メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Sep 16, 2005
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 世界三大珍味のひとつに数えられる「キャビア」最近では値段が高騰してしまい、正直、ウチの店でも仕入れを少々手控えております。原因は水質汚染や乱獲でキャビアの親であるチョウザメが激減したことにあります。世界有数のキャビアの消費国でもあるアメリカにおいては、昨年、チョウザメの一種で最高級のキャビアの品種でもある「ベルーガ種」を絶滅のおそれのある種と認め、生産国に種の保護対策を求めたことも要因のひとつです。

 チョウザメの名の由来は、漢字で書くと、「蝶鮫」。どの辺りが「蝶」かと言うと、その鱗の形が蝶に似た形をしている所からで、鮫とありますが、鮫の仲間ではなく、また、鯉や鮒等ともかなり違った種類の淡水魚です。 
 チョウザメは、古代ローマ時代より『ロイヤルフィッシュ』、中国では『煌魚(エンペラー フィッシュ)』と呼ばれ、時の王や皇帝が自らに献上させたという歴史を持っています。
 その肉が王たちに重宝されたのは、性欲増進の媚薬とされた経緯があり、味わいは淡泊で、鮫のようなアンモニア臭は無く、また、淡水魚でありながら泥臭みが無い非常に上品な味わいであるといわれています。また、Vesiga(ヴェジガ)と呼ばれる脊髄は、ロシア皇帝用のパイ包み焼き料理「クーリビヤーク」にも使用されていた程の珍味であったとか。

 チョウザメという魚は、蜂や蟻の様に女王が存在する社会を形成し、産卵の際には何十頭もの雄が女王鮫を追い掛けて河を遡る風景が見られます。もち ろん、一番先頭を泳いでいる女王鮫を捕らえてそのお腹から“卵=キャビア”を 取り出すわけですが、一生懸命追いかけてきた女王鮫を奪われてしまった雄たちの気持ちはいかなるものか、、、男性として胸が痛みます。

 キャビアの世界2大産地といえばイランのカスピ海と、ロシアと中国の国境となっている黒龍江(アムール河)です。チョウザメには30種ほどの種類があるそうですが、キャビアが採られるのは主に3種類。一番高級なのが「ベルーガ種」その他に「セブルーガ種」と、「オシェトラ種」があります。

ベルーガ・キャビアは、明灰色から暗灰色を帯びており、表皮がきめこまかく、 大粒であるのが特色で、非常に珍重されている高級品で、明るい色のものほど高い値がつきます。
 オシェトラ・キャビアは、褐色を帯びた灰色から金色のものまであり、ナッツの風味をもつといわれるキャビア。レストランで見かけるものはこの種類のものが多いかも知れません。このうちインペリアル・キャビアとは、高齢のチョウザメから採れる大粒琥珀色のオシェトラ・キャビアで、その昔はイランの皇帝専用であったためこの名前が付きました。





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Last updated  Sep 17, 2005 03:15:31 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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