカヒレって言うのがいるからなぁ・・・。よしっ、ここはラオス・アカヒレって言うネーミングで行っちゃえ!」(笑)、って言うシチュエーションは十分に想像出来ます。
2012/01/13
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さぁ~て、国内外を問わず観賞魚用品を言いたい放題、天衣無縫・縦横無尽(笑)に一刀両断してしまおうと言うある意味禁断のコーナーがスタート!以前も一度企画したんですが、当時はまだ国内のメーカーさんとの仕事上の繋がりもあり(笑)、書きたくて書けない事が一杯で途中で断念しました。でも、今現在そう言ったしがらみないもんね~♪ もっとも、ここに書いてある事はすべて私一個人の独断と偏見に満ち満ちた私見であり、全然違う見方をされる方がいて当然だと思います。ただ、コレを機会にもう少しオープンに観賞魚関連グッズに関してストレートな意見交換がなされても良いのではと期待しています。そう言う意味では、メーカー寄りの方の御意見もお待ちいたしておりますよ~(笑) そんなこのコーナーの標的第一号は熱帯魚用フード!ただし、個人的な好みで大型魚など全然飼育経験のないカテゴリーに関しては、語る権利を持ち合わせないためこのコーナーには登場しません。あくまでも、個人的なブログですから(笑)。 そんな熱帯魚用フードの中でもまずは、一般魚用と銘打った汎用フードから。皆さんは一体どのような基準で餌を選んでます?一番多いのがショップに勧められたからでしょう。また、値段が安かったからと言う方も多いのでは?でも、それでいいんです!今のところ名のあるメーカーの汎用フードはどれもさほど品質に差が無い様です。まぁ、当たり前の事で「その餌あげたら魚の調子が悪くなる」なんて製品はある訳ありませんし、もし間違えて世の中に出てきてもすぐに販売中止のはずですから。でも、それで終わりにしたらこのコーナー存続しませんから重箱の隅をつつくように色々揚げ足とっていかなきゃね(笑)。 一般に観賞魚用フードの良し悪しを決める最大のポイントは栄養価にあると言えるでしょう。えっ?嗜好性だって??確かに嗜好性は大事ですが、例えば自分の子供によく食べるからと行って毎日毎日ポップコーンばかり与える親がいるでしょうか?(いたりして)。それと同じ事で、やはりバランスよく各栄養素が含まれているものでなければなりません。現在の魚類飼料学の進歩から考えれば、嗜好性だけを追及した餌を作るのはさほど困難ではないでしょう。各種アミノ酸などの摂餌促進物質を後先考えずに大量にぶち込めばいいんですから。でも、そんな事して栄養バランスが崩れちゃ仕方ないって事で各メーカーの開発担当者の皆さんは日夜頑張っている訳ですよ、たぶん。 では我々は一体どのような所に気をつければ栄養バランスの取れた餌をチョイスできるのでしょう?・・・一番簡単なのはパッケージの裏面にある主成分表示の項のタンパク質と脂肪の含有量を見ることです。まぁ、大概の汎用フードの裏側には表示があるはずです。ここでタンパク質含有量が45~50%、脂肪が10%前後であれば問題ないでしょう。ちなみに、タンパク質含有量はこれ以上であっても問題ありません。しかし、脂肪の含有量が15%を越えるようだと主食フードとしては少々バランス悪いかも。例えば、キョーリンさんのミニクリルは脂肪含有量が18.5%とありますから、コレばかり与えているとあなたの愛魚はデブ一直線です(笑)。ただ、キョーリンさんのためにフォローしときますがこの餌は元々主食ではなく補助的フード、つまり色揚げだったり餌付けだったりおやつだったり、とにかくそう言った使い方をすべきものですのでお間違いなく。 それと、タンパク質含有量が多ければ多いほど良いと言うならそこだけ見て判断すれば?って言う考え方はいけません。基本的には間違えていませんが、メーカーの成分表示はあくまでも目安である事に御注意ください。だって考えても見てください。例えばテトラミンを作る時に、サバを100kgと川エビを20kgと、小麦粉も1kgつなぎに入れてっと・・・みたいに原料の割合をあらかじめ決めておいて混ぜ合わせる訳です。でも、サバの栄養価が一年を通してまったく同じわけないじゃないですか。産卵期前は栄養豊富でしょうし、産卵後なんて栄養価がた落ちでしょうから。つまり、メーカーの成分表示はあくまでも平均的な値に過ぎないと言う事です。ですから、数%の差でもって各メーカーの汎用フードの良し悪しを決める訳にはいきません。 ・・・ってまぁ、こんな感じで今後やっていこうかなぁ~って考えてます。ここ何回かは総論的な内容ですが、そのうち各商品を一つずつ個別に一刀両断していきますから。次回は、汎用フードの嗜好性について言いたい放題してみたいと思います。
2007/12/27
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さて、今度こそ本当に通常のブログアップです。先ほどの画像オプションの不具合は、私がブログ界のブラックリスト入りしたからではなく(笑)、単にメンテナンスのため一時的に利用不可になっていただけのようです。それにしても、前触れがなくいきなりのメンテだったので、なんかあったのかも知れませんけど(笑)。ねっ?楽天さん?? 今日のアップはドワーフペンシルフィッシュ(Nannostomus marginatus)です。アマゾン河下流域からコロンビア、スリナム辺りに棲息する体長2cm足らずの小型ペンシルです。「ペンシル最小」のポジションは、アンドゥゼイと言う体長1cmくらいの超小型種がいるから、そちらに取られてしまってますがそれでもドワーフなことは確かです。 なんだか、最近のペンシルはアークレッドを筆頭に先日紹介したパープルなど気性の荒い種が多く「ペンシルってサイズの割りに気が荒い!」と思われがちになってますが、本来は温和な種類なんですけどね~。このドワーフペンシルなんてその典型です。 ドワーフペンシルは丈夫で温和なため、水草水槽のワンポイントとして最適です。温和な魚であれば、他のどんな種類でもOKですし水槽内に数尾放つだけで、水槽がグッと華やかになること請け合いです。水質、餌共に特別の配慮が必要ないところも嬉しいポイントでしょう。 なんだかポピュラーすぎて意外と軽視されがちなドワーフペンシルですが、これで結構カラーバリエーションがあり奥が深いんです(笑)。今回紹介したのは最もポピュラーなタイプですが、これ以外にボディのブラックラインが太くてより明瞭なタイプや、体側部の短いレッドラインが尾ビレの付け根付近まで長く延びてるタイプなんかは結構簡単に探す事が出来ます。この他に、洋書で尾鰭の付け根に大きなレッドスポットがあるタイプを見た事がありますが、こちらに関してはカラシン集めて30年くらいになりますが、実物にお目にかかった事はありません。また、最近流行のアークレッドやパープルペンシルも我が国に初入荷した頃は、ドワーフペンシルの地域変異ではないかと考えられていたほどです。」もっとも、あれだけ気性が荒いと研究者じゃなくてもドワーフペンシルとは別種って判りますよね(苦笑) ドワーフペンシルの更に嬉しい点は繁殖が容易なこと!上の画像はドワーフペンシルのペアです。オスメスの区別は、オスの各ヒレ(特に尻ビレに注目すると判り易い)には鮮やかなレッドスポットが存在するのに対して、メスのそれは色も薄くスポット自体も小さめです。最も、写真のメスではまだまだ抱卵しているとは言いがたいので、このまますぐ繁殖と言う訳にはいきませんけどね(笑)。 ドワーフペンシルは成魚もミニチュアサイズで可愛らしいんですが、稚魚の可愛らしさは特筆ものです!体長1cm位まではそれこそ「金色の矢」そのものです。機会があれば、子供を採って皆さんにも披露したいと思います。っ言うか、是非とも御自分で繁殖チャレンジしてみていただきたい魚です。 ところで、先ほど昼前に一度書き上げた原稿がぶっ飛んでしまった(笑)のは前述の通りなんですが、改めて文章を書き上げてみおるとどうかんがえても、午前中の文章の方が断然面白かったような気がします。すごく悔しいけど、文章なんていつもその場の雰囲気で行き当たりばったりに書いているもんで、二度と同じ文章はかけないようです(苦笑)。く~っ!あれは確実に直木賞もんの名文だったのにぃ~!!
2005/12/20
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今日のアップはブラックラインラスボラ(Rasbora agilis)です。褐色の体に1本のブラックラインが走り、そのすぐ上をゴールドラインが並走しているだけの地味な体色なのですが、シャープなフォルムで人気のある小型ラスボラです。マレー半島を中心に分布し、体長は4cmくらいです。 もっともこのラスボラはよく判らない所があって、同じ名前で明らかに数タイプの魚が入荷してきます。今日の写真のようにブラックラインが明瞭なものが真のアギリス種であると言われており、ブラックラインが不明瞭な個体はタエニアータ種(Rasbora taeniata)であるとされていますが、確証があるわけではありません。でも、ラインが明瞭な個体の方が間違いなく美しいのは確かなので、購入の際には注意を要します。この2タイプは産地が異なるとされており、両者が混ざって輸入されてくる事は無い様なので、ショップで見かけた時にブラックラインが不明瞭な個体は購入を見送った方が無難でしょう。頑張って飼育を続けても、ラインは明瞭になりませんから・・・(苦笑)。 飼育に際しては弱酸性の軟水を好むとされていますが、ろ過の効いた清浄な飼育水であれば特に問題はないようです。非常に温和な魚なので、同居の魚には余り気性の荒い魚は避けてあげたいものです。また、元来群れで生活する種類なので飼育尾数が少ないと、水草の陰などに隠れてなかなか水槽前面の開けた空間には出てきてくれません。餌はフレークフードで問題ありません。 シャープなフォルムと言い、生息環境と言い以前紹介したレッドラインラスボラと非常によく似通っています。また、レッドラインラスボラにもレッドラインが不明瞭な別タイプが存在するところもそっくりで、非常に不思議な気がします。彼らが、密生したクリプトの林の中を泳ぎまわる様はまさに玄人好みの落ち着いた水景となります・・・が、我が家にはクリプトが密生した水槽なんてないので、ミクロソリウムの林で彼らには我慢してもらってます(笑)。 そろそろ、温室内も増築工事からひと段落した所だから、今度の休みにでもクリプト密生水槽作ってブラック&レッドラインでも混泳させようかなぁ~。と考える今日この頃です。もちろん水槽の題名は「赤と黒」にします(笑)。そう言えば、スタンダールの小説にありましたね~♪
2005/11/30
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今日のアップはダイヤモンドテトラ(Moenkhausia pittieri)です。南米のベネズエラに棲息する体長4cmほどのカラシンで、その名の通り全身にキラキラとダイヤモンドのように輝く鱗が散在するのが特徴です。この輝く鱗は、ゴールデンテトラのようなバクテリアの寄生によるものではなく、あくまでも自前(笑)です。また、ダイヤモンドの輝きは斜め下方から光が当たった時に一番光り輝くようですが、なかなか通常その角度で光を照射する事はないでしょうね~。 飼育は難しくありませんが、水質が悪化するとエロモナス症に罹り易いようで、ショップなどでも全身の鱗が逆立っている個体を見かける事があります。エロモナス症は一度発病してしまうと治療は困難なのでこのような個体の入った水槽からは魚を購入しない方が無難です。初期段階ではエロモナス症は見つけにくいのですが、全身がなんとなく白濁していて、常に口を開きエラ蓋を頻繁に開閉させて呼吸していたら黄色信号です。また、初期の段階でポップアイ(要するに出目金状態)になることも多いようです。 水質の汚染さえ注意すれば餌もよく食べ飼育は簡単ですが、葉の柔らかい水草は食害を受ける事があります。これはダイヤモンドテトラだけでなく、モンクホーシャ属の魚にはある程度共通して言える事です。 最近ではほとんどの個体が東南アジアで養殖されたものです。写真の個体もそうなのですが、たまに入荷してくるワイルド個体の輝きは養殖個体からは想像できないほど素晴しいものです。養殖個体は、光の当たり具合でキラッと光る感じですが、ワイルド個体では常時ギラギラしてます(笑)。また、体高もワイルド個体の方が高く鰭も大きく伸びるため馴れれば簡単に判別可能でしょう。 ところで、ワイルド個体のダイヤモンドテトラの全身が黄金色に輝いていることがあります。その美しさはまさに絶品なのですが、さかなおやじ個人としてはチョット腰が引けちゃうところがあります。と言うのは、以前経験した以下のような事柄に原因があるんです・・・20年以上前のある日、当時すでに雑誌などで連載を持っているような著名な先輩アクアリストの温室に遊びに行った時のことです。ある水槽に、今まで見たことのないような金色に輝くダイヤモンドテトラが泳いでました。「うぁっ!なんですかこのダイヤモンドテトラ」「フフフ・・・すごいだろ?」「どこでゲットしたんですか?オレも欲しいっ!」「普通のワイルド個体だよ」「ワイルド個体だって、こんなに金色じゃないじゃないですか」「だから、餌に工夫して自分で色揚げしたんだ!」「げっ、そんなすごい色揚げ効果のある餌って何ですか??」「知りたい?じゃあ教えてよう」先輩アクアリスはそう言うと、どこからかプラケースを取り出してきました。中には、なっなんと「チャバネゴキブリ」がゴソゴソといっぱい入ってます。あまりの恐ろしさに、声が出ないで硬直するさかなおやじを尻目に、その先輩アクアリストはプラケースの中に手を突っ込んで・・・その先はおぞましすぎて描写したくありません(苦笑) 要するに、温室内に沢山棲息していたチャバネゴキブリを餌に与えているとダイヤモンドテトラが黄色く仕上がるらしいのです。確かに、アロワナの色揚げに極彩色のムカデ与えたりしますけど・・・ その事があって以来、ショップなどで黄色味の強いワイルドダイヤモンドテトラを見かけるたびに「もしかして、こいつら現地でゴキブリ食ってたんじゃないだろうな?」と考えてしまい、どうしても購入する気が起きません(笑)。それ以来、我が家のダイヤモンドテトラは安全なグレー一色の(笑)養殖個体と決まっています。皆さんも、いやに黄金色に輝くダイヤモンドテトラ見かけたら御用心~♪
2006/01/14
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今や完全に不定期更新になりつつある(苦笑)熱帯魚用品論評コーナーですが久々に更新を・・・。今日の獲物はテトラミンスーパー!テトラミンで市場のシェアNo.1のテトラ社がテトラミンの高級バージョンとして発売したのがコレ!一応、専門店でのみ販売と言うのが建前となってます。 まず、栄養価から見てみましょう。粗タンパク質は48%以上とテトラミンと同じ水準です。粗脂肪に関しては、テトラミンが8%以上なのに対してスーパーでは10%以上とやや高い値ですが、特に問題となる数値ではなく合格点です。外見は下の画像で比べてみてください。左側がテトラミンスーパーで右の山がテトラミンです。テトラミンに比べて、緑色のフレーク(おそらく植物成分を多く含有していると言うことなんでしょう)の色が薄いのがすぐにわかります。ただ、この会社はフレークに着色するから本当に成分まで違うのかどうかはよく判りませんけどね(苦笑) この2つのフレークフードは共に、すべての熱帯魚の主食と言うことになってます。・・・って事は結局のところどこがどう違うの?って言う疑問が出てきて当然でしょう。一応、高級バージョンとされているスーパーでは原料にクリル、カルニチン(脂肪を燃焼)、ミネラルを強化配合したらしいです。そのため、やや脂肪含有量が高まったのでしょう。 実際に使用してみると、なかなかの出来だと思います。魚の嗜好性も高いほうだと思います。まぁ、クリルを多めに配合しているんだから当たり前ですけど。それと、ベースになるテトラミン自体が着色を除けばほぼ完成されたフレークフードですから、その発展系であるスーパーが悪くなるわけは無いでしょう。 ただぁ~し!だからと言って手放しで褒めちぎると思ったら大間違い!!(笑)。大体、説明書どおりスーパーがそんなにすばらしい改良を施されたのならば、テトラ社はなんでステープルフードをテトラミンからスーパーに切り替えないんでしょう?これはこの商品が原則専門店でのみ販売されると言うところから容易に想像できます。つまり、従来のテトラミンは大量仕入れの量販店の仕入れ価格が安くなりすぎて、少数しか仕入れられない専門店は価格面で太刀打ちできなくなってしまったからです。そのため、専門店は利益が取れないテトラミンよりも他社の製品を客に薦めるようになったのです。そのため、年々シェアを落とし続けているテトラ社の考えた作戦がコレ! テトラミンとは別の専門店向けの高級フレークと言うことでこの餌を専門店のみに流通させると言えば、専門店はまたテトラ社のお客様に回帰してくれるだろうって読みです。しかし・・・ふざけるなよぉ~!「じゃあ何かい?量販店の客はレベルの低いテトラミンでも上げてりゃ十分です」って事かぁ~。エンドユーザーをなめきったこの驕り高ぶった考えも大嫌いなら、原料にチョコチョコっと小細工したダブルスタンダードで安直に量販と専門店の両方にいい顔したいと言う軽薄な発想もうなずけません。 それに新製品と言ったって、所詮テトラミンをベースに原料の配合を変えただけじゃないですか。この場合、新製品出すんじゃなくてテトラ社のステープルフード自体をニューテトラミンとか銘打ってチェンジするのが正しい道ってもんな気がしてなりません。そんな姑息な手を使わなくたって、すばらしい品質の餌作る技術あるんだから堂々と王道を歩んでいただきたいものです。それに、テトラ社が考えているほどエンドユーザーはおろかじゃない気もしますけどね(笑)。現に、このスーパーがテトラミンを凌駕するほど専門店で売れていると言う話は私の周りでは少なくとも耳にしたことがありません。 ただ、一言補足しておきたいのですがここでボロクソにけなしたからと言ってテトラ社という会社の評価が私の中で低いわけじゃありません。基本的に評価をしている会社だからこそ要求するハードルの高さが高く、ここまでの厳しい評価になると言うことです。それと、日本の販売会社であるテトラジャパンはこの軽薄な戦略にはあまり関係ないと思います。あくまでも、本国の問題ですから。おそらくテトラジャパンの方々は製造元と小売店の板ばさみで大変なご苦労なさっていると思います。 そんな訳で、今日のテトラミンスーパーは製品としての品質は好評ながら周りを取り巻く環境の悪さが思い切り響いてテトラミンスーパーの評価は なんと!☆なし!! でも、この商品がニューテトラミンになってテトラ社のステープルフードになって、代わりにテトラミンが廃盤になった後ならば☆☆☆をあげてもいいけどね。
2008/05/01
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えーと、前振りばかりで中々スタートしなかった(苦笑)「観賞魚用品をぶった切る」のコーナーですが、ようやく腰痛も落ち着いてきましたしそろそろスタートしなくちゃねっ!・・・って訳で、記念すべき第一弾はやはりこの方の登場でしょう!押しも押されぬ熱帯魚用フードの第一人者「テトラミン」です。 まぁ、この餌に関しては今更説明の必要が無いほど世界中のアクアリストの間に認知されてます。熱帯魚を飼育し始めてから大型魚以外飼育した事がないって言う方を除くと、一度もこの餌を使った事がないアクアリストはいないのでは?と言い切りたくなるほどの普及率です。しかも、初めて世の中に発売されてからすでに30年以上、我が国に輸入されるようになってからの歴史だって他の製品の追従を許しません。何しろ、私が小学生の頃にはすでに超一流ブランドとして君臨してましたからね~。 まずは、基本的なデータから。一番重要と思われる粗タンパク質含有量は48%以上、そして粗脂肪は8%と標準的。栄養組成から見ると問題は見当たりません。値段面では定価はなんだかビックリするような高額に設定してありますが、実際にその価格で購入する方がいらっしゃるとは思えません。そういう点から言うと、いい加減この馬鹿げた希望小売価格設定やめりゃいいのにって思います(笑)。まぁ、地域的な価格差もあるでしょうが、ポピュラーな52g容器で一般的な熱帯魚ショップで900円代、量販店のセールだと400円前後になることもあります。 最近ではなくなってきたようですが、以前この会社は滅茶苦茶な添付条件を大量購入する業者に提示することで有名な会社でした。つまり「何個以上買ってくれたら、サービスで何箱付けますぜっ!」って奴です(笑)。その結果、量販店での販売価格が398円と言う馬鹿げた値段で売りまくられていました。冗談抜きで、町の小規模の熱帯魚ショップなんて問屋さんに仕入れに行くより隣のホームセンターに個人客として買いに行った方が仕入れ価格が安いなんていうタワケた現象まで起きてました。正直言って、問屋がメーカーから仕入れる価格以下で小売してる場合だってありましたからひどいもんです。 販売価格という面で評価すれば有る意味最悪の商品でしょう(苦笑)。20年以上前から我が国で着々と地盤を固め一流ブランドとして君臨していたくせに、頼まれもしないのに下々の土俵に光臨し、価格崩壊をしちゃった訳ですから。そのまま高値安定で行きゃいいものを・・・。しかも、近年のアクア業界の不振を受けて慌てて販売価格を高値の方向に持って行こうと動き回ったり、ポリシーってもんが感じられませんな! ただ、品質面で言えば特に問題は無く安心して使える餌の一つです。まぁ、一流ブランドで使用上問題の有る餌なんてないですけどね。魚の嗜好性も高い方だと思います。テトラミン与えたのにあまり喜んで食べない魚は、元々人工餌を好まない種類と考えてもいい位です。 意外と重要視されていませんが、フレークの厚さがある方です。余程極端でなければ、フレークの厚みなんて魚にとってはどうでもいい事ですが、これが販売面で言うと中々馬鹿になりません。というのも、我が国はヨーロッパに比べると湿度が高いため容器の開封後に餌が湿気やすいのです。この時、厚みのないフレークフードは何だかしんなりした感じになって「あっ、これ湿気てるっ!」ってすぐに判ります。しかし、テトラミンは厚みがある分しんなりしにくく、長期間にわたってパリパリした感触を維持できるのです。以前、ヨーロッパの某アクアメーカーの日本支社で働いていた時この点を本国に指摘し「フレークの厚みをテトラミン並に厚くしてくれっ!」と提言して、本国の社長に激怒された憶えがあります(笑)。 品質面でテトラミンに苦言を呈するとすれば、あの毒々しい色合いを何とかして欲しいって事でしょうか。大体、どんな原料を使っていればあんなに色鮮やかなフレークになるというのでしょう!・・・って言うか、着色しているんですけどね(笑)。これが魚の色揚げに効果があるって言うなら文句はありませんが、基本的に魚はこの着色料を体内に取り込めないみたいで、魚の糞が見事に色鮮やかに仕上がってくれます。それら糞は水底の砂利の間やフィルターなどに蓄積し、水槽の掃除の際にげんなりさせてくれます。「品質のブランド」って謳い文句なんだから、無意味で魚にとってなんの益も無い着色みたいな事は止めてもらいたいなぁ~。 まぁ、初回だし結構厳しい事も書きましたがまずは及第点でしょう!今後の餌の評価基準を星の数で現して行こうと思ってます。物凄く素晴しい商品は☆3つまぁオススメですが☆2つお好きなら別によろしいんじゃないですかが☆1つ出来れば世の中から消えてください(笑)が☆なし!今回のテトラミンの評価は☆☆
2008/03/29
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今日はクリスマスイブですから、それっぽい画像をと思いロングフィンアカヒレをセレクトしました。冒頭の写真って、クリスマスっぽい衣装を身にまとった2頭のトナカイがそりを曳いて、真っ暗な天空をこっちに向かってくるようなイメージありません?真ん中にサンタを乗せたソリがないのが本当に残念です。(笑)そんなこんなでメリークリスマス! それにしても、ロングフィンアカヒレは一体どこまでゴージャスになるんでしょう?原種ももちろん綺麗な魚ですが、フルサイズにまで育ったロングフィンは、数ある観賞魚の中でも確実に上位にランクインする華やかさだと思います。これで、丈夫・温和・低温OKとくればこれはもうお菓子のホームラン王です!(亀屋万年堂のナボナ知ってます?)じゃなくて観賞魚の三冠王ですよね。 アカヒレは保温なしでもOKですから、今日もクリスマスプレゼントとして小さな容器に入れられて「コッピー」として多数買われて行くのでしょう。でも、ちゃんとそれなりの容器で飼育してあげればここまで綺麗に育つんですから、「コップでも飼育できるコッピーちゃん!」じゃなくて、「小型水槽で飼育も繁殖も楽しめるアカヒレ」として飼育してあげたいものです。以上、日本アカヒレ普及協会からのお知らせでしたぁ~♪(笑) ところで、冒頭の2尾のロングフィンアカヒレ見て「アレッ?どこかおかしい??」と思った方はいらっしゃいますでしょうか。その方はかなり鋭い観察力持ってますね(笑)。そうなんです、この2尾の各ヒレのカラーリングが全然異なるんです。下のピンボケ画像ではこの2タイプを並べて撮影してみました。一方はノーマルのアカヒレ同様、ヒレの先端部分がライトイエローに縁取られるのですが、もう一方はオレンジ色に染まるのです。この違いって一体何?? 実は、以前紹介したようにわが国に始めてロングフィンアカヒレが輸入されてきた頃はすべての個体が、ヒレがオレンジに染まるタイプだったのです。噂では、旧東欧諸国が外貨獲得のため国家プロジェクトとして作出した改良種と言う事でした(笑)。事の真偽はともかくとして、当時我々はノーマルタイプしか知らなかったために、ロングフィンになっているだけではなくヒレのカラーリングが違い過ぎることから、元の種親自体別種なのではないかと考える人間もいたほどです(・・・って私だけかも)。 しかも、今回紹介したようにノーマルのカラーリングでロングフィンという個体も確実に存在するのですから不思議です。このオレンジフィンタイプは一体どういう過程を経て作出されてきたのでしょうか?すごくポピュラーで、誰でも入手可能なアカヒレにも、色々と謎はあるんですね~。どなたかしっかりとその辺追及してみません? それと、そうそう!「セルバスオンラインショップ」(http://selvas.jp)もよろしくね!!・・・と一応、応援しとかないとね(笑)
2005/12/24
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今日のアップはオオミジンコ(Daphnia magna)です。ミジンコと言えば金魚の餌としか思っていない方が大部分だと思いますが、これでなかなか可愛いもんです(笑)。さかなおやじは大学院でこのミジンコをお友達として日夜研究に励んでおりました。 ミジンコは単細胞生物と思っている方も多いのですが、立派な多細胞です。しかも、エビやカニと同じ甲殻類なのですよ!CRSがここまで人気になるならば、ミジンコの地位ももう少し向上させたいものです(笑) ミジンコの仲間の最大の特徴は単為生殖する事です。つまり、メスの背中の中にある卵はその場で発生を開始し、母親の体内から出てきたときにはもう立派なミジンコなのです。しかも、オス要らず!メス1匹だけでジャンジャン子孫殖やせます(笑)。当然、生まれてくる子供たちもすべてメス。まさに、アマゾネス状態ですな。 しかし、ミジンコにオスがいないのかと言うとそうではありません。水質の悪化や水温の低下など環境が悪化すると、メスは息子達も産むようになります。そして、その後は他の生物同様にオスメスで受精卵を作り、休眠卵の形で産卵します。休眠卵はブラインシュリンプエッグ同様、乾燥や低温・高温に耐え環境が改善されると、卵からまたミジンコが孵化して来ると言うわけです。つまり、田んぼなどで見かけるミジンコは、冬になる前に休眠卵を産み、そのまま冬越しして初夏の頃再び孵化して来るというサイクルを繰り返すのです。 また、ミジンコは体が透明なので倍率の高いルーペや顕微鏡などで観察すると、心臓の鼓動まで見えるから子供の教育教材としては最適なはず・・・。しかも、良く観察すると大きな目やオールのような両腕(実際には鰓脚と言う)など結構キャラ的にもいい線行ってると思うのだが・・・ しかし、それならばなぜ人気がないっ!それはサイズが小さすぎるからでした(涙)。良く我々が見かけるミジンコはせいぜい2mm程度。これでも結構大きな方で、もっと可愛らしい外見のゾウミジンコ(ゾウのような鼻を持つ)やマルミジンコ(まんまる)などは体長1mm以下と極小サイズ。これでは人気も出るはずない訳ですな! ところが、こんなミジンコ達にも期待のホープがいるのだ!それが、今回紹介するオオミジンコで、何しろこ奴は体長が5mmに達すると言う超特大サイズ!どれくらい大きいかは、上の写真を見れば一目瞭然でしょう。一緒に写っているのはアジアンランプアイの稚魚(メダカの稚魚とほぼ同サイズ)ですが、ほぼ同等のサイズです。写真の個体はもちろんメスで、まさに「肝っ玉母さん」状態です。撮影途中にも、大きな両方の腕をぶんぶん振り回して近くにいたランプアイの稚魚を張り飛ばしておりました(爆笑) さあ、今日から皆さんもミジンコフリーク!特にお子さんをお持ちのお父さんお母さんは夏休みの宿題に「オオミジンコの観察日記」をお奨めします。それこそ、小さなコップやプリンカップで家族中が楽しめますよ。
2005/07/26
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今日のアップはグリーンネオン(Paracheirodon simulans)です。ブラジルのネグロ側に生息する、いわゆる「ネオン3兄弟!」の末弟です(笑)。今や、ほとんどショップでこのネオン3兄弟を見かけるようになってきましたが、この3種の違い当然知ってますよね?えっ、よくは知らない??判りました。この際なのでここできちんと解説しておきましょう! まず、一番最初は今日のお題にもなっているグリーンネオンです。よく、腹部の赤い部分が少ないとか色が薄いとかを判別方法としている書籍や雑誌を見ますが、これだけでは不十分です。この方法では色の良く出ていないネオンとの区別が出来ません。一番確実なのはブルーのラインの長さでしょう。3種の中で、尾鰭の付け根までブルーラインが続いているのはグリーンネオンだけです。これなら、かなり幼魚の内から区別する事が出来ます。 次にカージナルテトラです。こちらはブルーラインと言うよりは腹部の赤く染まる部分に着目するのが一番確実です。3種類の中でカージナルテトラは唯一、ブルーラインの下側全部が赤く染まりますから。ブルーラインについては、ノーマルタイプとショートラインタイプがあることはこの間説明しましたよね。ちなみに、下の写真はショートラインカージナルです。 そして、最後がネオンテトラです。体を走るブルーラインが短く、しかも腹部の前半部分は銀色、後半部分が赤く染まるのがネオンと言う事ですがそんなことより「上の2種の特徴に当てはまらない魚=ネオン」と言う消去法で行った方が簡単です(笑) さあ!これでネオン3兄弟の見分け方は完璧ですね?ところで、グリーンネオンって3種の中では一番華奢な外見ですが、見かけによらず丈夫です。したがって、飼育に際して特別注意する点はありません・・・あっそうだ!一つだけありました(笑)。グリーンネオンは結構草食性の傾向が強いので、すごく柔らかい水草の葉などはカジカジされてしまいます。水草レイアウトをメインに考えている水槽では、グリーンネオンは避けた方が無難かも。
