趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

April 20, 2008
XML
カテゴリ: 漢詩・漢文
贈湘南漁父 劉長卿
問君何所適、暮暮逢煙水。
獨與不繋舟、往來楚雲裏。
釣魚非一歳、終日只如此。
日落江清桂楫遲、纖鱗百尺深可窺。
沈鉤隨餌不在得、白首滄浪空自知。
【韻字】水・裏・此(上声、紙韻)。窺・知(平声、支韻)。
【訓読文】
湘南の漁父に贈る。 

独りあに舟を繋がず、楚雲の裏に往来す。
釣魚一歳にあらず、終日只だ此くのごとくなる。
日落ち江清らかにして桂楫遅く、繊鱗百尺深くして窺ふべけんや。
沈鉤餌に随ふも得るにはあらず、白首滄浪空しく自ら知る。
【注】
○湘南 湖南省洞庭湖に注ぐ湘水の南方。
○暮暮 毎夕。
○煙水 もやのたちこめた川。
○楚雲 楚(湖南・湖北省)の地方の空。
○桂楫 桂の木でつくった櫂。
○滄浪 青く澄んだ川。

湘南の漁父に与える詩。 
きょうはいずこで釣りせしや?またこの夕べ君とあう問ふ君何れの所にか適き、暮暮煙水に逢ふ。
舟を繋がず、楚の雲の下をあちこち行き来する。
釣魚つりはじめ長かろに、日がないちにちこのとおり。
日は落ちかかり水清く櫂の進みはいとおそく、川ふかければ一匹の魚の姿もみえぬなり。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  April 20, 2008 08:29:38 AM
コメント(1) | コメントを書く
[漢詩・漢文] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: