メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Jan 29, 2014
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KIWAMI

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 相対性理論の公式です。大変難解な相対性理論ではありますが、公式はいたってシンプル。正に「美しい」式であるともいえます。

 アインシュタインは特殊相対性理論発表において、式の美しさに大変なこだわりを見せたといわれています。
「自然界のものは美しく、また自然の中から見出されたものもまた美しくあらねばならない。」
との自身の哲学があったそうです。

 美味しい料理が、「美しいもの」であらねばならないというのは、アインシュタイン同様のこだわりでしょうか。バランス良く味を調えてこそ、美しい味は発揮できるというものです。

 ことフランス料理においては学問的に、美味しさを探求しようとします。フランス料理というよりも、それは連綿と続くヨーロッパの文化、つまりそれこそ紀元前に発祥のギリシャ哲学に端を発する、かような風潮であったのかも知れません。

 人間が感じる「味」は、現代では5つに分類され、・甘味・塩味・酸味・苦味、そして近年日本由来で味のひとつとして数えられるようになった・旨味です。

 料理を食するにあたって、人は例えば箸で掴んだ時の指先の感覚や、グラスを口元に持ってきたときの柔らかな薫りなども総合的に感じ取って楽しんでいるのですが、舌の上で捉えられる感覚だけに限っていうと、この5つの味をバランス良く整えられた食材が、美味しい料理として評価をされることになります。


 白ワインなら、甘味と酸味、シャンパンのプレステージには旨味が感じられます。赤ワインには「渋味」が感じられますが、渋味は味覚ではなく、体をつねったら痛いと感じる「刺激」なのですね。意外ですが。

 それぞれの味覚バランスを保ったものが美味しいと感じるはずです。これがロジックですが、最終的に「美味しい」か「美味しくない」かの基準は自分に内在されていて、「もう一口、口にしたいかどうか。」を判断の材料にしるというのが本当のところでしょうか。

 この生物学的にも検証された「五味」なのですが、私はもうひとつの味、「無味」というのも提唱しても良いのではないかと勝手に想像を巡らしています。

 無味、つまり真水を「無味無臭」というように、また自らの体液、つまり唾液を意識しながら食事をすることは普通ありえないですが、食事の味のバランスを大きく左右するものだと感じています。

 ワインの成分も7~8割がたは「水」です。100万円のロマネ・コンティのうち70~80万円は水にお金を払っていることになります。…とはならないでしょうが。
 ロマネ・コンティでは例として想像しがたいので、いきなり身近なもので、「カルピス」という飲料なら親しみやすいでしょう。

 カルピス、裏ラベルの作り方には「5倍にうすめてお召し上がり下さい」との記載があります。希釈濃度が20.0%の前後がバランスの取れるストライクゾーンですよ、という意味ですね。

 確かに薄くても濃くても、カルピスの成分は変わらない訳ですが、濃すぎても美味しくないし、薄すぎ場合には、ケチケチ作ったした自分を一瞬恨みたくなるときもあります。

 優れた料理人の方は、この針の穴に糸を通すような、1%のストライクゾーンを通すことに長けています。1%というと非常に些細かと想われるかもしれませんが、例えばコーラやジンジャーエールなどの清涼飲料水1ccを真水に溶かして飲んでみたら、結構知覚できます。清涼飲料水を飲み干したグラスに水を入れて飲んだら、「あ、このグラス洗ってないや。」と感じることができるでしょう。

 同様に、人は「美味しい」「美味しくない」という判断の要素に自分の経験や体の変化があることを意識していません。
 味の「うまい」「まずい」がここにあるため、主観的になるのは当然なのです。



 体が唾液を多く分泌する状態になるのは、目の前にした料理が既知のものであり、その味を過去に経験したことがあるからです。
 松茸の香りは、多くの日本人にとって、秋を感じさせる「おいしそう」な香りですが、北欧に生育する同じ種類のキノコは「靴下キノコ」と不名誉な呼ばれ方をされ、あまり良い香りとしては捉えられていないそうです。

 レストランにおいて、カウンターとは目の前のお客様に「最も合ったバランス」で料理を提供できる空間です。
 かのジョエル・ロビュションが日本の寿司店のカウンターを見て感銘を受けたのも、世界のトップになってもなお、食に対するあくなき探究心がもたらしたことは疑いようがありません。

つづく、、、












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Last updated  Jan 29, 2014 10:44:24 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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