2005/10/20
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さてさて、前回は熱帯魚用フレークフードのスタンダードであるテトラミンについて論評を加えましたが、今後登場するフレークフードは原則としてこのテトラミンを基準として評価をしていきたいと思います。それでもって、今日まな板の上に取り出したのは(笑)、日本が世界に誇るブランド「キョーリン社」のひかりフレーク熱帯魚用です。 キョーリンは、我が国の観賞魚メーカーの中で唯一と言って良いほど世界に知られたメーカーです。まぁ、錦鯉と金魚の餌の分野では今の処我が国の製品が一番優れているようですから、キョーリンの知名度の多くもこの2つのカテゴリーに依存する割合が多いですけどね。でも、他のメーカーがアジアの製造工場からバルクで餌を購入し、自社パッケージに詰めて販売している事が多いのに比べて、キョーリンは自社生産です(たぶん)。さすがに、工場は海外に拠点を置いているかもしれませんけど。 また、キョーリンは系列会社にカミハタの養殖用飼料会社もありますから商品開発部門にも信頼が置けます。なんたって、人様のお口に入る魚や家畜の餌作ってますから。以前にも書いたかもしれませんが、私は結構いい加減な男に見えて実はやっぱりいい加減です・・・じゃなくて(笑)、案外国粋主義的な思想も潜在的に持っている様です。そんな私が、我が国の観賞魚用品メーカーとして世界で頑張るこの会社を嫌いな訳がありません!基本的に、私はこのキョーリンブランドに対して概ね好意的であることは否めませんね~。 それでもって、今日紹介するひかりフレーク熱帯魚用ですが、栄養組成的には粗タンパク質47%以上、粗脂肪7%とまったく問題の無いレベルです。このフレークの最大の特徴は何と言ってもその外見にあります。2枚目の画像をご覧いただければお判りのように、実に質素・・・もっもとい、シンプルでナチュラルな色合いをしています。あの、極彩色のテトラミンとは雲泥の差ですね~。つまり、原料を加工してなにも着色しなければこのような地味な色に仕上がるって事です。判ったかぁ?テトラミン!さっさとあの無意味な着色ヤメレって! また、テトラミンに比べてフレークの厚みが非常に薄いのもこのフードの特徴です。まぁ、例えて言うならばケロッグのコーンフレークとカルビーのそれみたいな感じ・・・って普通の人には判らない例えか(苦笑)。フレークが薄いために、水の中に入れるとすぐに柔らかくなるようで、小型魚にとってはテトラミンより食べやすいのは確実でしょう。ただ、フレークの厚みが無いって事は、我が国では短所にもなっています。つまり、容器を開封後当然の事ながらフレークは湿気て変質していく訳ですが、手で摘んだ際の質感がすぐにシンナリしてしまうのです。テトラミンのように厚みの有るフレークは結構長期間パリパリ感を維持できるんですけどね~。もっとも、酸化や変質の速度はどちらも変わりないんですけどイメージがね・・・ さて、我々エンドユーザーにとってもっとも関心のある嗜好性ですが・・・うーん、残念ながらテトラミンに比べて優れているとは言いがたいかも。もちろん、嗜好性が悪い訳ではないのですが、魚達が飛びつくようにして貪り食うところまではとてもとても。すでにこの世に君臨するテトラミンの牙城を崩すべく登場した後発のフードは何かしらテトラミンより優れた部分を持っていないとアクアリストの心に訴えかけられないんじゃないでしょうか? 実は上記のような理由から我が家の温室でこのフードを使わなくなって久しいのですが、今回の記事のために久々にゲットしてきました。そこで気が付いたのですが、この餌以前と違ってますね~。パッケージにも「おいしさそのまま 新製法」って書いてあります。この餌の場合、「おいしさそのまま」じゃなくて「おいしさアップっ!」しなくちゃダメじゃん(笑)と言うツッコミはさておき、一番変化を感じたのは匂いです。以前の製品は、イワシやサンマなんかのいわゆる光物を多く原料に使っていたのか、鮮魚特有の生臭い臭いがありました。一般のユーザーでは気が付かないレベルでしょうが、我が家のように水槽が100本以上ある状況で以前のこのフードを使っていると、温室内に生臭~い悪臭が充満して辟易しました。 でも、どうやら私の知らないうちに原料の配合割合を変えていたみたいです。うーん、これだから餌とか用品の論評する時は気を付けないといけませんね。今回わざわざ新たにゲットして来なければ「ひかりフレークは生臭いっ!」って書いちゃうとこでした。そんな訳で、以前は大問題であった臭いの面に関してはクリアされていると言って良いでしょう。 じゃあ、結局の所ひかりフレークの評価はどうなのさですって?うーん、特に悪い所は見当たらないんですけど、テトラミンに比べて格段と優れた点も見当たらないんですよね~。現在テトラミンを使っているアクアリストに「この餌に替えた方がいいよっ!」って言う根拠が・・・。これは実験で立証されたのではなく感覚的な物に過ぎないのですが、長期間与え続けた際の魚の仕上がり(体色や体型など)も、正直言ってテトラミンの方が上の気がします。そんな訳で、この餌の評価はゴメンなさいっ!の今回のひかりフレーク熱帯魚用評価は☆
2008/04/10
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通称:ボララス・ウロフタルマ学名:Boraras urophthalmoides Kottelat,1991体長:1cm分布:タイ、カンボジア飼育:★★(普通)繁殖:★★★(少し難しい) さてボララスシリーズのトリを飾るのは、ボララス・ウロフタルモイデスです。この魚、ショップではウロフタルマとして販売されている事が多いのですが、これには深~い訳が(笑)。この魚自体は1954年にBrittan博士により新種として記載されています。その時の学名はラスボラ・ウロフタルマ(Rasbora urophthalma)でした。属名がラスボラからボララスに代わったのはまぁ、しょうがないとして何で種小名まで変わってしまったのでしょうか? 実はBrittan博士、何をとち狂ったのか新種記載する時の模式標本(新種を学会に記載する時には、必ずこれがその生物ですよ~と言う標本を用意します)に違う魚を入れちまったらしいのです(笑)。ありえないようなミスですが事実です。しかし、周りの人はみんなそんなこととは露知らず、今日紹介した魚は模式標本の個体とまったく同じ種類だと信じ込んできたわけです。 さて、ここで登場するのがコテラット博士と言う新進気鋭の魚類学者です。この方は、新種記載する事が人生のすべてと言う位に入れ込んで新種を捜しまくってます。見た目は、単に暑苦しいだけの肉の塊ですが(笑)、内面はかなり尖った方のようで古い論文のミスを探しては攻撃しまくるのが特技みたいなところがあります。その、コテラット博士が目をつけたのがこの魚というわけです。実際に我々がウロフタルマだと信じていた魚に関しては、未だ学名が付いていない(多くの研究者はウロフタルマって言う学名が付いていると思ってますから)ので、当然第一発見者のコテラット博士がめでたく1991年に新種として、ボララス・ウロフタルモイデスを世に発表したのでしたぁ~♪ ウロフタルモイデスは体側部にビックリマークがあると言う点では、すでに紹介したブリジッタエに良く似ています。しかし、上の画像をご覧いただくとお判りのようにブリジッタエと異なり体色が真っ赤に染まる事はないので間違える可能性は皆無と言ってよいでしょう。それなりに魅力のある魚なのですが、美麗魚ぞろいのボララスの中にあってはあまりにも地味なため、最近では人気が無いようです。飼育自体は容易で、水質も中性付近の水でまったく問題ありません。 この魚はタイ、カンボジア以外にもスマトラ島辺りからも棲息が報告されているようですが、これはおそらくはブリジッタエと混同しているのではないかと考えています。わが国に輸入されてくる個体のほぼ100%はタイ産で採集個体です。以前は、ウロフタルマの中にラスボラ・ソムフォングシィという珍種が混ざっていたので一部のマニアは熱心にそれを捜していたものですが、最近ではショップでソムフォングシィが混ざっているのを見かける事は皆無となりました。・・・ってことで、やっとボララス属終わりましたぁ~♪次はもう少し撮影の楽なサイズの魚にしようっと(笑)。それに、皆様からのリクエストだってお受けしちゃいますっ!何か紹介して欲しいグループがありましたら、どしどしご要望をお寄せください。と言っても、必ずそのリクエストをお受けする訳じゃありませんけどね(笑)。さかなおやじの好みにあわない魚だったりすると間違いなく無視されますのであらかじめ御了承ください。 本日も恒例のブログランキングに参加いたします。合言葉はぁ~?熱帯魚のブログが犬猫のブログ蹴散らしたっていいじゃん
2006/04/25
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さて、前回ワサワサと沢山いるベタ稚魚達もこれから始まる飼い主の独断と偏見に満ち満ちた選別の網目を潜り抜けて生き抜かなくてはいけないって書きましたけど、もう少し具体的に説明しましょう。ちなみに、この稚魚達は全長2cm前後と言うサイズです。コレくらいのサイズになれば、もうおおよその外見やカラーリングも判って来ますので選別開始には最適な時期といえるでしょう。 ちなみに、バンコクのプロブリーダーたちは生後3ヶ月程度で市販サイズにまで育て上げますが、これを標準と思わないでください。一日中ベタの管理に時間を割ける環境で、水温が常時30℃程度さらに豊富な生き餌が簡単に入手できるタイならではの事ですから。1日1回しか餌を与えられない平均的なアクアリストならば生後3ヶ月で全長2cm前後、生後半年で成魚サイズにまで育成できれば十分だと思います。 稚魚達の選別の第一段階ですが、この時点でカラーリングにこだわるのはやめておいた方が無難です。特にマーブル系は成長と共に大きく模様が変貌しますから、1枚目の画像のようにヒレに美しいレッドのマーブルパターンが出ているからと言って過剰に期待するのは無駄ってもんです(苦笑)。逆に、ただのソリッド・ブルーだと思っていた個体が成長と共に見事なブルー&ホワイトのマーブルパターンに変身するってケースも別にまれではありませんからね。 サイズの大小も選別の根拠にはなりません。この時期やたらと成長の早いいわゆるトビと呼ばれる個体から、なんだか生まれたときとあまり変わらない貧弱なサイズの個体までサイズはバラバラです。特に、餌やりの回数が少ない飼育環境では顕著です。しかし、成長速度とベタとしてのクオリティにはなんの関係もありませんから、この時期出遅れた個体だってもしかして大器晩成型かもしれないし、大切に育成してあげましょう。 それじゃあ、どこを見て選別するのかって?もちろんブリーダーによって基準は異なるでしょうが、私の場合は選別の第一段階としては奇形の個体を取り除きます。当たり前すぎる意見だと思いますが、ダブルテールの繁殖なんてした日には体が折れ曲がった奴や、鰭があるべきところにない奴がかなりの数生まれてきます。シングルテールの場合はそこまでひどい個体は数少ないですが、遊泳異常の個体が多数いる場合があります。 いわゆるベリースライダーと呼ばれるもので、うまく水中で姿勢を保つことが出来ず普段は水底をハゼみたいに這い回っています。浮袋の異常によるものだと考えられていますが、原因については今ひとつよく判っていません。遺伝的なものという方もいれば、稚魚の育成環境に左右されると言う見方をしている方もいます。ベタ以外にも卵生メダカでもベリースライダーがよく見られますが、この両者のベリースライダーはちょっと異なるものだと思ってます。と言うのも、卵生メダカのベリースライダーは卵から稚魚が孵化した直後から見られるのに対して、ベタの方では孵化直後は正常に遊泳していて1ヶ月くらい経過した時点でいきなりベリースライダーになる事がほとんどだからです。 ベリースライダーだからと言って、その後の生育が困難と言うわけではなくそのまま育成続ければ成魚にまで育て上げる事は可能です。でも、ハゼみたいに水底をヘコヘコ這いずり廻るベタはちょっとね~。人によってはベリースライダーは成長と共に治るって言う人がいますが、確かに成魚になって一見普通に泳ぐ場合もあります。でも夜消灯後は水底に寝そべってますし、年老いてからは水底に横たわるようになることがほとんどです。つまり、体力のある時期は必死になって立泳ぎしているみたいな状態なんだと思います。そんな訳で、個人的にはベリースライダーの個体は早期に選別すべきと思ってます。 ベリースライダーの稚魚は水底を這い回っているか、2枚目の画像のように立泳ぎのような格好でヒレをせわしなく動かしながら水中で体勢を維持していますので、すぐにわかると思います。成魚になると同じ水槽で飼育することが難しいベタでは沢山の稚魚達がみんな成長してしまっても後々途方に暮れるだけです。罪もない稚魚達を淘汰選別することは決して気持ちの良いものではありませんが、改良品種の育種を手がける以上避けては通れない道だと思って、心を鬼にして選別しましょう。
2008/05/28
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今回仕入れてきたプラカットのうち、ピンク・マルチという品種についてお二人の方から相次いでご質問をいただきました。お二人とも「ピンク・マルチってどんな色ですか?」と言うお問い合わせだったので、これを機にブログでも説明を加えておこうと思います。 まぁ、当然のことながら全身がピンクベースの品種であることは確かなのですが、まだ品種として確立しているほどではないようでその表現形は大きなバラツキがあります。おそらくは、元になる品種から来るものなのでしょうが2つのタイプに大別できるようです。 一つ目がトップの画像のように、ボディは淡いピンクでヒレは濃いピンクのタイプ。これは、品種作出のどこかの時点でカンボジアと言う品種を使っているのでしょう。ちなみにカンボジアとはボディがクリームホワイトで各ヒレが朱赤の古典的な品種です。このタイプの特徴はボディの淡いピンクが美しい発色を見せる事にあります。反面、ボディの地色が淡色系の為か、ボディに染みのように暗褐色の模様が入っている場合がほとんどです。 もう一方のタイプは、ベースがソリッド・レッドなのでしょう、全身がほぼ均一に濃いローズピンクに染まります。ベースとなるソリッド・レッドに良質な個体を用いれば、ソリッド・ピンクの作出も可能と思われるのですが、なぜかそのような個体を今まで目にした事がありません。2番目の画像のように、鱗が暗褐色に縁取られている個体ばかりです。 決して稀少な品種ではありませんが、バンコクのブリーダー達が意識して作出しているような感じがなくどちらかと言うと偶発的な品種のようです。日本人にはかなり受ける色調だと思うのですが、これも国民性の違いなんでしょうかね~?その為かどうかは判りませんが、今のところ明らかにピンク・マルチのメスと判断できるようなメス個体にもお目にかかったことがなく、眼にするのはオスばかりです。また、ほとんどの個体は、鑑賞面から言ってお世辞にも美しいとは言えない物で、とても仕入れる気になりません。綺麗な個体と言う点から考えればかなり稀少と言うことになると思います。 ご質問をいただいた一方の方から「遺伝的には固定されているのでしょうか?」と言うご質問も併せていただきましたが、メスを入手した事がなく親しいブリーダー達が手掛けていない為、情報を入手する事も出来ないので、どの程度固定された品種なのかは私には判りません。ただ、市場に出回る個体の表現形のバラツキから考えると、まだ固定率はあまり高くないのではないかと想像されます。特に、メスにカンボジア系を用いた際の次世代の表現形に関しては、私の乏しい知識ではなんともお答えのし様がないと言うのが、悲しいながら現状です。 種親のメスと言う事であれば、私的な意見ではありますがカンボジア系よりも全身がやや青みがかった、体中に余計な発色のないパステルホワイトの個体がよろしいのではないでしょうか。・・・って、そんなメスを入手する事自体があんまり容易ではありませんけど(苦笑)
