メートル・ド・テル徒然草

PR

Profile

エルネスト1969

エルネスト1969

Calendar

Jan 28, 2006
XML

チーズの種類は日によって変わるのですが、6種類~10種類。チーズにはいくつかのタイプの違いがありますので、それぞれ風味の違う物を取り揃えます。

 写真で掲載しているのは、「サント・モール・ド・トゥーレーヌ (Saint-Maure de Toureine)」サイズは300g弱。

サント・モールに限らず、山羊のミルクから製造されるチーズはいくつかの特徴があります。

 形状はやや小振りな物が多く、円筒形、ピラミッド型、円盤形などユニークな形状が多々見られます。
第二に、切り口は白色で、牛乳のチーズのようなクリーム色ではありません。
そして、酸味が強く、ハ-ブのような(と、私はお店では表現しているのですが、正直にいうと古い壁土の臭いや、蒸れた畳の臭いに近い気がしています。)味と香りを備えています。

 サイズが小振りであるのは、牛と違い一度に多くの乳を得られないことが考えられます。また、牛は年中乳を出すのですが、山羊は春先にしか乳を出しません。そのため、秋から冬に掛けて製造される山羊のチーズ、シェーブル(Chevre)は冷蔵保存された乳を使用し、春先の「旬」のミルクを使って製造されるシェーブルは夏に出回る物です。

 色が白くなっているのは、山羊という動物そのものの特性によるものです。と言うのは、牛も山羊も羊も「草」を食べて育つのですが、食べた「草」には黄色い色素を持った成分「カロチン」(現代では「カロテン」と学校では教えるそうです。)が含まれます。この「カロテン」を牛は体内で分解できません。そのため、カロテンは乳などの分泌物に含まれて体外に排出されることになります。そのような体質の違いから、牛乳を固めたチーズは黄色くなり、カロテンを体内で分解、吸収してしまう山羊や羊のチーズは白いのです。


 また、味わいにヨーグルトのような酸味が強く感じられる山羊乳のチーズには、この「酸」に対し灰のもつ「アルカリ」性の成分が作用して中和を働きかけ、味わいをマイルドにするといった効果が見られます。

と、まあ、こんな風にお客様には説明することもあるのですが、、、

「へぇ~、そうなんですかぁ!?ところで本で読んだンですがぁ『やまひつじ』のチーズっていうのは、どれなんでしょうか?」

「は?、やまひつじ?やまひつじ、ヤマヒツジ、山羊…

       …お言葉ですが、それは、『やまひつじ』じゃなくて、『ヤギ』でございます!」






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Jan 29, 2006 02:37:36 AM コメント(4) | コメントを書く
[フランス料理食材探訪] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

Favorite Blog

過去の勉強会​から秋… New! 四方よし通信さん

DE10-1118 工9393レ… musigny0209さん

湘南フレンチ奮闘記 rannboさん
健康になるレストラン ローズシェフさん
Cool Style piyopiyoyoさん

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: