健全な男女共同参画を考える!

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国立女性教育会館はジェンダーフリー 1

国立女性教育会館(ヌエック)はジェンダーフリーだ!

国立婦人教育会館 女性学・ジェンダー研究会(編著)に、
「女性学教育/学習ハンドブック―ジェンダーフリーな社会をめざして」(有斐閣) がある。
今は、ヌエックでは、ジェンダーフリーなる言葉を使っているか定かではないが、1999年の出版当時は書名にあるように「ジェンダーフリーな社会をめざして」いたのである。
著者は11名だが、出版当時、主任研究官の中野洋恵氏(現在は研究国際室長(主任研究員))の執筆したものを取り上げてみたい。

中野洋恵氏は
2、 多様な家族・ライフスタイルへ
   1)近代家族の特質
   3)多様な家族の可能性
   4)幼児期におけるジェンダー形成
について、執筆している。このうち、本日は、1)近代家族の特質 から抜粋する。


それでは、産業革命以降の近代社会に登場してくる「近代家族」とは、どんな特徴を持っているのだろうか。(第1は略す)
第2は、分化した私的領域の担い手として主婦が誕生した点である。「男は仕事、女は家庭」の性別役割分業が成立し、家族の担い手として経済力を持つ夫と、その夫に経済的に依存する妻というジェンダー関係が作られていく。そして家庭こそ女の居場所であるとされ、良妻賢母のイメージが強調されてきたのである。私たちが何気なく使っている「主婦」という言葉も近代化の中で作り出された歴史的産物なのである。
 そして、第3に子供を中心とした家族成員の情緒的関係の強調である。家族が私的領域として孤立化してくる中で情緒的関係が夫婦や親子に限定され、「夫婦は愛し合わなければならない」「子供は愛情を持って育てなければならない」といった規範が成立する。(中略)
 このように、父親が外で仕事をし、母親が家で家事・育児をし、しかも家族成員が愛情で結びつくという意識は近代化の中で成立したものであるということがわかる。考えてみれば農家や自営業では母親も働いているのは当たり前だし、ちょっと時代をさかのぼれば、お手伝いや乳母などがいたという例はいくらでもある。1949年に結婚した夫婦では3分の2が見合い結婚で恋愛結婚は2割に過ぎなかった。はたして家族が愛し合わなければならないといった規範があったかどうかは定かでない。(以上P80~81)

 欧米を中心とした先進諸国では近代家族は大きく変化しつつある。従来の家族には見られない多様な形態、たとえば法律的婚姻手続きを経ないカップル、子供を産まないカップル、同性愛者の同居などが現れてきた。(以上P83)


中野洋恵氏の記述は一見事実を客観的に述べているようにも見受けられるが、
「家族成員が愛情で結びつくという意識は近代化の中で成立したものであるということがわかる。」「1949年に結婚した夫婦では3分の2が見合い結婚で恋愛結婚は2割に過ぎなかった。はたして家族が愛し合わなければならないといった規範があったかどうかは定かでない。」などの記述をみると、中野氏は『家族の愛情は近代化の中で成立したものであるから今後変化していくこともあるし、変化していってもかまわない』と言いたいようである。ジェンダーフリーの人たち一般に見られる、家族を軽視する姿勢が如実である。


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