2008/10/16
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今日のアップはゴールデンテトラです。一般にゴールデンテトラと呼ばれているカラシンの仲間には数種類が混在しています。写真の魚はヘミグラムス・アームストロンギィ(Hemigrammus armstrongi)とされています。このゴールデンの特徴は体側部にメタリックブルーのラインが走る事と、尾鰭の付け根に黒いひし形の模様があることです。体色はゴールデンと言うよりはシルバーに近いでしょう。また、ヘムグラムス・ロドウェイ(Hemigrammus rodwayi)の方は、体色がほんとうに金箔を貼り付けたように金ピカなのと、尾びれの上下がやや赤く染まる事が特徴です。 ところで、皆さんはなぜゴールデンテトラが光るのか御存知でしょうか?じつはこの金属光沢の体色はこれらの魚本来の物ではなく、体表に寄生したバクテリアが光に反射して起こる現象だとされています。時々、このバクテリアの事を発光バクテリアとしている書籍などを見かけますが、本来発光とは暗闇で自分の力で光る(ホタルな)物を呼ぶので、光の反射で光る場合は発光とは言いません。あしからず・・・。 ゴールデンの体色がバクテリアの寄生によるものだだけに、ゴールデンテトラを長期間飼育しているとだんだん色があせてきて、その魚本来の地味な体色に戻ってしまいます。どちらかと言えば、アームストロンギィ種の方が色褪せは少ないようです。その分ロドウェイ種はゴールドの輝きがゴージャスなため、一時的な輝きか長持ちか選択に悩むところです。 さて、ゴールデンの発色がバクテリアの寄生によるものなのは判明しているのですが、いったいいつの時点でバクテリアが魚に寄生するかはよく判っていません。卵の時なのか、幼魚期かそれとも成魚になってからか・・・。さかなおやじは以前、どうしても金色のブラックファントムテトラを作りたくて、ゴールデンテトラを大量に飼育した水槽の水を使ってブラックファントムを繁殖させた事がありますが、残念ながらというか予想通り、1尾もゴールデンブラックファントムは出てきませんでした(苦笑)。それどころか、ゴールデンテトラ同士(さかなおやじの場合はロドウェイ種)の繁殖を水槽内で行っても子供たちには1尾もゴールデンタイプは出現しません。魚自体はポピュラーな種類ですが、実はまだまだミステリアスな部分をたぶんに持ち合わせています。 ゴールデンの発色をさせるバクテリアはその他の魚にも寄生するようで、ペンシルフィッシュ・ペレズテトラ・テトラオーロ・カージナルテトラなどたくさんの種類でゴールデンタイプが見つかっています。マニアの中には各魚のゴールデンタイプだけをコレクションする人もいるほどです。ただ、前述の2種以外のゴールデンタイプは全身ベカベカと言うほどには光り輝かず、体の所々がという程度に終わっているのも謎の一つと言えるでしょう。
2005/07/11
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ベタは産卵の際に水面にオスが泡巣を作ることで有名です。自然界ではスイレンの葉の裏などを利用して泡巣を作りますが、水槽内で何も水面に浮かんだものがない場合は水槽の隅に泡巣うを作る事が多いようです。しかし、何らかの補強材(睡蓮の葉のような)がない場合、ちょっとした水面の振動や風などで巣が崩壊してしまう事も珍しくありません。 そんな時に便利なのが、今日紹介するコレっ!発泡スチロール板を適当な大きさにカットし、さらに中を切り抜いた状態のものが画像に写っていますが、産卵の際にはスチロール板の内側を用います。あっ、外側もこの後使用しますので捨ててしまわないでくださいね。 使い方はいたって簡単で、このスチロール板の切れ端を水面に浮かべておくだけ。たったコレだけの事ですが、他に水面に浮かんだものが無い水槽の場合ほぼ確実にこのスチロール板の下に泡巣を作ってくれます。 実はこのスチロール板は泡巣の補強材としての効果だけでなくもう一つの利点を持っています。私は物理関係は見事にダメな男なので正しいかどうかは定かではありませんが(笑)張力?って奴の力でしょうか、このスチロール版をガラス面に近づけるとピタッと水槽のガラス面に接地した形で固定されます。この性質を利用して、泡巣を水槽内で一番観察しやすい場所に作らせるのが容易になると言う訳です。 特に老眼の傾向が強い私のようなものにとって(涙)、水槽の奥の方で泡巣とか作られちゃうと、観察しようにもボンヤリとしか見えないので非常に辛いのです(苦笑)。また、水槽の前面に泡巣があれば、産卵後の卵の状態や孵化のタイミングなども正確に把握しやすいと思います。 実際の所、水面に浮かぶ物体であればなんでも代用できます。ただ、今後稚魚の育成の際に残った外枠の方が必要になる為、廃物利用ではありませんが作業後に必然的に入手できる(笑)、スチロール板の切れ端を使うのが「正しいエコ道」ってもんかと思いまして。ちなみに、我が家で用いているスチロール版はダイソーで購入した『カラーボード5色』って奴で、20×15cmサイズの発泡スチロール板が5枚入って100円でした。
2008/10/25
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今日のアップはキャリスタス(Hyphessobrycon callistus)です。アマゾン河流域に生息する体長4cm前後のカラシンで、全身が鮮やかなピュアレッドに染まります。また成熟した個体では、各ヒレの先端が白く縁取られより一層艶やかな姿になります。 しかもキャリスタスはすごく丈夫です。普通に飼育してれば、どうやったら死んじゃうの??って言うぐらい(笑)。さらに、東南アジアで盛んに養殖されているために、価格面でも非常にお買い得!それなのに、キャリスタスはあまり人気がありません(苦笑)。理由は??もうお判りだと思いますが、このてのカラシンにありがちなパターンですが、とにかく性格がキツイ!複数匹を同時に飼育していると、ヒレ先が千切れていない個体を見つける方が大変なくらいです。しかも、この性格は同種にだけ向けられるのではなく他種や水草だって攻撃の対象となってしまいます(涙)。 色彩的にはレッドファントムやクリスタルレッドテトラなんてアウト・オブ・眼中!!なのに、残念な事です。でも、60cm水槽辺りにアマゾンソードでも植えて、その中に本種を群泳させるとすごくゴージャスな眺めなんですけどね~。一度、キャリスタスを飼育して懲りてしまったアクアリストはもう二度と見向きもしないでしょうね~(苦笑)。 それでも、需要はあるようで前述のように東南アジアから大量に輸入されてきます。しかも、ロングフィンタイプや全身が金赤に輝くゴールデンタイプなどの改良品種も作出されています。さかなおやじの周りには、キャリスタス飼育してる奇特なアクアリストなんて皆無なのに、大量に輸入されたキャリスタスは一体どこで消費されているんでしょう?うーん、不思議です!そして、裏読みするとすごく恐ろしいです・・・ 私も決して大好きな魚ではありませんが、以前ワイルド個体が輸入されて来た事がありました。この時のワイルド個体の色彩と来たら・・・。今までのキャリスタス感が払拭されてしまうほどの、壮絶な色彩を持った魚でしたよ。あそこまで綺麗なら、少々性格悪くても我慢できます。ほら、人間だって同じじゃないですか!すごく美人なら性格悪くても周囲は許してくれるみたいな・・・(笑)。残念ながら、養殖のキャリスタスにはそこまでの魅力は無いですけどね~。
2005/12/30
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通称:ラスボラ・ヘテロモルファ学名:Trigonostigma hteromorpha (Duncker,1904)体長:2.5cm分布:タイからマレー半島、インドネシアにかけて分布する飼育:★★(普通)繁殖:★★★(少し難しい) 今日から新シリーズに突入です。前回のボララスシリーズで撮影に手こずったので今回は少し撮影の楽なグループを選びました。今回紹介するのはトリゴノスティグマ属と言う、なにやら聞きなれない難しそうな名前の属ですが、なんの事はないラスボラ・ヘテロモルファの仲間です。以前はラスボラ属に含まれていたヘテロモルファとその近縁種は近年になって、新属トリゴノスティグマ(Trigonostigma)属に移行されたのです。 さて、このグループのトップを飾るのはやはりなんと言ってもヘテロモルファでしょう。属名が変更されてもショップなどではラスボラ・ヘテロモルファで流通していますし、これからもきっとそのままでしょう。私もそれでよいと思います。だって、トリゴノスティグマ・ヘテロモルファなんて名前覚えたくないでしょうから(笑) 画像を見てお判りのように、文句なしの美麗魚です。体色の濃ピンクと体側部中央の濃紺の逆三角形のコントラストは絶妙だと思います。これだけの美魚でありながら、現地から大量に野性採集個体が輸入されるため安価なのは嬉しい限りです。生息地では、かなりpHの低い軟水に棲息していますが、塩素中和した水道水でもあまり体色を損なう事は無いようです。 性質も温和で他の同居魚にいたずらをする事もありませんし、水草を齧ったりする悪癖もありません。餌だって、フレークフードを喜んで食べてくれますから言う事無しです。まさに、観賞魚の中の観賞魚とも言える存在ではないでしょうか。その割に、評価があまり高くないような気がしてさかなおやじは非常に残念です。 ヘテロモルファは生息域が広いため、かなり沢山の色彩変異が見られます。すべてを調べたわけではないのですが、私の今までの現地で採集した個体で言えば、タイに棲息するヘテロモルファは体高が低く(つまり細長い)体色はややブルーがかっています。そして、南下するにつれて体高が高くなり、体色はピンクに染まってきます。ちなみに、写真の個体はスマトラ産だと思われます。もちろん、美の感覚は人それぞれですが、一般的にはスマトラ島周辺の体高のある個体の方が人気があるみたいですね~。ただ、そこまで体高のある個体をショップで見かける機会はさほど多くはありませんから、もし見かけたら躊躇無くゲットです!(笑)。 飼育は容易なヘテロモルファですが、繁殖はそれほど楽ではありません。産卵は幅の広い水草の葉の裏側などに卵を産み付けるようにして行われますが、産卵に至るまでには一工夫必要です。つまり、水質を現地の水質に近づけてやらないとなかなか産卵に至りません。個人的にはpHよりも硬度を下げる事のほうが重要な気がしますが、いずれにしてもpHの低いかなりの軟水を必要とします。産卵さえクリアできれば、稚魚の育成自体は他の小型コイ科魚類とあまり違いません。私見ですが、ヘテロモルファの繁殖に成功できれば繁殖技術は中級の上を名乗っても問題ないのではないでしょうか。 また、最近では体のメラニンが欠落した(白化)ゴールデンタイプや、体側部の三角模様が全体に広がったようなブラックタイプなど改良品種も見られるようになって来ました。ただ、さかなおやじ的にはあまり美しいと思えない改良品種なので現在飼育していませんので、当然ここで登場する事もありません(笑)。やはり、原種がここまで美しいのですから素直に原種を飼育するのが正しい道ってもんじゃないでしょうか。本日も、飽きもせずブログランキングに参加いたします。よろしければご協力のほどお願いもうしあげます。合言葉はぁ~?熱帯魚のブログが犬猫のブログ蹴散らしたっていいじゃん
2006/04/26
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学名:Nothobranchius kafuensis Wildekamp&Rosenstock,1989通称:ノソブランキウス・カフエンシス分布:ザンビア体長:4cm飼育:★★(普通)繁殖:★★★(少し難しい) 今日はノソブランキウス・カフエンシスの紹介です。それにしても次から次へとよくまァ、ネタが尽きないもんだと我ながら少し感心してます(苦笑)。しかし、綺麗どころをずらっと並べてきたノソブランキウスの仲間シリーズも今日が一応の最終回だけあって、さすがに最後に残ったのはすごく地味な奴になりました(笑)。 ピンクともオレンジともつかない複雑な色のノソで、しいて表現するならばサーモンピンクって奴でしょうか?・・・って、はじめからそう書けって??(笑)。一言で言えば、歌舞伎者揃いのノソにあっては、ビックリするほど地味なお人ですね。尻ビレと尾ビレのホワイトエッジが唯一のチャームポイントでしょうか?いずれにせよ、あまり人目を引かない事だけは確かなようですな。 飼育は別に難しい事もなく、他のノソ同様ですがあまり人懐っこくないかもしれません。餌を与えた時以外は結構物陰に潜んでますから。飼育に関しては特記すべき点もないN.カフエンシスですが文献によると、卵の休眠期間は約5ヶ月とかなり長いので繁殖はかなり難しい部類に入るとの事です。・・・ってほんとかよ?ちなみに我家には7/25採卵の休眠卵があるのですが、外見から判断する限りではいつでも孵化OKって感じなんですけど・・・ 洋書などで見るN.カフエンシスと我家のカフエンシスは若干見てくれも異なるようなんで、もしかすると違う種類なのかしらん?一応、ザンビアのManbowaって言うロケーションが入ってましたから、N.カフエンシスの地域変異らしいのですが、それにしても休眠期間5ヶ月のところが2ヶ月もたたないうちに発眼しちゃってると言う事実はどう理解すべきなんだろうか?? 話は変わりますが、一般的に言って熱帯魚の世界にはある法則が存在してるような気がします。つまり、綺麗な種類ほど安価で飼い易い!。この法則をさかなおやじのおさかな第一の法則って言うかどうかは別として(笑)、綺麗な魚はそれだけアクアリストからの需要があるわけで、当然プロブリーダーも一生懸命ブリーディングに励む事になります。その結果、需要に応じた供給態勢が確立され、価格も安値安定すると言う事です。また、人工的に累代繁殖された結果として飼育も容易になってくるんですよね。 例えば、ネオンテトラなんてその典型じゃないですか!あれだけ綺麗な魚があの価格で買えちゃうんですからね~。でも、この第一の法則を裏読みすると綺麗じゃない魚ほど高額で飼い難いって事になりませんか?(笑)。実際、混じりものの珍カラなんて全然綺麗じゃなくたって、ビックリするような高値で取引されていたりしますから。N.カフエンシスもご多分に漏れず、やっぱり市場価格は高めです。本当に休眠期間が5ヶ月ならばこの高値も納得できますが、我家のものみたいに2ヶ月足らずで孵化するとなると、これはチョット問題あるんじゃないでしょうかね~? 冒頭の画像があんまり可哀想なんで、少し頑張って取り直ししてみました!・・・ってでも、この程度なんですけどね(苦笑)。カフエンシスにしてみれば、精一杯頑張ってる所なんでしょうね~。
