メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Jan 19, 2006
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「ウスター・ソース」
 ウスターソースの派生から、トンカツソース、お好み焼きソース、もんじゃ焼きソース、焼きそばソース、おたふくソース、、、え、そんなん大阪の人しか興味無いって?
と、様々なソースが日本において創られてきています。私の祖父母にあたるくらいの年齢の方からすれば、ソースといえばこのウスター・ソースのことがやはり念頭にあるようで、「フランス料理はソースが決め手」と聞くと、オードヴルから、魚料理、メインディッシュに至るまでが、このウスターソース味で仕上げられているような気になるそうです。

 さて、このウスターソースのウスターとはイギリスの「ウースター州」の地名から来ています。本来の名称は「リー・ペリンソース」リーさんと、ペリンさんが共同で立ち上げた会社の名前が「リーペリン」そこで作られたソースだそうです。フランス料理で使用することはあまり無いのですが、例えば冷製のオードブルのひとつ、「小海老のカクテル・ソース」というようなベーシックな料理のこの「カクテル・ソース」を作る際に加えられる材料とされる事があります。

 バルサミコはワインヴィネガーの一種です。ワインヴィネガーと書きましたが、ヴィネガー、フランス語でいうと「ヴィネーグル vinaigre」です。そもそもヴィネーグルがvin(ヴァン=ワイン)と aigre(エイグル=すっぱい)という意味から来ていますので、ヨーロッパではそもそも「酢」とはワインが酸敗したものであったのでしょう。

 さて、このバルサミコ、20年くらい前から日本のレストランで登場するようになったのでは無いでしょうか。一時は非常にブームにもなり、日本の「ヌ‐ベル・キュイジーヌ」の流行と共によく使用される事が多くなりました。
 バルサミコのソースは、日本人にとって新しい驚きであり、また郷愁を感じさせる馴染みの深さがありました。馴染みの深さとは、その香りで、日本の「醤油」と同じく「アミノ酸」が分解した時におきる芳しい香りを備えて居たからです。
 実際、バルサミコソースを少量加えて香り付けしたソースは、

と、お客様からよく声を掛けられたものです。
 最近ではさすがに「バルサミコ・ソース」の名前がポピュラーになったこともあって、ほとんどのお客様は「バルサミコ」の名称はご存知のようです。

 バルサミコの「バルサム」とは芳香成分バルサム質と語源を同じくします。子供の頃に工作で使用した大変軽い木材「バルサ材」このバルサの樹液の香りが「バルサム香」であるということです。
 バルサミコ酢はイタリア・モデナ州で採れるトレッビアノ種のワインを基に樽で発酵させ熟成させます。生まれでる「アミノ酸」の香りはこの樽で熟成させる際に、年ごとに
クリ→クワ→クリ→桜→アカシア
と、樽の素材を変えていくことにより複雑味が生まれ、長いものになると100年以上の熟成期間を持ちます。






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Last updated  Jan 20, 2006 02:17:06 PM コメントを書く
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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