メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Jan 31, 2007
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ホーボー?

ホウボウ?

ほうぼう?

何だかわかりますか?


何のことは無い「魚」の名前です。漢字で書くと「魴鯡」

この「ホウボウ」なんですが、最近、私の勤め先のレストランでのメニューにもよく登場します。旬は冬、何でも雪の降っている時期に、脂がのって美味しくなるのだとか。

鳥羽の水族館に行くと、たくさん飼われているのをめにすることができます。一目で「ホウボウ」と分かるのはその大きなヒレが特徴だからです。ホウボウの胸ビレは非常に大きく、光を受けると虹色に反射します。水族館で泳ぐその姿を遠めに見ると、水の中で鮮やかな蝶が舞っているようです。

さて、このホウボウ、ちょっと変わった名前ですが、名前の由来はいくつか説があって、
頭が角ばっているから「方(形状)の頭」という意味で「方頭」が訛ったものだとか、釣り上げた時に鳴き声を発する、それが「ボゥーボゥー」と鳴くので「ホウボウ」になったのだとか。英語名はどうもこの鳴き声を発する生態が由来のようで、Gurnard(ガーナード:文句を言う人、の意)と名付けられています。ちなみにフランス語ではGrondin(グロンダン)多分、英語とよく似た意味だと思われます。

もうひとつ、ホウボウの名に由来するのが、その姿のもうひとつの特徴である、「脚」。脚といっても魚に脚はありませんが、ホウボウはエラの下辺りから三対のカニやエビの脚に似た触手を持っています。
この触手の先は、人間で言う「舌」つまり味覚を持った器官が付いていて、白砂の底をこの脚を使って探り、餌が見つかったところで大きな口でさらって飲み込むという習性があります。
海底の白砂の上を、餌を求めてあっちへ行ったり、こっちへ行ったり、、、ほうぼう歩き回る姿から「ホウボウ」になったとも言われています。

鯛と同じく赤い色をした魚なので、めでたい席の折にも使われ、赤ちゃんが生まれて生後100日目~120日目に行われる「お食い初め」の儀式にはこの「ホウボウ」を用いる習慣もあるのだとか。

フランス料理ではブイヤベースの材料のひとつとしても使用されます、また、旬のものならば、ポアレにして軽いバターソースやトマトソースとの相性もよさそうです。

…でも、それだけでは ただの 「美味しい料理」に過ぎません。腕のいいシェフが材料を吟味してこの魚を調理すれば、それは ただの 「とても美味しい魚料理」に変わりはしますが、それでも ただの 「とても美味しい魚料理」ともいえます。


ぶっちゃけて言えば、
「印象に残る美味しい料理」
「感動を与えるとても美味しい魚料理」
としてお客さまに提供するためには、先に述べたような「ホウボウ」にまつわる「言葉」が必要になるのです。

サービスマンが料理を美味しくする技術とは、、、


(続く、、、)

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Last updated  Feb 1, 2007 01:00:45 AM
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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