2006/09/11
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今日のアップはブルーグリッターダニオ(Danio sp.)です。先日のオレンジグリッターに続くダニオ第2弾と言うわけですが、オレンジグリッターダニオがあれだけの美麗魚なら、ブルーにも期待が集まるってもんです。実は、この魚は半年ほど前にすでに入手してました。 半年ほど前の某日、さかなおやじの携帯に懇意にしてる生体の輸入元から「さかなおやじさん、ミャンマー便でブルーグリッターダニオってのが入荷しましたよ!」と言う情報が入りました。「えっ、綺麗なの??」「うーん、ノーコメントです」「なんだよ、もったいぶらないで教えてくれよぉ~」「いや、まだ今日入荷したばっかりだから判らないんですよ。今見た限りではただのグレーの魚にしか見えません」「コイ科は飼い込んでこそ真価が発揮されるからな!よし、買いだ!!」という事でゲットしました。もっとも、さかなおやじの自分の中での取り決めで、アクアリスト(趣味人)である以上、趣味のものを問屋さんから直接購入しては如何なものか?と言うものがありまして(笑)、その輸入元と取引のある知り合いのショップに仕入れてもらって(当然売約で)入手したと言うわけです。傍から見ると「そんな事こだわって変だぞ」と言われますが、性格なんでしかたありません。こう見えても結構律儀なんですっ!!(笑) さて、我が家に来たブルーグリッターですが、確かにグレー一色で地味な魚です。と言うか、はっきり言って薄汚い気さえします(苦笑)。でも、コイ科の他の魚に見られるように、ある日信じられないほど鮮やかな婚姻色出したオスになる事を信じて半年間大事に飼育してきました。 ・・・でも、今日紹介した画像は、先日撮影したものですがカラーリングは我が家に来た日とほとんど変化ありません(涙)。クソ~、どこがブルーグリッターなんだよぉう。これじゃまるでサギじゃん。だからミャンマーなんて大嫌いなんだよっ!大体、ミャンマーの軍事政権はスーチー女史軟禁しながら、こんなもので外貨稼ぎやがって・・・。しかも、オレってその手助けしてるのと同じじゃないかぁ~~。なんだか、話が壮大な国家批判に発展してしまいましたが、ブルーグリッターダニオは、まぁそんな魚です(苦笑)。 飼育自体は、ダニオ属全般同様めちゃくちゃ簡単です。「ゾウが踏んでも壊れないアーム筆入れ」くらい丈夫ですから・・・って今の若い人は知らないか(笑)。でも、でも、どんなに手を掛けてやってもこの魚はこれ以上の色にはなりそうもありません。観賞魚飼育歴30年をはるかに超えたさかなおやじのアクアリスト人生の中でも、ここまで不義理な奴は初めてです(笑)。どんな魚でも、飼育者が手を掛けてやればその分輝いてくれるもんなのですが・・・。いままで紹介した魚でも確かに地味な魚沢山いましたけど、一度たりとも「こんな魚ゲットする価値ない!」と書いた事はありませんでしたが、今度ばかりは堪忍袋の導火線に火が付いちゃいました(笑)。 ブルーグリッターダニオをこの先ショップで見かけても絶対ゲットしないでしょう!と言うより、オマケでくれるって言っても断固断ります。でも、ダニオ属の飼育繁殖完全制覇目指すなら避けては通れないんだよなぁ~。仕方ないから、こいつらも一回だけブリーディングしてみるかぁ~??
2006/01/08
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深みのあるピュアな発色の青で、我々が通常「ブルー」と言う時にイメージする色調にもっとも近いのがこのロイヤルブルーでしょう。混ざり気のないピュアな色調で、ターコイズと並びブルー系としては高い人気を誇ります。こちらは、仮定上の遺伝子形で表現するならばBbつまりへテロ遺伝子の場合の表現形です。 次世代にロイヤルブルーの発色を期待するならば、理論上ではロイヤル×ロイヤル、ロイヤル×ターコイズ、ロイヤル×スチールそしてターコイズ×スチールの4通りの組み合わせが考えられます。 意外と言えば意外、遺伝的にみれば至極当たり前の事ですが、次世代で一番確実にロイヤルを得られる組み合わせはターコイズ×スチールです。この組み合わせの場合、理論上は100%ロイヤルブルーの子供が生まれてくる事になってます。まぁ、あくまでもブルーを構成する色素胞以外の色素胞が存在しない場合ですけどね。
2013/11/27
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さてさて、先週新たなベタを仕入れるべくバンコクの外れを徘徊していた私ですが、土曜日に市場を歩いていた時の事です。いきなり、後から私の手をぎゅっと握る者がいます。その感触はすべすべと滑らかで、てっきり妙齢の女性だろうと思っていそいそと後ろを振り返ると・・・。そこには、歯なしの口をくしゃくしゃにして笑う爺さんの姿が! 実はこのクシャ爺は、知る人ぞ知るプラカットブリーダーです。市場に彼の店を構えているのですが、何かの用事で店から出てきた所、丁度カモが歩いていたのですかさずゲットしたって言う所だと思います。おそらくは70を遥かに越えていると思われるクシャ爺のくせに、何だってこんなすべすべの手をしているんでしょう??紛らわしいから止めれッて(笑)。 このクシャ爺の作るプラカットは間違いなく一級品です。それは間違いないんですが、値段の方も超一級品でして・・・。今の我が国のベタ市場では、この爺さんの魚は仕入原価が高すぎて商売になりません。そんな訳で、ここん所この爺さんの店には顔を出さないようにしてたんですが、今回武運拙くつかまってしまいましたぁ。 もちろん、その後クシャ爺が有無を言わさず私の手をぎゅっと握り締めて彼の店に連れ込んだ事は言うまでもありません。そして、おもむろに「なんでバンコクに来たのなら俺の店に顔ださん!」「いやっ、今日着たばかりだし・・・」「どんな魚を仕入れたんだ?見せてみろっ」と言うなり、この爺は人のバッグからプラカットを入れたビニール袋を次々と取り出し、品定めを始めました。「あいかわらず、お前は下らん個体ばかり仕入とるなぁ」「いやぁ・・・それ程でも」「この出来損ないのレッドはなんだ??」「いや、安かったもので・・・」「馬鹿もんっ!プラカットを値段で考えるんじゃないっ!こんな駄物は廃棄しなさい。わしがもっとちゃんとした個体を見繕ってやろう」「いや、爺さんの魚は素晴らしいのは知ってるけど値段が・・・」そんな私の哀願などにはまったく耳を貸さずこの爺は勝手に自分の店の魚を選び始めます。「ほれ、これがスーパーレッドだ!」このクシャ爺とは闘うだけ無駄なのは、過去の経験から学習済みです。「ああ、そうだね、素晴らしい個体だね。じゃぁ、それもらうよ。」「まぁ、まて他にも素晴らしい逸品をわしがお前の為に特別に見繕ってやるから・・・」 結局、その後このクシャ爺のプラカット講義を30分以上にわたり延々と聴かされる羽目に。もちろん、その間爺は自分の判断で次々に自家産のプラカットを選び出しパッキング。最終的に15尾のプラカットを押し付けられました。もちろん、こちらに選ぶ権利なし(涙)。人様からは短気だとか言われている私ですが、年寄りにはめっぽう弱いんですよね~。まぁ、爺孝行だと思って黙って、目の飛び出るほど高い金額支払ってきました。 その際にクシャ爺が選んだスーパーレッドがこの画像の個体です。帰国して撮影する際に初めてよく観察しましたが、こりゃ確かに物凄い色彩です。通常のソリッドレッドは、ボディやヒレに若干の金属光沢が残るのが普通です。また、バンコクのブリーダー達はこの金属光沢(イリデセンス)を消したり、より鮮やかな赤の発色をさせる為にメスにカンボジアンと呼ばれるボディが乳白色でヒレが赤い品種を使います。その為、金属光沢が消えている個体は、今度はカンボジアンの影響で、頭部がムラがあるように見えたり若干クリームホワイトの地色がのぞいたりする傾向があります。でも、この個体は本当に真っ赤ですね~。私も長年にわたりプラカットをずいぶん目にしてきましたが、ここまで真紅の個体は初めてです。まさに「真のスーパーレッド」と言えるでしょう。 もっとも、ソリッドレッドとしての完成度の高さと商売は別問題です。正直、プラカットのソリッド・レッドは我が国でそれ程需要がないし、例え今の販売価格で売れたとしても、仕入れ価格と全然見合ってませんけどね(涙)。これがショーベタならば期待できるんですけどね~。
2011/07/04
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数あるソリッド系(=単色)品種の中で、一番難しいのがソリッド・ブラックなのは間違いのないところです。と言うのも、ソリッド・ブラックには遺伝的に致命的な問題があるからです。ブラック同士のペアリングは劣性致死遺伝により、繁殖不可能なのです。ブラック同士のペアリングでは、産卵までは行っても、その後卵がまったく孵化しなかったり、極少数が孵化してもその後稚魚が生存できない為、実質的に繁殖不可能になっています。 以前、「ブラック同士で繁殖可能な系統」と言う触れ込みの個体を、えらく高い値段で購入し自分で繁殖させてみましたが、稚魚の孵化率がややアップしたものの、孵化後10日位ですべての稚魚が死滅し結局の所、やはり繁殖不可能でした。 そんな訳で、ブラックの繁殖ではメスに別のソリッド系メスを使うしかなくなってしまいます。その為、生まれてくる次世代は絶えず「ブラック×他の色」と言う事ですから、当然ながら子供達は完全なブラックではなく、体のどこかにほぼ確実にメス親の色彩が出てきてしまうのです。 その為、「ソリッド・ブラックの品種としての完成は永久に不可能」と言われています。また、体の一部にブラック以外の色彩があるのにソリッド系を名乗るのはいかがなものか、という事から通常はソリッド・ブラックではなく「メラノブラック」と言う品種名で扱われる事が多い様です。まぁ、「メラノ=黒色」ですから、この品種名だと「クロクロ」って言う意味になってしまい、言葉としてはチョット変ですけどね。 一般的には、繁殖の際のメス親に「スチールブルー」を用いる事が多く、その場合次世代の子供達は特に背中部分にシルバー~スチールブルーの色彩が出現するのが普通です。かつてはその様な個体を、マウンテンゴリラの老成したオス個体にちなんで「シルバーバック」と呼ぶ事もありました。 現在、メラノブラックは決して入手困難な品種ではなく、結構ポピュラーです。ただ「純粋な意味でのソリッド・ブラック」となると、それはもう幻レベルと言う事になりますから、入手は不可能と考えた方が無難です。今後、「ブラック同士の交配が可能」な系統が出現しない限り、この状況は変わらないでしょう。また、最近巷に再度「ブラック同士で繁殖可能」な系統が出回る事がありますが、私自身はその系統を繁殖させた事が無いので実際の所は今の所よく判りません。
2014/07/06
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学名:Danio rerio (Hamilton,1822)通称:ゼブラ・ダニオ分布:インド・バングラディッシュ・パキスタン・ネパール・ミャンマー体長:4.0cm飼育:★(容易)繁殖:★(容易) さて、ダニオ属の旗手といえば何と言ってもゼブラ・ダニオである事に異論のある人はいないのではないでしょうか。あらゆる熱帯魚の中でもネオン、カージナルあたりと並びもっともポピュラーな魚です。あまりのポピュラーさに、最近では観賞用ではなくメダカの代わりに大型魚の餌として販売されている事もあるほど。しかし、ここまでポピュラーでありながら、きちんと飼育した事のあるアクアリストは意外と少ないようです。以前は、アクアホビーに足を踏み入れた時の入門魚として一度は飼育をする種類だったのですが、最近の飼育技術の発達にしたがってアクアホビー入門者がいきなりアロワナやディスカスからスタートすることも難しくなくなってしまいましたからね~。 自然界ではインドを中心に広く分布するゼブラ・ダニオですが天然採集個体が輸入されてくる事はほとんどありません。ショップで見かけるほぼ100%の個体が東南アジアでブリードされたものでしょう。しかし、この魚は飼育下での累代繁殖の弊害が出にくい魚のようでブリード個体も現地採集物とほぼ変わらぬ美しさを保ってくれています。この、累代繁殖の容易さに着目され医学やそのほかの様々な産業で実験動物としても重宝されています。 例えば、一時メダカで評判になったある種のクラゲの蛍光物質をゼブラ・ダニオの卵に移植して作成された蛍光ゼブラ・ダニオもそんな生物操作実験の過程で生み出された産物です。今では、研究機関以外での飼育が御法度になってしまった蛍光ゼブラですが、私がアジアの某国で見かけた個体は色彩的にはゼブラの体表を蛍光ペンで染めた程度で別にたいしたものではありませんでした。しかし、本来クラゲの持つ蛍光遺伝子がゼブラ・ダニオの中に組み込まれ遺伝形質つまり子孫に代々受け継がれていく特徴になってしまったと言う点は、驚くべき現象と言う他ありません。医学や化学の進歩の過程では必要な操作だったのでしょうが、個人的にはチョット不気味さを感じる部分が無いでもありませんね~。前にも書いたと思うのですが、それほど遠くない未来に宇宙飛行士の髪の毛に植物の葉緑体とか移植して食事なんかしなくても光を浴びて光合成する事で栄養を補給できるなんてSFチックな事も可能になるかも(苦笑)。 1822年にハミルトンによって世に紹介され以来200年近く飼育下で繁殖されてきたゼブラ・ダニオだけに、蛍光ゼブラ・ダニオは別としていくつかの改良品種も登場しています。もっともポピュラーなのがロングフィンと呼ばれる各ヒレが長く伸長するものでしょう。グッピーで言う所のスワローなのでしょうか、やたらヒレが伸びるのが特徴です。若魚のうちこそ、まだ様になっていますが老成した個体では、バサバサした感じになるのでただでさえ泳ぎがセカセカしたダニオとしては、見苦しいとか暑苦しい以外の何物でもない存在になるので個人的にはかなりパスです(笑)。 他には、体から黒色色素が欠乏したゴールデンタイプも良く見かけます。私の見た限りではアルビノではなく白化個体のようですね。もっとも、ゼブラの最大の売りであるブルー&ホワイトのストライプがなくなってしまう訳で観賞価値はあまり高くないような気がします。他のアクアリストも同様に感じているようで、原種に比べて人気は今ひとつのようです。さらには、ゴールデンタイプのロングフィンだとか、ゴールデンタイプに染料で彩色を施したものなどが存在します、いずれも原種の持つ清々しい美しさには遠く及ばない気がします。 ところで、ゼブラ・ダニオのストライプって横縞でしょうか?それとも縦縞??以前も同じ事を書きましたが、生物の体は頭を上に足(尻尾)を下にして考えるのが基本的なスタンスとなっています。したがって、ゼブラ・ダニオのように頭から尾に向かって伸びている縞(線)は縦縞(線)という事になります。なんだかものすごく不自然で違和感ありますが、ゼブラ・ダニオはブルー&ホワイトの縦縞がトレードマークなんです!
2006/08/26
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うーん、ここの所非常に気持ちが落ち込んでおります。通常のどん底を軽く突き破って、さらにすごい勢いで下降している感じ。理由ははっきりしてます。私の古くからの知人である筒井良樹氏が先日お亡くなりになったからです。筒井氏と言えば、知る人ぞ知る?有名グッピーショップ「メダカ館パート1」の店主であり、またアクアライフやピーシーズなどでグッピーに関する遺伝的な問題に真正面から取り組んでいる事で有名な、業界でも超メジャーな存在。 そんな彼が、先ごろ「無酸素症候群」でポックリと・・・。なんだか聞きなれない病名ですが、要は喘息が悪化して窒息と言う事です。実は、私自身10年ほど前にまったく同じ症状で2度ほど救急車のお世話になっており、他人事とは思えません。でも、筒井氏が喘息だったとは20年ほど前からの付き合いながらまったく知りませんでした。 私と筒井氏の出会いは、彼が当時努めていたフィッシュマガジンが私の実家近くに越してきた事に端を発しています。私の行きつけの熱帯魚屋に取材で訪れていた彼と話を交わしたのが始まりでした。それからは、年齢が近い事もあり本当によく遊びました。・・・と言っても、筒井氏の場合はひたすら呑む飲む~♪でした。池袋の盛り場で、終電なくなるまで酒を飲んで始発までの間私の温室で暖を取るなんて事もしばしば。私の結婚式では、式がぶち壊しになるからアクアリスト仲間は3名までと義父母に釘をさされて(苦笑)、悩みぬいた末に選んだ3名のうちの1人でもあります。もっとも、その時のメンバーこそがアルコール入ると最も危険なメンバー達だったんですが、幸いにその時は結婚式会場のレストラン「クイーンアリス」の厨房に乱入し、皆さんにお出しする予定のデザートを食べまくっただけで済みました(笑)。 彼は、一見すると根暗な外見とは裏腹にウイットに富んだ男で一緒にいて実に楽しい人でした(酒が過ぎなければ・・・)。体が細くてめちゃくちゃ弱いクセに、酒が入ると池袋の盛り場で通行人に喧嘩を吹っかけるのも得意技でした。一度など、明らかにその道の方(笑)と思われる怖いおにーさんに喧嘩を売った彼がもちろんお約束どおりにぼこ殴りになっているのを、当時すでに肝機能不全で酒を受け付けない体になりつつあったしらふ(メンバーの中では)の私が止めに入り、何故か成り行きで相手を張り倒して、近くの組事務所らしき建物から相手の仲間がドワッと飛び出してきた事もあります。 フィッシュマガジンをやめてからの彼は、グッピー専門店を板橋にオープンさせ、各雑誌にグッピーに関する原稿を連載し、毎日気の会う仲間たちとひたすら飲む呑むノム~♪(笑)の毎日を送っていましたから、周りの人からは「自分の好きなことをやって生きている幸せな男」と思われていたようです。しかし、実際のところ彼はショップなんかやりたくなかったでしょうし、酒びたりの毎日なんか送りたくなかったのだろうと思います。本当に気のおける仲間と少人数で呑んでいる時などにポソッとそんな本音を漏らすことがありました。 私の知る限りでは、業界随一のあれだけの文才と人脈、そしてカリスマ性を持った彼にはもっとグローバルな仕事をして欲しかったと思います。また、かれもそうしたかったのでしょう。それが痛いほど判るだけに、酒びたりの彼を見るのが辛くて結婚を期に彼と飲み歩く回数は減っていき、ここ数年は私が今の場所に越してきた事もありまったくの音信不通状態になってました。 今となっては、彼が日本に持ち込んだエンドラーズライブベアラーの直系子孫が温室に泳いでいるだけになってしまいました。もうかれこれ、10数年間ずっと直系のまま維持しているエンドラーズが天才 筒井良樹の唯一の形見とは悲しい限りです。そして、彼のお通夜に出て以来何度か彼が夢の中に出てきます。そして、彼はアルコールなんか一滴も入っていない様子で「さかなおやじ君もこのままの人生で悔いは残らないのか?」と、彼独得の低音で話しかけてくるのです。うーん、これは結構危険な兆候だ!(笑)。さかなおやじの独立の日はそう遠くないのか!!どうするよっ、オレ~(笑)
2005/12/21
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今日のアップは、イエローストライプ・シクリッド(Melanochromis auratus)と言う、アフリカの大地溝帯にあるマラウィ湖にすむ体長8cm前後のシクリッドです。写真を見ればお判りのように、非常にカラフルです!どちらかと言うと淡水魚離れして海水魚の雰囲気さえあるほどです。でも、人気は?と言うと・・・ありません(苦)。 さかなおやじが小学生の頃は、まだアフリカンシクリッドブームのはるか以前だったので、入手可能なアフリカンレイクシクリッドと言えばこのイエローストライプかゴールデンゼブラくらいでした。いまや、雑魚扱いの「アーリー」でさえその存在自体知りませんでしたから。また、当時は熱帯魚に関する情報もすごく少なかった時代なので、「このシクリッドはどうやら口内保育するらしい!」と聞いただけで、頭の中がパァ~ッ♪っとなってしまい(笑)、夢中で飼育した事を憶えています。 この間、今年度の誓いである(笑)「熱帯魚の繁殖記事」のネタ探しにショップの水槽物色してたら、この魚を見かけ、かつての思い出も蘇ってきて思わずゲット~!!となった訳です。それにしても、これだけ色鮮やかな魚なのにどうして不人気なのでしょう?? その訳は「とにかく底意地が悪い奴だから!」(苦笑)。どういう訳か、この手のシクリッドは皆「我輩の辞書に協調性という文字はない!」みたいな奴ばかりでとにかく水槽内は修羅場と化します。今回写真を撮った個体はまだ3cm程の幼魚ですからまだしも、これが体長5cmくらいに達するといよいよK-1ワールドの開幕です!見てる方が「いい加減にしろッ!」と言う気力もなくなるくらいに激しくバトルを繰り広げます。 これはまぁ、ただでさえ餌の少ないと言われるマラウィ湖で生き残るために仕方なく身に付けた性格なんでしょうから同情すべきところもありますが、平和主義の傾向が強いアクアリストは心臓に悪いですから飼育しない方が無難です。それでも、どうしても飼ってみたいと言うならば互いに特定の相手が認識できないくらいにゴッチャリと過密飼育がお薦めです。まぁ、60cm水槽に成魚で20~30尾もぶち込めば大丈夫かと思われます。もちろん、イエローストライプだけを飼育する必要はありませんから、おなじマラウィ湖に生息するシクリッドを好きなだけ入れちゃってください(笑) ところで、マラウィ湖の水質は一種独得です。PH8前後の弱アルカリ性の硬水なので、イエローストライプの飼育水もそのように調整してやらないとなかなかうまく飼育できなかったりします。一番簡単な水質調整方法は底砂にサンゴ砂を使うことで、こうすれば自然に水質はアルカリ性の硬水になって行きます。また、現地では岩に付着した藻類とその辺りにいる小さなエビなんかが主食になっているので、餌は普通の熱帯魚フードより植物原料を強化したものがお薦めです。 ここまで書いてくると「なんだか、アフリカンシクリッドの飼育って結構難しそうだなぁ~」と感じちゃうかもしれませんが、環境が整っていれば彼らは驚くほど頑強です。誤解を恐れずに書いちゃえば「頼むからもう死んでくれっ!」と願ったってそう簡単にはくたばりません(笑)。 今回は、イエローストライプシクリッドを例にとってアフリカンレイクシクリッドの繁殖の記事は作るつもりなので、この後3ヶ月もすれば皆さんに繁殖記事を紹介できるでしょう。成魚は良くぞここまでって言うくらい粗暴な魚ですが、親の口から出てきたばかりの稚魚はほんとに可愛いです。また、生後1ヶ月くらいの稚魚が仲良く群れているところなんぞ実際に見てしまったら、後先考えずにこいつらが欲しくなる事請け合いです。 ところで、イエローストライプ・シクリッドやゴールデンゼブラ・シクリッドなどマラウィ湖の岩礁地帯に棲息するシクリッドを呼称して「ムブナ」って言うんですけど御存知でした?「ムブナ=現地語で岩場の魚」なんですが、かつてはムブナって呼び名もよく耳にしましたが、最近では絶滅してしまったかのようにその呼び名を聞きません。逆に、ムブナって知ってる方は「立派な中年アクアリスト」の域に達しているのでは??(笑)。年齢詐称したい方は、ショップでムブナって言葉聞いても知らん顔しないとね。
2006/01/23
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突然ですが、kenkou3200さんからパッキングの仕方についてSOSがありました。最初は文書で説明していたのですが、説明している本人が読み返してもまったくわからないという代物でどうにもならんので、ブログ上で画像で説明する事にいたしました。 まず袋は、幅10cm以上で高さは出来るだけ高いものを探してください。また、袋の厚さも重要でここでは厚さ0.08mmの特厚のものを使っています。 袋の中に飼育水を入れ、魚を移します。この時、水は出来るだけ少なくした方が重量などの面から取り扱いが楽になります。ただ、冬場などは水量を多くすればそれだけ温度変化を抑える事が出来ます。この季節で、しかもパッキングする魚がベタであれば、写真のように魚の体高よりやや多いくらいの水量で十分です。そして、袋の中に出来るだけ空気が残るように袋の口をすばやく閉め、ぐるぐるとねじりながら棒状に仕上げます。 棒状になった袋の口に上の写真のように輪ゴムを廻し、一方の穴にもう一方の輪ゴムを通すようにして引っ張ると、輪ゴムがキュッと締まってビニール袋の口をふさいだ状態にしてくれます・・・よね?(笑)ここで、かなりきつく絞めないと、袋から空気や水が漏れる原因となりますから一番の勝負どころですね。 次に、輪ゴムをぐるぐると棒状になったビニール袋の口周辺に巻きつけましょう。この段階で、袋の中に空気が十分でないようであれば失敗です。うまく行った時は、袋を外側から押しても空気が外に逃げないようになっているはずです。 巻き付けている輪ゴムが短くなったら、ビニール袋の口をぐるぐる巻きにした輪ゴムの上辺りで折り返して、輪ゴムの先端部分を引っ掛けるようにして止めれば終了!慣れるとすごく簡単なんですけど、最初は結構苦戦するかも(笑)。最初のうち何回かは、中に魚を入れないで練習してみるのがいいかもしれませんね。 それと、ビニール袋を自分で持ち運ぶならこのままでもいいですが、郵送などの手段を使う場合は、いくつかのビニール袋をまとめて更に大きなビニール袋の中に同じような手順で入れておくと、水漏れなどのトラブルを避けることが出来ます。 以上、深夜のお魚パッキング講座でしたぁ~♪kenkou3200さん、これでわかりますでしょうか??
