趣味の漢詩と日本文学

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April 27, 2008
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カテゴリ: 漢詩・漢文
明月灣尋賀九不遇二首 劉長卿
  其一
楚水日夜緑、傍江春草深(一作滋)。
青青遙滿目、萬里傷歸心(一作心歸)。
【韻字】深・心(平声、侵韻)。
【訓読文】
明月湾にて賀九を尋ねしも遇えず。
楚水日夜緑にして、江に傍ひて春草深し。
青青として遥かに目に満ち、万里帰心を傷ましむ。

○楚水 呉の地は戦国時代に楚に属したので、太湖および松江等の川を指す。
○明月湾 太湖の洞庭山下にあり。
○賀九 賀朝。越州の人。賀知章・万斉融・張若虚・■(「形」の「彡」をオオザトに換えた字。ケイ)巨・包融などと名を斉しくした。官は山陰の尉に至った。
【訳】
明月湾において賀九を訪問したが留守で会えなかったことを詠んだ詩。
楚水は日夜緑にて、川沿い春の草深し。
川の流れも川原の草も見渡す限り青青と、君に会えずに消沈し我が家へ帰るとぼとぼと。

  其二
故人川上復何之、明月灣南空所思。
故人不在明月在、誰見孤舟來去時。
【韻字】之・思・時(平声、支韻)。

故人川上復た何くにか之く、明月湾南空しく思ふ所。
故人在らずして明月在り、誰か見ん孤舟来去の時。
【訳】
川のほとりを我が友は家空けどこへいったやら、明月湾の南にて空しく君を思ふなり。
旧友家にあらずして明月のみぞ空にある、誰が見るやらわが舟の寂しく行き来するさまを。





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Last updated  April 27, 2008 08:51:10 PM
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