2005/09/16
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今日のアップはクリスタルレッドテトラ(Hyphessobrycon haraldschulzi)と言う、アマゾン河に棲息する体長3cmほどの小型のテトラです。この安直なネーミングは、超人気商品「クリスタルレッドシュリンプ」から頂戴したものだと思われますがこのような2番煎じ的なネーミングの魚は大概、名前負けしてマイナーな存在のまま終わることが多いようです。 クリスタルレッドテトラは、ショップで常時見かけるようなポピュラーな種類ではありませんが、今のところほぼ100%採集個体だと思われ、販売価格も高めに設定してあります。飼育自体は容易で、水質にもうるさくありませんし餌もフレークフードでOKです。他の魚との協調性も良いので、水草水槽のタンクメイトとしては結構お奨めの存在です。 ただ、この魚を購入する際に注意したいのはショップの販売水槽で見た鮮やかなピュアレッドの体色が自宅で再現できるとは限らない点でしょう。これは、この魚が環境の変化に敏感でなかなかベストの体色を見せてくれないわけではありません。原因は、ショップサイドにあります。この魚は販売価格もそれなりですし、常時見かける魚でもないため取り扱っているショップもそれなりに気を使うようです。ただ、水質に気を使うならばまだしも蛍光管に気を使っちゃイカンだろ~(笑)。大概のショップでは、この魚の販売水槽の蛍光灯には赤をいつも以上に鮮やかに見せる蛍光管を使用しています。つまり、ショップで見かけたこの魚のいやに鮮やかなピュアレッドは、蛍光管の波長に依る所が大という訳です。 そんなわけで、さかなおやじの温室の様に蛍光管に安価なパルック辺りを使っている飼育者の下では、クリスタルレッドな輝きはほぼ期待できないという訳です。もちろん、私だって自宅の蛍光管をもっと良い物(せめて、ニッソーのPG-3あたり)にしたいのですが、何しろ蛍光管だけで優に100本を超えるのと、「さかなおやじ温室法令」により毎年1回は蛍光管をすべて新調するという事になってますから、蛍光管1本辺りの価格は結構深刻な問題です(苦笑)。 ところで、皆さんはこの魚見てレッドファントムじゃないの?って思いませんでした?この2種は一緒に泳いでいるところを見れば間違いなく区別できますが、別々に見せられた時結構悩ましい存在だと思います。特にレッドファントムのメスとの区別は結構大変かも。ちなみに、上の画像はレッドファントムテトラです。この2種の一番確実な判別方法は、胸の辺りに存在するブラックスポットの大小によるものではないでしょうか?クリスタルレッドのそれは小さく、レッドファントムではかなり大きめですから。私も、1尾だけを見せられて、どちらのテトラ?って尋ねられたら胸のブラックスポット以外では確実に判別する自信はチョットありません。
2005/12/15
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今日からしばらくの間、バンコク出張の時の話をアップしていこうと思ってます。バンコク出張の一応の大義名分である、犬猫フードの製造工場の視察兼商談をわずか半日で切り上げたさかなおやじは、早速バンコク市内の市場にあるベタショップへ向かいました(ってこれで本当にいいのか?)。以前にも何度か訪れた事のある結構有名な(少なくとも地元では・・・)ショップに足を踏み入れて驚いてしまいました。以前はほとんどが、ヒレのそれほど広がらないいわゆる「トラッドベタ」とあくまでも闘魚目的の「プラガット」主体だった店内の魚は半分が「ショーベタ」残り半分が、あくまでも観賞用に改良された「カラープラガット」だったのです。バンコク訪問前から「今タイではショーベタが熱い!」と聞かされていたのですが、これほどとは・・・。下の写真がショップ店内の一角ですが、こちらの壁一面はすべてショーベタで埋め尽くされていました。客は、水槽の間のブルーの仕切り板をはずして隣のベタとフレアリングをさせて、それを眺めながらお気に入りの魚をチョイスすると言う仕組みです。 ショップの女主人は満面の笑みを浮かべながら近づいて来ると「○×▼♪??!!・・・」とタイ語(たぶん)で話しかけてきます。自慢ではないが、このさかなおやじ外国で日本人と見破られた事は一度もありません!(ってほんとに自慢にならんな・・・)もちろん日本語なんて通じないし、仕方なく英語で返事をすると女主人はびっくりしたような顔をしながら「OH!アイムソーリー」と片言の英語で話を始めました。どこから来たのかと言う彼女の質問に対し「フロム ジャパン」と答えると彼女はあいまいな笑みを浮かべていましたが、内心では「嘘つけ、このおやじ。お前のどこが日本人なんだよ・・・」とか考えていた事は明白でした。 まだ大学生だった若かりし頃初めて東南アジアに旅行した際、屋外の屋台で夕食を食べていると、いかにも現地の人と言ったなりのお婆さんがテーブルを順番に回りながら、手にした白檀の扇子を売り歩いているのを横目で見ながら「ああ、次は俺のテーブルに来るな」と密かに断り文句を頭の中で考えていると、そのお婆さんは、なんと私のテーブルを素通りして次のテーブルに言ってしまったではありませんか。もともと、扇子なんて買う気がなかったものの、こうまで無視されるとちょっとプライドが・・・・。と言うわけで、わざわざこちらから「おい、お婆さん、なんで私のところには売りに来ないのかね?」とやさしく問いかけると、お婆さんはひどく投げやりな態度で「あんた、何人?」と聞いてきました。まだ若かったさかなおやじは多少の誇りを持って「もちろん日本人さ!」と答えると、お婆さんはひどく馬鹿にしたような顔つきでなにやら現地の言葉で私に何事か言いました。同行した現地人の通訳によれば「嘘をついちゃぁいけないよ。アンタが日本人なんかじゃない事は私にはよく判っているんだよ」と言ったそうですが。おそらく本当はもっとひどい事を口にしたに違いありません。「くそぉ~、あの白檀婆め」今思い出してもはらわた煮えくり返ってしまうさかなおやじでした。 話が大きく脇にそれてしまいましたが、それ以来一度も日本人と信じてもらえないさかなおやじは、ショップの女主人のそのような態度にも少しも気づかないそぶりで(う~ん、大人の対応だぁ)、「このベタいくら?」とショーベタを指差して尋ねました。「1000バーツだよ(日本円で約3000円)」とこの女、えらく吹っかけてきましたが、そこは見も心も日本人離れしてしまっているさかなおやじの事、「じゃあ、この棚の魚全部買うから1匹あたり100バーツ(約300円)にして」と強力な右フックを女主人の商売心にかましました。その後、言葉の上での激しいジャブの応酬の結果、互いに納得できる価格に落ち着いた事は言うまでもありません。ってさも商談馴れしてるかのように書いてますが、これからプラガットも手に入れなければいけないのに、ショーベタだけで50ペア以上買ってしまってこの先どうするつもりだぁ~! 「毎度ありがとうございます~♪明日もまた来てねっ!」ともみ手をせんばかりに満面の笑みを湛えた女主人に送られて店を出たさかなおやじは、両手一杯に50ペアのショーベタの詰まったビニール袋をぶら下げて、気温40度近いバンコクの夕闇の中によたよたと消えていくのであった・・・。 その時ショップで購入したショーベタが前回アップした個体や今回のブラック&ブルー マーブルやブラックです。どちらもハーフムーンと呼ぶにはやや尾鰭の開きが弱い感がありますが、立派なスーパーデルタである事は間違いありません。特にブラックの個体はもうすでにやや盛りを過ぎてしまったものの、数ヶ月前であれば、日本のベタコンテストでも十分上位に食い込めたであろう事は確実でしょう。 とまぁ、こんな調子でバンコクベタ放浪記は続いていくのでした。初日にしてすでにショーベタ50ペア以上をゲットしてしまった、計画性のまったくないさかなおやじは、この後一体どの様にしてプラガットをゲットし、また莫大な量になると思われるベタたちを日本に持ち帰るのでしょうか、次回を乞う御期待!!
2005/06/22
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今日もまたまた懲りずにレインボーネタです(苦笑)。今日紹介するのは、ハーフオレンジレインボー(Melanotaenia boesemani)です。パプアニューギニアに棲息するこのレインボーはメラノタエニア属のレインボーとしてはネオンドワーフレインボーと並び、人気魚種と言えるでしょう。逆にこれでダメなら、レインボーが我が国で普及する可能性は皆無かもしれないほどの「最後の切り札」的存在です(笑) 市販されている時はまだまだ若魚であるため、あまりパッとしませんが成熟すると冒頭の写真のようにかなりインパクトの強い魚になります。体の後半部分が名前の通りオレンジ色に染まるのはともかくとして、体の前半部分が青とも紫とも形容できない実に凄みのあるカラーに染まります。まぁ、これだけドハデだと好き嫌いがはっきり分かれるとは思いますが、個人的には決して嫌いなカラーリングではありません。 えっ、ハーフオレンジレインボーのサイズですか?あのあのっ、大体6~8cm位です・・・。と、問題はここにありました(笑)。やはり、このレインボーもサイズが中途半端なんですよね~。泳ぎ回るタイプの魚なので、小型水槽には不向きです。60cm水槽ならば飼育は可能ですが、なんだか存在感がありすぎて・・・。ノーマルの60cm水槽で10~15尾くらいは楽に収容できますが、これだとかなり雑然とした眺めになってしまいます。 「レインボー不人気の謎」の2つ目は、サイズが日本向けではない(苦笑)と言うところにあるのだろうと思います。以前、ドイツのとある水族館で見たレインボーフィッシュ水槽は3mを軽くオーバーするほどの巨大水槽で、その中を群れで泳ぎまわるレインボー達はそれはすばらしい眺めだったのを覚えています。つまり「ウサギ小屋」に生活する我々日本人には、大型水槽向けのレインボーフィッシュは高嶺の花?ッて事なんでしょうか?? そう考えると、なんだかだんだんムカついてきます(笑)。以前、外資系の会社に勤務していた時、本社(ヨーロッパでした)のスタッフに我が家の家賃(当時は賃貸マンションでした)を尋ねられて金額を答えると、「オマエは大金持ちなのか?」と反対に尋ねられてしまった事があります。100平米前後の賃貸マンションに毎月20万円弱払っていると知ると、彼らは一様に「フンッ!」と小ばかにしたような反応を示すのが常でした。ちくしょうっ!そりゃヨーロッパの片田舎ならば豪邸に住めるほどの家賃なんでしょう。どーせ、日本人はウサギ小屋に馬鹿高い家賃払ってますよっ!! なんだか卑屈になってきましたが(笑)、レインボーフィッシュに話を戻すと「体型が悪くて、サイズが中途半端」と来てはやっぱり我が国での人気獲得は夢のまた夢なのでしょう。今回3回にわたってレインボーフィッシュを扱ってきましたが、誰一人として「レインボー大好きっ!」と言う人が出現しなかった事は少々驚きました。・・・が、まぁこんなもんでしょう。
2005/12/08
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学名:Nothobranchius korthausae通称:ノソブランキウス・コウサウサエ(N.コーソザイ)体長:4.0cm分布:タンザニア飼育:★★(普通)繁殖:★★(普通) 今日紹介するのはノソブランキウス・コウサウサエ。一般にはN.コーソザイと呼ばれる事のほうが多いようです。どうでもいいと常々言ってるくせに呼び名にケチつけますが(笑)、本来はKorthaus女史と言う研究者にちなんだ名前。そこから考えると、昨日のギュンテリー同様コートハウサエって読むべきかも。そうそう、これまたどうでもいい知識ですが、学名の終わりがiで終わっていたら男性の人名、aeで終わっていたら女性の名前にちなんだ学名である事が多いのです。アンジェリカス・ボティア Botia kubotai=久保田さんのボティアレッドテトラ Hyphessobrycon amandae=アマンダさんのヒフェソブリコンと言う具合ですな。 さて、N.コウサウサエは赤系の色彩の魚が多いノソブランキウス属にあっては珍しく黄色系の体色です。よく、「体色は地味だが丈夫」とか紹介されちゃう可哀想な奴ですが、ノソの仲間だから地味とか言われるんで、観賞魚としては十分華やかな部類に入ると思います。特に、タイガースファン黙ってこの魚飼わなきゃいかんでしょう!(笑)。飼育に関しては、昨日のN.ギュンテリーに負けず劣らず丈夫で飼育しやすい種類です。繁殖も容易で、卵の休眠期間もノソブランキウスの中では一二を争う短さです。特に、高温下で卵を管理していれば1ヶ月程度で孵化に至ります。 そして、このノソにもやっぱり色彩変異がいます。有名な所では、全身がブラウンレッドに染まるN.コウサウサエ・レッドがいます。ただ、ノソブランキウス属に於いては赤系の体色は珍しくもなんとも無いので、個人的にはコウサウサエはやはりイエロータイプに限ると思ってます。他にも、マフィア島固有の色彩変異などが存在しますが、基本的には皆イエロー系の体色です。熱烈なドラゴンズフリークの私としては、チョット躊躇するものもあるのですが(苦笑)、ノソブランキウス属のコレクションやるとそこらじゅうの水槽にチョロチョロ赤系の小魚がうごめく様になるので、そんな時気分転換意もってこいですね。 ところで、今思ったんですがコウサウサエのイエロータイプとレッドタイプを交配するとどんな色彩になるんでしょうね?以前も述べたように、異なる地域変異をむやみやたらに交配するのは決して褒められた行為ではないのですが、もしかしてこの組み合わせは結構いけるかも(笑)。今度バンコク行ったらコウサウサエ・レッド買ってこなくちゃ! そして、本日のベタ紹介に・・・ 今回バンコクで目に付いたカラーバリエーションに、このメタリックスカイブルーとレモンイエローのマルチカラーがいました。ショーベタにもプラカットにもこのカラーバリエーションがいましたから、一種の流行なんでしょうか?夏の暑苦しいシーズンになんともいえない清涼感を与えてくれる美しい魚だと思います。 そうそう、それと私がボランティア店長を勤めさせていただいておりますおさかな逸品堂ですが、おかげさまを持ちまして結構盛況です(笑)。今日、税理士さんと話をしていたら「このまま行けば、おさかな逸品堂は黒字になるかも」とか言われてしまいました。でも、プラカット専門店を謳いながら、その実ノソブランキウスの売れ行きのほうがはるかに好調です。・・・って、このブログで取り上げてみんなの物欲煽ってるんだから当然か(笑)。 一体何と言う事でしょう。皆さんの財布は軽くなり、ボランティア店長は心身ともに疲れ気味、そんな中オーナーの某女史だけが高笑いしている姿が脳裏に浮かんできそうです(苦笑)。あの~、奥様??私めにも夏のボーナスちょっとだけいただけませんでしょうか?って恐る恐る尋ねてみたら・・・「ボーナスは無いけど、どこか海外に仕入れに行く金なら出す!」とのたまっておられました。あんたはエライッ!!
2006/08/03
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学名:Nothobranchius fuscotaeniatus (Seegers,1977)通称:ノソブランキウス・フスコタエニアタス分布:タンザニア体長:3.0cm飼育:★★★(少し難しい)繁殖:★★★(少し難しい) さて、今日登場するのはN.フスコタエニアタスと言うノソです。数あるノソの中でも、体色に赤~黄色系の色彩がまったくない唯一の種といわれています。・・・あっ、改良品種は除外してますからね(笑)。一見すると、南米大陸に棲息する卵目のキノレビアス属みたいなイメージがあります。アルゼンチンパールフィッシュとして知られるCynolebias属の仲間は、現在では分類が進みAustrolebias属だのSimpsonichthys属だの再分化されちゃってます。・・・本題には全然関係ない話題ですが。分類マニアからの厳しい突っ込みを避ける為に一言(苦笑)。 一応、その採集地の違いからTAN97/9と言う系統とTAN97/57と言う2つの系統がいる事になってます。前者は全体的にモノトーン調の色彩で、国内に流通しているのはこちらの方のようです。また、後者はメタリックブルーの輝きが強く私の保有している個体群はどうもこっちの気もします。もっとも、人によってはこのような2つの地域変異なんて元から存在しないと言う方もいらっしゃるようで、その辺は私には良く判りませんし首を突っ込みたくもないので今回紹介した個体は単なるN.フスコタエニアタスという事にしといてください(笑) 話を戻して・・・、N.フスコタエニアタスは比較的最近になってアクアホビー界に導入されたノソですが、そのノソらしからぬ外見が受けたのかマニアの間では結構評価が高いようです。実際、美しいメタリックブルーの色調は、赤から黄色のノソを見慣れていると、とても新鮮に感じます。ところで、このノソの飼育難易度が「★★★=少し難しい」になっていますがその理由はこの魚が結構臆病な所にあります。大体のノソは、人怖じせずにいつも餌をねだって水槽の前面に出てくるものなんですが、コイツは人が水槽の前に立つとサッと物陰に隠れます。性格が暗いかどうかは定かではありませんが(笑)、この性質のため一応飼育難易度を★★★と言う評価にしておきました。 もっとも、飼育水や餌に関しては他のノソと同様で構わないので、そんなに飼育が難しいわけではありません。それと、この魚の生息している場所の水質は弱酸性の軟水と報告されているようで、実際欧米のマニアの中にはこのノソに限り、飼育水の中に粗塩を入れる必要はないと言う方もいるようです。 色々な点で他のノソとは相違点が見つかるN.フスコタエニアタスですがメスの外見も変わっています。他のノソではメスの外見は単なる肌色(笑)である事はすでに紹介しましたが。N.フスコタエニアタスのメスはボディにはうっすらとメタリックブルーの輝きが載り、しかもボディ後半にはオスのように暗褐色の横縞(上下のストライプ)も存在するのです。したがって、この魚のメスを他のノソのメスと見間違う心配はまったくありません。 産卵方法はさすがに他のノソとまったく同様です。しかし、この間拝見したHPにはこの魚の休眠卵の周りには毛が生えていると言う記事が載っていました。しかも写真つきで!それはビッグニュースだと言う事で、早速我家のN.タエニアタスの休眠卵を観察しました・・・観察しましたが~。判りませんでした(苦笑)。と言うより、私の目では見えなかったんです。かつては視力検査で視力2.5の文字や記号が楽々判別でき、うっかり「見えます」とか言って検査が長引くのがうっとうしくて視力2.0を長年にわたってキープしてきたこの私が!大学院の研究室で顕微鏡覗きながら、ミジンコの体内にブズブスガラス針ブッ刺していたこの私がぁ~!老眼ですかぁ??(涙)。あまり卵の観察を続けていると気が滅入りそうだったのでこの件に関しては未確認のままで良いと言う事にしましたから、御了承ください(笑) ただ、以上の様に様々な点で他のノソブランキウス属との相違点が見つかるため、研究者の中にはN.フスコタエニアタスを別の属に移すべきと考えている人もいるようです。個人的には、その考えにちょっぴり賛成かな?以上、ここまで9回に分けてノソブランキウス属の解説をしてきましたがいかがでしたでしょうか?結構面白そうなグループでしょ?本当は、今回紹介しなかった中にも。N.フォーシャィ、N.パームクイスティ、N.メラノスピラリスなど飼い易くて美しい種類はまだまだ沢山います。これらは、また機会があれば第2弾としてご紹介するとして、一度ノソブランキウス属の紹介は終了です。 皆さんぜひとも、保温が必要ないこの次期にノソブランキウスの飼育・繁殖にチャレンジしてみてくださいね。と言うのも、冬には南米大陸に棲息するもう一つのインスタントメダカのグループ、キノレビアス属をご紹介しますから。こちらは、赤~黄色の色彩が主だったノソとは正反対で、ブルーやグリーンの色調がメインで、それはまた素晴しく美しい魚達なんです。しかも、室内であれば保温なしでも冬を乗り切れる種もいる程低水温に強い魚達で、冬場のアクアホビーに最適です!その時までに、ノソを使って、基本的な飼育・繁殖テクニックを磨いておかなくっちゃ!(笑) そうそう!それとプラカットだけじゃなくノソブランキウスもおさかな逸品堂をよろしくね!ッてことで(笑)9月早々にも新たな魚を仕入れに旅立つ予定です。何か御希望の魚がいたら、お気軽におっしゃってくださいね。ノソブランキウスだって、ブリーダーの所に行くと20種くらいはキープしてるし。ベタや卵目以外でも他のショップで当たりまえに売られているような種類はパスですが、ほとんど販売ルートに乗らないような変な魚なら大歓迎です!でも、違法な魚はダメですよ(笑)
2006/08/19
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今日のアップはチェッカーバルブ(Puntius oliglepis)です。本当はスリーラインペンシルの寝巻き姿?のはずだったのですが昨晩撮影し忘れました(笑)チェッカーバルブは、体長3cm前後と小型のコイ科魚類で原産地はスマトラ島です。サイズ・体形共に似ているチェリーバルブと共に、ポピュラーな小型バルブとして親しまれてきました。名称は、うろこの縁取りが黒くくっきりとしているため遠めに市松模様に見えるからというのですが、チェック柄かぁ~?これって?? 先日の事。友人の一人と話しをしている時、彼が「最近、チェッカーバルブって姿を見なくなってきたなぁ」とポツリと言いました。それまで、あまり気にしたことはなかったのですが、彼に言われてからちょっと注意してショップの水槽を探してみると・・・。確かに、ショップの店先からチェッカーバルブの姿は消えつつあるような気がするではありませんか!相棒?のチェリーバルブの方は相変わらずの人気ぶりで、中にはアルビノまで扱っているショップもあるのに、チェッカーの方ときたら・・・ 結構好きな魚の一つなので結構ショックでしたが、確かに見た目地味だから人気の凋落も仕方ないのでしょうかね~?照明を押さえ気味にした、クリプトの繁茂する水槽の中を泳がせると結構味わい出るんだけどなぁ。販売されている個体のほぼ100%が養殖個体のはずなので、やはりブリーダーも販売しやすい、見た目が派手な魚の生産をしたがると言う事なんでしょう。 チェッカーバルブは温和で丈夫、しかも小型と飼育に際しての問題点はほとんどありません。餌も人工餌を好んで食べてくれますし・・・。後は、色彩豊かだったらね~。 それと、チェッカーバルブは繁殖もすごく簡単なので熱帯魚の繁殖入門魚としても最適です。上の写真がオスで、体色が濃く各ヒレがオレンジ色に染まるのが特徴です。対して、メスのほうは体色が淡く各ヒレは透明なのでオスメスの区別は容易です。ちなみに、下がメスの個体です。繁殖方法は、以前アカヒレで紹介した方法とまったく同様です。サイズから考えても、30cm水槽やプラケースを利用しても十分繁殖にチャレンジできるので、保温がいらない今の時期チェッカーバルブの繁殖を手がけて見てはいかが? 最近でこそ少し姿を見かけなくなったものの、養殖も盛んで流通量も多いチェッカーバルブなのですが、現地で野生のチェッカーバルブを見たという知人は今のところいません。私も、何回もスマトラ島のジャングルに遊びに行ってますが(行くなって・・・)この魚を見かけたことはありません。仲間内では「ワイルド個体は、各ヒレとか濃いオレンジに染まっちゃって結構凄いんじゃないか」と期待されているのですがね。同じような事は、あのポピュラー種スマトラにも言えます。 わざわざ輸入してもあまり売れないから入れないだけなんでしょうが、もしワイルドチェッカーバルブ入荷したら即ゲットに走っちゃいますね(笑)どこか、暇と余剰金の有り余っている好奇心旺盛な問屋さんっ!間違えてでもいいから輸入してくださいっ!!
2005/09/04
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海外出張から続く労働基準法違反(笑)の無謀な仕事は依然として続いています。サラリーマン時代と違って土日もありませんからね~。ちなみに今は、ショークラウンテールの撮影と登録作業で昨日から睡眠なしで頑張ってます。おかげで目がシバシバしちゃって、やたらと涙が出てしまいます。 ところで、数日前に皆さんに帰国報告した際に使った画像の個体、プラカットのトリカラー・マーブルなんですけどいい個体でしょう?頭部のホワイトは通常のマーブルのようにベタの色素細胞の下層に位置するのではなく、おそらくは最上層に位置するのでしょう。透明感は無い代わりに見事にベッタリ上に被さっていると言う感じで本当に見ごたえのある個体だと思います。個人的には今回仕入れてきたトリカラー・マーブルの中では一番気に入っている個体です。 当然、逸品堂のお客様から「あの個体は販売していないのか?」って言うお問い合わせやお怒り(苦笑)のメールをいただいたのですが、あの個体は販売しておりません。と言っても別に好みの個体だから売り惜しみしているんじゃありませんからね。実は、この個体は尾鰭に針で刺したような小さな穴が開いています。このピンホールって奴が実は結構深刻なダメージなんですよね~。普通ベタの鰭は再生能力旺盛なので、ヒレ先が裂けちゃってもそのうちちゃんと再生してくれることが多いものです。しかも、その個体が若魚ならばなおさらのこと。もっとも、再生したヒレは元のヒレとは色が違う事もあり完璧に再生とまではいかない場合もありますけど。 ところが、なぜかピンホールに関しては再生しないことが多いんです。理由はよく判らないのですが、ほんの小さな穴なのにずっとそのままっていうケースがほとんどです。だから、ピンホールのある個体は販売する訳にいきません。でも、一番のお気に入りの個体であると同時に、仕入れ価格も一番高額だったんですけど・・・(涙)。
2008/05/18
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今日のアップ第一弾はベタのメスについてです。皆さんはどうやってベタの雌雄を区別しているのでしょうか?よく書籍などではヒレの長いのがオスでヒレの短いのがメスとあっさり終わらせてますが、実際にはそれほど簡単ではありません。この判別法ではプラガットと呼ばれるヒレの伸びないタイプのベタのオスをはじく事が出来ません。また、体色もベタは比較的雌雄差が少ない魚なので判別方法としては使えません。 さかなおやじはいつも以下の3点に着目してベタの雌雄を判別します。◆尾ビレ、尻ビレが大きくそして長く伸長しない事。 これで、プラガット以外の雌雄をほぼ判別する事が出来ます。◆背ビレの幅が狭く、長く伸長しない事。 特に背ビレが人間の親指を折り曲げたような形状の場合、確実にメスです。◆鏡を見せた時、たとえフレアリングしてもエラ蓋を広げない事。 エラ蓋を広げて相手を威嚇するのはほぼ100%オスと思って間違いないでしょう。 ちなみに、一番上の写真のダークイエローの個体は上記の3点すべてにメスの特徴を示しています。上記3点に着目するだけで、かなりの確率でベタの雌雄を判別する事が可能だと思います。 さらに、繁殖期が近づくとメスは輸卵管が白く突出したり、下の写真のレモンイエローの個体のように卵が白く透けて見える事などからより容易に雌雄の判別が可能となります。 一番困るのが下の写真のような個体です。このマルチカラーの魚は一度繁殖に使った事があり確実にメスなのですが、最近とみにオス化が進んでいます。鏡を見せるとフレアリングまでするようになったので、おそらくもう繁殖には使えないでしょう。それでも、エラ蓋を広げて相手(鏡に映った自分自身)を威嚇する行為はしないため、上記3点の判別方法はここでも有効です。 さらに事態を混乱させるのがメス化したオス、いわゆる「根性なしのオス」の存在です。こいつらは、他のオスの攻撃を避ける為なのか、各ヒレもあまり伸長せずメスとの区別が結構困難です。ところで、「オス化したメス」と「根性なしのオス」を同一水槽に入れるとどちらが勝つのでしょうね?まぁ、和田アキ子vsカバちゃんみたいなものなので、結果は考えるまでもないと思われますが・・・(苦笑)
2005/06/22
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今日のアップはレインボーテトラ(Nematobrycon lacortesi)です。南米のコロンビアに棲息する体長4cm位のテトラで、以前紹介したエンペラーテトラに近い種類です。 この魚、とにかく体色がカラフルでにぎやか!気品ある体色のエンペラーテトラと比較すると、ちょっとお下品にも感じてしまうほどです(笑)体表のメタリックグリーンの模様がワラワラしているのは鱗が剥がれてしまったからではなく、こう言う模様なんです。写真の魚は養殖個体なのですが、ワイルド個体となるとその派手な事は比べ物にならないほど!全身に、ちょっと毒々しい感じさえするピュアレッドが加わって来ます。 飼育に関しては、中級レベルと言ったところでしょうか?水質に関してはとにかく清浄な水を好みます。フィルターの能力不足や水換えをサボるなどで飼育水が汚れてくると、見事に?エロモナス症に罹ります。この病気に罹ると、全身の鱗が立ってきたり(松笠病)、眼球が飛び出てきたり(ポップアイ)と、とにかくロクな事になりません。しかも、一度発病してしまうとほとんど治癒は望めません。よほど早期発見しないと市販の治療薬も期待薄です。 餌に関しては、人工餌でも食べてくれるので苦労しません。水質と並んでこの魚が厄介な点は協調性の悪さにあります。レインボーテトラはかなり縄張り意識が強いのです。しかも、この気の強さは同種だけでなく他の魚にも発揮される事が多いので困ります。美しく繁茂したエキノドラス水槽の住人としてはすごくマッチする魚なんですけどね~。これで、性格さえ良ければ・・・。もっとも、縄張り意識を持つと言う事はそれだけ調子が良いという事でもあるので、レインボーテトラがおとなしくしている時の方が心配です。ただ、相手の魚を突き殺すほどの激しい争いはしないので、弱い個体が少々ボロボロなってもOK!と言うのであれば、なかなかお奨めの美麗魚です。 レインボーテトラのオスメスの区別は実に簡単で、眼の周りが赤く染まるのがオス、グリーンなのがメスです。また、オスの尾ビレがフォーク状に3叉になるのに対してメスは普通の形状である事からも区別可能です。たまに、ショップなどで「レインボーテトラ、赤眼タイプ入荷!」とか書いてあるのを見かける事がありますが、これは地域変異とかではなく単なるオスです(笑) レインボーテトラをゲットする際に悩ましいのが、色彩艶やかなワイルド個体をチョイスするか、それともやや色彩的には劣るが飼育の容易な養殖個体にするかと言う問題でしょう。どう言う訳か、野生採集個体よりも養殖個体の方が、水質の悪化などに対する適応力があるようで、飼育に失敗する危険性は確実に減ります。色彩的にやや劣ると言っても、トップの画像レベルまでは確実に行きますので、これで丈夫な養殖魚の方も捨てがたいですね~。 私の個人的な意見としては、エロモナスに罹ってバタバタと無残に☆になる野生採集個体よりも、丈夫な養殖個体の方がお奨めです。それに、野生採集個体の色彩があまりにもケバイので(苦笑)、養殖個体の色彩の方が実は好みだったりもします(笑)。基本的には色彩鮮やかな野性採集個体を好む傾向が強いさかなおやじですが、やはりケースバイケースって言う事なんでしょうか。
2005/10/07
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